明日に向かって撃て!

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明日に向って撃て!
1969年 アメリカ 監督:ジョージ・ロイ・ヒル

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70年代初頭、全米を、そして全世界を駆け抜けたアメリカン・ニュー・シネマの波。  その一端を担い、「イージー・ライダー」「俺たちに明日はない」と共に衝撃的な青春像を描いた西部劇の傑作。  実在したアウトロー、ブッチとサンダンスが銀行強盗を繰り返す中で夢を追い求めて自由奔放に生き、それ故に時代に取り残されてゆく様を、「スティング」「ガープの世界」等、名作を作り続ける名匠ジョージ・ロイ・ヒルが時にユーモラスに、時にリリカルに描いてゆく。

この、ニューマンとレッドフォードの演ずる優しく、強く、そして哀しい男たちの姿は、いつの時代も共感を呼び、観る人々を魅了して止まない。  共演は、「卒業」のキャサリン・ロス。  名曲「雨にぬれても」を始めとするバート・バカラックの軽妙流麗なメロディが、全編を痛切に謳い上げ、新感覚のウェスタンに仕上げている。 
  


この映画は KiKi にとって思い出深い作品です。  と言うのも、KiKi がスクリーンで観た最初の映画がこれなんですよね~。  もっともそれは映画館でポップコーンをつまみながら観た・・・・なんていうオシャレなものじゃなくて、小学校の何かの行事だったか町のお祭りだったか記憶が定かじゃないんだけど、夏のある晩、ござとかビニールシートとか新聞紙の上に体育坐りをして、襲ってくる蚊の大群と悪戦苦闘しながらの映画鑑賞だったんですよね。  映画が始まる前は、体のあちこちにたかってくる蚊に辟易としながら映画を観にきたんだか蚊の退治をしにきたんだかよくわからない状況だったのが、映画の冒頭から鬱陶しい蚊の存在なんていうのはすっかり忘れ去りこの作品の世界にぐんぐんと引き込まれたことを今でもよく覚えています。  最初に観たのがこのあまりにもバランスのよい映画だったから、映画が好きになったという部分もあるような気がするんですよね。  最初に観たのが、もっと生々しい描写の映画だったり、重すぎる映画だったり、哲学的な映画だったり、ラブコメディだったりしたら、恐らく今の映画好きの KiKi はいないような気がします。  この映画の素晴らしいところ、それはユーモアと悲劇とロマンスが絶妙なコンビネーションで描かれているところだと思うんですよね。

会話にあふれるユーモアはあくまでもオシャレでイヤミもてらいもなく、悲劇性も昨今の映画のような「それ泣け、ほれ泣け、ここで泣け!」みたいなあざとさがなく、ロマンスにしてもあっさりさらりと描くだけ・・・・・。  要は作品全体のトーンに「品」があるんですよね。  アウトローを扱っていて字幕は「べらんめぇ調」なのに、そこに知性と品位を感じさせる摩訶不思議な映画だと思います。  で、知性と品位があるにも関わらず、お高くとまっているところもないんですよね。  例えて言えばドレスダウンのオシャレみたいな感じです。    この映画を観ていると、「ああ、伝説と言うのはこんな風に語り継がれていくものなんだなぁ。」と感じます。  

 

 

映画冒頭の無声映画を回しているような映像は、バックに流れる映写機のカラカラと回る音が印象的です。  あれが本物の無声映画の映像なのかこの映画のための作り物なのか、KiKi にはよくわらかなかったのですが、あの映像の効果でこの物語があくまでも「伝説」であることを無言のうちに観る者に納得させてくれます。  そしてその無声映画の映像が消えた後に、遠慮がちに出てくるキャプションがまた素晴らしいと思うんですよね。  「これは真実に近い物語である。  Most of what follows is true.」  これだけで「掴みは OK」で、初めてこの映画を観たあの幼い日も今回も、KiKi の意識はこの物語に集中していきました。

