ワーグナー さまよえるオランダ人(85年バイロイト盤)

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昨日のエントリーで KiKi が死ぬまでに1度は行っておきたい音楽祭としてご紹介させていただいた「バイロイト音楽祭」。  せっかくなので、この会期中に「行けなくても我慢するもん!  勝手に1人バイロイト音楽祭」と銘打ったシリーズでもやってみようかな・・・・と。  いえね、ひょっとするともう少しするとお仕事を始めてしまうかもしれないので、そうなるとなかなかオペラ鑑賞なんてできなくなっちゃう可能性大だから、今のうちに・・・・っていうのが本音なんですけどね(笑)  てなわけで、今年の公演にあわせてシリーズ第1作のエントリーはこちらです。

ワーグナー さまよえるオランダ人
PHILIPS PHLP-9001/2 演奏:ネルソン指揮 & バイロイト祝祭管弦楽団 収録:1985年 バイロイト音楽祭

31QPMGYXXJL__SL500_AA192_.jpg (Amazon)

ダーラント: マッティ・サルミネン(Bs)
ゼンタ:   リーズベト・バルズレフ(S)
エリック:  ローベルト・シュンク(T)
マリー:   アニー・シュレム(Ms)
舵手:    グレアム・クラーク(T)
オランダ人: サイモン・エステス(Br)
演出:    ハリー・クプファー


どうでもいいこと(?)ではあるけれど、KiKi が所有している↑のソフトはLDなので、CDと違って画像がなかなか見つからなくて、結局現在市販されているDVDの画像を使っているのですが、その画像を探している過程でこの同じ公演が今ではドイツ・グロモフォン・レーベルとしてDVD発売されていることを知りました。  (っていうか今やグロモフォンも PHILIPS も同じユニヴァーサルの傘の下だけど・・・・。)  PHILIPS さんとは別の分野のビジネス(あそこは世界的な超ド級のコングロマリットでしたからね~)で必ずしも縁がなかったとはいえない KiKi は、ちょっと複雑な思いを抱いてしまいました。

 

ま、それはさておき、オペラのお話を。  このオペラはワーグナー作品の中のポピュラー度としてはどんな位置づけなのかしら??  必ずしもさほど高くはないんじゃないかと思うんですよね~。  かく言う KiKi もこの LD は今回、このLD を購入してから3度目の視聴でした。  演奏は悪くないと思うんですけど、どうもストーリーがねぇ・・・・ ^^;


ノルウェーの海岸で、ダーラント船長が出会ったのは、赤い帆をはる怪しげな船に乗った人物。  しかし、この怪しげな人物の持つ財宝に魅せられたダーラントは自分の娘(ゼンタ)の花婿候補としてこの人物を自分の家に連れ帰る。  実はこの人物は伝説の「さまよえるオランダ人」で、彼はかつて海神を呪った報いとしてサタンに魅入られ、永遠に死ぬこともできないまま海を彷徨い続けなければならない宿命を背負っていた。  彼にとって唯一の希望は7年に1度だけ海からの上陸が許され、地上にいる間に彼に本当の愛を捧げてくれる女性を見つけ出すこと。  そんな女性が現れれば、彼は救われることになっていた。  そしてダーラントの娘、ゼンタこそがその定めを負った女性であり、彼女自身はそのことを深く自覚していた。  ゼンタは父親が連れ帰ったこの男に永遠の愛を誓うが、ゼンタに想いを寄せる青年エリックは黙ってはいられない。  そんな2人の様子を見たオランダ人は絶望し、彼の船は帆をあげて立ち去ろうとする。  それを見たゼンタは「彼を救うのは自分だ。」と叫び、岸壁から身を投げる。  (その時、奇跡が起こりオランダ人の魂は救われた。  オランダ人とゼンタは抱き合って天に昇っていく。)


最後の部分を括弧書きにしたのは、KiKi が鑑賞した↑の演出ではこの部分がすっぽりと抜けているからです。  というのもこのオペラ、今では2種類の演出が市民権(?)を得ていて、その1つ目が括弧書きの部分も含めた「海から現れた伝説の呪われた男の物語 魂の救済編」とも言うべき物語、そしてもう1つが「伝説の世界に魅入られた妄想癖の女の物語 そして彼女は身を投げた編」とも言うべき物語があるんですよね~。  で、この公演の演出コンセプトは後者の方になっているっていうわけ。  で、KiKi 自身はどちらかというとこの後者の演出のほうがまだスンナリと受け入れられるんですよ。

