シューマン 交響曲第1番「春」 Op. 38

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KiKi は昨晩久しぶりに旧友とお酒を飲みに出かけました。  もう何ヶ月も外でお酒を飲む機会なんてなかったので、とっても楽しくてあっという間に時間が過ぎて、ふと気がついたときには時計の針は2時を指していました ^^;  お店は KiKi の自宅から徒歩圏内にある場所だったので、KiKi は2時半ちょっと過ぎにはお布団にもぐりこむことができたのですが、友人は何時に家に帰り着けたのでしょう??  彼にとって今日の目覚めが苦痛を伴わないものであることを祈るばかりです(笑)。

さて、若干二日酔い気味の KiKi。  こういう日には心静まる音楽でも聴いて酔い覚ましした方がいいのかもしれませんが、窓の外のいかにも「春!」っていう景色を眺めていたら久しぶりにこの曲を聴いてみたくなりました。  と、言うことで今朝の KiKi の BGM はこちらです。

シューマン 交響曲第1番「春」 Op. 38
DG 437 641-2 演奏:バレンボイム指揮 & シカゴ響 録音:1977年3月

CD12_2.jpg

 

KiKi は元々の音楽との接点がピアノなので、若かりし頃の作曲家の好みはピアノ曲の好き・嫌いと直結していた部分が多分にあったんですよね。  しかもそのピアノ曲の好き・嫌いは自分が演奏するうえでの好き・嫌いがベースだったりしちゃうんです。  つまり純粋に耳で聴いて好き・嫌いという判断よりも、弾いていて楽しい・楽しくないとか、楽譜を読んでいて楽しい・楽しくないとか、レッスンが楽しみか苦痛かとか・・・・。  で、そんな幼かりし頃、KiKi はシューマンのピアノ曲はどちらかというと嫌いなほうでした。  

シューマンのピアノ曲に対する子供時代の KiKi の印象はまず「痛い音楽」というものでした。  これは子供の小さな手ではちょっと弾きにくいパーツがあって肉体的な「痛み」を伴うという意味もあったんだけど、それ以上に何ていうか多分に内省的な音の連なりが精神的な痛みをもたらす・・・という感じです。  例えば「組曲 森の情景」の重苦しくちょっと執拗な感じは子供には理解不能な世界でした。  7曲目の「予言の鳥」の不気味さなんていうのは子供には耐え難いものがあったし・・・・(笑)。  この組曲が課題として与えられていた時は「早くこの組曲から解放されたい!!」と切実に願っていました。  でも、苦手な音楽は当然練習にも熱が入らないわけで、練習に熱が入らないということはレッスンでまともに弾けないということで、レッスンでまともに弾けないということはいつまでもその曲と付き合わなくちゃいけないということで・・・・ ^^;。  

KiKi の苦手意識をさらに助長したのは、曲調がコロコロと変わるその変化についていけないということもありました。  大人になった今となってはそこがシューマンの魅力だと思えるように変わったんですけどね。  更には「ウィーンの謝肉祭の道化」の4曲目の「インテルメッツォ」のちょっとイッチャッテいる感じの和声の譜読みをした時には「だめだ、こりゃ。  私はシューマンには向いていない!!」って切実に思いました。(← 今ではこの部分が結構好きだったりするんですけどね♪)

そんな強い苦手意識に支配されていたので、シューマンの音楽っていうのは20代に入るまでは KiKi にとって1つの鬼門でした。  だからシューマンの交響曲を聴いてみようと最初に思ったとき、KiKi はとにかく「安い」CD を選びました。  それがこのバレンボイム & シカゴ響の全集(グロモフォンが出していたガレリア盤)です。  恐る恐る聴き始めた KiKi の耳に最初に飛び込んできたトランペットとホルンの響きに何ともいえない期待感が湧き上がってきました。  そしてそれを引き継ぐ総奏の何とロマンティックなこと!!  「ああ、シューマンがドイツ・ロマン派の巨匠と呼ばれるのはこれだったのか!」と KiKi はこの時初めて得心することができたのです。  

第2楽章のラルゲットの何と美しいこと!!  息の長い旋律にあわせて息をのみ、どんどん曲の中に吸い込まれていくかのような感じがしました。  そして、終盤のトロンボーンのコラール風の響きを耳にした時、KiKi の心の中には荘厳で神聖なものに出会ったときに感じる畏怖の念に近い感情が沸きあがってきました。  何という静寂!  何だか神様の存在を信じたいような気分・・・・。 

第2楽章からほとんど間をおかずなだれ込む第3楽章の主題の何と野性味を帯びたことか!!  幼い頃には苦手だったこのコロコロと変わるシューマン気質が少しも気になりませんでした。  いえ、気にならないどころか好ましくさえ思えるようになったのは、KiKi自身が成熟した証だったのかもしれません。  この音楽から溢れ出す喜びはまさに「春の喜び」です。  雪に閉ざされて外に出られなかった鬱憤を晴らすかのように・・・・。  思わず口をついて ♪重いコート脱いで、でかけませんか?♪ (← チト古い?)なんて歌いたくなります。

そして第4楽章で春は燦燦として湧き上がってきます。  軽やかでうれしげな弦の響き。  推移部に聴かれる「クライスレリアーナ」の旋律にはうっとりしてしまいます。(「クライスレリアーナ」はシューマンのピアノ曲の中で KiKi がもっとも好きな音楽です。)  そして感情の爆発。  「どうだ、これが春だ!  これが交響曲だ!!」と言われたような気分。

KiKi のシューマン苦手意識を払拭してくれたこの CD。  どうしても KiKi は手放すことができません。  その後、もっと評判のよい盤をいくつか聴いてみたし、もちろんそれらにはとっても感銘を受けたけれど、そして必ずしもこの演奏がシューマンのスタンダードとまでは思わないんだけど、KiKi にとって特別な1枚であることには変わりありません。

 

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