2007年3月アーカイブ

アドルフの画集

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アドルフの画集 
2002年 ハンガリー/カナダ/イギリス 監督・脚本 メノ・メイエス


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1918年のドイツ。  第一次世界大戦終結後、ミュンヘンで2人の男が出会う。  戦争に参加し、右腕を失ったマックス(ジョン・キューザック)は画家への路を絶たれ、今は画商を営んでいた。  また戦地から引き揚げ画家を目指すアドルフ・ヒトラー(ノア・テイラー)だがその才能は開花せず、次第に政治運動に傾倒して行った...。

 ヒトラーが画家を目指していたという事実をもとに、マックスという画商と彼とを対比する形で描くあたりがおもしろい。  飄々(ひょうひょう)としたジョン・キューザックのマックスに対して、神経症的なアドルフに扮したノア・テイラーの演技が出色。  自らの内面をキャンパスに叩きつけようと悶え苦しむ様子から、エネルギッシュな演説で大衆を魅了し陶酔する若き日の独裁者の姿を熱く演じている。  肉体と精神に傷を負った男ふたりの、屈折した友情物語。(斉藤守彦)
                            アマゾン・サイトより転載  
  


だいぶ前に自宅近くの GEO で発見して以来、ずっと観たいと思っていたこの映画。  ようやく借りることができました。  アドルフとはかのアドルフ・ヒトラーさんのこと。  ("さん"付けなんてするとファシストだと思われちゃうかな?)  ヒトラーがドイツ独裁者になるずっと前、美術を志していたことは結構有名なお話だと思うのですが、そんな史実に架空のユダヤ人画商マックスを絡ませたストーリーということだったので、「もしもヒトラーが高名な画家になっていたら・・・・」なんていう空想を膨らませつつこの映画を観始めました。  でも、あれ??  あれれ???  ちょっとテーマは違うのかも・・・・ ^^;

原題は「Max」。  つまりヒトラーよりも Max が主役なんだね~、きっと。  でも誰が主役かなんていうのは、ことこの映画に関してはどうでもいいことのような気がします。  KiKi はアドルフ(つまりヒトラー)の狂信的ともいえるあの行動の背後にどんな思いがあったのか、ず~っとよくわからないと思っていたのですが、この映画を観て、「な~るほど、そういうことだったのかもしれない!」とある意味でスンナリとこのストーリーを受け入れちゃうことができました。

 

アミスタッド

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アミスタッド
2001年 アメリカ 監督・脚本:スティーブン・スピルバーグ


51pGM2udTAL__SL500_AA240_.jpg  (Amazon)   
 

奴隷船「アミスタッド」の中で暴動が起きた。  奴隷貿易の商品として船に乗せられた西アフリカ人53名をめぐる1840年代の裁判を、スティーヴン・スピルバーグ監督が映画化した。  アメリカの歴史をざっと知るにはこの映画を見ればいい。  作品の物語性や技術の高さに定評のあるスピルバーグ監督だが、『シンドラーのリスト』や最近では『プライベート・ライアン』でもそうだったように、その持ち味にこだわってはいないようだ。  どちらかと言えば、作品を美しい映像で飾り、感動を誘おうとしているように思える。  壮大なメッセージを込めたかったのだろうが、奴隷制度の描き方は単純で、月並みなものになってしまった。  登場人物は、ハリウッド映画におなじみの役割を与えられている。  「悪党」役に、スペイン人の奴隷商人を配置。  熱心なアボリショニスト(奴隷制度廃止論者)の描き方も一方通行で、側面は描かれていない。  そんな中、奴隷を輸送する中で起きる一連のシーンは、リアリティにあふれており残酷さをよく伝えている。  