と言うのもストーリーの流れからするとゼンタは妄想癖にでも囚われたのじゃなければ、かなり支離滅裂な性格だと思うんですよね。  結構たやすく「永遠の愛」を口にするタイプみたいだし・・・・。  KiKi なんて生まれてこの方、「永遠の愛」なんて怖くて口にできた例(ためし)がないよぉ・・・・ ^^;  もちろん「永遠の愛」みたいなのがあればいいなぁとちょっぴり憧れる気持ちがないわけじゃないけれどね。  で、このオペラの中で1番可愛そうなのは、エリックじゃないかと思うんですよね。  ゼンタみたいな何を考えているのかよくわからない女性を相手に真剣に(?)愛して一所懸命口説いているっていうのに、相手にされない・・・・というより中途半端に相手にされている(つまり断固とした拒絶はされないし、1度は永遠の愛を囁かれたこともあるらしい)♂なんですよね~、彼って。  まあしょせん「コシ・ファン・トゥッテ」って言うことなのかもしれないけれど(^^;)、ふるならふる、受け入れるなら受け入れる、はっきりしてほしいところですよね~ ^^;  

で、そんな中途半端なふらふら~っとした態度をとっているくせにゼンタは両方の♂に「永遠の愛」を囁いちゃったりするらしい・・・・ ^^;  しかも、悪意なく・・・・。  「よっしゃ、2人ともたぶらかして私の魅力を見せつけてやるわ!」っていうならまだ可愛げがあると思う(?)のですよ。  「やれやれ、でもまあ、それが女っていうものさ」みたいな感じで・・・(笑)  でも、ゼンタちゃんは違うんですよね~。  伝説のオランダ人に夢中になっている彼女をエリックが心配すれば「何を恐れる必要があるのですか?」な~んて勝手なことをぬかすし(しかも悪意なく)、彼女がそのオランダ人に永遠の愛を誓ったことを耳にしたエリックが真偽を問いただそうとすれば、「ああ、私にそんなことは聞かないで!」な~んて又々勝手なことをぬかすし(しかも悪意なく)、なんじゃそりゃ?の世界だと思うのですよ。  「あんたに聞かないなら誰に聞きゃいいんだよ??」って感じ???(笑)  このオペラを観ていると、思わず「愛って何??」っていう何とも青臭い疑問が頭の中をグルグルと・・・・(笑)

これで伝説のオランダ人の魂だけが救済されちゃったら、KiKi は全然「めでたし、めでたし」とは思えない・・・^^;  逆にこんなこっぴどい形でふられたエリックの救われなかった魂の心配をしなくちゃいけなくなっちゃいます。

まあ、ワーグナーのオペラの十八番なんですけどね。  「永遠の愛」とか「呪われた男の魂を救う、乙女の自己犠牲的愛」って。  彼の女性観がよくわかるような気がするなぁ・・・・。  と、同時にワグネリアンに男性が多い理由もよくわかるような気がしないでもない(笑)。  でもね、世のワグネリアンの男性の皆さん、一言だけ一応♀の KiKi からアドバイスを。  世の普通の女はもっとず~~~っとリアリストですからね。  基本的に現代女性の辞書に「自己実現」という言葉は載っていても「自己犠牲」なんていう言葉は墨で塗りつぶされている可能性大であることだけは覚えておきましょうね♪

・・・・って、ストーリーに対する文句ばっかり言っているけれど、音楽は素晴らしいです。  自然描写といい、心象描写といい、さすがワーグナーっていう感じでぐいぐいと引き込まれていきます。  ちょっといっちゃっている感もなきにしもあらずだけど、「ゼンタのバラード」はやっぱり聴きどころだと思うし、オランダ人のモノローグも素晴らしい!!  それにね、あちらこちらに入る合唱がまたいい味だしているんですよね~。  いや~、久しぶりににこのオペラを観たけれど、相変わらずストーリーには???だったけれど、音楽には堪能させていただきました。

P.S. そうそう、因みにこの公演でオランダ人に扮しているのはブラックの方で、別に人種差別する気はないんだけど、ぱっと観た感じ「あれ?」って思わなくもありません ^^;  まあ、KiKi が思い描いているイメージとの相違・・・・みたいな部分で。  でもね、彼がなかなか筋骨隆々のナイス・バディの♂なのですよ。  呪われたオランダ人にはもっと病的なイメージを持っていた KiKi なのですが、この収録を観ているうちに何だか逆にベスト・キャスティングだな・・・・と感じました。  何て言ったらいいんだろう、ある意味のセックス・アピールがあると思うんですよね~。  人畜無害タイプのエリックから純粋な(?)乙女をかっさらうオランダ人はやっぱり♂の匂いをプンプンと漂わせていなくちゃねぇ~。  (← ・・・・って、かなりオバサンが入っていますかねぇ ^^;)

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2006年7月26日 15:22に書いたブログ記事です。

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