シューマン ピアノ三重奏曲第1番 Op. 63

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今月の初め、クラシック音楽ブログ共同企画「勝手にシューマンの日」が開催されたのですが、7月にこの企画を持ってくることが決まった時、KiKi が真っ先に「その日のテーマはこれだ!!」と思ったのがシューマンの室内楽でした。  カルテットにしようか、ピアノ・トリオにしようか、いやピアノ・カルテットか、はたまたピアノ・クインテットか・・・・と迷った末にピックアップしたのが、ピアノ四重奏曲。  でも、開催日当日、あいにく KiKi は風邪っぴきでヘロヘロになってしまい、不覚にも出遅れてしまいました。  しかも、まさに KiKi が聴いてみようと準備していたものと同じ音源でダンベルドアさんがエントリーされていました ^^;  まあ、同じ盤で何かを書いてもよかったのですが、せっかくの企画だし同じ音源ではあまりにも芸がないだろうと思い(イヤ、本当は同じ音源で文章を書く自信がなかっただけなんだけど ^^;)、KiKi はその日は声楽曲のエントリーに逃げてしまいました。

さて先日来、引き続き考えごとに没頭中の KiKi なのですが、なかなか考えがまとまらずにちょっとドツボにはまってしまった感もなきにしもあらず・・・・。  自分の内面を見つめなおすな~んていうのは人生の中でもそうそうたびたびあることではないけれど、今回はこれまで以上に考えなくちゃいけないことが多いんですよね~。  で、そういう時の BGM として真っ先に KiKi が思いついたのがチェロ音楽だったわけだけど、毎日毎日そればかりじゃさすがにねぇ~ ^^;  で、今日は別の路線にいきたいなと考えていて思いついたのがシューマンの室内楽でした。  ダンベルドアさんのエントリーにもあるバリリ盤の四重奏曲、五重奏曲でも良かったんだけど、やっぱりそれじゃあちょっと芸がない(?)ように思えるので、別の盤の別の曲を選んでみます。  てなわけで今日の KiKi の BGM はこちらです。

シューマン ピアノ三重奏曲第1番 Op. 63
PHILIPS PHCP-9204  演奏:ボザール・トリオ  録音:1975年6月

41953A34BJL__SL500_AA240_.jpg   (Amazon)

 

 

シューマンの室内楽の中でもっともポピュラーで演奏される機会も多いのがピアノ五重奏曲と四重奏曲なんじゃないかと思うけれど、今日、KiKi が選んだのはもう少し小編成のピアノ・トリオです。  その中でもっともポピュラーなのが恐らくはこの第1番なんじゃないかと・・・。  この曲はシューマンから愛妻クララへの誕生日プレゼントとして作曲されました。  実はシューマンはこの曲を作曲していた当時、既に神経障害の兆候が見られクララも夫の健康状態を心配していたと言われています。  悲痛なおももちに覆われている曲想から、恐らく鬱状態の中で書かれた曲であると言われているし、この曲を KiKi が初めて聴いた頃には「病的」な~んていう解説を読んだこともあるんだけど(そして若い頃の KiKi もそう感じないでもなかったけれど)、今聴くと「そう??」っていう感じ・・・・。

こういう曲想の曲って「絶望」とか「挫折」、「得体の知れないブラックホールのようなものに吸い込まれそうになるほどの孤独」・・・・等々、心理的な暗闇を経験したことがないうちは確かに「病的」に感じられなくもない・・・・ような気もするけれど、1度でもそういう経験をしたことがあれば「病的」というのとはちょっと違う・・・・と感じられる音楽なんじゃないかしら。  澄み切った真っ青な大空に舞い上がるような青少年っぽいとっても健全な希望とは無縁なんだけど、前も後ろもわからないような暗闇の中で、それでも憧れ求めずにはいられない一筋の光みたいな希望・夢のある音楽なんじゃないかと・・・・。

実は KiKi が生まれて初めてこの曲を聴いたのは20代前半の頃だったんだけど、ちょうど当時つきあっていた人と別れた直後の冬だったんですよね~。  街はクリスマスのイルミネーションと浮かれた音楽とクリスマス商戦で大賑わい!  池袋も新宿も渋谷もカップルが腕を組んで闊歩していて、スーパーへ行けば子連れの親子がニコニコしながらクリスマス・ケーキの予約か何かをしていて、TVでは夢物語みたいなラブ・ストーリーが次から次へと流れている、そんな雰囲気の中にあって KiKi は自分でも呆れちゃうほどに「どうってことなかった」んですよね~。  「悲しい」とか「淋しい」とは不思議なことにほとんど感じませんでした。    

でもね、それはクリスマス・イブの日に訪れました。  その日、KiKi は早々に帰宅して家で自炊して食事を済ませ、ウィスキーの水割りを片手にベランダから新宿の高層ビル街の方を眺めていました。  当時の KiKi のアパートのベランダからは暗い街並みの向うに新宿の高層ビル街が煌々と光って見えたんです。  すご~く静かな夜で「ああ、静かでいいクリスマスだなぁ。」などと思いながらグラスの中の氷の音と静かなボリュームで流れているこの曲を聴きながらボ~っとしていました。  すると突然、多分夜中の12時だったんじゃないかと思うんだけど高層ビル街の明かりが一斉にパッと消えたんです。  で、ほんの暫くした後、何ビルだったかはよく覚えていないんだけどそのビルだけ、ハート型のイルミネーションが輝き始めました。  まるで映画かドラマみたいでしょ。  まあ、当時はバブリーな時代でしたからねぇ・・・。  (← 年齢がバレバレですねぇ ^^;)  時を同じくして曲は第3楽章(ゆるやかに、心からの感情を込めて)に突入。

真っ暗な中に浮かび上がるハート・マークのイルミネーションの BGM にしちゃ、悲しみに溢れた(とってもシューマンらしい)ヴァイオリン主題。  それを聴いているうちにふと気がつくと KiKi の目からは涙が溢れてきちゃったんですよね~。  別に彼と別れたことを後悔もしていなかったし、それを悲しんでいたわけでもないし、彼のことを思い出したわけでもないんだけど、急に「ブラックホール」のようなものを感じたんですよね~。    

まあ、あの時感じたのが「孤独感」だったのか「単なるちょっとした感傷」だったのかは今もって不明だし、あの時感じた「ブラックホール」はその後の人生の中で経験してきた「絶望」や「挫折感」や「後悔」に比べるとはるかにちっぽけな落とし穴だったと思うけれど、当時の KiKi にとってはものすご~くピュアな感情だったのは事実なんですよね~。  てなわけで、この曲は KiKi にとってはものすご~く思い出深い1曲でもあるのです。



 

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2006年7月18日 15:24に書いたブログ記事です。

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