ニューヨークの恋人

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ニューヨークの恋人
2001年 アメリカ 監督・脚本:ジェームズ・マンゴールド


31AJ2XcihzL__SL500_AA192_.jpg  (Amazon)   

現代のニューヨーク。  4年間つきあった恋人と別れ仕事一筋のキャリアウーマンのケイトは、超リアリスト。  しかし奇跡なんか信じないという彼女の前に現れたのは、1876年のニューヨークの貴族社会からタイムスリップしてきた公爵レオポルドだった。

クラシックないでたちとあまりにも紳士的な態度で接するレオポルドに最初は戸惑うケイトだったが、彼の誠実さを通して失われたものを取り戻し、やがて恋に落ちていく。  だが、レオポルドには過去に戻る瞬間が迫っていた。  この恋の行方は? 
  


たまたま NHK の「衛星映画劇場」で放映されていたのを途中から観て、久しぶりにこの映画をちゃんと観なおしてみようかという気分になったので、今日の映画鑑賞は「ニューヨークの恋人」です。  KiKi はメグ・ライアンのラブコメは割と好きなほうで、彼女のラブ・コメを観て何かを考えさせられたりなんていうことは皆無だし、現実味みたいなものは欠片もない・・・・・と思ってはいるものの、何となく楽しめちゃうんですよね。(笑)  今までに観た彼女のラブ・コメの中ではトム・ハンクスと共演した「めぐり逢えたら」が1番のお気に入りで、あの現実味のないストーリーにさえほろりとし(これはひとえにジョナ役のロス・マリンジャー君の貢献かもしれないけれど・・・・ ^^; )、彼女が演じたアニーには同性ながら心の底から「可愛い!!」と思えたものでした。  でもね、この映画の初見の際には、あれからもうずいぶんたっているし、いくら「ラブ・コメの女王」と呼ばれていたメグ・ライアンと言えども「今更、ラブコメ??」と思わないでもないような気がして、恐る恐る観てみたことを覚えています。

でもね、この映画の場合、メグ・ライアンの年輪を重ねた「今更、ラブコメ??ショック」よりは物語のありえなさ、おとぎ話にもほどが過ぎるという想いの方が強すぎて、あっけらかんと楽しむにはどうしても不満が残っちゃうんですよね~ ^^; 。  現実味がないというのは今までの作品も同じと言えば同じなんだけど、タイムスリップはちと行き過ぎという感が・・・・。  で、ただでさえありえないこのシチュエーションなのに、そのタイムスリップの描写が今ひとつ雑に見えて仕方ないんですよ。  同じタイムスリップものであり得なさはほぼ同じなのにも関わらず「バック・トゥー・ザ・フューチャー」が面白かったのは、タイムスリップする瞬間の画作りにも力が入っていたし、異なる時代に行って右往左往する主人公やそれを受け止める周りの人たちの反応の作り込みにももっと配慮のようなものがあったからだと思うんですよね。  でもこの作品の基本線は「ドタバタ・コメディー」ではなくて「ラブ・コメ」だから「ラブ」の部分だけがデフォルメされてしまっていて、レオポルドとケイの出会いの不自然さが放っておかれているような気がするんです。  「あとはメグにお任せ♪」的にね。

 

