ワーグナー ニーベルングの指環 神々の黄昏(バレンボイム盤)

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さて、公約どおり本日は KiKi のだ~い好きなリング、しかも待ちに待ったバレンボイム盤の最終章「神々の黄昏」のDVD鑑賞としゃれこみたいと思います。  今年の KiKi のクラシック音楽関連DVD購入の目玉とも言うべきこの4本。  ついに完結いたしました~!!!  DVDラックにどどど~んと並んだリングを前にニタニタ笑っている KiKi って客観的に眺めてみると不気味だろうなぁ・・・・ ^^;

ワーグナー ニーベルングの指環「神々の黄昏」 バレンボイム盤
Warner WPBS-90211/2 演奏:バレンボイム(指揮) & バイロイト祝祭管弦楽団 収録:1991年6,7月(@バイロイト祝祭劇場)

21Z98ybt7yL__SL500_AA192_.jpg (Amazon)

ジークフリート:  ジークフリート・イェルザレム
グンター:     ボード・ブリンクマン
ハーゲン:     フィリップ・カン
アルベリヒ:    ギュンター・フォン・カンネン
ブリュンヒルデ:  アン・エヴァンス
グートルーネ:   エヴァ=マリア・ブントシュー
ヴァルトラウテ:  ヴァルトラウト・マイアー
演出:       ハリー・クプファー

 

まずは冒頭の3人のノルンのヴィジュアルにびっくり仰天!(笑)です。  まさか「リング」の世界観と「千と千尋の神隠し」の世界観がリンクしているとはさすがの KiKi も想像できませんでした。  だって、3人のノルンの風貌はまさに「千と千尋の神隠し」のカオナシさんみたいなんですよ!! (↓ こんな感じ)

chihiro014.jpg

しかもそのカオナシさんが1人だけじゃなくて3人もいるからそのインパクトたるや絶大!なんですよ。  で、その3人が樅の木や岩で運命の綱をよっているのかと思いきや、あたかも昔のTVアンテナみたいなのに綱を引っ掛けて過去・現在・未来を語り始めちゃうんです。  正直なところこの素晴らしい音楽の世界に没頭する前に「あのTVアンテナみたいなものはいったい何ぞや??」という疑問で頭がいっぱいになってしまいました(笑)。

ブリュンヒルデの岩山で二人がゴロゴロしているのはこの演出ならさもありなん・・・・とほとんど抵抗なく観ていることができたのですが、カオナシさんに引き続き KiKi がびっくり仰天しちゃったのは、ギービヒ家にたどり着いた直後のジークフリートのお行儀(?)です。

初めて訪ねた他人の家で、挨拶さえしていないっていうのにゴロゴロ寝転ぶとは何事ですか?? 

挙句、最初の挨拶の言葉が「ライン地方に隠れもない勇者グンター、私と一戦に及ぶか、それとも友となるか、どちらを選ばれる?」ときたもんだ。  いくら愛すべき可愛い無鉄砲なお馬鹿さんとは言え、この非常識極まりない言動に思わず口がアングリとあいちゃった KiKi なのでした(爆)。

それにしても・・・・これだけ寝転ぶのが好きな演出だというのに、ラインの黄金でヴォータン初登場の場面(ヴァルハラ完成間際)ではト書き的には寝ていなくちゃいけなかったはずのヴォータンがすっくと仁王立ちしていたのは何でだったんだろ????  どうやら KiKi にとってバレンボイム盤鑑賞はDVDよりもCDの方がいいみたいです。  (もっともこのDVDはドルビー 5.1Ch で再生できるから、音的にはCDよりもDVDの方が勝っているんですけどね♪)

まあ、ゴロゴロ寝転ぶことに関するコメントはこれくらいにしておいて、別の演出面の不思議についていくつか触れておきたいと思います。

ト書きをまったく無視したという点でかなり致命的に KiKi には思えてしまうのがジークフリートが亡くなった場面。  いきなりその場にはいないはずのヴォータンとブリュンヒルデが愕然とした風情で登場します。  これは KiKi にはちょっと許せない!!  ジークフリートとの対決に敗れた後のヴォータンは人間世界をウロウロなんてしてちゃいけません!!  確かに彼はヴァルハラで何もかもを見据えていて、ジークフリートの死を愕然と受け入れるしかなかったんだとは思うけれど、ヴァルハラで「黄金のりんご」を拒絶したことにより一挙に老け込みながら、そしてジークフリートによって砕かれた槍を握りしめてすべての出来事を粛々と受け入れていなくちゃいけないと思うんですよね~。  まあひょっとしたら現代のSF映画チックに本来そこにはいないはずの人物が時空を超えて・・・・てな演出なのかもしれないけれど、これはどうしてもいただけない。

