ゆびわの僕(旧裏ブログ)の最近のブログ記事

当初は終戦記念日(← この呼び方には若干抵抗がある KiKi ですが ^^;)をはさむ1か月は半藤さんの作品を中心に、かの大戦を偲ぶ読書をしてみようか??な~んていうことも考えていたのですが、ふとこのエントリーでお話した映画のことを思い出し、今年の夏は、久方ぶりにトールキンの作品を読んでみることにしました。  因みにあの(↑)エントリーでもご紹介したけれど、今年の12月に公開が予定されているPJの映画のプロモーション・ビデオを再度ご紹介しておきましょうね。

ま、てなわけで本日の KiKi の読了本はこちらです。

ホビットの冒険(上)(下)
著:J.R.R. トールキン 訳:瀬田貞二  岩波少年文庫

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ひっこみじあんで、気のいいホビット小人のビルボ・バギンズは、ある日、魔法使いガンダルフと13人のドワーフ小人に誘いだされて、竜に奪われた宝を取り返しに旅立ちます。  北欧の叙事詩を思わせる壮大なファンタジー。  (Amazonより転載)

魔法の指輪を手に入れたビルボとその一行は、やみの森をぬけ、囚われた岩屋からもなんとか脱出に成功。  ビルボたちは、いよいよ恐ろしい竜スマウグに命がけの戦いを挑みます。  『指輪物語』の原点といわれる、雄大な空想物語。  (Amazon より転載)

「ホビットの冒険」を読むのは本当に久しぶりでした。  「指輪物語」の方は、あのPJの映画「ロード・オブ・ザ・リング3部作」の公開時にそれまで持っていたハードカバーに追加で(というよりそのハードカバーは実家に置きっぱなしにしてあって、東京のマンションの本棚にはあの本を収納する余地がなかった)文庫本を購入し、何度か読み返したものでした。  その頃も「久々に前日譚である『ホビット』も読み返してみようか??」な~んていうことを考えないでもなかったのですが、「指輪」の冒頭にかなりちゃんとしたまとめ(というかあらすじ?)が書かれているので何気にそれっきりになってしまっていました。

「指輪」のフロド & ビルボと比較すると「ホビット」のビルボは何気に可愛さ・健気さがあって、個人的には結構好き♪なんですけどね~。  KiKi は「指輪物語」の方はかなり長じてから出会った物語で、初読前にはワーグナーの「リング」の底本じゃないかと勘違いしていたな~んていうこともあって、子供時代に読んだことのある「ホビット」と「指輪」の関係性についても長いこと無知だったんだけど、「ホビット」そのものは子供時代にかなりワクワク・ドキドキしながら何度も読んだものでした。


今日も風の強い1日になりそうです。  お天気は快晴なんだけど、昨日に引き続き風の音が鳴り響いています。  さて、そんな中、ネットをあちこち徘徊していたら見つけちゃいました!  こんな素敵な動画です。

あの、「ロード・オブ・ザ・リング三部作」が完成した頃からず~っと囁かれていた「ホビット」がとうとう今年の年末に米国(? or New Zealand?) で公開されるらしい!!!  しかも前作(LoR)では三部作だったものが今作はどうやら二部作になるらしい!!!  

噂ばかりが先行していてなかなかその後のニュースが聞こえてこなかっただけに、「どうなっちゃったんだろう??」と心配していたんだけど、これはホント待ち遠しい!!  

そうと決まれば、今年の後半には J.R.R. トールキン作品を又一挙に読まなくちゃいけません。  ああ、これで又「読書カテゴリー」の企画が1つ増えてしまいました・・・・・。  さらに言えば、以前のブログ「落ちこぼれ会計人の独り言」からの転載ばかりの「映画カテゴリー」も今年は放置の予定だったんだけど、最低限「リング 三部作」は観直してエントリーを書かなくては・・・・・。  

嬉しいながらも妙なプレッシャーを感じてしまっている KiKi なのです。  ああ、忙しい!!(笑)

  

さて、公約どおり本日は KiKi のだ~い好きなリング、しかも待ちに待ったバレンボイム盤の最終章「神々の黄昏」のDVD鑑賞としゃれこみたいと思います。  今年の KiKi のクラシック音楽関連DVD購入の目玉とも言うべきこの4本。  ついに完結いたしました~!!!  DVDラックにどどど~んと並んだリングを前にニタニタ笑っている KiKi って客観的に眺めてみると不気味だろうなぁ・・・・ ^^;

ワーグナー ニーベルングの指環「神々の黄昏」 バレンボイム盤
Warner WPBS-90211/2 演奏:バレンボイム(指揮) & バイロイト祝祭管弦楽団 収録:1991年6,7月(@バイロイト祝祭劇場)

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ジークフリート:  ジークフリート・イェルザレム
グンター:     ボード・ブリンクマン
ハーゲン:     フィリップ・カン
アルベリヒ:    ギュンター・フォン・カンネン
ブリュンヒルデ:  アン・エヴァンス
グートルーネ:   エヴァ=マリア・ブントシュー
ヴァルトラウテ:  ヴァルトラウト・マイアー
演出:       ハリー・クプファー

 

今週の KiKi はとにかく忙しかった!!  唯一それでもほんの少しだけ余裕があったのが月曜日で、翌火曜日は丸一日会議漬けでそれが終わると9時少し前の新幹線に飛び乗って神戸入り(ホテルに着いたのが11時近かった ^^;)。  水曜日は神戸で丸一日会議(しかもトピックも会議で会う人の数も多し)でその日の最終の「のぞみ」で帰京(家に着いたのが1時近かった)。  木曜日もほぼ1日、東京で会議漬け。  で、最終日の金曜日はオフィス引越しのための箱詰めあ~んど大掃除・・・・。  極めつけはその夜の歯医者さん ^^;  超多忙だった時期に治療途中で放り出してあった箇所がズキズキ・ウズウズするようになって通い始めたんだけど、放置のツケは確実に KiKi を蝕み、今では治療のたびに辛い思いをするようになっちゃっています。  ま、自業自得っていうのはこういうのを言うんでしょうけれどね。  ま、そんなこんなで今日はあまりの疲労のために2度寝ならぬ3度寝をしてしまったりしてウダウダ・ゴロゴロ過ごしているうちに、こんな時間となってしまいました。  
  
そんな自分にか~つ(喝)!を入れるためにも(?)今週末は久々にワーグナーの世界にど~っぷりと浸かってみたいと思います。  と言うのも、10月後半にようやく発売になったバレンボイム指揮、バイロイトのリング(クプファー演出)の最終章、「神々の黄昏」のDVDを購入したきりまだちゃんと鑑賞していないんですよね~。  神々の黄昏で誰がどんなシーンでどんな風にゴロゴロするのか(← このコメントの詳細はこちらとかこちらとかこちらをお読みくださいませ♪)と~っても楽しみです(爆)。

ま、その前段ということもあり、さらにはいつもお世話になっている Niklaus Vogel さんのサイトのこのエントリーに触発された・・・・ということもあり、今日は久々のリングの予習でもしてみようかな・・・・と。  てなわけで今日の KiKi の1枚はこちらです。

ワーグナー リング管弦楽曲集(マゼール & BPO)
TELAARC CD-80154 演奏:マゼール指揮 & BPO 録音:1987年12月

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初仕事から一夜明け、何となく疲労感を抱えた朝を迎えました。  やっぱりお勤めって疲れるものですね~。  何だか今日はどこにも出かけたくない気分・・・・ ^^;  久々のお天気で絶好の洗濯日和・・・・なんですけど、今日は何もしないでウダウダと過ごしていたい気分です。  ま、それはそれでよかったのかな・・・・と。  だって来週からのフルウィークのお勤めに備えて英気を養わなくちゃいけないし、それより何より、アレを観終えちゃわなくちゃいけないしね♪  ま、てなわけで、ベランダ菜園の水遣りと、モモちゃん(愛犬)相手のご機嫌取りを早々に済ませた KiKi はさっそくDVD鑑賞の際のいつもの定位置にどっかと腰を落ち着けることにしました。  今日の KiKi の1曲は公約(?)どおり、こちらです。

ワーグナー ニーベルングの指環「ジークフリート」 バレンボイム盤
Warner WPBS-90201/2 演奏:バレンボイム(指揮) & バイロイト祝祭管弦楽団 収録:1992年6,7月(@バイロイト祝祭劇場)

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ジークフリート:  ジークフリート・イェルザレム
ブリュンヒルデ:  アン・エヴァンス
さすらい人:    ジョン・トムリンソン
ミーメ:      グレアム・クラーク
アルベリヒ:    ギュンターフォン・カンネン
ファフナー:    フィリップ・カン
エルダ:      ビルギッタ・スヴェンデン
森の小鳥:     ヒルデ・ライトランド
演出:       ハリー・クプファー

 

さて、今日は久しぶりに美容院な~んていう所に行ってきました。  KiKi が最後に美容院に行ったのが昨年の5月だったらしいんですよねぇ~(美容院談)^^;  だから伸び放題に伸びている髪をバッサリと切ってきました。  散髪して床に落ちた髪と今も KiKi の頭の上に乗っかっている髪がほぼ同じぐらいの量でした!!  何でそんなに放っておいたかというとね、KiKi はもとがクセ毛なので美容院に行くと「縮毛矯正」っていうのをやってもらうんですが、これが時間がかかる(4時間弱)うえにお値段が高いんですよぉ~。  なので、仕事をしなくなると途端に美容院から足が遠のき、ひっつめ髪で毎日を過ごすっていうのが KiKi の毎度のパターンなのです。  でもね、さすがにそのままの状態でいきなり新会社に出社というわけにはいかないので(一応初日には就任挨拶な~んていうのがあるらしい)、大慌てで美容院にかけこんだっていうわけです。  それ以外にも入社準備で書類を整えたりと何かと忙しかったので、なかなかゆったりと音楽鑑賞することができませんでした。  でもね、そんな中、昨日と今日の2日に分断して何とか「ヴァルキューレ」は観ましたよぉ!!  こうなってくると頼れるのは KiKi の根性だけですね~(笑)。  ま、てなわけで今日の(というよりここ2日の)KiKi の1曲はこちらです。

ワーグナー ニーベルングの指環「ヴァルキューレ」 バレンボイム盤
Warner WPBS-90176/7 演奏:バレンボイム(指揮) & バイロイト祝祭管弦楽団 収録:1992年6,7月(@バイロイト祝祭劇場)

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ジークムント:    ポール・エルミング
ジークリンデ:    ナディーネ・ゼクンデ
フンディング:    マティアス・ヘレ
ヴォータン:     ジョン・トムリンソン
ブリュンヒルデ:   アン・エヴァンス
フリッカ:      リンダ・フィニー
ヴァルトラウテ:   シャーリー・クローズ
ヘルムヴィーゲ:   エヴァ・マリア・ブントシュー
オルトリンデ:    ルート・フローレン
ゲルヒルデ:     エヴァ・ヨハンソン
シュヴェルトライテ: 片桐仁美
ジークルーネ:    リンダ・フィニー
ロスヴァイゼ:    ヘーベ・ダイクストラ
グリムゲルデ:    ビルギッタ・スヴェンデン
演出:        ハリー・クプファー

 

残りあとわずかとなった KiKi のぷ~太郎生活。  で、ふと「落ちこぼれ会計人の独り言」の方に設定してある「カウントダウン」パーツを弄くってみたい気分に陥ったのですよ。  まあ、これだけの残日数になると何もカウントダウンパーツで数えてもらわなくたってすぐに数えられると言えば数えられるのですが(^^;)やっぱりただ単に頭の中で考えるだけじゃなくて、視覚に訴えてそれなりの「心の準備」っていうやつをするのも必要かな・・・・・な~んていう風に思っちゃったりしたわけです。  でね、昨晩遅く(夜中の12時をとうに過ぎた頃)にカウントダウンパーツを弄くってみたら、「お仕事再開まであと4日!」の文字がモニターに現れました。


  

4日かぁ・・・・。  

 

 

4日ねぇ・・・・・・。  

 

 

4日と言えば・・・・・・。  

 


な~んていう連想ゲーム(?)の果てに行き着いた KiKi の妄想はやっぱりリングでしたぁ ^o^;   で、ふと気がつけば今日は「バレンボイム盤 リングDVD」の「ジークフリート(日本語字幕つき)」の発売日じゃありませんか!!  お仕事を再開しちゃったらリングなんてなかなか鑑賞できないよなぁ・・・・・。  (← と言いつつ、KiKi の相棒の Siegfried(iPod) には「リング」がいっぱい詰まっていたりするのですが ^^;)

 


ま、そんなこんなで残り少ない8月の自由な日々を再びリングのどつぼにはまってみることにした KiKi です。  てなわけで、本日の KiKi の1曲はこちらです。

ワーグナー ニベルングの指環 ラインの黄金 バレンボイム盤
Warner WPBS-90194 演奏:バレンボイム(指揮) & バイロイト祝祭管弦楽団 収録:1991年6,7月(@バイロイト祝祭劇場)

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 ヴォータン:   ジョン・トムリンソン
 フリッカ:    リンダ・フィニー
 フライア:    エヴァ・ヨハンソン
 フロー:     ルト・シュライブマイヤー
 ドンナー:    ボード・ブリンクマン
 ローゲ:     グレアム・クラーク
 ミーメ:     ヘルムート・ハンプフ
 エルダ:     ビルギッタ・スヴェンデン
 アルベリヒ:   ギュンター・フォン・カンネン
 ファゾルト:   マティアス・ヘレ
 ファフナー:   フィリップ・カン
 ヴォークリンデ: ヒルデ・ライトランド
 ヴェルグンデ:  アンネッテ・キュッテンハイム
 フロースヒルデ: ジェーン・ターナー
 演出:      ハリー・クプファー 

 

さて、今日はジークフリートの犯した義理の親ミーメの殺害 & 死体遺棄の罪について検証していきたいと思います。  このエントリーの嫌疑リストの6&7です。


【議題3】育ての親であるミーメの殺害 及び 死体遺棄は有罪か無罪か?

