モーツァルト 大ミサ曲ハ短調 K. 427 他

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クラシックブログ共同企画「勝手にモーツァルト」第3弾は、再び宗教音楽の世界に戻ろうと思います。  で、今日の KiKi の BGM はこちらです。

モーツァルト 大ミサ曲ハ短調 K. 427  &
モーツァルト モテット「エクスルターテ・ユビラーテ」 K.165
DG UCCS-3429 演奏:フリッチャイ指揮 & ベルリン放送交響楽団 M.シュターダー(S)、H.テッパー(A)、E.ヘフリガー(T)、I.サルディ(B) 録音: 1959年9~10月 & 1960年6月

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まずはモーツァルト 大ミサ曲ハ短調 K. 427 です。  モーツァルトの未完の大傑作(天才28歳の作)の1つで、後世識者はバッハの「ロ短調ミサ」とベートーヴェンの「ミサ・ソレニムス」の中間に位置する宗教音楽の記念碑的存在と評しました。  ものの本によればこの作品はモーツァルトが誰からも何の制約も受けず(つまり注文によらず)、自分の芸術的欲求を満たすためだけに作曲された唯一のミサ曲なのだそうです。  又、今回初めて知ったことなのですが、CD のライナー・ノーツを読んでいたらこんな文章が目に留まりました。

この曲は1782年から翌年にかけて作曲された。  1782年8月、モーツァルトはコンスタンツェ・ウェーバーと結婚するが、父親のレオポルトはこれに反対した。  その父親に結婚を認めてもらおうとモーツァルトは翌年の7月に妻を伴って帰郷し、10月26日に聖ペーター教会で、自身の意思によって作曲した唯一のミサ曲であるこの作品を初演した。  コンスタンツェがソプラノ・ソロを歌ったが、父親の怒りを解くことはできなかったという。


どうやらこの曲が未完のまま終わってしまっているのは、「親の許しを得られないままのコンスタンツェとの結婚」に対するモーツァルトの屈折した悩み深い想いと結婚により「とにかく稼がなくちゃ」という現実的な悩みが大いに関係ありそうです。  きっと2つの想いの隙間の落とし穴にチョッポンと落っこちて放置されちゃったんでしょうね。  

完成されているのはキリエ、グローリア、クレドの前半、サンクトゥス、ベネディクトゥスなんだけど、バッハのロ短調ミサなどと比較してみると、欠落がないのはキリエとグローリアだけ。  アニュス・デイに至っては着手さえされていません。  一時期はレクイエム同様にとある音楽学者が補完した完全版が演奏されることもあったようなのですが、有名なモーツァルト学者アインシュタイン(あの有名な理論物理学者の従弟)が「このトルソーはそれのみで燦然と輝くもの」と述べ、それ以降はモーツァルトの手による譜面どおり、1音の追加もなされずに演奏されるのが一般的なのだそうです。  補完版は聴いたことがないので何とも言えないけれど、確かにこの CD で聴く限りにおいてはミサ曲としては中途半端なのかもしれないけれど、音楽作品としてはそれだけで素晴らしいものだと KiKi も感じます。  構造はこんな感じです。

KYRIE
1. Kyrie eleison (主よ憐れみたまえ)

GLORIA
2. Gloria in excelsis Deo (いと高きところは神に栄光)
3. Laudamus te (われら主を称え)
4. Gratias agimus tibi (われら主に感謝奉る)
5. Domine Deus (主なる神)
6. Qui tollis peccata mundi (世の罪を除きたもう主よ)
7. Quoniam tu solus sanctus (主のみ聖なり)
8. Jesu Christs (主イエズス・キリスト)
9. Cum sancto spiritu (聖霊とともに)

CREDO
10. Credo in unum Deum (われは唯一の神を信ず)
11. Et incarnatus est (聖霊によりて)

SANCTUS
12. Sanctus (聖なるかな)

Benedictus
13. Benedictus (祝せられさせたまえ)


モーツァルトの音楽にしてはかなり珍しくきっちりとした対位法をそこかしこに使用している音楽だと思います。  そういう意味ではバッハのロ短調ミサの影響をそこはかとな~く感じます。  2日前に聴いた「孤児院ミサ」よりもはるかにバロック的ですね。  でもね、とことんバロックかというとそうではなくて、そこかしこにイタリア歌劇的な技巧的な部分も見られます。  そういう意味では世俗的な部分も結構あったりするのが面白い音楽ですね~。  

KiKi にとってすご~く印象的だったのは2箇所。  1箇所はグローリアの最後「聖霊とともに Cum sancto spiritu」のところの壮大なフーガとクレドの中の「聖霊によりて、御からだを受け」の部分のソプラノ・ソロとフルート、オーボエ、ファゴットのオブリガート。  後者はある意味ではすご~く俗っぽい音楽なんだけど、強烈に心に残るんですよね~。  何て言ったらいいんだろう。  澄み切った大空を飛翔する2話の真っ白な鳩が追いかけっこをしているようなソプラノとフルートの絡み合いがすご~く満たされた思いを吹き込んでくれる・・・そんな感じ。  まあ、いかにもっていうコロラトゥーラが入っていたりするから、ちょっとミサ曲っぽくはないんだけど、とにかく幸福感と神の恩寵を得られた満足感・・・みたいなものを感じずにはいられない、そんな音楽だと思います。  

このクレドの音楽を聴いた時に KiKi の頭をよぎったのは、何年か前のお正月、帰省した沼津の海岸で富士山を遠くに望みながら空を悠々と舞うとんびの群れを眺めていたときに感じた幸福感と何気にシンクロしているなぁということ。  向って左はどこまで続くのか果てしなく見える海、右遠方には雪帽子を被ったこのうえなく美しい富士山、それが青空にくっきりと何の障害物もなく浮かび上がっていて、その青空には悠々と舞うトンビがまるで点描画みたいで・・・・。  自分という存在のちっぽけさ、深刻ぶっている自分の悩みのちっぽけさを思い知るのと同時に、そんな広大で深遠な世界にまぎれもなく生きて呼吸している、そのことに満足できちゃう、そんな感じ・・・・。  巧く表現できないなぁ・・・・ ^^;  まぁ、いずれにしろその時に感じた至福感と似ているっていうことで(笑)。


次はモーツァルト モテット「エクスルターテ・ユビラーテ」 K.165 です。  これはNHK の「毎日モーツァルト」で紹介されたときから興味を持った音楽で、今回初めてじっくりと聴いてみました。  天才17歳の時の作品ですね。  カストラートのために作られた音楽ということでいかにも、いかにもっていう感じのコロラトゥーラでいっぱいです(笑)。  全然、宗教曲っていう感じはしません。  (一応ラテン語の典礼文を歌詞としているんですけどね♪)  どちらかと言うと「声の協奏曲」っていう感じの音楽だと思います。  少なくともこの音楽を聴いて厳かな気分にだけはならないですね(笑)。  でもね、この音楽、どこかで聴いたことがあるような気がするんですよ。  映画かCMか何かで使われていたことないですかね~??  ちょっと思い出せないんだけど。  どなたかお詳しい方がいらしたら KiKi にご教授くださいませ。  特に冒頭と「ハレルヤ」の部分。  聴いたことがあるように感じるのが一部分だけだから、絶対に映画かCMだと思うんだけど・・・・。

何だかここで終わると「宗教音楽」を聴いた気分にはなれないので、この CD にさらに収録されているヴェスペレ K.339 のラウダーテ・ドミヌム(主を讃えよ)を聴いた後でもう1度、大ミサ曲を聴いてみることにします♪ 

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2006年5月 3日 13:00に書いたブログ記事です。

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