シューベルト 最後の3つのソナタ D.958, D.959, D.960

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先日もご紹介した torte(とるて)さんのサイトにお邪魔して、お仕事をしながらも大曲に積極的に取り組み、人前で演奏する機会に貪欲にチャレンジされていらっしゃる姿勢に大いに触発されてしまった KiKi。  今の自分を振り返ってみると、バッハの平均律、ショパンのエチュード、そして何か曲を1曲ということで、それなりに正統的(?)なレッスン(← と言っても月1回なんだけど ^^;)を受けてはいるものの、「曲を1曲」の曲を選ぶに当たってはどうしてもちょっと軽めのサロン音楽的な曲を選んでしまう傾向があるんですよね~ ^^;  で、ふと思い返してみると誰かしらの「ピアノ・ソナタ」に最後に取り組んだのはもう随分昔のことで、久しく弾いていないのですよ。  それを考えると、たまにはガチっとした構成感のある曲を弾く訓練もしておかないとなぁ・・・・などと思うわけです。  てなわけで、これから暫くは今取り組んでいるフォーレの「バルカローレ」が仕上がったら取り組む曲を選曲するための音楽鑑賞をしようかな・・・・などと思うに至りました。  この選曲という作業、楽しくもあり苦しくもあり・・・・なんですよね~。  で、まずはピアノ・ソナタからスタートです。

世の中に数多あるピアノ・ソナタの中で KiKi の「いつか弾きたい曲リスト」にノミネートされているのはベートーヴェン、ブラームス、ショパンのソナタがほとんどなんだけど、ベートーヴェンは今レッスンしていただいている先生が取り組んでいらっしゃる最中なので、ダブリを避けるためにもとりあえず却下。  ショパンはエチュードとダブリになるので却下。  で、そうなると残るのはブラームスなんだけど、久しく軽めの曲ばかり弾いていたのにいきなりブラームスはなぁ・・・・などと躊躇する気持ちが湧いてきちゃいました。  てなわけで「レッスン曲選抜音楽鑑賞第1弾」、今日の KiKi の1曲(って言うか3曲)はこちらです。

シューベルト ピアノ・ソナタ第19番 D.958
シューベルト ピアノ・ソナタ第20番 D.959
シューベルト ピアノ・ソナタ第21番 D.960

PHILIPS 438 703-2 演奏:ブレンデル(p) 録音:1971年11月 & 1972年2月

41AstxtZsPL__SL500_AA240_.jpg     (Amazon)

 

シューベルトのこれら最後の3つのピアノ・ソナタのCDは KiKi はこのブレンデル盤、シフ盤、アラウ盤、内田盤のどれかを聴くことが多いのですが、今日はこれらのCDの中で1番最初に購入したブレンデル盤(PHILIPS の DUO シリーズ)を選びました。  ま、初心に帰るつもりで・・・・(なんちゃって ^^;)

実はね、KiKi はシューベルトのソナタって1度も、1曲もちゃんと仕上げたことがないんですよね~。  子供時代に第13番(D.664) を全楽章ざっとおさらいしたことはあるのですが、仕上げる前に発表会シーズンが迫ってきて、「これはちょっと置いておいて・・・・。」みたいなことになって、数ヶ月を発表会で演奏する曲に費やしているうちに、本人も先生も棚上げしておいたそのソナタの存在を忘れちゃったの(苦笑)。  よくよくシューベルトのピアノ・ソナタは忘れられやすい体質みたい・・・・。 (← ものの本によれば、シューベルトは21曲のピアノ・ソナタを書いたとされているんだけど、そのうち完成されたのは11曲で、さらには彼の生前に出版されたのはわずか3曲だったのだそうです。)  で、KiKi がこれまでレッスンを受けてきた先生もあまりシューベルトのソナタを重視していらっしゃる先生はいらっしゃらなくて、ず~っと手付かずの分野なんですよね~。

そんな KiKi にシューベルトのピアノ・ソナタを見直すきっかけを与えてくれたのが、実はこのブレンデルの演奏だったんです。  このCDに収録されているシューベルトの最後の3つのソナタは、彼の死の3ヶ月前に一挙に作曲されました。  因みにシューベルトが亡くなったのが1828年、ベートーヴェンが亡くなったのが1827年。  この3曲はベートーヴェンへのオマージュ的な心理も多分に働いているようでそれ以前の作品と比べるとそこかしこにベートーヴェン的な響きが聴き取れます。

ことに第19番のソナタにその傾向が顕著で、ベートーヴェン風の劇的性格が強く、曲の密度もかなり濃厚です。  特に第1楽章のアレグロ(ハ短調)はベートーヴェン的な響きに満ちています。  もともとハ短調という調性はベートーヴェンにとってはとても大事な調性(「悲愴ソナタ」「月光ソナタ」「交響曲第5番」など)だったことを考えても、この楽章はかなりシューベルトがベートーヴェンを意識した曲作りをしたと考えてもいいんじゃないかしら・・・・。  でも、第2楽章のアダージョの深い情趣や終楽章アレグロのめまぐるしい転調などは、やっぱりシューベルトの音楽だなぁと思わせてくれます。  

第20番のソナタは、ベートーヴェンのダイナミクスを引き継ぎつつも、もっとずっと詩的・・・・と言うか歌謡的な感じのする音楽です。  とても技巧的な音楽にもなっていて、演奏会などでもよく取り上げられる曲です。  第1楽章アレグロの半音階的な動機がよく目立ちます。  第2楽章アンダンティーノの哀愁を帯びた旋律は、少しずつ姿を変えながら4回歌われます。  この間、少しずつ少しずつ内省的な気分を盛り上げ、心の奥底に沈めこんだ想い・・・・のようなものを感じさせます。  軽快なスケルツォ(第3楽章)に続く、第4楽章はまるでピアノによるリートのような音楽。  こういう曲はベートーヴェンには書けなかったなぁ・・・・。  

そして最高傑作の第21番のソナタ。  穏やかさのうちに湛えられた深遠なロマンが印象的な第1楽章。  8小節目に入る遠くから聞こえてくる雷鳴みたいなトリルがすご~く印象深いんですよね~。  広々とした主要主題(これからの明るい未来を展望するかのような音楽)をあたかも中断させるかのように挿入される、まだ目には見えない不吉な運命みたいな感じで・・・・。  第2楽章のアンダンテ・ソステヌートは涙が出そうになるほど美しい!!  ちょっと「冬の旅」で歌われるやるせなさに通じるものがあるように思います。  KiKi はね、この楽章はシューベルトの書いた音楽の中で1番と言ってもいいほど美しいと思うんですよね~。  ああ、この部分だけでも弾いてみたいなぁ・・・・。  シンコペーションの和音が面白い表情を作る第3楽章スケルツォを経て突入する最終楽章は軽快なフィナーレです。  曲の最後でいきなりプレストにテンポアップして、ベートーヴェン的に終わるのも何とも象徴的な感じがします。  

う~ん、確かにどの曲も素晴らしい作品だし、それなりに食指は動くんだけど、やっぱり「すご~く弾きたい曲」ではないなぁ・・・・・。  って言うか、こういうベートーヴェンを意識したソナタを弾くんだったら、KiKi のライフワークの1つ、ベートーヴェンのソナタそのものを弾いた方がいいような気がしてしまう・・・・。  ま、恐らく(まだ断定はできないけれど)フォーレの次にシューベルトになることはなさそうです ^^; 

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2006年6月26日 23:55に書いたブログ記事です。

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