この映画、恐らくは主役の2人も監督も、かなり楽しみながら撮った作品だと思うんですよね。  もちろんエンターテイメントだから観る人を楽しませなくちゃいけないんだけど、この映画の製作に携わった全ての人(スポンサーを除く)がこの伝説物語を心の底から楽しみ、アウトローである2人を愛している・・・・・そんな気持ちがそこかしこに滲み出ているような気がします。  実際のブッチとサンダンスが、あの名優2人が作り上げたような人物だったのかどうかは知らないけれど、とにかく愛想がよくペラペラとよく喋るブッチ(ポール・ニューマン)と早撃ちで名を挙げた(恐らく)殺し屋のサンダンス(ロバート・レッドフォード)が、可愛くていとおしくて仕方ないんですよね~。  生活のため・・・・というような悲壮感もなければ社会体制に反発しているわけでもないし、奪った金で何をするというような目的もない2人なんだから本来だったら真っ当な社会人としては眉をしかめなくちゃいけないと思うんだけど、何故か応援したいような気分になってしまうんですよ。  それはこの2人に「小賢しさ」と呼べるようなものがほとんどなくて、ただただ無邪気に人生を自由気ままに謳歌しているからなんだろうと思うんですよね。  彼らには「責任」とか「使命」とか「自己実現」とかそういうややこしいものは何ひとつなくて、簡単に言ってしまえば「その日暮らし」を目いっぱい楽しんじゃっている感じがします。  よく「少年のまま大人になったような人」という譬えが使われるけれど、その究極の形態が彼ら2人のように思えてなりません。

有名な「雨にぬれても」の自転車のシーンも、この映画の中では一服の清涼剤みたいな感じで、ロマンチックで美しくてとっても素敵なんだけど、ちょっと冷静に考えてみると、無二の親友(?)の彼女(キャサリン・ロス)を2人が一夜を共にしたベッドから誘い出して、衝動買いしたばかりの「未来の乗り物(=自転車)」に乗せて、挙句の果てに口説いちゃったりしているわけだから、常識で考えればとんでもないことをしているわけですよね(笑)。  でも、そんなことを何のてらいもなくやっちゃうほどにブッチは(ついでにエッタも)自由気ままなんですよね。  で、そんなあわや三角関係・・・・というような状況にサンダンスも一瞬ムッとして「何してる?」と聞くんだけど、ブッチの返事は「盗み食いさ。」で、さらにそれに対するサンダンスの反応といえば「くれてやる。  もってけ。」ですからねぇ。  こんなセリフ、「冬ソナ」の大ファンの女性陣からは絶対に大顰蹙を買うんだろうなぁ。  (もっとも、それを言っているのがレッドフォードだから許せちゃうんだろうか?? ^^; )

物語の冒頭で彼らが決行する列車の往路復路を両方とも襲うという強盗シーン。  勤勉なるウッドコックさんは、良識ある一般市民(KiKi も含む?)の象徴みたいな人なんだけど、その彼が滑稽にさえ見えちゃうぐらいにこの2人のアウトローに感情移入してしまうのは、きっとブッチのそしてニューマンのカリスマなんだろうなぁと思います。  これでブッチが極悪非道の冷血漢だったら話はだいぶ変わってくると思うんだけど、往きに列車を襲った時にはウッドコックさんを殺しちゃったりなんていう残酷なことはしないで逆に彼の安否を気遣うという優しさを見せるし、帰りに襲ったときには列車を停めて車中にいるのが傷だらけのウッドコックさんだと察知するや否や、まるで旧知の友人に話しかけるかのように如才なく彼に呼びかけ、「元気だったか?」なんていうことを聞くような人間なので、これが列車強盗という犯罪の現場であるというリアリティを完全に吹き飛ばしてくれちゃうんですよね。

ところがこの列車強盗が彼らの運にケチがつき始めるきっかけとなってしまいます。  往路の列車強盗に怒り狂った列車会社の社長さんが金に糸目をつけないで、この伝説の強盗2人組であってさえも震え上がっちゃうようなオール・スター・キャストの討伐隊を編成しちゃうんですよね。  で、ここで普通の西部劇だったら、主役の2人は敵に背中を見せるなんていう情けないことは絶対にしないで、ありえない強さで立ち向かっていくんだけど、この2人は違うんですよね~。  「ヤバ!」と思ったその瞬間から逃げる、逃げる、逃げる。  彼らの辞書には「責任」も「使命」も「自己実現」もなかったけれど、ついでに「体面」とか「名誉」なんていうのもなかったようです(笑)。  「逃げるが勝ち」は太字で書いてあったみたいだけど・・・・・(笑)。  で、何とか追っ手をまこうと色々試みるんだけど、すべて失敗しちゃうんですよね。  普通のアメリカのヒーローものだったら、2人を追っているこのありえない優秀さを示す討伐隊のリーダーこそが主役にふさわしいんじゃないかと思うんだけど、彼の姿は遠目にチラチラと見せるだけで最初のうちはどこの誰ともわかりません。