まず殺害に関しては「動機」と「手段」を検証する必要があります。  今日もまたご本人の言い分を聞いてみたいと思います。

たった1人の相棒というのが、おぞましい小人だった。  馴染みではあっても、好きになれる相手ではなかった。  あいつはずる賢いやり方で、俺を罠にはめようとした。  だから殺すしかなかった。

憎しみのつけをノートゥングがついに清算してくれた。  このために、俺は剣を作ったというわけか。

 

どうやら彼は正当防衛を主張しているようです。  凶器もこの殺害目的で持ち出したものではなかったようです。  計画性も認められません。  でもこれはあくまでも彼の一方的な言い分ですから、この彼の主張が真実かどうか確認しなくちゃいけません。  生憎検察官はいないので、弔いも異界送りもしてもらえずにナイトヘーレ界隈を相変わらずウロウロしていらっしゃるミーメの亡霊さんに伺ってみたいと思います。

 

それというのも、お前を心から憎んでいるからだけではない。  又、お前に蔑まれ、恥をかかされた、その仕返しをしたいからだけでもない。  要するにお前を早いとこ片付けにゃならんのだ。  そうしなけりゃ、どうして獲物をものにできる?  アルベリヒだってあんなにご執心なんだからな。

さあ、ヴェルズングの勇士!  狼の息子よ!  ぐっと飲み干して、くたばってしまえ!  2度と、ものを飲むことはないだろうよ!  ヒヒヒ!

 

おやおや、これはいけませんねぇ。  この神々の会議の席で最後のヒヒヒ!は論外でしょう。  それに殺意を最初に抱いたのがミーメさんだったことがよ~くわかりました。  しかもその主たる動機が「宝の強奪」という極めて不当なものだったということも自白なさっています。  さらにお2人に血縁関係がないとも仰っていますし、戸籍制度もない時代のお話ですから尊属殺人にもあたりません。  


結論: 
ミーメ殺害に関しては、ジークフリートさん正当防衛により無罪。

 

 

さて、今日はジークフリートさんのかなりヤバそうな罪状3つを検証していきたいと思います。  ファフナーさんちへ行っての「強盗」及び「家宅侵入」及び「殺人」の嫌疑です。  このエントリーの嫌疑リストの3~5ですね。  どれもこれも普通に考えれば極悪非道、即有罪!っていう感じですよね~。  


【議題4】 ファフナーを殺害し、その後無断で家宅侵入し強盗を働いた行為に正当性はあるか否か

まず殺害に関しては「動機」を検証する必要があります。  今日もまたご本人の言い分を聞いてみたいと思います。

 

じゃあ、ここで恐れと言うものを教えてもらえるのか?   (中略)   もし学ぶはずのことがここで習えなくても、これから先は俺1人で行く。

ははあ、俺の呼び声に誘われてやっと素敵なやつがおいでなすったぞ!  いい遊び仲間になってくれそうだな!

俺は恐れってものを知らないんだ。  お前から教われるかい?

あいにくと、俺はお前の胃袋におさまる気はない。  それより、お前をここで料理してしまうのが1番の上策らしい。

でも最初に俺を脅したのはお前だぞ。  だから俺はかかっていったんだ。

確かに、冷酷獰猛なやつだったけど、あいつが死んでむしろ悲しいよ。  もっとずっとひどい悪党が、罰も受けずに生き残っているんだからな。  俺にあいつを殺させた奴の方が、あの大蛇より何倍も憎いくらいだ! 

 

おや??  何だか様子が変ですね~。  どうやら彼はファフナーさんちへは彼を殺しに行ったんじゃなくて、「恐れ」を教えてもらうために行ったようです。  ところがそこですったもんだがあって、どうやら先にファフナーさんに脅されちゃったみたいです。  これって一応「正当防衛」を主張しているっていうことでしょうか??  それに自分が殺害した相手なのに「あいつが死んでむしろ悲しい」な~んていうまともなことを言っています。  でも、仮にも殺人犯。  ちょっと殊勝なことを言ったからといってそのまま信じるわけにはいきません。

幸い、この殺人事件には目撃者がいます。  森の小鳥さんです。  森の小鳥さんの言葉がわかるジークフリートさんは容疑者なので、彼に通訳を頼むわけにはいきません。  仕方ないのでここでヴォータンのスパイの2羽のカラスさんにご協力いただくことにしましょう。  つまり、森の小鳥さん→2羽のカラスさん→ヴォータンさま と伝言ゲームをしていただき、殺害当時の状況を再現していただく・・・・・ということで。  

 

 

さて、今日は神々の会議の片隅に列席させていただこうと思います。  と言うのも、この物語の英雄・・・・であるはずのジークフリート君はどうも世間の評判があんまり芳しくないようなのですよ。  この物語に触発されて素晴らしい漫画作品を描かれた池田理代子先生にさえ

仮にも自分を赤ん坊の頃から育ててくれた人物に対して、彼が接するその態度は、冷酷であり仮借なきものがあるような気がして、私の感性にはまったく馴染まない。
はっきりいって、英雄という設定にしては"嫌な奴"なのである。

池田理代子先生のHP より転載 こちら

な~んて言われちゃっているぐらいだし ^^;  まあねぇ、確かに・・・・。  KiKi も初めてこの作品を観た時には正直なところ

「こいつのどこが英雄なんだ??  単なるお馬鹿な乱暴者じゃないか??」

と思わないでもなかったし・・・・。  でもね、KiKi は彼を理解するためにものすご~く努力してみました(笑)。  だって、Brunnhilde は Siegfried と2人は1人の間柄でなきゃいけないんだし(「落ちこぼれ会計人の裏ブログ」での KiKi のHNは Brunnhilde でした。)、最後には「あなたの妻が、今こそお迎えに!」と叫びながら至上の愛のうちに一体にならなくちゃいけないのです。  「単なるお馬鹿な乱暴者」であってもらっては困るんです。  てなわけで、これから神々が開かれる「人事考課; ジークフリート (彼は真の英雄かそれともお馬鹿な乱暴者か?)」の会議に特別にお願いして参加させていただくことにしたのです。  正当な裁判には弁護人が必要です。

さて、彼が英雄か否かを論じるためには、まず「英雄とは何ぞや?」という定義がはっきりしていなくちゃいけません。  で、調べてみました、広辞苑。  

【英雄】
 1. 文武の才の特にすぐれた人物
 2. 実力が優越し、非凡な事業を成し遂げる人

なるほど。  まず1.だとすると文武の「文」をどこまでと捉えるかによって大分解釈は変わってくるけれど、とりあえずは「心優しい」はあんまり必要ない・・・・とも言えるかもしれません。  2.だとすると人格はとりあえずどうでもよくてとにかく非凡な事業を成し遂げればいいみたいです(笑)。  (← あ、別に最初から逃げを打ってるわけじゃありませんよ ^^;)

 

 

さて、知識・情報・知恵を授けられたにも関わらず、宝の持ち腐れ状態でいる「愛すべき可愛い無鉄砲なお馬鹿さん」はギービヒ家で変てこな飲み物を飲まされ、ブリュンヒルデを忘れ、彼女をグンターの花嫁にと岩山から連れ帰るのに奮闘し、ギービヒ家の皆さんと楽しい狩にお出かけです。  いつの時代も英雄の冒険譚というヤツは人の心を惹き付けます。  「ミーメという小人がいて・・・・。」  英雄のくせに狩ひとつ満足にできない「愛すべき可愛い無鉄砲なお馬鹿さん」は面目躍如とばかりに意気揚々と体験談を語り始めます。  そして、ジークフリートがファフナーの欲望の洞窟から「指環」と「隠れ頭巾」を強奪したくだりまで話が進みます。

 

H: 「まあまあ、英雄にここでこの盃をとってもらおう。
   これは霊力を仕込んだ酒。
   これを飲めば、とっくの昔に忘れた思い出が
     よみがえってくる。

 

ジークフリートは思い出しました。  ブリュンヒルデのことを。  でも、思い出したのはそれだけではありませんでした。  ブリュンヒルデから教えられたことすべてを。  「昔々、ラインの底に黄金があったとさ」から始まり「ジークムントは死んだのさ」「ジークリンデはジークフリートを生んだのさ」「ヴォータンはブリュンヒルデをジークフリートに予定したのさ」 etc. etc. etc.・・・・・・

ハーゲンの「思い出し薬」を飲んだ後の彼の力強い歌唱は歌っている歌詞の内容以上に、多くのことを思い出している、そして理解し始めている過程だと KiKi は思います。  そして、ブリュンヒルデと結ばれたいきさつを語り、驚く衆目の中ハーゲンの槍で背中を貫かれるジークフリート。  彼はもちろんこの時に急所に受けた傷により絶命することになるわけですが、無念に死んでいったわけではないと思います。  彼はこの瞬間に全てを理解するのです。  自分はグンターと義兄弟の契りを交わしたけれど、その契りはブリュンヒルデへの裏切りだったこと。  実はブリュンヒルデと結婚しているにも関わらずグンターと義兄弟の契りを交わしたということは、グンターに対する裏切りでもあったということ。  ハーゲンの槍に自分の潔白を誓った以上この死は必然であること・・・を。  だからこそ、ブリュンヒルデは後に歌うのです。  「彼ほど誓いや契りに誠実だった人はいない。  でも同時に彼ほどすべての誓い、契り、至高の愛を無残に破ってしまった人もいない」と。  

そしてジークフリートは契約・盟約の神聖さを破壊したのが他ならぬ自分のノートゥングだったことも思い出します。  更には自分が何のためにこの世に生み出され、本来なら何をしなければいけなかったのかも。  死は彼にとってもはや避けられない宿命だったのです。  全てを理解し、全てを受け入れての死だったからこそ、彼の死は「英雄の死」たりえるのです。  そうでなければ「ただのお馬鹿の死」です。

 

 

昨日「ワーグナーが捨てた歌詞」のエントリーにゲストさんからコメント*を頂戴しました。  今日のお題はその中からいただきたいと思います。  「ブリュンヒルデが命に代えてまでして守ろうとしたものは何だったのか?」です。

この件に関する KiKi の見解はこちらのエントリーや返信コメント**にざっとは書いてあるのですが、今一度独立したエントリーとして整理してみたいと思います。

* **  コメントを頂戴したり KiKi の返信コメントが掲載されているのは「落ちこぼれ会計人の裏ブログ(ゆびわの僕)で、本ブログにはそれらのコメントは移行していません。

このなが~い(長すぎる?)楽劇を鑑賞している間に私たちはともすると忘れがちなのですが、この物語は楽劇が長いのと同時に舞台で起こっている出来事も気が遠くなるほど長いお話なんですよね~。  5年、10年の間に起こっている出来事ではありません。  アルベリヒ(ニーベルング族)の寿命やジークフリートの寿命がどのくらいなのか、私たち人間と同じぐらいと考えていいのか、もっと長いと考えるべきなのかもよくわかりません。  何せ、神話の世界です。  このことは映画「ロード・オブ・ザ・リング」のアラゴルンが実は80歳を超えていることをご存知であれば容易に想像がつくと思います。  さて、そのなが~い時間の間にこの出来事が起こったわけですが、もう1つ私たちが忘れがちなのは、すべてのいきさつを見て、知っている人がこの登場人物たちの中に何人いるのか?です。

ヴォータンは永遠の存在(最後は滅びちゃうけれど)ですし、この「力の指環争奪戦」の当事者ですから当然観客の私たちと同様、すべてのできごとを見ています。  彼には有能なスパイ、2羽のカラスもいますから、彼が舞台に姿を現さないときも常に彼の目は、耳は、この世界で起こっていることを捉えています。  対するもう一方の当事者、アルベリヒも死して尚夢魔になっちゃうぐらいですから、ヴォータンとほぼ同じものを見ていると考えていいでしょう。  (但し、アルベリヒにはヴォータンの心情まではわかりません。)  そして、ハーゲンはアルベリヒから夜な夜な色々なこと(アルベリヒが知っていること)を吹き込まれているのですから、当然アルベリヒと同じだけの情報を持っていると考えられます。

さて、この「力の指環争奪戦」はヴォータン vs. アルベリヒの直接対決(?)では決着がつかず、次の世代に持ち越されました。  構図としては、

 

ほぼ全てを知るハーゲン

 vs. 

無知・無教養のジークフリート & 
元戦乙女 & 神々の長の娘 ブリュンヒルデ 連合軍

 

です。  ところがここにワーグナーさんは罠をしかけました。

 

今日も昨日に引き続き「ニーベルングの指環」の水を考えます。  昨日いきなり「水の浄化作用」にいっちゃったのでこれで終わりかと思ったでしょ?  でもね、水にはまだまだ出番があるのでもう少し KiKi はいじくらせていただきたいと思います。  

さて一昨日のエントリーで KiKi はかなり無責任に、

水は生命の源です。  そして資源の源です。

と言いきってしまい、しかもほっぽらかしにしたままにしちゃっています。  今日はそのあたりを検証していきたいと思います。  さて、この物語で「水」が出てくる場面、ライン川まわりは「ラインの黄金」がらみのお話がほとんどなので、「黄金の封印」と「指環の浄化」さえ語ってしまえばあとは大した話はのこっていないんじゃないかと思うんですが(何か思いついたらまた別エントリーを書きますね♪)、この物語には他にも水がいっぱい出てきます。  それを丹念に拾っていってみようかと思います。  こういうのを重箱の隅をつつくって言うんですかねぇ~(笑)  でもね、文学部の学生とか卒業生っていうのはそういうことを四六時中しているものなのですよ。  要は裏(というか暗喩)を読むっていうヤツですね♪

 

<ヴァルキューレ>

第1幕 フンディングの家の中
  ・ フンディングの家に押し入ったジークムント、「水」を要求する
  ・ ジークムントとジークリンデの会話の中で出てくる「水鏡」
     (兄妹であることを認識するプロセス)

 

<ジークフリート>

第1幕 森の中の洞窟
  ・ ジークフリートとミーメの会話の中で出てくる「小川」
     (ミーメと親子ではないことを確信している証左)
  ・ ノートゥングを鍛えなおすときに水桶に鋳型を入れる(ジュッ[:工具:])

第3幕 ブリュンヒルデの岩山
  ・ ジークフリートとブリュンヒルデの会話の中で出てくる「水鏡」
     (2人の愛の誕生)

 

<神々の黄昏>

第1幕 ブリュンヒルデの岩山
  ・ ノルンたちの会話の中で出てくる「知恵の泉」

 

 

さて、今日も昨日に引き続き「水」について考えます。  KiKi はね、この壮大な物語の中で指環を浄化するものは「至高の愛」と「火」と「水」の三位一体(?)だったと思っています。  象徴的にはジークフリートとブリュンヒルデの「至高の愛」が「愛を諦める云々」を消し、彼らの「自己犠牲」が「死の呪い」を消し、「火」が「永遠」を消しつつ指環を溶かし、「水」が混じりっ毛なしで完璧な黄金として固めて封印っていう流れじゃないかと思うんですよね。  だからジークフリートの死とブリュンヒルデの自己犠牲だけじゃ足りません。  いくらローゲが洞察力に優れていたとしても、彼の火だけでも足りません。  もちろん「水」だけでも足りません。  3つが交じり合った混合カクテルだったからこそ、指環はラインの黄金に戻ることができたんだと思うんですよね。  だからこそ「水」はものすご~くだいじなものだと思うんです。  で、なぜそう思うかって言うとね、「ラインの黄金」の中でラインの乙女たちがそう予言しているからです。  ヴォータンさんも神々の皆さんもまったく聞く耳持たずでしたけれど・・・・。  では恒例のインタビューです。

 


もしもし、ラインの乙女の皆さん。  本当に「水」にはそんな浄化に効くような作用があったんでしょうか???


