永遠の命と限りある命 その2

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さて、今日も昨日に引き続き「永遠の命と限りある命」について考えてみたいと思います。

ありとあらゆる知恵を働かせ、神々の凋落を食い止めようとしたヴォータンが最後にいきついた境地、それは「自分が永遠の命である限りは、永遠の受刑者である」ということでした。  その真実を受容するに至って、彼は黄金のリンゴを手放し老いを受け入れます。

さて、ではこの「ニーベルングの指環」の世界の中に出てくる他の種族はどうなのでしょうか??  彼らの命は限りあるものなのでしょうか??  これははっきりとは描かれていませんが、ある程度の推測ができます。

 

<巨人族>
昨日引用したファフナーのセリフからもわかるように、彼らは「永遠の命」に嫉妬しています。  嫉妬の感情は自分が持っていないものを持っている他人に向けられるものですから、彼らの命は有限とみることができます。

 

<ニーベルング族>
同じく昨日引用したアルベリヒのセリフからもわかるように、彼らは有限の命ゆえに「自分の犯した罪に対する罰は自分一身が受ければそれで足る」と考えます。  そして神々の黄昏では死して尚この世に思いを残した夢魔としてハーゲンの枕辺に立つアルベリヒの姿が描かれていることにより、彼らの命も有限であることがわかります。

 

<人間族>
まあ、これは考えるまでもなく、我々が人間であり、有限の命である以上有限と考えるべきでしょう。

 

問題は半神半人の人(?)たちです。  たとえば、ローゲ。  そして、一応「人間扱い」されているヴェルズング族はどうなのでしょうか??

 

 

まずはローゲさんに聞いてみましょう。

「そうか! こいつが足りないんですよ!
 今日はまだフライアの果物を召し上がってなかったんですな。
 
 (中略)

 まあ、私はどうってことはない。
 けちなフライアは、その旨そうな果物を、私には出し惜しみしたからね。
 なにしろ私は、お歴々と違って、半分しか神でありませんから。
 しかしあなた方は、あの若さをくれる果物にすっかり頼ってしまった。
 それを巨人たちはよく承知しているのです。
 彼らが狙うのはあなたがたの命。
 となれば、身の心配をすることです!」

 

どうやらローゲさんは黄金のりんごなんかなくてもどうってことはないし、自分の身の心配はすでにちゃ~んとしてあるような雰囲気ですねぇ・・・・。

じゃあ、ローゲさん、あなたはどうなるんですか???  あれ?  ローゲさん???  どこに行っちゃったんだろ???

インタビューの途中だと言うのに、ローゲさんは序夜の「ラインの黄金」で姿を消してしまいました ^^;  困ったなぁ・・・・。  

ねぇ、ヴォータンさん。  どう思います???

 

「ローゲ!  聞こえるか、わしの呼び声が!
 最初にわしがお前を見たときは、お前は燃え立つ焔であった。
 次いでわしの前から姿を消したときは、明滅する鬼火だった。
 かつてわしに捕らえられたローゲよ、今ふたたびわしの言うままになるがいい。
 現れよ、ゆらめく焔よ、
 岩をめぐり、燃える檻で囲め!
 ローゲ!  ローゲ!  現れよ!」

 叫びながら、ヴォータンは槍で三度岩を打つ。
 すると火花が閃き、ゆっくりと岩を囲む焔の輪となって、燃え広がる。


 

 

・・・・・。

 

 

KiKi の結論。  ローゲは永遠に近い存在です。  彼は永遠に存続するために姿を変えることを、火種を起こせばいつでも蘇ることができる仕組(?)を構築していました。  彼は同じ姿で存在し続けることには拘りませんでした。

KiKi はね、ローゲって結構好きなんですよね~。  と言うのも彼は「力の指環」の存在をその製作者であるアルベリヒを除くと誰よりも早く知り、ヴォータンとともにニーベルハイムまで降りて行って、さらにはその指環をアルベリヒから奪い取る算段までしておきながら、絶対に指環に触れようとはしません。  彼が興味を持ったのは「隠れ頭巾」のみです。  望むものに姿を変えられる隠れ頭巾に興味を持ったローゲ。  彼はこの頭巾を手にしたとき「永遠」を手に入れる手段、つまり姿を変えて存続し続けるるというプランを実行に移すことを真剣に考え始めたのかもしれません。

と同時に、彼は永遠を望むなら指環には絶対に触れてはいけないことを知っていたのだと思います。  だから彼は最後まで指環をラインの乙女たちに返すことを主張していたのだと思います。  もっと言えば彼は「永遠」や「力」を欲しないものであれば、指環に触れてもいいと思っていたのかもしれません。  と、言うのも巨人族兄弟がヴァルハラ城建築代金として指環を含むすべての宝を入手し、兄弟げんかを始めたとき、彼は実直でフライアの愛を何よりも求めていた兄のファゾルトに耳打ちしました。

 

「他の宝は全部やってしまって、お前は指環だけ取っておくがいい!」

 

KiKi はね、ローゲとしては危険きわまりない「力の指環」を欲心にまみれたアルベリヒやヴォータン、そしてファフナーには渡したくなかったのではないかと思うんですよね。  何故なら彼らは一旦それを手にしたら何をするかわかったもんじゃないからです。  1番いいのはもともとラインの黄金が封印されていたライン河に戻すこと。  でも、それが適わないのであれば、憧れのフライアの目の光の代償としてキラキラ光る黄金の指環を欲したファゾルトの手に渡したかったのではないかと・・・・。  何故ならファゾルトは「力の指環」を欲したわけではないのだから・・・・。  

ローゲは半神半人です。  ある意味では中途半端な存在です。  神々 vs. 巨人族、神々 vs. ニーベルング族 という対立軸の中では常に傍観者です。  彼は舞台を観ている我々の姿・・・・でもあります。

ま、それはさておき、どうやら半神半人であるローゲは永遠に近い存在だという結論に至ったところで、1番の難関、人間扱いされているけれど実はヴォータンの子孫でもある(つまり半神半人)のヴェルズング族がどうなのかを考えてみたいと思いますが、それは明日のお楽しみ・・・・ということで今日はここでおしまいです。

 

その3へ続く

 

 

        
 

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2006年8月 1日 22:50に書いたブログ記事です。

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