2人がどんどん追い詰められていく中で、ようやくそのありえない優秀さのリーダーの名前が「レフォーズ」であるということと、彼のトレードマークである白いストロー・ハットが見えるようになります。  (帽子しか目立たない・・・・とも言える。)  で、この2人が追い詰められていくシーンなんだけど緊迫感のある音楽で盛り上げるわけでも、今にも手の届きそうなところに敵の姿を見せるわけでもないので、昨今の刺激の強い映画に慣れちゃった人には物足りないかもしれません。  でもね、昔はこれでもハラハラドキドキしたものなんですよね。  KiKi は今回久しぶりにこの映画を観ようと決めたときに、シナリオはもう知っているわけだし、過剰な演出に慣らされてきちゃっている自分を認識しているので、このシーンで自分がドキドキできるかどうかちょっと心配でした。  でも、ノスタルジーが手伝ってくれた部分もあったのかもしれないけれど、十分ドキドキさせてもらい、ブッチとサンダンスの無事を祈りたい気分になりました。

で、2人が追い詰められたどこかの渓谷の絶壁の名場面。  半分死を覚悟して討伐隊を迎え撃とうとしたその時に、ブッチが崖の下を見て、「いや、飛び込もう。」と言います。  後ろには追っ手が刻々と迫ってくる絶体絶命の状態でサンダンスの口から出た言葉と言えば、「イヤだ!  俺は泳げないんだ!!」  ブッチではないけれど、飛び込まなかったら確実に死んでしまうだろうという状況にありながら、溺れることを心配するサンダンスは間抜けでもあり、可愛くもあり・・・・・(笑)。  KiKi はこのシーンを観て、初めて「ナンセンス」という英語の意味を理解したことを覚えています。

で、結局は飛び込んで何とか命拾いした2人は、このままでは危ないということで国外に高飛びすることにします。  で、目指す場所は何故かボリビアです。  KiKi はボリビアには行ったことがないし、この物語の時代にボリビアがどんな世情の国だったのかは全く知らないんだけど、どうやら鉱山があってお宝がザクザクと出てくる国らしい・・・・・(ブッチ情報なので怪しいけれど 笑)。  で、ボリビアに行ってどうするのかと言えば「銀行でも襲って地味に暮らす」つもりだとは相も変わらずの計画性のなさ・・・・・。  

この後、ボリビアに行くまでの間がセピア色の写真を次々とスクロールする場面なんだけど、これが映画冒頭のセピア色の無声映画の映像とシンクロしていて、とてもいい雰囲気を醸し出してくれます。  こういう作りこみが本当に巧いし、センスあると思うんですよね。  「アメリカ本国編」と「ボリビア編」をつなぐ Intermission のようにも見えるし、ここでまたもう1度「忘れないでくださいね。  これは伝説なんですから・・・・・」と念を押されているようにも見えます。  で、この写真の中の3人がオシャレなんだな、又これが。  元々美形のところへ持ってきて、クラシカルな衣装に身を包み、生活感のかけらもないような遊興の日々を過ごす3人の姿は夢物語そのものです。  

で、ボリビアに行ってからがまた可笑しいんですよね。  想像していたユートピアの雰囲気とはまったく異なるボリビアの現実にあからさまに落胆を表すサンダンス。  「銀行でも襲えば機嫌も直るさ」ということでまずは銀行の下見に行くんだけど、そこでブッチが少しは話せるはずだったスペイン語が全くダメだったことが露呈し、エッタから「スペイン語講座 強盗専門用語編」の授業を受けます。  で、どうにかブッチが強盗用語を身につけた・・・・と思わせておいて、実際には強盗の最中にカンニングペーパーに頼りきりだったり、全然語学の才がないはずだったキッドの方がちゃんと覚えていることが判明したり・・・・・。  もっと可笑しいのは最初の銀行強盗の後、次々と彼らが悪事を重ねていく様子が音楽と映像だけ(セリフなし)で流れるんだけど、彼らを追うボリビア警察の人数がだんだん増えていくんですよね。 