ラインの黄金!  ラインの黄金!  清らかな黄金!
水底に清らに輝いて汚れなき戯れに耽っていた宝よ!  どうか戻ってきて!
川の底こそ、安らぎと誠のあるところ。
そっちの世界にあるのは虚偽と裏切りだけなのだから。


さて、今日は「ニーベルングの指環」に出てくる水について考えてみたいと思います。  以前書いたこのエントリーの「だいじなものリスト」には載せていないのですが、「水」はこの物語の中では「ものすご~くだいじなもの」なんですよね。  同じように「火」も「ものすご~くだいじなもの」なんですが、あちらにはローゲ君がいるので、別のエントリーの中でもチョコチョコ触れる機会があると思います。  ところが「水」はちゃんと独立したエントリーを立ててあげないことには触れずに終わってしまいそう・・・・なんですよね。  てなわけで今日は「水」です。

「水」がいかに大事か?  それはワーグナーさんに聞いてみれば一発で答えが出ます。  もしもし、ワーグナーさん。  この物語の中で「水」ってどのくらい大事なんでしょうか??

 

「ラインの黄金」

一筋の川が流れている。

遠目には動くとも見えぬほど悠々と、しかし強い流れが水面に波を押し立てている。  ライン川である。

(「ラインの黄金」 新書館 高橋康也・宣也訳 より転載)

そもそもこのオペラが幕を開けたとき、最初に目に飛び込んでくるのはライン川です。  そして最初の登場人物はと言えば、ヴォークリンデ(波)、ヴェルグンデ(大波)、フロースヒルデ(河)の3人のラインの乙女たちです。  で、このエントリーでも考察したように彼女たちのお父さまはライン川であると考えられます。  始めよければすべてよし。(いや、ちょっと違うか ^^;)  いずれにしろ最初に水を観るっていうのは結構大事なポイントです。

 

 

・・・・・・・。  
すみません、今日もワーグナーです ^^;  しかも又「指環」です。  ただ15時間も聴き続ける余裕も気力もないので、今日はハイライト盤ですけど・・・・ ^^;  はい、はっきり言って KiKi は今や廃人一歩手前です。  寝食忘れて・・・・とまでは言いませんが、指環の世界が頭の中をグルグルグルグル巡っちゃっています。  CD棚から引っ張り出されて机の上に置きっ放しになっている「リング」は現時点で6点。

1)レヴァイン指揮のメトの全集DVD(先日 Review を書いたもの)
2)サヴァリッシュ指揮のバイロイトバイエルンの全集DVD
3)バレンボイム指揮のバイロイトの「ラインの黄金」と「ヴァルキューレ」のDVD
4)カイ(ル)ベルト指揮のバイロイトの「ジークフリート」と「ヴァルキューレ」のCD
5)ベーム指揮のバイロイトの全曲CD
6)カラヤン指揮のBPOのハイライト

これらをとっかえひっかえ堪能している毎日 ^^;  正直、「片付けろよ!>自分」っていう感じがしないでもありません。  だって、もともとワーグナー大好き、指環Love  なうえに机の上に置きっ放しだから手っ取り早くてこれらばっかり聴くことになっちゃうんだもの・・・・。  おまけにその山と積まれたDVD、CDの横にはこれまたドドド~ンと新書館の訳本とか「北欧神話」系の本とか「ニーベルンゲンの歌」系の本がさりげな~く積まれちゃっているし・・・・。  ま、そんな怒涛の「リング生活」の中で選んだ今日の KiKi の1枚はこちらです。

ワーグナー ニーベルングの指環 ハイライト
DG UCCG 3839/40 演奏:カラヤン指揮 & BPO 録音:「ラインの黄金」1967年12月、「ヴァルキューレ」1966年12月、「ジークフリート」1968年12月、「神々の黄昏」1969年10月

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さて、今日は「ニーベルングの指環」の元本の1つ「ニーベルンゲンの歌」のとっても読みやすい本をご紹介したいと思います。  このブログの右サイドバーでご紹介している本やCDはすべて KiKi の所持品でとってもお気に入りのものばかりなのですが、今まで色々読み漁った「ニーベルンゲンの歌」関係の本の中で1番手っ取り早く読みやすいのがこの本だと思うんですよね~。

ゲルマン英雄伝説
ドナルド・A・マッケンジー 訳:東浦義雄  東京書籍

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隠れ頭巾について

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さて、今日は隠れ頭巾について考えてみたいと思います。  あらゆる神話、あらゆる伝承の中に人が姿を消したり、何かに化けたりするお話がでてきます。  これは世界広しと言えども、文化や価値観が違えども、人間が持っている欲望・・・・というか夢想だったようです。  日本にも「隠れ蓑」っていうやつがありますしねぇ(笑)。  さて、この隠れ頭巾。  いつでも好きなときに姿を隠したり、望むものの姿に自分を変えたりできるというスグレモノです。

もっとも現代の「自分」を主張したい人たちにとって、この「隠れ頭巾」がどの程度魅力的なアイテムかというと、多分あんまり魅力を感じない代物なんじゃないかと思うんですよね。  「自分探し」「自己実現」に躍起になっている現代人たちは、どちらかというと社会の中で「隠れ頭巾で姿を消しているかのごとき存在感のない自分」に苛立ち、嘆き、社会の坩堝の中でいかにして「己の存在」を際立たせるかに夢中です。  現代でもこの「隠れ頭巾」で身を隠したいと思っている人がいるとしたら、それは借金取りに追われていたり、検察や警察に追われている人なんじゃないかしら・・・・(笑)。  あ、でも「陰の黒幕」っていう人も隠れ頭巾は欲しいのかな??

あ! でも「姿を隠す」機能には興味がなかったとしても、「望むものの姿になれる」は現代人にとっても結構魅力的な要素かもしれません。  美容院に行くと「今日はどんな風になさいますか??  芸能人だとどんな感じ??」な~んて聞かれることがよくあるけれど、隠れ頭巾さえあれば、そんなことにお金を使わなくたってその憧れのルックスの○○さんの姿になれちゃうわけだから、大枚(?)はたいて時間も消耗した上に「どんなに頑張っても○○さんにはなれない私(涙) 」と落胆する必要もないわけだし・・・・。

「1日だけ神様があなたに別の誰か、何かになるチャンスをあげますと言われたら、あなたは何になって何をしますか?」な~んていう質問が現代社会でも健在であることを考えると、「自分ではない何者かになる」は昔も今も人々の夢なのかもしれません。

 

 

ワーグナーが捨てた歌詞

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先日、このエントリーでもちょっと触れたようにワーグナーはこの物語のラストに2つの歌詞を用意しました。  でも、結局彼はどちらの歌詞にも曲をつけず、ハーゲンの「指環に触れるな!」で終わらせ、後は世界の浄化とそれをおずおずと見守る人々、滅びゆく神々というト書きでこの楽劇の幕を下ろしました。  今日はその彼が捨てた2つの歌詞(ブリュンヒルデのセリフ)を味わってみたいと思います。  (もっとも作者本人が採用しなかったものを云々することにあんまり意味があるとは思わないので、ほとんどいじくりませんけれどね・・・・ ^^;)


 

さて、今日で「永遠の命と限りある命」についての考察は一旦終了です。

昨日までのエントリーを整理するとこんな感じになります。

永遠の命を持つ種族: 神々(但し黄金のりんごが必要)
永遠に近い存在:   半神半人であるローゲ
限りある命の種族:  巨人族、ニーベルング族、人間族

では、今日は1番の難題、物語の中で一応「人間扱い」されているけれど、実態はヴォータンの血を引く半神半人の存在であるはずのヴェルズング族の命は永遠か、限りあるのか?です。  

まず事実だけに目を向けると・・・・・

ヴェルゼ:    実体は神々の長、ヴォータンなので黄金のりんごがあれば永遠
ジークムント:  ヴォータンの裏切りにより絶命。  よって限りある命(?)
ジークリンデ:  ジークフリートを産むや否や死んじゃったからやっぱり限りある命(?)
ジークフリート: ハーゲンの槍により絶命。  よって限りある命(?)

はい、結論。  有限の命・・・・・では、こんなエントリーをわざわざ日を跨いでまでして書く必要はないわけで・・・・ ^^;

 

 

さて、今日も昨日に引き続き「永遠の命と限りある命」について考えてみたいと思います。

ありとあらゆる知恵を働かせ、神々の凋落を食い止めようとしたヴォータンが最後にいきついた境地、それは「自分が永遠の命である限りは、永遠の受刑者である」ということでした。  その真実を受容するに至って、彼は黄金のリンゴを手放し老いを受け入れます。

さて、ではこの「ニーベルングの指環」の世界の中に出てくる他の種族はどうなのでしょうか??  彼らの命は限りあるものなのでしょうか??  これははっきりとは描かれていませんが、ある程度の推測ができます。

 

<巨人族>
昨日引用したファフナーのセリフからもわかるように、彼らは「永遠の命」に嫉妬しています。  嫉妬の感情は自分が持っていないものを持っている他人に向けられるものですから、彼らの命は有限とみることができます。

 

<ニーベルング族>
同じく昨日引用したアルベリヒのセリフからもわかるように、彼らは有限の命ゆえに「自分の犯した罪に対する罰は自分一身が受ければそれで足る」と考えます。  そして神々の黄昏では死して尚この世に思いを残した夢魔としてハーゲンの枕辺に立つアルベリヒの姿が描かれていることにより、彼らの命も有限であることがわかります。

 

<人間族>
まあ、これは考えるまでもなく、我々が人間であり、有限の命である以上有限と考えるべきでしょう。

 

問題は半神半人の人(?)たちです。  たとえば、ローゲ。  そして、一応「人間扱い」されているヴェルズング族はどうなのでしょうか??

 

 

さて、今日のお題は「永遠の命と限りある命」です。

「ニーベルングの指環」に出てくる神々は「永遠の神々」と呼ばれています。  でも彼らは生まれついて永遠であったわけではありません。  彼らを永遠たらしめているもの、それは豊穣の女神フライアが育てている「黄金のりんご」です。  限りある命のものにとって永遠は憧れです。  私たち人間は限りある命しか与えられていません。  そして人は永遠に憧れます。  だからこそ多くの神話・宗教の中で人は「死」をどう受け止めるべきなのかを考えました。  そして「この世」「あの世」という2つの別次元の世界を考え出してみたり、「輪廻転生」という環っかを考え出してみたり、「肉体」と「魂」という2つの別物を考え出してみたりしてきました。  でも、よ~く考えてみると永遠というのは案外恐ろしいものなのかもしれません。

「ニーベルングの指環」ではまず巨人族が神々の永遠に嫉妬し、これを奪おうとします。  巨人族の兄弟ファゾルトとファフナーが「ヴァルハラ城建築請負契約」の対価として要求したのは女神フライアでした。  でも、実はこの2人、フライアに対する認識の仕方が異なっています。  実直で「契約≒信義」にそれなりの価値を認めている兄ファゾルトは純粋に美しい女神フライアに対する「愛」から彼女を欲しています。  対する弟ファフナーには違う目的がありました。

 

「フライアをいただいたところで、俺たちにはたいした役には立たん。
 だが、肝心なのは、神々からあいつを連れ去ることだ。
 黄金のリンゴがあの女の庭になっている。
 その手入れの仕方を知っているのは彼女だけだ。
 その実を食べるおかげで、彼女の一族は永遠の若さを授かっているのだ。
 つまり、フライアを手放す羽目になれば、連中は弱って青ざめ、
 盛りのときは過ぎて、老いさらばえていくってわけだ。
 だから、あいつをかっさらっていくのさ!」

 

この時点でファフナーが神々から労働の対価として奪いたかったもの。  それは「愛」でも「富」でも「力」でもなく「永遠」でした。

 

 

さて、今日も引き続き「行けなくても我慢するもん!  勝手に1人バイロイト音楽祭」シリーズ第5弾をお送りしたいと思います。  いや~、長かった!!  でも、終わって欲しくない!!!  でも、疲れたぁ~。  全編鑑賞するのに4日も要するって言うのも改めてすごいことだと思うし、さらには1つ1つが他のオペラと比べてもかなり長いんですよね~ ^^;  でもね、あまりにも雄大な一大叙事詩だし、このディスクの映像がとってもオーソドックスな演出なので物語の世界に入り込むのには充分で、神話世界を堪能させてもらいました。  やっぱり好きだなぁ、「ニーベルングの指環」。  ま、この「リング・シリーズ」の最初にも書いたように音楽そのものはどことなくアメリカンで、若干の不満が残らないじゃなかったけれど、KiKi はDVD鑑賞した後このブログエントリーを書いている間はベーム盤のCDをBGMで流していたので、2度楽しむことができたんですよね♪  (← おかげで生活リズムはメチャクチャです ^^;)  ま、何はともあれ、今日も張り切ってご紹介させていただきたいと思います。  今日の KiKi の1枚はこちらです。

ワーグナー ニーベルングの指環 神々の黄昏
DG POBG-1006/7 演奏:レヴァイン指揮 & メトロポリタン歌劇場管弦楽団・合唱団 収録:1990年4月、5月

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ジークフリート:  ジークフリート・イェルザレム(T)
グンター:     アンソニー・ラッフェル(Bs)
アルベリヒ:    エッケハルト・ヴラシハ(Br)
ハーゲン:     マッティ・サルミネン(Bs)
ブリュンヒルデ:  ヒルデガルト・ベーレンス(S)
グートルーネ:   ハンナ・リソフスカ(S)
ヴァルトラウテ:  クリスタ・ルートヴィヒ(Ms)


