フォーレ 舟歌 全13曲

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昨晩、ふとつけた TV で「スーパー・ピアノレッスン」という番組をやっていました。  フランスのピアニスト、ミシェル・ベロフがピアノ・レスナーにレッスンをつけるという趣向の番組で、過去には同じ系統の番組としては「カツァリスのショパン」、「オピッツのベートーヴェン」、「アントルモンのモーツァルト」、「ルイサダのショパン」等々があり、それらが放映されていた頃は NHK テキストを購入してかなり真剣に観ていたことを思い出しました。  と、同時に最近、miwaplan さんのサイトダンベルドアさんのサイトでこの番組について言及されていたことを思い出し、「ほぅ、これかぁ、どれどれ?」とボリュームをあげて昨日のレッスン曲を聴いてみたら、な、な、なんと、KiKi の大好きなフォーレの「舟歌」ではありませんか!!

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その時には番組はほぼ半分ぐらい終わってしまっていたのですが、残り半分は姿勢を正してじっくりとレッスンに聞き入ってしまいました。  個人的にはベロフの解釈には「うん??」と思うところもないわけじゃなかったけれど(僭越ながら ^^;)、なかなか興味深い内容で、最初から観ていなかったことをちょっと後悔しました ^^;  番組終了後ネットで調べてみるとどうやら再放送が日曜日の朝、放映されるようで早速予約録画登録。  日曜日にはちゃんと頭から観てみたいと思います。

で、番組が終わってから暫くは春秋社の「フォーレ全集 2」(楽譜です)を引っ張り出して机の上で譜読みをしていたら、何だかとっても楽しくなってしまい、思わず楽譜にしょうもないことを色々書き込みし始めてしまった KiKi。  てなわけで本日の KiKi の BGM はこちらです。

フォーレ 舟歌 全13曲
Hyperion CDA66912 演奏:キャサリン・ストット(p) 録音:1994年6月か9月

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フォーレのピアノ曲は長らくユボーのものを聴いてきた KiKi ですが、この Hyperion 盤も結構好きなんですよね~。  因みに KiKi はHyperion って結構いいレーベルだと密やかに思っていて、このレーベルの隠れファンだったりします♪

 

KiKi はねぇ、この「バルカローレ」様式の音楽って好きなんですよね~。  水面に反射する日の光のキラキラ感、流れるようでもあり漂うようでもあるうつろい、櫓をこぐリズミカルな動き、朝から晩まで時間を追うごとに変わっていく色彩感・・・・。  何をとってもうっとりするものばかり。  こういう音楽を聴いたり弾いたりしていると、人間に生まれて感動する気持ちを持っているというそのことだけで、もう他には何もいらない、満足できます、感謝しますっていうような気分になります。  

第1曲 イ短調 Op. 26
典型的なバルカローレ様式。  小舟のローリングを思わせるメロディ。  ちょっとメンデルスゾーンの「無言歌集」と同じ香りが漂うこの曲は大好き♪  優美ですねぇ~。

第2曲 ト長調 Op. 41
1番に比べると情熱的な盛り上がりが印象的なこの曲。  バルカローレというよりはピアニスティックな曲っていうイメージが強いですね。  この曲集の中では長めの規模の大きな曲です。  演奏会のアンコールピースにぴったりですね♪

第3曲 変ト長調 Op. 42
2番よりもさらに大きな曲。  典雅で高貴。  ちょっとショパン風。  この曲に時折表れる和声はフォーレらしくて大好きです。  KiKi の「いつか弾きたい曲リスト」にもしっかりノミネートされています。  譜読みは何度もしたことがあるんだけど、まだ弾いてみたことがないんですよね。  例の演奏会、リストのシューベルト・トランスクリプションはやめてこっちにしようかなぁ・・・・。

第4曲 変イ長調 Op. 44
番組の課題曲でした。  アクセントの感じが舟歌らしさを際立たせていますね~。  フォーレらしい彫りの深さのある曲で、陰影に富んでいて美しい・・・・。  番組最後のベロフの演奏より、KiKi はこの CD の演奏の方がしっくりくるなぁ・・・・。  あの番組のタイトル「フランス音楽の光彩」の「光彩」っていう言葉にピッタリの曲ですね。  これも弾いてみたいなぁ。  そう言えばかつて KiKi が習っていたピアノの先生がやたらこの曲をレッスンで弾かせたがっていたっけなぁ。  「あなたの音にこの曲は似合うから」とか言って何度も勧められたのに、当時フランス物というだけで毛嫌いしていた KiKi はいつも却下していたっけ・・・。  何だか懐かしいなぁ・・・・。  もうあの先生には会えないなんて・・・・・淋しいよ。  天国にいらっしゃる先生、頑固者だった KiKi をどうか許してください。  今の KiKi はあの頃先生が仰ったとおり、フォーレが大好きです。

