永遠の命と限りある命 その3

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さて、今日で「永遠の命と限りある命」についての考察は一旦終了です。

昨日までのエントリーを整理するとこんな感じになります。

永遠の命を持つ種族: 神々(但し黄金のりんごが必要)
永遠に近い存在:   半神半人であるローゲ
限りある命の種族:  巨人族、ニーベルング族、人間族

では、今日は1番の難題、物語の中で一応「人間扱い」されているけれど、実態はヴォータンの血を引く半神半人の存在であるはずのヴェルズング族の命は永遠か、限りあるのか?です。  

まず事実だけに目を向けると・・・・・

ヴェルゼ:    実体は神々の長、ヴォータンなので黄金のりんごがあれば永遠
ジークムント:  ヴォータンの裏切りにより絶命。  よって限りある命(?)
ジークリンデ:  ジークフリートを産むや否や死んじゃったからやっぱり限りある命(?)
ジークフリート: ハーゲンの槍により絶命。  よって限りある命(?)

はい、結論。  有限の命・・・・・では、こんなエントリーをわざわざ日を跨いでまでして書く必要はないわけで・・・・ ^^;

 

 

KiKi はね、ローゲが自分の考えと選択で永遠に近い存在となりえたように、ヴェルズング族も彼らの考えと選択によっては永遠に近い存在になりえた人たちだったのではないかと考えています。  だって、ヴェルズングは普通の人間じゃないんだもん。 グンターやギービヒ家に仕える一般ピープルと一緒じゃあまりにも寂しいじゃない。  (← って単なる感情論かっていう感じですが ^^;)

まず、ヴォータンの一親等世代の方々にお話を伺ってみましょう。  尚、ここでは戦による死と自然死は別物であるという前提があります。  これは他の種族でも同じですが・・・・。  インタビューの最初の相手は第1の英雄、ジークムントさんです。

「では、ヴァルハラに、ヴォータンに、ヴェルゼに、そして英雄たちにも、
 神の愛でる乙女たちにも、よろしくお伝えください、僕は行かないと!」

「彼女が生きてある限り、誰の手にも触れさせるものか。  
 僕が死ぬべきときが来たら、まず眠っている彼女を殺す。」

「裏切り者が信義篤い者に与えたこの剣、戦いにあたって役に立たぬという。
 敵に対して使い物にならぬなら、味方に対して使おう!
 いま2つの命がお前の刃のもとにある、
 ノートゥングよ、2つながら断つがいい!
 一撃のもとに!

 

なるほど、そうですか。  では、せっかくなのでジークリンデさんのお話も伺ってみましょう。

 

「やめて、2人とも!  まず、私を殺して!」

「どうぞ、私のことで心を痛めないで。  私の何よりの望みは死なのですから。
 ああ、乙女よ、誰があなたに私を助けてと頼みました?
 戦場で、あの人と死んで一緒になれたのに。
 ジークムントを殺した、その同じ槍に、その場で私も刺し貫かれたかった!
 ああ、ジークムント、あなたからこんなに遠くに、私1人、
 あなたと私を結び付けてくれるのは、死だけ!
 お願いです、私を助けてくださったお方、
 さあ、貴方の剣でこの胸を突き刺してください!
 さもないと、助けてくださったお心遣いを恨みに思います。」

 

KiKi はね、この2人、「もはや一心同体となった2人が共に存在することが許されないのであれば死ぬ」ことを選択したんだと思うんですよね。  彼らの愛は半身の愛じゃないんです。  合一の愛なんです。  しかもジークムントは父が彼に約束した剣、ノートゥングで2人もろとも死ぬことを選んだのです。  そして、ジークムントを失ったジークリンデは彼を失った時点で本当はもう死んでいるのです。  彼女が尚もほんの暫く生き延びたのは偏に2人の愛の、合一の証でもあるジークフリートをこの世に生み出すためだけです。  父が与えた約束の剣をその父の槍(契約の象徴)で砕かれてなお、ジークムントが守ったもの、それはヴォータンが諦めきれずにいた「愛」の中でももっとも純粋な、完成された形の「愛」だったのだと思います。  彼らには永遠を考える時間も心の余裕もありませんでした。  彼らの心は「永遠」を考える前に「愛」で満タンだったのです。

では、そんな文字通り両親の命がけの愛の結晶である、第2の英雄、「愛すべき可愛い無鉄砲なお馬鹿さん」はどうだったのでしょうか??

KiKi はね、彼の姿に本人の選択を1番感じるんですよね~。  って言うのは、仮にローゲと同じ特質を持つ永遠に近い存在になれる資質があったという大前提のもとに彼を見直してみると、彼は最強なんですよ。  だって、彼は元戦乙女のブリュンヒルデの最後の力を振り絞った祝福を受けて、彼の唯一の弱点、背中さえ狙われなければ「不死身」でいられる存在のはずだったんですから!!  つまりこの考察を始める前にちょっと触れておいた「永遠の命か否かを考える上で、戦による死と自然死は別物である」(つまり戦による死は論点からはずす)という前提をあっさりと超えちゃった人物だったんです。  さて、ではジークフリートさんのお話もちょっと伺ってみましょう。

 

「世界の富をおれに受け継がせるというこの指環だって、愛の賜物のためなら、
 喜んで譲るところだ。
 相手をしてくれれば、あげてしまってもいいのだ。
 だが体や命が危ないなどと脅かすのなら、
 たとえ指1本の値打ちもなかろうとも、指環は絶対に手放さない!
 体や命なら惜しくなんかない!
 それこのとおり、放り出してやる!

 

あちゃ~!!  それが貴方の選択ですか??\(◎o◎)/!  呆れちゃったのは KiKi だけではないみたいです。  観客席のラインの乙女の皆さんたちのヒソヒソ声が聞こえてきます。

 

「もう行きましょう、みな共に!  馬鹿な男は放っといて!
 強くて賢いつもりでも、実は盲目の囚われ人。
 立てた誓いを自ら破り、ルーネの知恵も持ち腐れ!
 せっかく手にした宝物、自分で捨ててご存知ない。
 だが命取りの指環だけは、何が何でも渡せぬと。
 さようなら、ジークフリート。」

 

彼はここで永遠の命を得られるかもしれない可能性を放棄したと KiKi は思います。  彼がここで指環を手放していたら、彼は死なずにすんだかもしれない。  しかも最強の「不死身」という鎧をまとって、ローゲのように「姿を変えながら生きていく永遠に近い存在」ではなく、本当の意味での「永遠の命」を手にできるチャンスがあったのかもしれません。  (ま、黄金のリンゴがないと無理か?)  もっともその場合は、彼がいつブリュンヒルデに与えられた知恵を身につけるのかが宙に浮いちゃうんですけどね ^^;  永遠に「愛すべき可愛い無鉄砲なお馬鹿さん」じゃああまりにも情けない・・・・。

 

 

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2006年8月 2日 22:58に書いたブログ記事です。

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