で、KiKi のお気に入りのベーム盤のCDはこちら。

PHILIPS 412 488-2 演奏:ベーム指揮 & バイロイト祝祭管弦楽団 録音:1967年

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さて、もはや「リング熱」の罠にはまりつつある KiKi ですが、本日も引き続き「行けなくても我慢するもん!  勝手に1人バイロイト音楽祭」シリーズ第4弾を敢行したいと思います。  今日は「ジークフリート」です。  一応英雄・・・・らしいんだけど、そこはかとなくお笑いボケ芸人(相棒:ミーメがいると時に突っ込み担当になるけれど)の雰囲気を醸し出しているジークフリートが主人公です。  彼はあの近親相姦カップル、ジークムントとジークリンデの間にできた子供です。  でもねぇ、蛙の子は蛙とでも言うべきか、彼もなかなかぶっ飛んだ行動を取ってくれちゃうので KiKi のお目々は真ん丸くなったり広がっちゃったり瞑っちゃったりとなかなか忙しい・・・・(笑)。  ま、てなわけで本日も張り切ってご紹介、今日の KiKi の1枚はこちらです。

ワーグナー ニーベルングの指環 ジークフリート
DG POBG-1004/5 演奏:レヴァイン指揮 & メトロポリタン歌劇場管弦楽団 収録:1990年4月 & 5月

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ジークフリート:      ジークフリート・イェルザレム(T)
ミーメ:          ハインツ・ツェドニク(T)
さすらい人(ヴォータン): ジェイムズ・モリス(Bs.Br)
アルベリヒ:        エッケハルト・ヴラシハ(Br)
ファフナー:        マッティ・サルミネン(Bs)
エルダ:          ビルギッダ・スヴェンデン(A)
ブリュンヒルデ:      ヒルデガルト・ベーレンス(S)
森の小鳥の声:       ドーン・アップショー(S)


で、恒例の KiKi のお気に入りのベーム盤のご紹介はこちらです。

PHILIPS 412 483-2 演奏:ベーム指揮 & バイロイト祝祭管弦楽団 録音:1967年

21CFRBV5RAL__SL500_AA130_.jpg    (Amazon)

さて、本日もちょっと遅くなりましたが引き続き「行けなくても我慢するもん!  勝手に1人バイロイト音楽祭」</strong>シリーズを敢行したいと思います。  今日はワルキューレ。  ようやくブリュンヒルデの登場です!!  これは、はっきり言ってかなりヤバイ!です(笑)。  この作品の中でももっともメロディアスと言われたりすることもあるワルキューレは、KiKi がワーグナーの世界にはまり込むきっかけを作ってくれちゃった作品でもあるんですよね~。  さて、この後 KiKi が廃人と化してしまうか否かもちょっとした見物だったりもするのですが、ま、それは明日以降のお楽しみ・・・・ということで、とりあえずは今日も張り切ってまいりましょう。  てなわけで今日の KiKi の1枚はこちらです。

ワーグナー ニーベルングの指環 ワルキューレ
DG POBG-1002/3 演奏:レヴァイン指揮 & メトロポリタン歌劇場管弦楽団 収録:1989年4月

21KHG40GXPL__SL500_AA130_.jpg  (Amazon)

ジークムント:  ゲイリー・レイクス(T)
フンディング:  クルト・モル(Bs)
ヴォータン:   ジェイムズ・モリス(Bs.Br)
ジークリンデ:  ジェシー・ノーマン(S)
ブリュンヒルデ: ヒルデガルト・ベーレンス(S)
フリッカ:    クリスタ・ルートヴィヒ(Ms)

せっかくなのでこちらも KiKi のお気に入りのベーム盤もご紹介しておきますね♪

PHILIPS 412 478-2 演奏:ベーム指揮 & バイロイト祝祭管弦楽団 録音:1967年

21G8TZSCXPL__SL500_AA130_.jpg   (Amazon) 

 

さて、今日も引き続き「行けなくても我慢するもん!  勝手に1人バイロイト音楽祭」シリーズを敢行したいと思います。  バイロイト音楽祭では毎年必ず上演される演目があります。  その1つがワーグナーの最高傑作にして最大作品である「ニーベルングの指環」、そしてもう1つが「パルジファル」です。  ほとんどのワーグナー作品が好きな KiKi にとって、この2つのうちの「指環;リング」は特別思い入れの強い作品で、過去にこの「リング熱」に浮かされたときには、社会生活と両立するのが危ぶまれるほど(?)のめり込んでしまい、寝ても覚めても頭の中をめぐっているのは「リング」の音楽ばかり・・・・と言っても過言ではないような状態になってしまったことがあったんですよね~。  だからこのブログ(Music Diary)でもこの曲の取り扱いには充分に注意して、極力手を出さないようにしてきたのですが、「勝手に1人バイロイト音楽祭」というテーマをぶちあげてしまった以上、必ず上演されるこの作品をスルーするわけにはいきません ^^;  それにこのサイトを見る限りでは今年は「オランダ人」→「指環」→「トリスタン」→「パルジファル」の順番で上演が行われているようだから、これは後回し・・・・というわけにもいかないようです。  てなわけで今日の KiKi の1枚はこちらです。

ワーグナー ニーベルングの指環 ラインの黄金
DG POBG-1001 演奏:レヴァイン指揮 & メトロポリタン歌劇場管弦楽団 収録:1990年3月、4月

51gQqT3y7YL__SL500_AA240_.jpg  (Amazon) 

ヴォータン: ジェイムズ・モリス(Bs. Br)
ドンナー:  アラン・ヘルド(Bs)
フロー:   マーク・ベイカー(T)
ローゲ:   ジークフリート・イェルザレム(T)
アルベリヒ: エッケハルト・ヴラシハ(Br)
ミーメ:   ハインツ・ツェドニク(T)
ファゾルト: ヤン=ヘンドリック・ロータリンダ(Bs)
ファフナー: マッティ・サルミネン(Bs)
フリッカ:  クリスタ・ルートヴィヒ(Ms)
フライア:  マリ・アン・ヘッガンダー(S)
エルダ:   ビルギッタ・スヴェンデン(A)

音楽を耳で愉しむだけだったらこの超大作の KiKi の1番のお気に入りはベーム & バイロイト管 の演奏なのですが、とりあえず今回はこのブログでこの「ラインの黄金」を取り上げるのも1回目だし、オペラは総合芸術だからやっぱり映像付で愉しむ方が一般的には親しみやすいだろうと思うので、どなたにもある程度安心してオススメできるDVD盤をピックアップしました。  このDVDは舞台装置といい、役者の充実度といい、音楽性といいすべてが及第点の内容だと思います。  それに KiKi も久しぶりにこのDVDを観ておきたかったしね(笑)。  ちなみに KiKi のお気に入りのベーム盤もついでにご紹介しておくとこちらです。

PHILIPS 412 475-2 演奏:ベーム指揮 & バイロイト祝祭管弦楽団 録音:1967年

Bohm_Rheingold_Rings.jpg  (Amazon) 

 

 

さて、今日は何とかこの「ニーベルングの指環が象徴するもの」シリーズを完結したいと思います。

先代から受け継がざるを得なかった「力の指環争奪戦」。  アルベリヒ vs. ヴォータンの戦いは世代を超えて、今やハーゲン vs. ブリュンヒルデ(& ジークフリート連合軍)の戦いとなりました。  方やハーゲンは全てを知り、全てをたくらみ、今のところ全ての面で優位に立っています。  何せ神々の長の血を引く現在の指環の所有者、かつての戦乙女は恋愛ボケで「ニーベルングの指環」が何であったのかを忘れ、それを「愛の証」と呼び、「ヴァルハラなんか知ったことか、彼の愛があればそれでいい」な~んていうことを言ってのけています。  こともあろうに「愛とは縁がないからこその力の指環」を「愛の証」とは・・・・。  でも、ここでハーゲンの犬と化した狼、ヴェルズングの英雄(こちらも恋愛ボケ)は自身が与えた「愛の証」という指環の価値を自ら否定し、自分の妻のブリュンヒルデをグンターの妻としてギービヒ家に連れ帰ってくるのに大奮闘です。

そして繰り広げられる至高の愛をかけた痴話げんか。  ハーゲンにとっては予定外の騒動ではあったものの、狡猾な彼はこの痴話げんかをも利用します。  「愛」をめぐる争いがいつの間にか「ジークフリートの信義違反」にすり替わります。  こうしてハーゲンの敵であるはずの夫と妻は、己の身の証をハーゲンの槍にかけて誓うに至ります。  さらにはハーゲンにそそのかされた怒りと屈辱に燃えるジークフリートの妻と義兄弟は、声をそろえて叫びます。

  

「事は決した!  ジークフリートは死なねばならない!
 彼のもたらした恥がそそがれるように!
 立てた誓いを破った男よ、みずからの血で償うがいい!」

 

ほくそ笑むハーゲン。  こうしてジークフリートはハーゲンの槍に貫かれて死を迎えます。  これでニーベルングの英雄の狙い通り・・・・。  ところが今際の際にジークフリートは全てを理解します。  (このエントリーを参照)  そして、ヴェルズングの英雄はようやく自分の血を、指環争奪戦の幕引きを託された自分の立場を自らの意志で受け入れ、後のすべてを最愛のブリュンヒルデに託します。  ブリュンヒルデもジークフリートの死をもってようやくすべてに目覚め、彼の遺志を継ぎます。  それはとりもなおさず、神々の長、ヴォータンの意思でもありました。

 

 

さて、今日も昨日に引き続き「ニーベルングの」を考えてみたいと思います。  本来 アルベリヒ vs. ヴォータンの戦いであったはずの「力の指環争奪戦」が世代を超えた悲願となっていることは昨日のエントリーで触れました。  つまりここで アルベリヒ vs. ヴォータンの戦いは、アルベリヒの血を引くもの vs. ヴォータンの血を引くもの の戦いになりました。  アルベリヒの血をひく人物は・・・・と言えば、弟のミーメと息子のハーゲンです。  そしてヴォータンの血を引く人物は・・・・と言えば、ヴェルズング族のジークムント、ジークリンデ、ジークフリートそして神格を失ったブリュンヒルデです。

ヴォータンとアルベリヒは「力の指環」を相手の手にだけは渡さないようにとお互いに知恵比べ(?)のようなことをしていますが、様々な紆余曲折を経て2人の目的・・・・と言うか、指環を得た後どうするかのビジョンは大きく乖離するに至ります。  方やニーベルング陣営はそれを入手した暁には、その指環の魔力を行使することを目的としています。  対する神々陣営は、様々な思惑の中で揺れに揺れ、最終的にはその指環をラインに返すことを目的とするようになります。  

さて、ではそれぞれの種族の悲願を背負った次世代の主人公は誰なのでしょうか??

 

   

さて、今日からは「ニーベルングの」を考えてみたいと思います。  つまり、例えば何故「力(権力)の指環」じゃなくて「ニーベルングの指環」というタイトルになったか?を考えてみるっていうことですね。

まずここで言うニーベルングとは誰のことなのか??  アルベリヒか?  ミーメか??  名もない隷属奴隷の皆さんか???  それともアルベリヒの血を引くハーゲンか????

まずこの点に関する KiKi の考えは全員です。  彼らは皆、指環に対するポジショニングが違うだけで、結果的に指環に与えられた価値観に振り回されている人々です。  そして彼らは神話世界の「小人コスチューム」を着て舞台に現れますが、これは現在の人間社会を構成している人員そのものです。

アルベリヒ:   指環の製作者にして所有者 ブルジョワジーの体現者
ミーメ:      指環の力の前に屈服する奸智を働かせてのし上がろうとしている人物
           プロレタリアートの体現者
名もない皆さん:指環の力の前に屈服する奸智を働かせないまじめな市民
          プロレタリアートの体現者
ハーゲン:    没落ブルジョワジーの末裔
          一族の悲願(御家復興)達成を期待されているホープ

つまり KiKi はこの物語の主題は「欲と密接に結びついた価値観に振り回されている人々とその価値観の本質の物語」だと思います。  ただこれでは楽劇のタイトルとしてはあまりにも長すぎる!!  だから「欲と密接に結びついた価値観に振り回されている人々」が「ニーベルング族」で「その価値観の本質」が「指環」なのだと思います。  で、これをそのまま置き換えると「ニーベルング族と指環」というタイトルになってもおかしくないところだったのです。  ところがこの物語の主人公は必ずしも「ニーベルング族」じゃないところがやっかいなんですよね~。

 

 

さて、今日も引き続き「指環が象徴するもの」です。

アルベリヒ → ヴォータン → ファフナー → ジークフリート → ブリュンヒルデ と目まぐるしく持ち主(保管者)を変えてきた指環はここでようやくぐるっと方向転換、逆方向に向かって再びジークフリートの指に輝きます。  さて、ここで不思議なのはジークフリートが「グンター、ブリュンヒルデに求婚の証」とも言える指環を保持し続けることです。  そしてそれゆえにブリュンヒルデは至高であったはずの愛を裏切ったジークフリートが許せず、復讐心を駆り立てる契機にもなってしまったわけですが・・・・・。  彼女はやはり神の娘、戦乙女でした。  武器と防具はないけれど、そうやすやすと「愛の断念」に「屈従」したりはしないのです。  そして彼女はおぞましい怒りと絶望の中で彼女が忘れかけていた智を思い出し、ことの全貌を見抜く力を取り戻すことを欲します。  

一方、ジークフリートはこの指環が自分の指に光っていることをブリュンヒルデに糾弾されたとき、「これはファフナーを倒したときの記念品だ!」と言い切ります。  それは間違ってはいません。  でも、ブリュンヒルデから彼女の知恵をすべて受け継いだにも関わらず何1つ理解できていなかったこの「愛すべき可愛い無鉄砲なお馬鹿さん」は、その自分の記念品をどうしてブリュンヒルデが持っていたのかを考える頭の持ち主ではありませんでした。  そしてこの「指環騒動」をさえも己の「力の指環奪還プロジェクト」の仕上げに利用しようとするハーゲンの奸智にあっさりと引っかかり、「ハーゲンの槍にかけて潔白を誓う」という行動に出ます。  呪われた指環に与えられた「愛の証」という価値・意味づけはそれを与えたものの裏切りにより今や風前の灯です。

 

 