第5曲 嬰ヘ短調 Op. 66
作曲年代が前の4曲からちょっと離れているせいか、ここまでの4曲とはかなり赴きが異なる曲です。  でも、これまたフォーレらしい音楽で、多彩な表現効果に溢れる曲ですね。  これも KiKi の「いつか弾きたい曲リスト」にノミネートされている曲です。  (← いや、実はフォーレの曲はかなり多いんだけど・・・・ ^^; )

第6曲 変ホ長調 Op. 70
情熱的なところがある5番と比べるとかなり抒情的で舟歌らしい舟歌ですね。  ピュアな音楽っていう感じ。  これがフォーレの真髄の芽生えっていう感じです。

第7曲 ニ短調 Op. 90
ここでまた作曲年代ががらっと変わるんですよね。  晩年と言ってもいい時代に入りつつあるフォーレの舟歌です。  内省的で深みがある、円熟という言葉がしっくりとくる音楽。  ここから後の作品はすべて「いつか弾きたい曲リスト」にノミネートされています。  KiKi はねぇ、若い頃にフランス物を毛嫌いしていた(聴く分には好きだったけれど弾くのは嫌だった)ので、フォーレは手付かずの曲が多いんですよね。

第8曲 変ニ長調 Op. 96
軽やかな序奏、でも意に反して中間部は華やかな展開。  そして劇的な盛り上がりのフィナーレ。  フォーレのバルカローレの中ではちょっと異色な作品かもしれません。  ああ、聴いているうちに何だか指先がウズウズしてきました(笑)。

第9曲 イ短調 Op. 101
昔を懐かしむかのような、「老いの平和」っていう感じの曲です。  晩年のフォーレらしい音楽。  これはもっと歳をとらないと KiKi には弾けない曲のように感じます。  このあたりはこのストットの演奏よりもユボーの演奏の方がしっくりくるように感じるのは、演奏者の年齢っていうのもあるような・・・・そんな気がします。  フォーレの音楽はテクニックで弾く音楽じゃないんですよね、絶対に!!!

第10曲 イ短調 Op. 104-2
華麗さ、派手さをすべて廃したような音楽。  KiKi のこの曲の印象は「モノクロ」というもの。  ゆれるような伴奏の上にメロディがたたみかけるように綴られるんだけど、でもどことなく淡々としている音楽。  これは例のリストの中で二重丸がつけてある曲で、しかもその横に赤字で「60歳以降」とまで書き込んである(爆)。  60歳以降まで生きられるように、楽譜を読むのに苦労しない程度には目が見えるように、さらに耳も聴こえるように祈るばかりです(笑)。

第11曲 ト短調 Op. 105
前作と同年に書かれた作品らしいんだけど、趣ががらっと変わります。  ちょっと今の KiKi にはまだ解釈しきれない不思議な雰囲気に満ちた音楽ですね。  第10曲が60歳以降だったらこっちは70歳以降ぐらいにならないと判らないんじゃないだろうか・・・・。  どこかにかすかな不安感みたいなものが滲んでいる、そんな音楽にも聴こえます。  細やかな気品のようなものも漂っています。  こういう曲は難しいんだよなぁ。

第12曲 ホ長調 Op. 106bis
ちょっと退行現象と言うか、初期に戻ったような曲調ですね。  でもあったかくて穏やかな歌唱風。  おじいちゃんになったフォーレがお庭の噴水の前のベンチでうつらうつらお昼寝しながら、若かりし頃の回想をしている・・・・そんな感じ。  

第13曲 ハ長調 Op. 116
フォーレの舟歌の頂点に立つ曲ですね。  極度に簡潔な音の世界。  舟歌なんだけどどこか崇高で静謐で・・・・。  これも例のリストの中で二重丸で、その横の赤字は「無理かも・・・」だって(超爆)  自分で作ったリストなのに結構笑わせてもらえるなぁ・・・・。  でも、今日、久しぶりに聴きなおしてみて「無理かも・・・・」と書いた時の自分の気持ちが手に取るようにわかるような気がしました。  思わず二重線で消して「無理そう・・・・」に書き直したいぐらいです。

KiKi はフォーレのピアノ・ソロ曲集の中ではこの「舟歌」が1番好きなんですよね~。  メンデルスゾーンの「舟歌 Op. 19-6」もショパンの晩年の名作「舟歌 Op. 60」も好きだから、もともとバルカローレという様式が好きっていうのもあるかもしれないけれど、それ以上にフォーレのあの陰影のある音楽の真髄はバルカローレから来ているんじゃないか、フォーレの音楽の根底には常にバルカローレのゆらめき、きらめきが隠し味のように入っているんじゃないかと思ったりしているんですよね。  ああ、いいなぁ、この世界!!  引き続きユボー盤も聴いてみようっと♪

フォーレ 舟歌 全13曲
ERATO WPCS-10984 演奏:ジャン・ユボー(p) 録音:1988年10月~1989年4月

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