ショパン チェロ・ソナタ Op. 65

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やっぱり KiKi はピアノからクラシック音楽に入った人間なんだよなぁと、今更ながら感じる今日この頃です。  と言うのもね、今回のクラシック音楽ブログ共同企画「勝手に××の日」がショパンだと知ると、俄然やる気になってきちゃうのですよぉ ^^;  それだけショパンという作曲家と KiKi のお付き合いが長いっていうことなんだと思うんですけどね。  でもまあ、だからと言ってピアノ曲だけじゃやっぱりつまらないわけでして・・・・・・。  KiKi がショパンという作曲家にと~っても親しいものを感じるのは彼が「ピアノの詩人」と呼ばれるようなピアノ曲重視の作曲家であることもさりながら、もう1つ別の理由もあるような気がします。  それはね、世の中に楽器の種類が数多あれど、彼が室内楽曲として選んだ作品が「チェロ・ソナタ」であり、それが現在まで残っているという事実なんですよね~。

実はショパンにはチェロとピアノのための作品がこの有名な「チェロ・ソナタ」以外にも「序奏と華麗なるポロネーズ Op. 3」と「大二重奏曲(作品番号なし)」、そしてピアノ三重奏曲などもあったりします。  まあ、演奏される機会やら録音が多いのはこの「チェロ・ソナタ」だけなんですけどね~。  ま、てなわけで、今日の KiKi の1曲はこちらです。

ショパン チェロ・ソナタ Op. 65
EMI 7243 5 68132 29B 演奏:デュ・プレ(vc) & バレンボイム(p) 録音:1971年12月

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短い生涯の大半をピアノ曲作曲に専心していたかのような印象の強いショパンがなぜ、チェロという楽器にだけは積極的に取り組んだのか??  ものの本によればそれは彼のまわりに当時の名チェリストの友人が存在していたことと無関係ではないようです。  この曲は39歳という短い生涯だったショパンの36~7歳頃の作品とされています。  ジョルジュ・サンドと別れ精神的にはズタボロ、健康面でも結核がどんどん悪化していよいよ困窮・・・・・というような八方塞りの状況の中、ショパンは1人パリに戻りました。  そんなショパンを支えたのが画家ドラクロアやチェリストのフランショムでした。  どうやらショパンとフランショムとは15年ほどのつき合いがあったようです。  そしてフランショムはその長い付き合いの中でショパンの書いた譜面を清書したりなどというような秘書的な役割も果たしていたと言われています。  

そんなかけがえのない友人とのプライベートな演奏のために書かれた・・・・とも言われているこの曲。  ショパンの曲らしくピアノ・パートが優位に立っているという傾向は否定できないのですが、チェロ・パートの美しさも際立つ作品だと思います。  又、どちらかというと小品を数多く残したショパンがこの曲を作曲する際には大規模なソナタ形式の編成を選択しているという点で、彼のこの曲に対する意欲の高さが、単なる「長年の友情に報いるため」という以上のものであったことが窺い知れます。

KiKi が思うに、この曲の1番面白い点は全楽章にわたってチェロとピアノを対位法的に扱っていること・・・・なんじゃないかしら。  ピアノ優位であるにも関わらず、常にチェロとピアノが対等的かつ相互補完的な関係になるように、対位法を利用しているように感じるんですよね~。  KiKi はね、この曲を聴くたびに感じるのですが、きっと彼は36歳にしてピアノ音楽からの脱皮を目指していたのではないかと思うんですよね。  彼に残された時間がもっとあれば、素敵な室内楽作品をいくつも作ってくれたのではないかしらという思いがよぎるたびに、神様に恨み言の1つも言ってあげたい気分になるのですよ ^^;
  

第1楽章。  ソナタ形式。
第1主題はト短調、第2主題は変ロ長調。  でもショパンらしく・・・・と言うべきか、随所で細やかな転調が行われ主調を曖昧にしています。  特筆すべきは展開部。  ショパンのソナタ楽曲と言えば展開部の充実に目を見張るものがあるのですが、結果的に最後の「ソナタ」となってしまったこの曲にもその傾向は顕著に現れていて、大きな聴き所になっていると思います。  この曲はどことなくピアノ・ソナタ第3番に似ているような気がするのですが、楽器が2つあって対位法的な書法を使っていることによりさらに複雑で厚みのある音楽になっているような気がします。

第2楽章。  スケルツォ形式。
第1楽章よりもかなり単純な作りの音楽・・・・という感じがします。  でもそこはショパンのスケルツォですから、単純なままでは終わりません。  第1楽章では対位法で若干お茶を濁している感もなきにしもあらずのピアノとチェロの関係が、こちらではチェロが主旋律を奏でながらもある部分ではピアノと対立関係になり、又別の部分では協調関係に落ち着くといった風情で「アンサンブル」という言葉がしっくりとくるような関係を築いているように思います。  特にスケルツォ部分での動きのあるチェロ旋律と、リズムを強調するかのようなピアノ伴奏の鋭い対立はショパンの音楽的センスがピアノソロ・オンリーではなかったことを証明しているように感じます。

第3楽章。  ノクターン風な緩徐楽章。
ショパンのノクターンと言うと左手の伴奏に乗せられた美しい右手の旋律というホモフォニー形式で作られたものが多いと個人的には思っているのですが、この楽章は3声で構成されていてチェロとピアノがそれぞれの声部を交互に歌う・・・・というような作りになっていて、ピアノ曲で感じるショパンのロマン性とは一線を画しているように感じます。  チェロが優美な旋律を歌うだけでは終わらない素敵な緩徐楽章です。

第4楽章。  ソナタ形式。
深刻になったかと思えば、諧謔に走るという感じで絶妙なバランスの上に成り立っている音楽だと思います。  第二主題と、そこから展開する新たな主題はシンプルなのですがすぐにまた複雑怪奇(?)な第一主題にとってかわられ、ある種の緊張感に溢れています。  一言で言ってしまえば複雑さと単純明快さが同居している音楽・・・・そんな感じです。


今日取り出したのはデュ・プレとバレンボイムのコンビの演奏ですが、個人的にはデュ・プレの演奏はやはり絶品なれど(でもこの頃既に彼女は多発性硬化症を患っていたらしい)、バレンボイムの伴奏がねぇ~・・・・・ ^^;  個人的にピアニスト、バレンボイムにシンパシーを感じない KiKi だから感じてしまう物足りなさなのだろうか・・・・。  知名度はこちらの方がダントツだけど、KiKi 的には NAXOS のフランツ・バルトロメイ(vc) & 乾まどか (p) の演奏の方が好きですね~。  もっとも KiKi のこの曲の1番のお気に入りはロストロポーヴィチ(vc) & アルゲリッチ (p) の DG 盤なんですけどね♪



 

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2006年12月 3日 21:29に書いたブログ記事です。

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