さて、今日も引き続き「指環が象徴するもの」です。  

アルベリヒ → ヴォータン → ファフナー → ジークフリートと持ち主(というより保管者)を変えてきた指環はブリュンヒルデの指に「ジークフリートとの愛の証」として輝いています。  そこにヴァルキューレの1人、ヴァルトラウテが神々の掟破りをしてまでして訪ねてきます。  ところが智を持っていた頃のブリュンヒルデならいざ知らず、彼女は妹のこの「神々の掟破りをしてまでの行動」のもつ重要性をまったく理解しません。  それどころか彼女に伝えられるヴォータンの悲願「あの子が深きラインの娘たちに指環を返しさえしたら、神たる身も世界も、呪いの重荷より救われるのだが」にも耳を傾けようともしません。  かつてヴォータンは怒りと絶望の中で

「彼女ほど、私の心に深く秘めた秘密を知り、私の意志の奥底まで見通したものはいなかった」

とブリュンヒルデを評しました。  そしてブリュンヒルデ自身も

「お父さまの心を私は裏切りはしませんでした。  たとえご命令に背いたとは言え・・・・。」

と応じていました。  その彼女が・・・・です。

 

「そんな恐ろしげな夢物語なんかして、かわいそうに。
 神の領分である聖なる雲の上の世界から、愚かな1人の女として、私は抜け出してきた。
 そういう私にはあたなの話はさっぱりわからないわ。
 おかしなたわごとにしか聞こえないの。」

「ヴァルハラの悦楽よりも、永遠の神の誉れよりも、私に大切なのが、この指環。
 この輝く黄金を一瞬見るだけで、この聖なる輝きが一閃するだけで、神々の永久の悦楽は
 私にとってむなしいものになる。
 ここにはジークフリートの愛が、至福の光として輝いています!
 ジークフリートの愛が!」

 

 

    

さて、今日も引き続き「指環が象徴するもの」です。  指環はアルベリヒの手からヴォータンの手に渡りました。  ここで「ヴァルハラ城建築請負契約」の代金支払いを求める巨人族の兄弟が登場します。

フライアの代わりにアルベリヒからぶんどった「ニーベルング族の宝」で支払いを済まそうとするヴォータンですが、巨人族の兄弟はなんじゃかんじゃといちゃもんをつけて、隠れ頭巾を、さらには指環を要求します。  ここでローゲは「そもそもあれはラインの乙女から盗難届けが出されたもの;ヴォータンに所有権はないもの」と言って「本来あるべきところ」に返そうとしますが、指環の魅力に屈してしまった神々の長・ヴォータンはそれを却下します。  「これはわしのものだ!」  ここでヴォータンが素直にローゲの言葉に従っていたら、ラインの乙女たちに指環を返していたらどうなったのでしょうか??  まあ、せいぜいが「ラインのゴールド・ラッシュ」な~んていう名前のチンケな作品ができあがっておしまい・・・・だったのでしょうね(笑)

巨人族兄弟に「お前さんのものだったら、支払いのたしにしろ!」と迫られても動じなかったヴォータンですが、智の女神エルダの進言もありしぶしぶ指環を手放します。  するとさっそくアルベリヒの呪いが効を奏し、巨人族兄弟の骨肉の争いが勃発します。  そしてその争いの勝利者ファフナーがすべての宝を独り占めにして森の中へ姿を消します。  

さて、次なる指環の持ち主となったファフナーですが、彼はこの指環に「アルベリヒの呪い」がかけられていることは知らないはずなのですが、何故か「力の指環」の魔力を行使しません。  個人的には、当初あれだけ権力欲(?)のあったファフナーのこの変貌ぶりには唖然とするばかり・・・・ではあるのですが、まあ、彼はファゾルトを殺し、ジークフリートに殺されるための捨てキャラだったということでしょうか??  いずれにしろ宝を抱えてその上で惰眠を貪るばかりです。  こうして「富と力」「死」「屈従」という意味づけを持っていたはずの指環は再び単なる「金色に輝く小間物」(by フリッカ)の姿に戻ってしまったかのようです。

 

 

さて、今日も昨日に引き続き「指環が象徴するもの」です。  アルベリヒによって「富と権力」「屈従」という意味づけ・価値を与えられた指環は一旦はヴォータンの手に渡ります。  指環の持つこれらの価値に魅せられてしまったヴォータンはうっとりしていて他のことは何も目に入らない、耳に入らない状態です。

身包みはがれた状態のアルベリヒはやっと拘束から逃れたその時、この指環に呪いをかけます。  「俺に1度は無限の力を与えた黄金よ、今度はその魔力で、お前の所有者に死をもたらせ!  指環を得て、心楽しむ者はなく、そのまばゆい輝きを浴びて、幸せを味わう者もいない。  それを持つ者は、不安に魂を蝕まれ、持たぬ者は、欲心に身を灼かれる!  誰もが我が物にしようと欲するが、誰もそのありがたみを享受することはない。  それを持っていたところで利得はなく、反対に持ち主は破滅へと駆られるのだ!  死神に魅入られ、恐怖に脅え、命ある限り満たされぬ欲望を抱えて、指環の主人は、指環の奴隷となってやつれ果てていく。  この呪いの効き目、俺から奪われたものがこの手に戻るときまで絶対に変わることはない!」

いやはやすごい呪いをかけたものです。  こうして指環が持つ意味づけ、価値はさらに飛躍的な進歩を遂げます。  「富と権力」「死」そして「指環への屈従」。  それにしても・・・・。  絶対的な権力者になれるはずの指環を持っていたアルベリヒなのになぜヴォータンに屈しなければならなかったのでしょうか??  確かにヒキガエルなんかに化けて見せるのはお馬鹿だったとは思うけれど、つかまってからヴォータンに指環を奪われるまでにはそれなりの時間があったわけだし、指環を持っている間に「絶対的な力」とやらいう最終兵器を行使することを何故考えなかったのでしょうか??  あの状況でそれでも指環だけは死守できると踏んだ読みの甘さ??  自分の愚かさを嘆くばかりで思考停止に陥った???

 

  

さて、本日のお題は「ニーベルングの指環が象徴するもの」です。  このオペラのタイトルは言わずと知れた「ニーベルングの指環」なわけですが、不思議なことに第1夜の物語「ヴァルキューレ」には指環はチラリとも姿を見せません。  ま、もちろん全4夜の4話を通したときの総称が「ニーベルングの指環」であって、それぞれの物語には「ラインの黄金」「ヴァルキューレ」「ジークフリート」「神々の黄昏」という立派なタイトルがついているので、指環が出てこなくてもいいと言えばいいことなんですけど、正直、KiKi が初めてこのオペラ(特に「ヴァルキューレ」)を鑑賞したときには「へ?  指環は??  どこいっちゃったの??  ファフナーはどうなったの??  ヴァルキューレって何さ??」と訝しく思ったものでした。  まるでお預けを食らって「待て」と言われている子犬の気分・・・・(笑)

でね、「何故このオペラのタイトルがニーベルングの指環なのか??」っていうのは、結構マジな疑問だったのですよ。  で、これについて云々するためには、この「ニーベルングの指環」という言葉を2つに分けたいと思うんですよね。  1つは「ニーベルングの」で、もう1つは「指環」です。  (← って言うのもこれをまとめて論じると長くなりすぎちゃうから・・・・なんですけどね。)  つまり「力(権力)の指環」じゃなくて「ニーベルングの指環」である理由を考えるのがまず1つ。  そしてもう1つが「指環」が象徴するものは何かです。

で、今日はまず「指環が象徴するもの」について考えてみたいと思います。

 

   

ヴォータンの考察 その2

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さて、昨日に引き続き今日のお題は「ヴォータンの考察 その2」です。  この物語の中でず~っと KiKi が不思議に思っていて、今でも最終結論が出ていない問題について今日は整理してみたいと思います。  (最終結論ではないので、いずれ訂正することになるかもしれませんが・・・・)  それは、ヴォータン vs. ジークフリート対決のシーンです。  ヴォータンはジークフリートと話しているうちに怒りを爆発させて何が何でもブリュンヒルデのもとには行かせない!とばかりにジークフリートの前に立ちはだかります。

自ら神々の滅亡をもはや受け入れてしまっているはずのヴォータン、しかもジークフリートとブリュンヒルデが結ばれることを期待していた(と言うより予定していた)はずのヴォータンが何故ジークフリートの行く手を阻もうとするのか??  いったいぜんたい何が起こったんだ??  ここはヴォータンさんのご意見を伺いながら整理してみたいと思います。
  

ヴォータンの考察 その1

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今日のお題は「ヴォータンの考察 その1」です。

まずはヴォータンがこの物語でどのように登場するのかを整理してみましょう。

<ラインの黄金>
第2場(山の頂き) 神々の長、ヴォータンとして登場
第3場(ニーベルハイム) 神々の長、ヴォータンとして登場
第4場(山の頂き) 神々の長、ヴォータンとして登場

<ヴァルキューレ>
第1幕(フンディングの家の中) ジークムントの話の中で彼の父、ヴェルゼとして登場
第2幕(荒涼たる岩山) 神々の長、ヴォータンとして登場
第3幕(ブリュンヒルデの岩山) 神々の長、ヴォータンとして登場

<ジークフリート>
第1幕(森の中の洞窟) さすらい人として登場
第2幕(森の奥) さすらい人として登場
第3幕(ブリュンヒルデの岩山) さすらい人として登場
第3幕(ブリュンヒルデの岩山) ブリュンヒルデの話の中で神々の長、ヴォータンとして登場

<神々の黄昏>
プロローグ(ワルキューレの岩山) ノルンの話の中で神々の長、ヴォータンとして登場
第1幕(ワルキューレの岩山) ワルキューレ・ヴァルトラウテの話の中で神々の長、ヴォータンとして登場

今日はまずこのヴォータンの登場の仕方から垣間見える「ヴォータンとはどんな存在だったのか」を整理してみたいと思います。

 

 

ラインの黄金は誰のもの?

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さて、今日のお題は「ラインの黄金は誰のもの?」です。

ワーグナーのオペラ「ニーベルングの指環」の序夜「ラインの黄金」でこのラインの黄金の見張りをしているのは3人のラインの乙女たちです。  3人には一応名前があります。  ヴォークリンデ(波)、ヴェルグンデ(大波)、フロースヒルデ(河)と言います。  3人は「お父さま」の命令によりラインの黄金を守っている・・・・ことになっています。  ここで今日のお題の疑問が発生します。

 

そもそもこのラインの黄金の正当な(?)、もしくは本来の(?)所有者って誰なんだろうか??? 

 

この肝心の問いに関してラインの乙女たちは何も語ってくれません。  ただ「お父さまが気を配って守るようにと仰った」としか・・・・。  でも現在ほど組織ヒエラルキーが分化していなかっただろう神話の時代に、本来の持ち主の依頼を取締役が受けてそれを担当部長、担当課長、現場リーダー、末端のスタッフに繰り下げているとはあまり思えません。  順当に考えれば「ラインの黄金」の正当な持ち主は「お父さま」であっただろうと予測されます。

  

じゃあ、そのお父さまっていったい誰???  

 

ラインの乙女たちは水の精とされています。  じゃあ「精」って何??  そこで広辞苑を調べてみました。

<精>
たましい。  不思議な力をもつもの。  もののけ。
精神・精霊・妖精

<精霊>
① 万物の根源をなすという不思議な気。  精気。
② 草木・動物・人・無生物などの個々に宿っているとされる超自然的な存在。
③ 肉体又は物体から開放された自由な霊。

<妖精>
西洋の伝説・物語に見える自然物の精霊。  美しく親切な女性などの姿をとる。

 

なるほど・・・・。  

 

KiKi はね、彼女たちの「お父さま」っていうのは「ライン河」そのものだったんじゃないかと思うんですよね。  因みにドイツ語の名詞には性別があったりするするわけですが、ライン河は♂ですから性別的にも合ってます。  (これに対しドナウ河は♀です。)

 

 

さて、昨日に引き続き西洋の神話において「神様」というのがどういう位置づけだったのかを考察するその2です。  昨日は「キリスト教」と「ギリシャ神話」の神様について考えてみました。  今日はこの「ニーベルングの指環」の背景になっている「北欧神話」の神様です。  

氷と火炎がぶつかり合うところで、最初の生命が誕生した。  南方にはムスペルと呼ばれるところがあって、そこは踊り狂う炎でゆらめいていた。  北方にはニヴルヘイムと呼ばれるところがあって、氷で固められ、広漠とした一面の雪で被われていた。  このふたつの世界の間には、裂け目(がらんどう)があり、ギンヌンガガップ(あくびする裂け目の意)と呼ばれていた。  この世界には大地も天もなかった。  ムスペルから流れてくる暖かい空気と、ニヴルヘイムからの白霜がぶつかり合って、解けたしずくの中から最初の生命が生まれた。

それは、ひとりの巨人で、霜の巨人「ユミル」と呼ばれ、邪悪な心を持っていた。  彼が眠っている間にかいた汗により右のわきの下から一組の男女が生まれ、こすりあわせた足の間からも別の息子が生まれた。  そうして、「ユミル」はすべての霜の巨人の祖先となり、「アウルゲルミル」と呼ばれるようになった。

ギンヌンガガップでもっとたくさんの氷が溶けるようになると、今度はその流動物が一頭の牝牛となった。  この牝牛の名は「アウドムラ」である。  ユミルはこの牛から流れ出る乳の川から乳を飲んでいた。  又、この牝牛は氷を食料としていた。  あるとき、「アウドムラ」が塩辛い塊を舐めていると、その中から人間の体の一部が現われ始め、3日目には全身が現われた。  彼の名前は「ブーリ」、神々の先祖である。  彼は背が高く、美しかった。  彼は、「ボル」という息子を持ち、その「ボル」は霜の巨人族のボルソルンの娘「ベストラ」と結婚し、3人の男の子をもうけた。  その子たちの名前が上から「オーディン」、「ヴィリ」、「ヴェー」であった。 

「ボル」の3人の息子は、狂暴な霜の巨人族が気に入らず、時が経つにつれて憎むようになっていった。  彼ら3人は「ユミル」と戦い、そして「ユミル」を殺してしまった。  「ユミル」から流れ出た血はあまりにも夥しく、しかもその勢いがあまりにも強かったのでその血の洪水で霜の巨人族はベルゲルミルとその妻以外は悉く滅んでしまった。  (この2人だけは小舟に乗っていたので助かった。)

さて「オーディン」たち3人兄弟は、死んだ「ユミル」の体をギンヌンガガップの中央に運び、そこでその身体から世界を創った。   ユミルの肉塊からは大地を、骨からは山脈を、歯と顎と骨のかけらからは岩や小石を、血からは大地の回りをめぐる海や湖を、頭蓋骨からは天空を創ったのである。  さらに、炎の国ムスペルから飛んでくる炎、火の粉を捕らえ、太陽、月、星を天空に創り、ユミールの脳みそから雲を創った。  