レオポルドが右往左往している姿はそれなりに描かれているんだけれど、彼は突如連れてこられてしまったこの異次元の世界に驚くほどの順応性を見せるし、ケイと愛し合うようになった後に自分が元いた世界に戻る際にはほとんど逡巡しないし、戻る瞬間に至っては描かれてもいない・・・・。  ケイがそんなレオポルドを追って「時の裂け目」に飛び込む瞬間(でも実際はブルックリン橋から飛び降りるだけ)もほとんど描かれていないに等しくて、いくら「愛の力」に後押しされていたとしても、現代社会に生きているリアリスト(であるはず)の彼女が橋から飛び降りるにあたって何の逡巡もしないというのはチト納得がいきません。  レオポルドが現代にいる間だけ、エレベーターが壊れているというエピ。  恐らくは彼がエレベーターを発明し終わる前にこちらの世界にきちゃったから歴史が変わってしまったという説明のためのエピなんだろうけれど、彼が現代にやってきたことで歴史が変わってしまったというならば、エレベーターは壊れちゃうのではなく、存在しなくなるんじゃないかなと思ってみたり・・・・・。  (まあ、その説明のためにスチュアート(リーヴ・シュレイバー)が犬の散歩に行こうとしたらエレベーターがなかったという描き方をしているんだろうけれど、何となくしっくりとこない ^^; )  立ち居ふるまいまでもがビシっと貴族然としているヒュー・ジャックマンとの「大人のラブコメ」を目指すんだったら、タイムスリップという荒唐無稽な設定は必要なかったんじゃないかという気がするんですよね。  まだ、どこかヨーロッパの実在しない王国の王子様とか、貴族とかっていう設定の方がスンナリと楽しんで観られたような気がして仕方ありませんでした。  

それにねぇ、どうしても KiKi が納得いかないのはこのケイの描かれ方だったりもするんですよね。  アメリカ競争社会の最前線で戦っているキャリアウーマンが心のどこかで白馬の王子様を待っているというこのプロトタイプ、メグ・ライアンのラブ・コメ以上に「今更」感を煽られちゃうんですよね~。  更にはそんなケイのどこにレオポルドが惹かれていったのかもあまり丁寧に描かれていなくてこの部分でも「だって、それはメグだから当たり前♪」的なノリの作品っていう感じがします。  

でもね、この映画の中で素晴らしいなと感じたのはヒュー・ジャックマン演じるレオポルドです。  それは彼が白馬の王子様だから(ケイがスリにバッグを盗まれたときに本当に白馬に乗って表れる ← KiKi はここは笑うべきところなんだろうかと悩んでしまいました。)カッコイイというよりも、クラシカルな公爵ルックを脱ぎ捨てて現代的な衣装を身に纏ったときにもそこはかとな~く漂ってくる彼の貴族然とした雰囲気なんですよね。  指の先、足の先まで神経の行き届いた素晴らしい演技だったと思います。  立ち居振る舞いとか物を食べるシーンの所作っていうのはどうしてもお育ちが出ちゃうものだと思うんだけど、さすがの演技派、動作の1つ1つに品位と優雅さを感じさせてくれました。  

個人的にこの映画の中で1番好きだったのはレオポルドが現代の若者の象徴のようなケイの弟チャーリー(ブレッキン・メイヤー)に愛している女性への正しい(?)アプローチの仕方を教えるシーンです。  この部分は世の片想いに悩む男性には是非参考にしていただきたい(笑)。  あと1番大好きだったセリフはスチュアートが病院で語る「僕が時間を見た、ということは犬が色を見たというのと同じようなものなんだ」とかっていう感じのセリフ。  何だか妙に説得力がありました(笑)。  

逆に1番気に入らなかったこと。  それはストーリーの荒唐無稽さ以上に、 KiKi の大好きなジョシュ・ライマン もとい ブラッドリー・ウィットフォードをあんな情けない薄っぺらな男の役で使うな~!!!(爆)

いずれにしろ現代のキャリア・ウーマン(支社長になれちゃうほどの)がレオポルドを追いかけてあっちの世界に行って、それでやっていけるのか KiKi はとっても心配です。  あ、でもどうしてもやっていけなくなっちゃったらその時はあっちの時代のブルックリン橋からまた飛び降りればいいんだよね。  「時の裂け目」の計算方法は科学者の顔をも持つレオポルドがスチュアートのレポートを読んでしっかりとお勉強したうえであっちの世界へ戻っているわけだし・・・・・(笑)。

 

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2007年8月10日 22:10に書いたブログ記事です。

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