ブリュンヒルデもここで出てきちゃいけません。  彼女はギービヒ家でジークフリートの亡骸に初めて対面するからこそ「類なき英雄の最期にふさわしい嘆きの声をまだ聞いていない。」という台詞が生きると KiKi は思うんですよね~。  そして彼の最期の嘆きの声=ジークフリートの遺言をしっかりと受け止めたからこそ、彼女は自己犠牲という行動をとったと解釈している KiKi としては、ジークフリートの死の場面でブリュンヒルデに絶望なんてしていてほしくない!(笑)

そしてもう1つ。  こちらはさほど否定的には捉えていないんだけど、やっぱりちょっと???だったのはヴァルハラが炎上し、ライン川に呑み込まれた後、舞台に何人かの現代風男女が登場しワイングラスやらビアマグやらコーヒーカップやらを片手にテレビを見ているという演出です。  神々の終焉という超がつくような大事件をテレビで見ている現代人というのは、現代文明そのものに対する皮肉だとは思うんだけど、やっぱり若干の抵抗があるんだよなぁ。  (このシーンを観てようやくノルンの場面のアレがやっぱりTVのアンテナだったと確信できるのですが・・・・ ^^;)  

もっともクプファーさんの演出意図としては恐らく「神々の世界が終わって人間の時代になったけれどそれで万々歳ということではない。」というような主張があるんだと思うんですけどね。  神々のあとを引き継いだはずの現代の人間は所詮この出来事をテレビで観て他人事みたいな気分でいるけれど(ここで恐らくは舞台を観ているということとテレビを観ているということを同義に捉えている?)それでいいの??みたいな・・・・。

最後の最後、幕が降りてくる直前に二人の子供(男の子と女の子)が手をつないで懐中電灯で先を照らしながら歩いているシーンは恐らくは現代文明社会をある面では否定していて、これからの人間は暗中模索状態であっても、もう一度別の道を探っていかなくちゃいけないんじゃないか?というメッセージが込められているんじゃないかと思うんですよね。  特に KiKi にそう感じさせたのはこの子供たちが舞台左端にいるアルベリヒ(らしき男)を一瞬だけ懐中電灯で照らすんだけど、それを即座にやめて彼がいる方向とは反対方向に進んでいくという演出があったからなんですよね~。  ニーベルングの(≒アルベリヒの)指環が象徴していた力と富という価値観を即座に否定しているっていうことなんじゃないかと・・・・・。

そして下りてくる幕がちょっとギロチンみたいに斜めになっているのも何かのメッセージなのかもしれません。

 


う~ん。  まあ、演出家が舞台で何かを語りたいというのは、これは演出家の性みたいなものなんだろうし、演出家の存在意義でもあるわけだし、さらには舞台というのはある面では聴衆に何らかのメッセージを発するものだというのもわかってはいるんだけど、KiKi はどうもそういうある種の「押し付け」みたいなものに反発を覚えてしまう天邪鬼みたいです。  ト書きにないことを色々やられると、何となく馬鹿にされているような気分がするというか・・・・・ ^^;  特にこの楽劇のように小細工なしでも多くの命題が最初から含まれている物語の場合はねぇ~ ^^;  

バレンボイムの演奏は相変わらず雄弁だし、イェルザレムも絶好調。  アン・エヴァンスは頑張っているけれどそこそこという評価には変化なし。  ギービヒ家ご一行(グンター、グートルーネ、ハーゲン)は歌には文句ないんだけどちょっと品がないかな。  何だか禁酒法時代のシカゴみたいな雰囲気だし(笑)。

さてこれにて、バレンボイム盤の Review は終了です。  次はどんなリングのDVDを買おうかな~。

 

 

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2006年11月12日 14:23に書いたブログ記事です。

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