大地の辺境の浜辺ヨーツンヘイムには生き残った霜の巨人を住まわせ(3兄弟とは犬猿の仲)、大地の内陸部にはユミルの眉毛で造った垣根で囲まれたミッドガルドと呼ぶ領域を創り、そこは人間のための領域とした。

ある日、3兄弟が海辺を歩いていると、根のついた2本の木が倒れていた。  1本はトネリコ、もう1本はニレの木である。  兄弟はそれを使って人類の男と女を創り、オーディンが魂を、ヴィリが知力と心を、ヴェーが感覚を与えた。  男は「アスク」、女は「エムブラ」と呼ばれた。  この2人がすべての人類の祖先である。

さらに3兄弟はユミルの肉塊の中で身もだえしていたウジムシに人間と同様の知力と姿を与え、彼らは岩の部屋や小さなほら穴や洞窟に住み着いた。  この人間に似たウジムシが小人と呼ばれるようになった。  

最後に3兄弟は、ミッドガルドの上に新たな世界を創り、自分たちの住みかとした。  それが彼ら神々がすむ国アースガルドである。  アースガルドは城壁に守られており、ミッドガルドとの間を虹の橋ビフレストで結んでいる。  神々は全部で24人(男神12人、女神12人)。  最年長のオーディンが神々の長老となった。

こうして起こったことの全てと世界の全ての地域は、樹の中で最も偉大で最善のトネリコの樹、ユグドラシルの枝々の下に広がることになった。  その根はアースガルドとヨーツンヘイムとニヴルヘイムに張り巡らされていて、それぞれの下には泉があり、一羽の鷹と鷲がその枝に止まっていて、一匹のリスが上へ下へと走り回り、鹿はその枝の中で跳ねながらそれを少しずつ齧り、一匹の竜ががつがつと食んでいるのである。  その樹は露を注がれているが、それは樹そのものに生命を与え、まだ生まれていないものにも生命を与えている。  ユグドラシルは過去にも現在にも存在し、またいつまでも存在し続けるのである。
(参考図書: 北欧神話物語) 


「ニーベルングの指環」の物語をより深く楽しむためには、この物語のベースとなっている北欧神話の世界観を知っておいたほうがより自由に様々な空想の世界で遊ぶことができると思います。  そこで今日からしばらくは世界各地の神話世界の中で「神様」がどのような位置づけの存在だったのかについて色々と考えてみたいと思います。

どんな神話の世界にも1番最初に出てくる物語。  それは天地創造の物語です。  例えば世界のトップ・セラー、聖書を紐解いてみましょう。  聖書の第1節はその名も「創世記」です。  どんな風に始まるのかちょっと引用してみると・・・・。

初めに、神は天地を創造された。  地は混沌であって、闇が深淵の面にあり、神の霊が水の面を動いていた。  神は言われた。
「光あれ。」
こうして、光があった。  神は光を見て、良しとされた。  神は光と闇を分け、光を昼と呼び、闇を夜と呼ばれた。  夕べがあり、第一の日である。  
(日本聖書協会 聖書 新共同訳より)

ここを読んでわかることは、神様っていうのは最初から存在していたっていうこと、そして何にもないところからこの世界を1から創り出した創造主であるっていうこと、さらには神はひとりだったっていうことです。  神様がどうやって生まれたのかは誰にもわかりません。  どこから来たのかもわかりません。  とにかく最初からそこにいたんです。  そして最初は神様しか存在しないんです。  天と地さえも・・・・。  さすが、砂漠地帯で生まれた宗教だと思いませんか?  砂漠には草も木も水もありません。  あるのは荒涼たる大地と空だけです。  昼と夜だけです。  でもその荒涼たる大地と空さえも神様より以前にあったわけじゃありません。  だから聖書(ユダヤ)の神様はまず最初に天地を創造し、光を創造した・・・・と考えられた(つまり砂漠を創造された)のでしょうね。

この世ができる前からいたのが神様で、この世を創ったのも神様なんですから、当然そんな神様は1番偉いに決まっています。  誰に教えられることもなく創造できちゃうぐらいですから全知全能なんです。  独りぼっちだから禁欲生活は当たり前、寂しさにだって慣れちゃってます。  独りぼっちだから誰かと争う必要もないので、武力は必要なくてとっても温厚で思慮に富んでいるんです。  他にすることがないから、とっても働き者なんです。  たった6日で色々な新製品を作り上げちゃうんです。  

神様はご自分に模って人を作られます。  そして「産めよ、増えよ、地に満ちて地を従わせよ。」と仰ったものの、人が産んだり増えたりするパートナーを自分では見出せずにいるのを見てはたと考えます。  ご自身がひとりで何でもできちゃうから、人も同じようにできると勘違いしていらしたようです ^^;    

人はあらゆる家畜、空の鳥、野のあらゆる獣に名を付けたが、自分に合う助けるものは見つけることができなかった。  主なる神はそこで、人を深い眠りに落とされた。  人が眠り込むと、あばら骨の1部を抜き取り、その跡を肉でふさがれた。  そして、人から抜き取ったあばら骨で女を造り上げられた。  主なる神が彼女を人のところへ連れてこられると、人は言った。
「ついに、これこそ わたしの骨の骨 わたしの肉の肉。
 これをこそ女(イシャー)と呼ぼう
 まさに、男(イシュ)から取られたものだから。」  
(日本聖書協会 聖書 新共同訳より) 

人として創造されたのがまず「男」だったことがわかります。(同時に神様が「男」であったことも示唆しています。)  で、「女」はその男を助け、産んだり増やしたりするための補助要員、男の従属物だったこともわかります。  ユダヤの神様は最初から男尊女卑なんですよね~。  さすが、母から生まれてきたわけじゃない神様は考え方が違います。  「母」という概念が最初から(創造の段階から)欠如しています。  

 

 

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さて、今日はこの漫画版「ニーベルンクの指輪」全4巻の Review の最終回です。  ようやくさすらいの英雄、ジークフリートがブリュンヒルデと再会するところから物語が始まります。

 

 

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さて、今日も昨日・一昨日に引き続き、漫画「ニーベルンクの指輪」の第3巻をご紹介します。  昨日までにご紹介した第1巻と第2巻で「ラインの黄金」から「ジークフリート」までの物語は網羅されているので、残りの2巻で「神々の黄昏」が描かれていることになるわけです。

因みにオペラの参考上演時間を挙げておくと
「ラインの黄金」:  約2時間半
「ヴァルキューレ」: 約3時間半
「ジークフリート」: 約4時間
「神々の黄昏」:   約4時間半

ということで、確かに「神々の黄昏」が1番長いですね~。

 

 

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今日は昨日に引き続き、漫画「ニーベルンクの指輪」の第2巻をご紹介します。  昨日ご紹介した第1巻がオペラ「ニーベルングの指環」の「ラインの黄金」と「ヴァルキューレ」の部分、そして今日ご紹介する第2巻は「ジークフリート」の部分にあたります。

 

 

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さて、今日はこの長大な作品に親しむのに比較的とっつきやすいこの漫画についてご紹介したいと思います。  オペラの方は序夜(前夜祭)の「ラインの黄金」から第3夜「神々の黄昏」まで全部を通算すると正味15時間ぐらいかかる大作ですから、よほどの覚悟か興味がないと観通すのは難しいと思うんですよね。  でもね、この漫画だったら比較的さらっと読めちゃいます。  必ずしもワーグナーの「指環」の世界に忠実ではないし、ある面では新解釈が含まれている作品ではあるのですが、この「ニーベルングの指環」という作品のエッセンスは伝えてあまりある漫画に仕上がっていると思います。  実は KiKi も時間がなくてオペラを観られないときにはちょくちょく手にとって読んでいるんです(笑)

作者はあの「ベルサイユのばら」や「オルフェウスの窓」で有名な池田理代子さん。  もっとも彼女は脚本と構成のみを担当されていて画の方は宮本えりかさんという方が描かれているようです。  今日ご紹介するこちら(↑)は全4巻のうちの第1巻です。  

 

 

昨日のエントリーで「ニーベルングの指環」に出てくる「だいじなもの」について不充分ながらご紹介させていただきました。  今日のこのエントリーはそこからもう一歩踏み込んで、この物語の背景にある「北欧神話」の世界の中で「世界樹(ユグドラシル) - トネリコの木」がどういう存在だったのかについて触れておきたいと思います。

「ニーベルングの指環」はドイツ中世の叙事詩「ニーベルンゲンの歌」や北欧神話「エッダ」、「ヴェルズンガ・サーガ」などに題材を求めた作品ではありますが、決してそれらの神話から何らかのエピソードを抜粋した物語ではありません。  ワーグナーという稀有の天才がいったんそれらの物語を吸収し、そのエッセンスを彼の頭の中で様々な空想・妄想を働かせて分解・再構築し、それをオリジナルの脚本として編み出したものです。  ですから必ずしも元の題材にあるがままの姿で全ての事象が描かれている物語ではありません。  でも、神話の世界で「ある出来事の象徴」として考えられている事物に関しては、やはり原本の持つ強いイメージが何らかの影響を与えていることは否定できないと KiKi は考えます。

ましてヴォータンの持ち物としての「槍」やノートゥング登場の舞台として選ばれたトネリコの木に関しては、この「ニーベルングの指環」の中ではあまり多くが語られることがありません。  逆に KiKi などは生まれて初めてこのオペラを観たときには第3夜の「神々の黄昏」冒頭で、3人のノルンがこの世界で起こったこと、起こりつつあることをかいつまんで語ってくれるレチタティーヴォを聴いて初めて、トネリコの木が「ものすご~くだいじなもの」であったことに気がついたくらいぼけ~っとしていました。  そしてトネリコの重要性に気がついたときに初めて、北欧神話を読み直してみて世界樹(ユグドラシル)がトネリコの木であったことを思い出したのです。  てなわけで、今日は「ニーベルングの指環」本編からはちょっと離れますが、世界樹(ユグドラシル)のご紹介をしておきたいと思います。  尚、このエントリーを書くにあたり、KiKi が参考にしたのは以下の文献です。

「北欧神話物語」 
 出版:青土社 著者:K.クロイスリーホランド 訳:山室静 & 米原まり子

 

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「ニーベルングの指環 神々の黄昏」
 出版:新書館 作:R.ワーグナー 訳:高橋康也 & 高橋宣也

 

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さて、神話をベースにしたこの「ニーベルングの指環」には同じように神話からイメージを広げて作成されていることが多いRPGだったら「だいじなもの」として登録されるような様々なキー・アイテムが存在します。  これらのキー・アイテムは登場人物と同じくらい何らかの意味合いを持っていたりします。  そこでここではそんな「だいじなもの」を整理しておきたいと思います。


<指環>

他の何を忘れてもこれだけは忘れるわけにいきません!!  だってオペラのタイトルにもなっているんですもの。  で、この「ゆびわ」を軸にして物語は展開していくのですから(・・・・と言いつつもヴァルキューレではヴォータンの独白の中以外では指環の「ゆ」の字も出てこないのですが・・・・ ^^;)。  この指環はラインの乙女たちに愚弄されているうちに「愛を諦めた」アルベリヒがラインの黄金から作り出したものです。  で、もう1つの「指輪物語」同様に「力の指環」と呼ばれています。  この「指環」は「愛を諦めた人物」によってのみ作り出すことが可能で、世界を屈服させる魔力を持っています。  しかしこの指環がヴォータンによって奪われてしまったことにより、アルベリヒは「この指環を持つものに死をもたらす」という呪いをかけてしまいました。  ちょっとした皮肉ですよね~。  世界を屈服させることができるんだけど、持っていたら死んじゃうなんて・・・・ ^^;  でも、そんな不思議な魔力を持っている指環なので欲しい人(?)はいっぱいいるわけで・・・・。  この指環がどんな運命を辿ったのかを簡単なチャートにまとめてみるとこんな感じです。

 

ラインの川底で「指環」の原材料が「ラインの黄金」として眠っていた
   ↓
愛を諦めたニーベルング族のアルベリヒがその黄金を強奪、「指環」を完成、所持、権勢を振るう
   ↓
神々の長ヴォータンがアルベリヒから謀略によってかっぱらう
   ↓
巨人族が神々の居城であるヴァルハラ城建築の対価として譲り受ける
   ↓
巨人族の兄弟喧嘩の末、ファフナーが生き残りその他の宝とともに独占
   ↓
ファフナーは大蛇(竜 ともいわれる)に変身して守る
   ↓
ジークフリートがファフナーを殺害、指環を入手する
   ↓
ジークフリートからブリュンヒルデが「愛の証」として指環を贈られる
   ↓
ブリュンヒルデからジークフリート(忘れ薬による健忘症発症中)が力づくで奪う
   ↓
ジークフリートの亡骸からブリュンヒルデが抜き取り、炎の中に共に飛び込む
   ↓
ラインが増水し、灰になったブリュンヒルデが水に沈み、指環はラインの乙女の手に戻る

 

様々なできごとを巻き起こし、指環に関わった種族はみんな枕を並べて滅びちゃうんだけど、指環だけを見てみると結局ぐるっと回ってもとの状態に落ち着いただけ。  これが何故「剣」や「楯」や「冑」じゃなく「指環」だったのかはぐるっと回って元に戻ることとあながち無関係ではないのかもしれません。
(「指輪物語」で似ているもの: サウロンの力の指輪)


<隠れ頭巾>

指環同様にラインの黄金からアルベリヒの命により弟のミーメが作ったすぐれもので、この頭巾をかぶると姿を消したり、望むものに変身したりすることができます。  この隠れ頭巾の力を逆手にとって、アルベリヒを蛙に化けさせてヴォータンは彼を拘束し、指環やニーベルング族の宝をかっぱらいます。  隠れ頭巾は基本的には指環と運命を共にし、ジークフリートの手に渡りますが、その後この超便利アイテムの去就はちょっと不明です。  はっきりしていることは、あまり感心しない動機(アルベリヒはこの頭巾を使って人々を監視し、恐怖心によって人々を支配・搾取しようとしていた)で作られたこのアイテムは結果としてアルベリヒ自身を裏切り、他の者の奸智によって自分の墓穴を掘るアイテムとなってしまったということです。  そしてさらには、奸智によってアルベリヒを陥れるためにこのアイテムを使ったヴォータンの最愛の娘・ブリュンヒルデは、このアイテムによってグンターに身をやつしたジークフリートにグンターとの結婚を迫られることになるのです。  どうもラインの黄金から作られたアイテムは「強力すぎるが故に使い方を間違えると・・・・」という性質を持っているようです。  「因果応報」「諸刃の剣」なんていう言葉が連想されます。
(「指輪物語」で似ているもの: エルフのローブ)