『アミスタッド』は、法廷ものとして考えた方がよさそうだ。  若く理想に燃える弁護士(マシュー・マコノヒー)がゆがんだ政治システムと戦い犠牲者を助けようとする、よくあるタイプの法廷ものだ。  奴隷制度の描き方は、『E.T.』の設定にあてはめることができる。  アフリカ人による暴動のリーダーとなるシンケ(ジーモン・ホウンソウ)は、『E.T.』で言うところの宇宙人。  仲間とはぐれ、言葉の通じないところで家に帰る道を探すという意味ではそっくりだ。  砂に絵を描いて地理を尋ねるシーンや、表情を真似させてコミュニケーションを取らせようとするところなど、マシュー・マコノヒーは、さながら『E.T.』をかくまうエリオットだろう。  少年と迷子になった宇宙人の心の交流を描いたSFファンタジーでは文句なしに感動をよびおこした設定である。  しかし、複雑に絡み合った歴史という真実を扱うには弱かったと言わざるをえない。(Dave McCoy, Amazon.com)
                                 Amazon サイトより転載  
  


この映画の扱っている題材は史実です。  それだけにかなり残酷なシーンもあるけれど決して目をそらさずに見なくちゃいけないんだろうな~などと思いながら姿勢を正して(?)観始めたのですが、あまりにも多くの理不尽、不条理に目をそむけたくなってしまうことがしばしばありました。  映画冒頭のアミスタッド号内で起こった反乱のシーンはその悲惨さというよりは光のチカチカする映像でちょっと気分が悪くなりかかり、このまま最後まで観ることができるんだろうかとちょっと不安になりました。  どうも KiKi はああいう作りこんだ映像は苦手みたいです ^^;。  映画全体の作りとしてはやはりアメリカ映画(というかハリウッド作品)の典型的パターンの域を出ておらず、建国の精神に目覚めたアメリカ人がこの事件で被告となったアフリカ人を無罪放免にしてあげてよかったよかったというノリなんだけど、実際にはこの後もアメリカでは奴隷制度が続き南北戦争もこの後で、奴隷解放宣言もさらに後で、黒人差別の問題は今も現代アメリカに(ひいては世界に)根強く残っていることを忘れてはいけないと思います。  とは言うもののこの映画の焦点はこの「アミスタッド号の反乱事件に関する裁判」にあるわけで、奴隷制度の是非だとか人種差別の不条理みたいなお話とはちょっと切り離してあるんですよね。  まあ、奴隷制度そのものを語ろうとするのに映画の時間枠は短すぎると思うので、それはそれで致し方ないこと。  でも、KiKi はこの映画をきっかけにしてシンベたち53名のストーリーよりも「奴隷制度のストーリー」こそを考えなくちゃいけないんじゃないか・・・・・そんな風に感じました。  

それにしてもこの物語の発端となる奴隷船「アミスタッド号」。  このアミスタッドという言葉が「友情」を意味しているというのは何ともいえない皮肉です。  日本語には「名は体を表す」っていう言葉があるけれど、そして子供の頃の KiKi はどちらかというとそれを信じていた部分があるけれど、成長するにしたがって「美名の裏に隠れた悪事・陰謀」みたいなものにとっても sensitive になってきているので、この船名に何だかとても象徴的なものを感じます。  そして KiKi にとってもう1つとても象徴的に思えたことがあったんだけど、それはこの物語の主人公(?)シンベ君が奴隷として捕獲される際に、その捕獲行為を行っているのがスペインの奴隷商人その人ではなく、シンべ君と同じ黒人であるということ・・・・・。  人間って自分が生きるためならどんな残酷なことでもできちゃう生き物なんだなぁと改めて空恐ろしさを感じてしまいました。  又、過去にこの映画についてとある友人と話していたらその人に「俺、あの小説読んだことがあるんだけど小説の方が深いよ。  あれはやっぱり典型的なハリウッド映画だよね。  あの映画には描かれていなかったけれど小説では、シンベってあの事件の後、奴隷商人になるって知ってた?」とさらっと言われちゃったことがあるんですよね。  (実話かどうかは不明らしい。)  いつか小説で確認してみようと思いつつず~っとそのままになってしまっているので定かではないんですけど、もしもそれが本当だとしたら、この物語はやっぱり「正義に目覚めたアメリカ万歳!!」じゃなくて、もっと違う描き方をしなくちゃいけなかったんじゃなかろうか・・・・・などと思ってしまったり(笑)。

 

 

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