パッション

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パッション
2004年 アメリカ 監督・製作・共同脚本:メル・ギブソン


51SCN3QC6XL__SL500_AA240_.jpg  (Amazon)   

地球は今、憎しみや戦争によって
引き起こされた恐怖によって、苦しみ泣き叫んでいる。

このような時代にあって、人は皆、
心の中の空虚な思いを埋めるために、
より崇高なものに立ち返ろうとするのではないだろうか。

映画「パッション」を観た人たちが、
我々の罪を償うためにイエス・キリストが味わった
恐ろしい苦難を目にし、理解することで、
希望、愛、赦しのメッセージを受け取ってくれたらと願っている。

そして彼の途方もない勇気と犠牲が、心の深いところに影響を与え、
正しい道へ向かおうと考えてくれたらと思う。

           メル・ギブソン  
  


だいぶ前に購入したきりずっと観ていなかった「パッション」という映画を観ました。  アメリカや日本で上映中に心臓発作で亡くなった方がいたとかいなかったとか、この映画公開にあたり国際的に大論争があったとかなかったとか、とかく話題にだけは事欠かなかった映画です。  何でそんな出来事がいっぱい、いっぱいあったかっていうとそれはこの映画が扱っている題材がイエス・キリストの最後の12時間だから・・・・。

KiKi もそうだけどキリスト教徒ではない人でも恐らく、イエス・キリストの生誕は処女マリアからで、馬小屋で生まれて(どうでもいいことだけど馬小屋で生まれると偉人に育つんだろうか??  確か聖徳太子の幼名も厩戸皇子;うまやどのみこ だったような記憶が・・・)、最初は大工か何かだったんだけどある時突然に神に目覚めてお説教をおっぱじめ、あっという間に信者がついて、さらには奇跡を起こして果ては自分が神の子だとか言い始め、パンとワインが自分の血と肉だとか言って信者と一緒に食べて(最後の晩餐)、弟子の中の1人が自分を裏切ると予言してそのとおりになって、別の弟子の中の1人が忠誠を誓うと明日の朝鶏が鳴く前に3度あなたは自分のことを知らないと言うだろうと予言してそれもそのとおりになって、逮捕されたキリストはあっという間に磔の刑を言い渡されてゴルゴダの丘で処刑されて、死後3日目に復活して・・・・・・くらいの概説は、な~ンとなく頭に入ってると思うんですよね。  そのあまりにも有名なキリストの最後の12時間を127分の映画にしたのがこのパッションという作品なんです。

因みにこのパッション、キリストの受難という意味です。

監督は何とあのリーサル・ウェポンのメル・ギブソン。  彼は私財約30億円を投じてこの作品を撮影したのだそうです。  いや~、金持ちはやることが違うねぇ・・・。  で、何が世間をそんなに騒がせたのかと言えば

1. あまりにもリアルなキリストへの暴行シーン
   ↑ これが上映中心臓発作で死者が出た原因だったらしい
2. 「キリストを死刑にしちゃった責任は誰にある?」という誰もができれば考えたくないようなことを
   考えさせられちゃう映画

ということのようです。  で、KiKi がこの DVD を購入したのは半ば衝動買いだったのですが、そんなこんなの噂が飛び交っている映画だったので、ちょっと自分に精神的な余裕がないときに観るのはよくないかな・・・なんて思っていたからず~っとほっぽらかしにしてあったのです。

さて、で、今日はそんな映画を観てみようという気分になったので、チャレンジしてみました。  で、その感想なんですが、確かに延々と続くキリストへの暴行シーンはなかなか凄いものがあったんですが・・・・ KiKi はかなり冷静に見ていられたような気がします。  と言うのも胸が苦しくなったり、涙が出たりと言うよりはそのシーンを見ながらずっと考えていたことがあるんですよね。  KiKi の場合、キリストが痛みに必死で耐えるうめき声よりも彼を鞭打つ側の悪魔的な笑いにずっと意識が集中し、彼を糾弾している側の得体の知れない群集心理と言うか、誰かを糾弾する側に回ることで自分だけは安全な場所にいることができると本能的に考え付和雷同しちゃう人間の弱さと言うか怖さと言うか・・・そんなことをずっと考えていました。  

ずっと昔、集団暴力とかリンチについてある TVコメンテーターが言っていた言葉も何となく思い出されました。  曰く、「集団暴行から死に至らしめるところまでいってしまうのは、理屈でも主義主張でもなく、ただ止まらなくなる、止められなくなるからだ。」  で、そんなことを思い出していたら、この映画とはまったく関係ない話のはずなんですが、あのイラク・アグレイブ刑務所で行われていたリンチもこんな感じだったのではないかと思い始めていました。  で、もしもそうだとすると、人間のやっていることなんて結局変わらない・・・イエス・キリストが私たち人間の原罪を背負って磔になろうが、血を流そうが、何千年という時が過ぎようが変わらないのではないかと感じ、何となく力が抜けてしまいました。