<ノートゥング>

剣と槍と甲冑の時代、やっぱり剣っていうのは超だいじなもの。  普通の人だったらそんじょそこらの剣でもいいかもしれないけれど、やっぱり物語の主役ともなると半端な剣を持たせるわけにはいきません。  この掟はRPGを作る際にも踏襲され、「キャラクターの固有(専用)最強武器」な~んていう形であらわれます。  それが剣の場合には「聖剣」なんていう風に呼ばれることもあります。  このノートゥングはまさにそんな「聖剣」です。  神々の長であるヴォータンが自分の血を引くヴェルズング族のジークムント専用の武器として特別にこしらえた一点もので、「専用」を強調するために、登場するときにはトネリコの木に刺さって現れます。  で、他の誰もその剣を引き抜くことができないときています。  このあたりはアーサー王伝説に出てくる「聖剣エクスカリバー」とそっくりです。  (あちらは大聖堂前広場の大理石の台座に刺さっていて、アーサー王にしか引き抜くことができなかった。)  で、この聖剣というやつは必ず1度は折れなくちゃいけないらしい・・・・(笑)。  アーサー王のエクスカリバーしかり、ノートゥングしかり。  剣が折れることは受難と常にワンセットです。  で、そこから英雄本人、もしくは孫子の代の誰かが再び再起するときに鍛えなおされるんですよね~。  でもいやしくも「聖剣」なのでそんじょそこらの鍛冶屋には鍛えなおすことはできません。  だから鍛えなおす人は「神様」とか「エルフ」とか「英雄本人」じゃなくちゃいけないのです。  こうして鍛えなおされた剣が主人公(この物語ではジークフリート)の戦いを支えることになります。
(「指輪物語」で似ているもの: アラゴルンの剣 アンドゥリル)

            

<トネリコの木>

さてその聖剣が刺さっていたのがトネリコの木です。  ネットでトネリコを検索してみるとこんなページこんなページがヒットします。  う~ん、なんか違うような・・・・。  これじゃ、おもちゃの剣を刺すのも難しそうです。  まあ植物にはあまり詳しくないのでそのうち真相がわかったらここは訂正することにしましょう。  ま、いずれにしろこのトネリコの木。  実は北欧神話の世界では特別な木として認識されています。  北欧神話の世界で「ユグドラシル」と呼ばれる世界樹(宇宙樹)はこのトネリコの木だということになっています。  この世界樹(宇宙樹)は北欧神話の終末論、ラグナロクにあっても滅びない大黒柱的な位置づけのだいじなもので、時間・知恵・意識・生命・空間の象徴とされています。  
参考: 世界樹(ユグドラシル)-トネリコについて  
(「指輪物語」で似ているもの: 白の木)


<ヴォータンの槍>

第1作の「ラインの黄金」でヴォータンさん初登場の時からず~っとヴォータンさんと行動を共にする彼の槍。  これはトネリコの木から作られたものです。  そのトネリコの木は↑のようなすんごいものなわけですから、当然すんごいアイテムでなきゃいけません。  彼はこの槍にルーン文字で神聖な契約の文言を刻み、その契約を守ることによって神たる資格をもつとされています。  ですからこの槍はそんじょそこらの武器とは異なり単なる戦いの道具ではなく、ヴォータンにとっては彼の神性、彼の覇権を証明するアイテムとも言えるわけです。  だからこそ、「ヴァルキューレ」で姿を消したきりの火の神ローゲを呼び出すときにもこの槍を振るいます。  又、同じく「ヴァルキューレ」でジークムントがフンディングと戦っているとき、ヴォータンはこの槍で名剣ノートゥングを砕きフンディングに勝利を与えました。  この時点ではまだまだヴォータンの、そして神の力は凄かったのです。  でも、続く「ジークフリート」で火の岩山を目指すジークフリートとさすらい人(実はヴォータン)が対峙したとき、今度は逆にヴォータンの槍はジークフリートによって鍛えなおされたノートゥングによって砕かれてしまいます。  このことが神々の凋落の始まりを暗示しています。     


追記:
今後もこのエントリーには必要に応じて加筆していく予定です。

 

    

ワーグナーが構想から26年の歳月をかけて作り上げ、このオペラ(楽劇)を上演するためにパトロンのルートヴィヒ2世の助力を仰ぎながら彼仕様の劇場まで作り、毎年夏に催される「バイロイト音楽祭」開催のきっかけを作ったといわれるこの超大作。  上演に実に4夜も費やし、大量の資金と人材を要するこの作品の登場人物は実にバラエティに富んでいます。  そこで簡単に登場人物を整理しておきたいと思います。  ワーグナーはこの台本を書くにあたり、その題材を広くドイツ中世の叙事詩「ニーベルンゲンの歌」や北欧神話「エッダ」、「ヴェルズンガ・サーガ」などに求めました。  ですから、登場人物の名前や属性などはそれらと重なる部分も多々あるのですが、大きく変わってしまった人物もいるようです。


<神の一族>

ヴォータン(Wotan)
神々の長。  世界を支配している権力者。  妻フリッカがいるもののあちらこちらで色目を使い、ヴェルズング族(人間)の女性との間に双子の兄妹を生ませたり、知恵の女神・エルダとの間にワルキューレ(戦乙女)たちを生ませたりする。  第3夜「ジークフリート」ではさすらい人に扮し、ミーメやアルベリヒに警告を与えに現れ、ジークフリートと戦い槍を折られる。

フリッカ(Fricka)
ヴォータンの妻で結婚を司る女神。  嫉妬深い。  (そりゃあダンナがあれじゃあ、嫉妬深くなるのも無理ないような・・・・ ^^;)

フライア(Freia)
フリッカの妹で不老不死の果実(黄金のリンゴ)を守っている美しい女神。

エルダ(Erda)
太古から未来までを見通すことができる知恵の女神。  ヴォータンとの間にワルキューレ達を生む。  ヴォータンに指環を手放すように進言する。

ドンナー(Donner)
雷神。  フリッカ、フライア、フローは皆兄弟姉妹。

フロー(Froh)
幸福の神。  神々のヴァルハラ城入城の際、虹の橋をかける。

ローゲ(Loge)
奸智に長けた火の神。  ヴォータンに色々計略を指南する。  父に逆らった罰として岩山に眠らされるブリュンヒルデを彼の炎が囲む。  半神半人とされている。

ブリュンヒルデ(Brunnhilde)
ヴォータンが知恵の女神エルダに生ませたヴァルキューレの長女。  後に岩山で炎に包まれて眠っているところをジークフリートによって目覚めさせられ、彼の妻となる。  最後はジークフリートの遺体と共に我が身を焼き、その炎により神々の宮殿ヴァルハラが炎上する。

ヴァルトラウテ(Waltraute)
ヴァルキューレの1人で、ブリュンヒルデに呪いから救われるために指環を手放し、ラインの乙女たちに返すように頼みに来る。


<巨人族>

ファゾルト(Fasolt)
巨人族の主で、利害の対立から弟ファフナーに殺害される。

ファフナー(Fafner)
同じく巨人族で、兄を殺害後大蛇(竜とも言われている)に変身し指環と財宝を守っているが、ジークフリートと戦い殺害される。


<ニーベルング族>

アルベリヒ(Alberich)
ニーベルング族(小人族)の主で、強い権力欲と愛欲の持ち主。  ミーメの兄で、大蛇に変身しているファフナーから指環と財宝を盗み出すことを目論む。 後に息子であるハーゲンの夢枕に現れ、指環を手に入れるようにとそそのかす。

ミーメ(Mime)
アルベリヒの弟だがいつも兄に虐げられている。  ふとしたことでジークフリートを拾い、彼を育てる。  勇猛果敢な青年に成長したジークフリートを使って指環と財宝をファフナーから盗み出すことを目論むが、ジークフリートに殺されてしまう。

ハーゲン(Hagen)
アルベリヒの息子でグンターとは異父兄弟の間柄。  父の代からの悲願、指環入手に執念を燃やす。  奸智に長け、ブリュンヒルデから彼の唯一の弱点を聞き出し、ジークフリートを殺害する。


<人間族>

ジークムント(Siegmund)
神々の長ヴォータンとヴェルズング族の女性との間に生まれた双子の兄。  後にフンディングの捕らわれの妻となっている実の妹ジークリンデと出奔し、2人の間にジークフリートが生まれる。  尚、ヴェルズング族は「狼族」とも言われる。

ジークリンデ(Sieglinde)
神々の長ヴォータンとヴェルズング族の女性との間に生まれた双子の妹。  略奪婚によりフンディングの妻となっているが、ジークムントと出会い出奔する。  ブリュンヒルデからジークムントの剣・ノートゥングの破片を受け取り、お腹の中に宿るジークフリートを産む決心をして、大蛇に変身したファフナーの住む森へ逃げる。

フンディング(Hunding)
ジークリンデの夫でヴェルズング族と戦をしている。  尚、彼の種族は「犬族」とも言われる。

ジークフリート(Siegfried)
ジークムント & ジークリンデの双子の兄妹の間に生まれた若者。  後にブリュンヒルデの夫となるが、ハーゲンの奸智により忘れ薬を飲まされ、グンターの妹のグートルーネに惹かれてしまう。  グンターと共に指環をブリュンヒルデから奪い、彼女とグンターの結婚話を積極的に進める。  この仕打ちに怒ったブリュンヒルデはハーゲンにジークフリートの唯一の弱点が背中であることを教えてしまう。  その後ジークフリートは記憶を甦らせるが、ハーゲンにより殺害されてしまう。

グンター(Gunther)
ハーゲンの異父兄でギービヒ家の当主。  ブリュンヒルデを妻にしようと目論む。  指環の所有権でハーゲンと争い、ハーゲンにより殺害される。

グートルーネ(Gutrune)
グンターの妹で、ハーゲンの奸智によりジークフリートと結婚しようとする。  ジークフリートが殺害されたとき、犯人がハーゲンであることを知り、兄を呪う。


<妖精?  精霊?>

ラインの乙女たち(3人)
ヴォークリンデ(Woglinde)、ヴェルグンデ(Wellgunde)、フロースヒルデ(Flosshilde) の3人で、ラインの黄金を守っているが、アルベリヒに黄金を奪われてしまう。


 

<序幕>
夜、3人の運命の女神ノルン(ワルキューレ同様智の女神エルダの娘)が運命を象徴する縄を編みながら、この世界の過去・現在・未来について語っている。  そして神々の終焉が近づいていることを予言したところでその縄が切れてしまう。  驚いた3人は「これで永遠の叡智は終わった!」と叫び、エルダの元に帰っていく。  夜が明けるとジークフリートとブリュンヒルデが登場。  彼女は夫を旅に出す決心をし、自分の愛馬グラーネを彼に与える。  ジークフリートはニーベルングの指環を新妻に与え、2人は永遠の愛を誓う。  ジークフリートはグラーネとともに新天地を求めて旅立つ。  (ここで「ジークフリートのラインへの旅」)

<第1幕>
ライン河畔にあるギービヒ家の館。  当主のグンター、アルベリヒの息子・ハーゲン(グンターとは異父兄弟)、グンターの妹のグートルーネの3人がギービヒ家の名声について話し合っている。  奸智に長けるハーゲンは指環を我が物にするために、グンターにはブリュンヒルデを、グートルーネにはジークフリートを結婚させようと2人をたきつける。  そこに角笛の音とともに舟でラインを下ってきたジークフリートが登場。  ジークフリートを客人としてグンターは館に迎え入れる。  ハーゲンはグートルーネに「忘れ薬」が入っている酒をジークフリートに勧めさせる。  その酒を飲んだジークフリートはブリュンヒルデのことを忘れ、美しいグートルーネに一目惚れ~  グンターはそんなジークフリートに自分のために火の岩山にいるブリュンヒルデを連れて来てくれたら妹を嫁にやろうともちかける。  喜び勇んだジークフリートはそれを承諾し、グンターと義兄弟の契り(血の盟約)を結び、2人でライン河をのぼっていく。  この血の盟約に参加しないハーゲンは2人を見送ると「お前たち純血の陽気な種族はニーベルングの血をひく自分に使われているに過ぎぬ。」と1人ほくそ笑む。

岩山でジークフリートに与えられた指環を手に幸福感に浸っているブリュンヒルデの所に妹のワルキューレの1人、ヴァルトラウテがやってくる。  彼女は神々の世界が危機に瀕していることを語り、アルベリヒの呪いから逃れるために指環をラインの乙女たちに返すことを懇願するが、ブリュンヒルデはジークフリートとの愛の証である指環を手放すことはできないとこれを拒否。  絶望したヴァルトラウテが立ち去ると炎が燃え上がり、ジークフリートの角笛が聞こえてくる。  喜んで彼を迎え入れるブリュンヒルデだが、彼女を忘れたジークフリートは隠れ頭巾でグンターの姿になっており、彼女にグンターの妻になるように迫る。  彼女は指環の力で我が身を守ろうとするが、本来は夫であるジークフリートには何の効果もなく、逆に指環を奪われてしまう。  ジークフリートはブリュンヒルデとの間にノートゥングを突き立て、グンターとの信義を誓って彼女の岩屋で一夜を過ごす。    

<第2幕>
ギービヒの館。  寝ているハーゲンの夢の中に彼の父親、アルベリヒが姿を現し、指環を必ず手に入れるようにと迫る。  夜が明け、元の姿に戻ったジークフリート(健忘症続行中)が帰ってくる。  事の次第をハーゲンとグートルーネに語ると、ハーゲンは角笛を吹いて家臣たちを集め、婚礼の準備を始めさせる。  そこにグンターと共に到着したブリュンヒルデは打ちひしがれている。  グンターが2組の結婚を高らかに宣言すると、驚いたブリュンヒルデは顔をあげ、グートルーネの手を取るジークフリートの姿を認め、さらに彼の指に自分が奪われたあの指環が輝いているのを見る。  怒ったブリュンヒルデは指環のいきさつを問いただすが、グンターには何の覚えもなく、ジークフリートは自分の潔白を抗弁し、ハーゲンの槍に潔白の誓いをする。  「あなたの花嫁は突然の環境の変化に戸惑っているだけ」とグンターを励ましたジークフリートはグートルーネと共に婚礼の準備のために姿を消す。  ハーゲンは絶望感にさいなまれているブリュンヒルデにうまく取り入り、彼女の口からジークフリートの弱点が彼の背中にあることを聞き出す。  ジークフリートとブリュンヒルデの関係に疑惑を抱くグンター、指環を狙うハーゲン、夫に裏切られたブリュンヒルデの3人はそれぞれ復讐のためにジークフリート殺害を誓い合う。