ところがそんなある日、3人が豪勢なディナーを楽しいでいるときに、例の「レフォーズ」の姿をちらっと見てしまったのでさあ大変!  またもや絶体絶命か・・・・と思ったところでブッチが考え出した解決策というのがふるっています。  「俺たちが事を起こすのを待って、俺たちを消そうとしているんだったら、事を起こさなきゃいい。」ということで、いきなりの堅気宣言です。  でもできるだけ人目につかないところで・・・・ということで選んだ仕事が鉱山の給料を警護するお仕事です。  ついこの間までそれを奪う側にいたのにねぇ(笑)。  で、初仕事で鉱山のマネージャーさんが給料を銀行におろしに行くのに同行するんだけど、その銀行というのがついこの間自分たちが襲ったばかりの銀行でヤキモキしたりして。  

その帰り道、案の定、ボリビアの山賊たちが襲ってきてマネージャーさんは呆気なく死亡。  で、ここでも逃げちゃうのかな?と思っていたら、「この金は俺たちの金じゃない。  これを守るのが俺たちの仕事だ。」とその山賊たちと対峙する2人。  ところが言葉が巧く操れないうえに、山賊さん達には名前が知れ渡っていなかったせいもあって交渉は難航します。  そうなったら力づくで・・・・というところでブッチが衝撃の告白をします。  「実は俺、人を撃ったことがないんだ。」  アウトローで列車やら銀行をさんざん襲ってきたブッチだけど、殺人だけには手を染めていなかったようです。  この後、サンダンスの活躍もあって山賊さんたちを皆殺しにしちゃうんだけど、戦いが終わったときのニューマンの表情は絶品です。  それだけは絶対に手を出すまいと思っていた最悪の悪事に、堅気に戻った最初の仕事で手を染めてしまったブッチの「こんなはずじゃなかった・・・・・・。」という心の声が聞こえてきそうです。  

もっとも彼らが堅気に戻ったのは、更正したわけでもなんでもなくて、とりあえず「レフォーズ」の追求から逃れるためだけだったのですから、この後どうすればいいのかをいくら考えても、結局アウトローとして生きていくしかないんですよね。  農業や牧畜を勧めるエッタに2人は言います。  「それは俺たちにはできそうにないよ・・・・・。」  いつの世も女性の方が男性よりも現実的です。  そんな2人の姿に彼らはもう「死」に向かって突き進んでいくしかないことを悟ったエッタは、ボリビアへの旅立ちの前に2人に宣言したとおり「2人が死ぬのを見ない」ために、1人で先にアメリカに帰ると言い出します。  ここで最初にサンダンスが、そして次にブッチが「好きにするといいさ。」とポツンと言うんだけどそれが何とも哀しいです。  本当は2人ともエッタにはこの先もずっと一緒にいて欲しいんですよね。  でも、それを口に出して言うことはできないんですよね。

で、ここで現実に目覚めるのかと思いきや、さらに2人は現実逃避の旅を続けます。  とりあえず町は危ないということで山やジャングルで盗賊稼業に身をやつしていたのですが、呆気なく我慢の限界に達してしまったブッチが言います。  「ジャングルや沼や蛇は、俺の性に合わねえのさ。」  今はそんなことを言っている場合じゃなくて、とにかく「レフォーズ」に見つからないことが一番大事なことのはずなのにねぇ・・・・・ ^^;  でも、レフォーズに見つかる前に「その時」が来てしまいました。  2人が町の市場のレストランで食事をしようと、山賊をして奪った騾馬を預けるのですが、その騾馬のお尻に本当の持ち主を表すヤキゴテがついていて、それを見たレストランで働く少年がボリビア警察に密告。  こうして2人はボリビア警察にまわりを取り囲まれてしまいます。  手持ちの銃弾は残りわずかで、騾馬に括りつけてある銃弾を補充しなければとてもじゃないけれど戦いにはおぼつきません。  で、ブッチが銃弾補充のため広場に出て行く担当、サンダンスが援護担当とそれぞれの役割を分担します。