 

ずっと昔、聖書を読んだ時、キリストが磔にされる際に「主よ、彼らをお赦しください。  彼らは自分がしていることがわからないのです。」と言ったというくだりで、何となく偽善のような、負け惜しみのようなものを感じたりしたのですが、今回の映画でイエスに磔の刑を求刑する人々の顔、それに続く鞭打ちの刑執行人のリンチを楽しんでいるかのような顔、すでに血だらけで息絶え絶えのイエスにいばらの冠を無理矢理被らせて大笑いしている人々の顔、そして悲しみの道(ピラトの邸宅からゴルゴダまでイエスが十字架を背負って歩かされた道)で何度も倒れるイエスにムチ振るう人々の顔、そんなものを観た後だとこの言葉が偽善でも負け惜しみでもない、本当に「彼らは自分が何をしているのかわかっていない、自分の残虐性・悪魔性に気づいていない」、そんな気がしました。  イエスは人間の弱さを、原罪とは何かをそこで見抜くことができたからこそ、あの言葉になった・・・そんな気がしました。

もっともだからと言って「よし、キリスト教に入信しよう。」と考えるほど KiKi は素直でも純粋でもないようです。  この映画を見るまではイエス・キリストと言えば自分とは何の接点もない遠い人という感想しかなかったのですが、今回ようやく彼に人間的な部分を見ることができたような気はしました。  でもねぇ、まあそんなこと言ったらクリスチャンの人たちには叱られちゃうかもしれないけれど、 KiKi は本質的な部分で「人々の罪を一身に受ける」なんていうのは有難い事というよりは傲慢な事という思いの方が強かったりしてそれは相変わらず変わらなかったりするのですが・・・・。  それに人の残虐性・暴力性というのはそういう欺瞞とか傲慢さに増長されるもののような気もするし・・・・。  (あ、別にこれ、キリストさんを批判する意図はありません。  彼の姿勢、と言うか生き様は崇高なものだとは思っているんですよ。)

ところで、イエス・キリストの受難もさることながら、KiKi にとってかなり印象的だったのは実は延々と続くリンチのシーンでも、磔にされるシーンでも、最後にちょこっと挿入されていた復活のシーンでもなく、全く別のシーンだったりします。  それはローマ総督ピラトのシーン。  ピラトは何とかイエスを釈放しようと試みるのですが、そもそもイエス自身がまるで自分で選んだかのように磔への道を進んでいくし、エルサレムの人々も口々に死刑を求めます。  冷静に考えれば選択の余地がないはずのイエス vs. 人殺しのバラバのどちらを釈放するかという問いかけにさえ、バラバを釈放しイエスに死をと叫ぶ人たち。  もはや自分の手に余る問題となってしまったこの事態に彼は聖水(?)の入った水桶を用意させ、そこで自分の手を洗い流して宣言します。  「お前たちが磔を望んだ、お前たちの問題だ。  この男の血に私は責任がない。」  このシーンがあるだけに一部のユダヤ系団体の方々がキリストの死の責任をすべてユダヤ人に押し付けるものであると感じてしまって、かなり非難轟々となっちゃったらしいのですが、何となくわかるんだよなぁ、この総督の気持ち。  もちろん本当に責任がないかどうかは別として・・・ですが。

最後にちょっと映画本筋とは離れちゃうんですが、この映画でイエス・キリストを演じたジム・カヴィーゼルさんなんですが、実は「脱ぐと凄い(ちょっと古い?)」系の人で、なかなか立派な体躯をお持ちなんですよね。  西欧人特有の小顔タイプなので、麻袋を被ったような衣装を身につけているときはあまり気にならなかったんですが、リンチのシーンやら磔のシーンは当然の如くほぼ全裸状態(まあ必要最低限のカバーはされていましたが・・・)。  で、色々な西洋絵画でキリストの磔のシーンやら十字架から降ろされたキリストの遺体の彫像なんかを見慣れている KiKi にしてみると「まあ、何て立派なお身体なんでしょ!」という印象がありました。  もっとも逆に言えば、あれくらいの体格をしていないと十字架を背負って凡そ1km の距離を歩くなんて無理と言うものではあるのですが・・・・。    

更に追記: 実はキリストさんが絶命し、ローマ兵の1人が彼の死を確認するために槍をついたその瞬間、東京でなかなか大きな地震が発生しました。  まあ偶然とは言え、映画の中でも天変地異が起こり、現実社会でも天変地異が起こってちょっとびっくりしてしまいました ^^;

 

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