<第3幕>
ライン河畔。  ラインの乙女たちが失われた黄金を嘆いているところに、グンターたちと狩にきていたジークフリートが1人、獲物を追って登場。  乙女たちはジークフリートに指環を手放すことを要求する。  最初は指環を乙女たちにあげるつもりになっていたジークフリートだが、乙女たちが指環の呪いの話を始めるにおよび、彼女たちの脅しととって翻意する。  そこにハーゲンたちが登場、酒宴が催される。  その席で今度は「記憶を取り戻す薬」を飲まされたジークフリートはブリュンヒルデと永遠の愛を誓ったことを思い出し、それを皆の前で歌って聞かせる。  この言葉を聞いた途端、ハーゲンは彼の背中を槍で刺す。  そして「この男は私の槍に偽りの誓いをしたから刺した」と嘯く。  ジークフリートは最愛のブリュンヒルデへの別れを告げながら息絶える。  (ここで「ジークフリートの死と葬送行進曲」)

英雄の亡骸はギービヒ家の館に運ばれる。  グートルーネはジークフリートを殺害したのがハーゲンと知って兄を呪う。  ハーゲンとグンターはジークフリートの指にはめられた指環の所有権を巡って争い、グンターは殺害される。  ハーゲンが指環を取ろうとすると死んだはずのジークフリートの手が高々と上がり、思わずハーゲンはひるむ。  そこにブリュンヒルデが「彼の本当の妻が復讐にやってきた」と登場。  グートルーネは自分たち全員がハーゲンの奸計の犠牲者だったことを悟る。  ブリュンヒルデはジークフリートの指から指環を抜き取り自分の指にはめると、ラインの岸辺に薪を積み上げ、その上にジークフリートの亡骸を運ぶように家臣たちに命じる。  彼女は積み上げられた薪に火を放つと、ジークフリートへの愛を歌いながら自身も愛馬グラーネとともに燃え盛る炎の中に飛び込む。  するとライン河は増水し、ラインの乙女たちが指環に近づいてくる。  それを見たハーゲンは指環を横取りしようとするが、ラインの乙女たちによって深みに引きずりこまれてしまう。  指環が戻り喜ぶラインの乙女たち。  一方、炎はヴァルハラ城にも燃え移り、神々も炎の中に消えていく。

 

<第1幕>
森の中。  ここでミーメとジークフリートは一緒に暮らしているが、ミーメが鍛えたいくつもの剣をジークフリートはすぐにへし折ってしまい、ミーメは苛立っている。  一方、自我に目覚め始めたジークフリートは自身の出自をしつこく尋ねるが、ミーメはなかなか答えてくれない。  そんなミーメからようやく聞き出した話でジークフリートは母親の名前と父の遺品ノートゥングのことを知る。  ミーメはジークフリートを利用してファフナー退治を目論でいるが、そんなこととは露知らないジークフリートは広い世界に羽ばたく為にそのノートゥングを鍛えるように要求。  外に飛び出していったジークフリートと入れ違いに片目のさすらい人(実はヴォータン)がミーメ宅を訪問。  2人はそれぞれが首をかけた謎かけ問答をする。(まるでビルボとゴクリの謎かけ問答みたいだ 笑)  ヴォータンは最後に「ノートゥングを鍛えなおすことができるのは恐れを知らぬ者だけ。  その者にお前の首を託そう。」と言って去っていく。  又々、入れ違いにジークフリートが帰宅。  ミーメは不安になりジークフリートに恐れを教えようとするがまったくの徒労に終わる。  苛立つジークフリートは自身が鍛冶仕事に取りかかり、ついに名剣ノートゥングを鍛えなおしてしまう。

<第2幕>
森の奥深く、「欲望の洞窟」前。  アルベリヒがファフナーから指環を奪還する機会を伺っているとそこにさすらい人(ヴォータン)が現れる。  アルベリヒはヴォータンを警戒するが彼は弟のミーメに気をつけろと言い、大蛇となって「欲望の洞窟」に住んでいるファフナーにも警告を与えてその場を立ち去る。  そこにミーメ & ジークフリートのお笑いコンビが登場。  ミーメはジークフリートに「ここでお前に恐れを教えてやる」と言って彼を連れてきたのだが、実際には2人の相討ち(もしくはジークフリート勝利後、彼を騙し討ち)ののち宝を強奪することを狙っている。  何かとうるさいミーメを追い払ったジークフリートはそこで小鳥の囀りに耳を傾ける。  何とか小鳥とコミュニケーションを図りたいと思ったジークフリートは葦笛を作って真似して見るがうまくいかない。  葦笛を諦めたジークフリートは得意の角笛を試してみることにする。  するとその音色に反応して姿を現したのは小鳥にあらず、大蛇のファフナー。  恐れを知らないジークフリートは襲ってくる大蛇と戦い勝利する。  大蛇は今際の際に「お前を唆した者に気をつけろ」と言い残す。  大蛇の返り血を浴びたジークフリートが指についた血をなめると、小鳥の言葉が理解できるようになる。  小鳥の忠告に従って洞窟の中から「隠れ頭巾」と「指環」を入手するジークフリート。  そこにミーメが登場。  大蛇と小鳥の忠告を受けていたジークフリートはとうとうミーメのたくらみを暴き、その場でミーメを殺してしまう。  家宅侵入、傷害致死(対ファフナー)、窃盗、義父殺し、死体遺棄と刑事犯罪カタログを一挙に作り上げた(?)ジークフリートはさすがに疲労し小鳥のさえずりを聞きながらちょっと休憩。  すると小鳥たちは火に囲まれた岩山で眠るブリュンヒルデのことを教える。  唯一の仲間(?)だったミーメを失ったジークフリートは新たな仲間を求め、ブリュンヒルデ探しの旅に出る。

<第3幕>
ブリュンヒルデの岩山の麓の荒野。  さすらい人(ヴォータン)は智の女神エルダを呼び出し今後の展開がどうなるのか智恵を借りようとするが、回り始めてしまった車を止めることはもはやできないことを悟る。  そこにジークフリートが登場。  彼をここまで導いてきた小鳥の姿を見失ったジークフリートはブリュンヒルデの岩山への道順を尋ねる。  ヴォータンは彼の進行を阻止しようとするが、ノートゥングによりヴォータンの槍が砕かれてしまう。  ヴォータンはもはや「すべてがなるようになる」とジークフリートに道を譲る。  ジークフリートは炎をかいくぐりブリュンヒルデが眠る岩山に到着。  そこには1人の戦士が眠っている。  楯を取り去り、鎧兜を断ち切って武者装束を脱がせてみると、それは女性だったのでジークフリートは初めて「恐れ」を知る。  気を取り直したジークフリートは口づけによってブリュンヒルデを目覚めさせる。  彼女が目覚め互いの身の上を語り合う中で、ジークフリートも人間の愛に目覚め、2人は永遠の愛を誓い合う。

 

<第1幕>
森の中。  フンディングの家に戦いで武器を失ったジークムントがたどり着く。  フンディングの妻、ジークリンデが彼を介抱するが2人はめでたく一目惚れ~  やがてフンディングが帰宅し食事の席でジークムントは身の上話を始める。  その話を聞いたフンディングはジークムントが敵の一族であることを知り、一夜の宿は提供するが翌日は決闘だと宣言して、妻とともに寝室に姿を消す。  ジークムントは生き別れとなった父(実はヴォータン)が危機の時に与えてくれると言っていた剣を探すが見つけられない。  するとそこに夫に眠り薬を与えたジークリンデが登場。  彼女はジークムントの話から彼こそが自分の生き別れの兄であることを悟り、彼女がフンディングに嫁がざるをえなくなってしまったときに現れた老人(実はヴォータン)が庭のトネリコの木に刺して行った剣のことを教える。  ジークムントは今まで誰も引き抜くことができなかった剣を引き抜くと、その剣にノートゥングと名づける。 そして2人は手に手を取りあって駆け落ち~、チャンチャン♪

<第2幕>  
戦乙女(いくさおとめ)のワルキューレたちが天馬を駆っている。  ヴォータンはそんなワルキューレの1人、彼の娘でもあるブリュンヒルデに今日の戦いではジークムントを勝たせるようにと命じる。  ワルキューレはヴォータンと智の女神エルダの間に産まれた娘たちで、戦死した英雄たちをヴァルハラ宮殿に運んでくる役目を担っていた。  そこへヴォータンの妻であり結婚を司る女神のフリッカが登場。  彼女はヴォータンが人間との間の不義の子(つまりジークムント)に魔剣を授けたことや、兄妹の近親相姦を犯したジークムントとジークリンデがどうしても許せない。  激しい口論の末、案外恐妻家(?)でもあるヴォータンは自身の意思とは反してブリュンヒルデにジークムントを勝たせるのではなくフンディングを勝たせるようにと命令を変更する。  父の心変わりに納得していないブリュンヒルデは1度は新しい命令に従い、ジークムントに彼の死を告知するが、彼のジークリンデに対する愛の強さに打たれ、またヴォータンの本心がジークムントへの愛で満たされていることを思い、父の命令に背いてでも彼を勝たせようとする。  ところが戦いの最中、ブリュンヒルデの援護を受けたジークムントが今まさに勝利しようかというその時、ヴォータン自らが姿を現し自分の槍でノートゥングを砕くとフンディングの槍が武器を失った彼を貫く。  それを見たブリュンヒルデはジークリンデだけでも助けようと彼女を天馬グラーネに乗せて砕け散ったノートゥングの破片とともにその場を逃げ出す。  怒りで自分を抑えきれなくなったヴォータンはフンディングをも打ち倒すと、ブリュンヒルデの後を追う。

<第3幕> 
岩山の頂上。  ワルキューレたちが馬に乗って空を駆け巡っている(ワルキューレの騎行)。  彼女たちがブリュンヒルデを待っていると、彼女は戦士ではなく人間の女を連れていた。  ブリュンヒルデは連れている女、ジークリンデの素性を話し、彼女を追ってくる父ヴォータンから守ってくれるように皆に頼む。  ジークリンデはジークムント亡き今、死にたいと訴えるが、ブリュンヒルデに彼女の体内にはジークムントの子供が宿っていることを告げられ、ジークリンデも生きて子供を産む決心をする。  ブリュンヒルデは産まれてくる子供にジークフリートという名前を与える。  そしてブリュンヒルデはジークムントが遺したノートゥング(剣)の破片を渡し、ジークリンデを逃がす。  そこに怒り狂ったヴォータンが登場。  ブリュンヒルデを匿おうとしたワルキューレたちは追い払われる。  ブリュンヒルデは「あなたの愛したものを愛そうとしただけです。」と訴えるが、ヴォータンは彼女の天上界からの追放を命じる。  父親の真意に従おうとした娘の心の葛藤とそんな娘を罰しないわけにはいかない父親の心の葛藤が交錯する。  ヴォータンは深い悲しみの中で娘ブリュンヒルデの神性を奪い去り、彼女を岩山に眠らせて炎で包み、真の英雄だけが彼女を目覚めさせることができると約束して火の神ローゲを呼び寄せる。

 

3人のラインの乙女が守っているラインの黄金からは、世界を支配する力を持つ指環をつくることができると言われていた。  但しその指環からその力を引き出すためには「愛を諦める」ことが必要だった。  当初はラインの乙女たちの愛を求めていたニーベルング族のアルベリヒはラインの乙女たちに面白半分にもてあそばれているうちに、ならば自分は愛を諦めると宣言し、その黄金を奪って姿を消した。  

同じ頃、神々の長ヴォータンは神々の住む居城を巨人族の兄弟に作らせていた。  その「建築請負契約(口頭)」においてヴォータンは春の女神フローラをその代償として引き渡すことを約束していた。  ヴァルハラ城の建築を終えた巨人族の兄弟は契約履行をヴォータンに迫るが、彼は彼女を引き渡したくない。  実は神々の中で彼女のみが神々に永遠の若さと力を授ける「黄金のりんご」を育てることができるのだ。  そこに奸智に長けた火の神ローゲが登場。  ローゲは双方の関心をフローラから引き離すためにラインの黄金がアルベリヒによって盗まれたこと、その黄金からは「力の指環」を作ることができることなどを話す。  ヴォータンも彼の妻フリッカも巨人族もそれぞれがその「黄金(指環)」に興味を持つ。  こうして巨人族兄弟はその黄金(指環)ならフライアの代償として受け入れることを約束する。  ヴォータンとローゲはアルベリヒからその「黄金(指環)」をかっぱらうために天上から地下のニーベルング族が住む国(ニーベルハイム)へ降りていく。  

ニーベルハイムではアルベリヒがすでに「指環」を作り上げその魔力によって権力を掌握していた。  又アルベリヒは自分の弟のミーメに「隠れ頭巾」を作らせていた。  ヴォータンとローゲはそんなアルベリヒを狡猾にだますと、彼を囚人として天上へ引き連れて帰っていく。

こうしてお縄状態となったアルベリヒは彼の財宝と引き換えに自由にしてもらうことになる。  貪欲なヴォータンは彼が「指環」の魔力によって得ていたすべての財宝のみならず、指環や隠れ頭巾に至るまですべて取り上げてしまう。  ようやく自由の身となったアルベリヒは立ち去り際に指環の持ち主に死の呪いをかけて立ち去る。  そこに巨人族が再登場。  2人の要求でまずはフライアの姿がすべて隠れるだけの黄金を要求される。  アルベリヒから得たすべての黄金を積んでも満足できない巨人族は「隠れ頭巾」と「指環」をさらに要求する。  ヴォータンは指環を惜しむが、智の女神エルダの警告に従ってようやく指環を手放す決心をする。  こうして巨人族の手に指環が渡るが、その直後、さっそくアルベリヒの呪いが効いて、巨人族は指環の所有権争いを演じ、ファフナーが兄弟のファゾルトを殺害。  何はともあれ、城は完成し支払いを済ませた・・・・ということで、神々はヴァルハラ城に入城していく。  ライン河からは黄金を奪われた乙女たちの嘆きの声が響いていたのだが・・・・。

 

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