アーサー王物語 R.L. グリーン

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アーサー王物語
R.L. グリーン編 厨川文夫・圭子訳

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これ、今では絶版状態なんですよね~。  う~ん、どうしてこういう本が絶版になっちゃうのかなぁ・・・・。  まあ現代社会では中世騎士物語よりはSF物語の方がハラハラ・ドキドキ感が味わえるし、この物語の3つの柱のうちの1つ「宮廷恋愛物」はあまりにもくだらないって言えばくだらない・・・・とも言えるんだけど。  何せ宮廷恋愛物っていうのは基本的に「不倫の物語」だし、「プラトニック・ラブ」を前提としているようなところがあるし、現代の自由恋愛とはそもそも恋愛に関する価値観・・・・みたいなものが大きく乖離しているからねぇ。  でもね、「騎士道」なるものを理解するにはこういう物語が一番手っ取り早いと KiKi は思うんですけどね。

 

この本、タイトルこそは「アーサー王物語」ですが、以下の目次を見ていただくとわかるようにどちらかと言えば「アーサー王と円卓の騎士の物語」というタイトルの方が似合うように感じます。  だってアーサー王に関する記述ゼロ (0) の章もあるんですから。

 1.アーサー王と2本の剣
 2.悲運の兄弟、バリンとバラン
 3.ガウェイン卿と緑の騎士
 4.トリスタンと美女イズーの悲恋物語
 5.ジェレインとイーニッド姫
 6.ガウェイン卿とラグネル姫
 7.ラーンスロットとエレイン姫の物語
 8.カメロットにあらわれた聖杯
 9.ガラハッド卿の初冒険
10.ラーンスロット卿の冒険
11.カーボネック城に着いた、ラーンスロットとガウェイン
12.探求の終わり
13.ラーンスロットと王妃グウィネヴィア
14.モルドレッドのたくらみ
15.最後の戦い
16.アヴァロン

上(↑)でもちょっと触れたけれど、「アーサー王と円卓の騎士の物語」は大きく分けて3つの要素から成立している物語だと KiKi は思っています。  1つ目はブリトン人(?)の英雄アーサーにまつわるいろいろな説話を集めた膨大な物語群、2つ目は円卓の騎士達の恋と冒険の物語そして3つ目が聖杯伝説です。  本来は別々に成立したと考えられる説話が寄り集まってできているのが「アーサー王と円卓の騎士の物語」なんですよね~。  KiKi もかなりの数の「アーサー王と円卓の騎士の物語」を読んできているのですが、そんな中でこの岩波少年文庫の1冊は超有名な物語はほぼ網羅されている恰好の入門書だと思います。  

個人的に好きな登場人物はガウェイン卿と魔法使いマーリン。  そして妖女モルガーナ。  湖の騎士ラーンスロットは正直なところ彼のどこが「1番すぐれた騎士」なのか、KiKi にはチンプンカンプンなのです。  だいたいかなわぬ恋に身を焦がし、妖術によって別の女性をそのかなわぬ恋の相手と勘違いした末に結ばれちゃったからといって発狂しちゃうような男のどこが高貴なんだろうか???  まあ彼と王妃グウィネヴィアの不倫騒動がきっかけでアーサー王の理想の王国ログレスが滅びていく一方で、彼が発狂するきっかけとなった女性との間にできた子供が聖杯の騎士となる・・・・という意味ではキー・パーソンであることだけは認めざるを得ないんですけどね。  

キリスト教徒ではない KiKi にとって聖杯探求の物語は正直なところ「わかったような、わからないような」という感じなのですが、こういう英雄譚を子供の頃から聞かされて育った中世の人たちが「○○騎士団」な~んていうのに参加して聖地奪回やら聖杯探求に駆り出されていったのかと思うとちょっと複雑な気分です。    

いずれにしろこういう物語を読んでいて KiKi が1番楽しいと思うのは、まったく別の物語に思える神話・伝承がもとを正せば1つの同じ思想につながっているように感じさせられるそのデ・ジャ・ヴ感にあるような気がします。  アーサー王とジークフリート(ニーベルンゲンの歌)とアラゴルン(指環物語)はどこか似ていると思うし、マーリンとヴォータン(もしくはオーディン)とガンダルフもどこか似ているように感じます。

又、ワグネリアンである KiKi にとっては「トリスタンとイゾルデ」の物語や「パルシファル」の物語との関連性もあるので、決して避けては通れないのがこの「アーサー王と円卓の騎士の物語」なんですよね~。  因みにこの岩波少年文庫では過去に「ニーベルンゲンの歌」から若き日のジークフリートの冒険譚を扱った「ニーベルンゲンの宝」という本も出ていたようなのですが、こちらも絶版状態です。  何だかさびしいなぁ・・・・。  ま、てなわけで、もしもこの本(アーサー王物語)に興味を持っていただけた方には是非「復刊リクエスト」にご協力をお願いしたいと思います。

復刊ドットコム 岩波少年文庫 アーサー王物語

 

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