この後の銃撃戦のシーンでは、サンダンスがありえない強さ(拳銃さばき)を見せてくれます。  最初のうちは補充と射撃の間隔が短かった(銃弾補充のため)のが、最後の方では弾も補充していないのに撃ちまくっているのは、まあご愛嬌・・・・ということで。  ところが多勢に無勢、結局は2人とも被弾してかなりの深手を負います。  でも、この2人。  そんな状況でも相変わらず軽口をたたきあっているんですよね。  「何が援護だ。  あのザマは。」(いやいや、凄かったよ。  だって百発百中だったもの!)  「あれで走ったのか?  あれじゃ老いぼれの散歩だ。」(いやいや、老いぼれには2頭の騾馬に宙吊りになってあの銃撃戦の中をかいくぐるなんていう技は望めないよ!)  で、息も絶え絶えになりつつも2人は「ここを脱出したら次はオーストラリアに行こう。  あそこなら英語が通じる。」なんていうことを本気で話し合ったりしています。

実は蚊に食われながらの初見の時、KiKi はこの2人はここで死を覚悟してそのうえで軽口をたたきあっていると思っていたんですよね。  でもね、その後の視聴で、その考え方は変わりました。  この2人は本気でこの窮地を脱出できると無邪気に考えていたと思うんですよ。  そう感じるようになったのは彼らの次の2つのセリフからなんです。  その1つは、「オーストラリアに行ったらきれいな浜辺で泳ぎを習って・・・・。」というブッチにサンダンスが「泳ぎの話はするな! Swimming is not important! 」とムキになるところ。  そしてもう1つは自分達を取り囲んでいる包囲網の中にあの「レフォーズ」の姿を見なかったことを思い出して、「よかった。  じゃ、敵は大したことねぇ。」というブッチのセリフ。  本当はボリビア警察のみならず、ボリビアの騎兵隊までに取り囲まれていて、「レフォーズ」なんて目じゃないほどの窮地にいる2人なんだけど、彼らにとっての驚異は自分達をアメリカで追い詰めた「レフォーズ」だけで、今の状況をまったく理解していないんですよね。

こうして「オーストラリアを目指す明日に向かって」広場に飛び出していった2人に砲撃の嵐が降り注ぐ、その瞬間で画面は静止画に・・・・・。  やがてその2人の姿はカラー映像からセピア色に変わり、再び伝説の世界に戻ります。

この映画、軽妙な音楽に乗って自由気ままに生き生きと息づいている2人を見ている間は私達に「自分が嫌だと思うこと」や「退屈な日常」、そして「現実」から逃げてもいいんだ、逃げても楽しく生きていけるんだ・・・・・という風に思わせてくれます。  でも、それはまやかしで、それだけを求めているといずれ高い代償を支払わなければならない・・・・・・ということを最後の最後に教えてくれ、そこで視聴者はポンと置き去りにされてしまいます。  2人の死体を見せないことによって、「さあ、あなたならどうする?」と問いかけてでもいるかのようです。  でも、やっぱりこの映画はそんな重厚なテーマを訴えているような作品じゃないんでしょうね。  伝説の2人のカッコイイ男の生き様をさらにカッコよく彩ったエンターテイメント作品・・・・・というのが本当のところなんでしょう。

因みにブッチとサンダンスの実際の写真(?)とされているのは以下の2枚です。

 

Butchcassidy.jpeg          Sundance2.jpeg    
↑ ブッチ             ↑ サンダンス

 

およそポール・ニューマン & ロバート・レッドフォードとは似ていませんねぇ。  でもまあ、この映画の原題が "Butch Cassidy and the Sundance Kid" であることからも分かるようにアメリカ人にとっては無法者とは言え、伝説の勇者だったんでしょうね。  日本で言えば「国定忠治」とか「ねずみ小僧」とか「石川五右衛門」っていう感じでしょうか?  (義賊じゃないからちょっと違うか・・・・ ^^; )

最後に、この映画に「明日に向って撃て!」という邦題をつけた人はセンスあるなぁと思います。  彼らは現実を認めようとしない、現代文明や現代社会に背を向けた救いようのないアウトローだったけど、大切に思っている女性1人さえ幸せにすることのできないどうしようもない奴らだったけれど、最期の瞬間まで「今」と「明日」を夢見ていたロマンチストだったんだなと思います。  合掌。

 

 

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