木を植えた男 ジャン・ジオノ

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今日は KiKi の4●回目の誕生日です。  織田信長の愛唱歌(?)だった敦盛の一節

人間五十年、下天のうちにくらぶれば 夢幻のごとくなり
一度生を受け滅せぬ者のあるべきか

がどんどん切実味を帯びてきます。  まあ、常日頃からそんなことを悶々と考えているわけではないのですけどね(笑)  でも、正直なところ KiKi は40歳を迎えた日に思ったのです。  20代、30代はまずは自分の力でどこまでやれるか(それは現在の世の中の枠組の中で、ひいては一人のビジネス・ウーマンとして)に注力してきたけれど、そろそろ本気で「自分は何のために生かされているのか?」を問う生活をしていきたいなぁ・・・・と。  

親のおかげをもって大学まで出してもらって、いわゆる成人(20歳)を迎えた頃は、とにかく親の庇護下で安穏と暮らすのではなく、自分の食いぶち、自分の生活、自分の趣味はすべて自分の力で賄えるようにならなければ・・・・という強い想いに突き動かされていました。  そして、就職をして、転職をして、落ちこぼれ(?)ながらも会計人としてひとかどのことはできるようになりました。  でも・・・・・。  今のビジネス社会の中で組織の歯車として与えられた役割を全うする、もしくはそこからさらに世界を広げることも30代までは大切なことだったけれど、これまでやってきたことを後悔しているわけではないけれど、今の KiKi のやっていることが本当に KiKi のやりたかったことだったのか??  これが KiKi がこの世に生を受けて神様が与えてくださった役割だったのか?  そう思うと何だか答えは「否」となってしまうような気がし始めたのが40歳の誕生日でした。  そんな時に読んだ絵本を今日はとりあげたいと思います。

木を植えた男
作:ジャン・ジオノ
絵:フレデリック・バック
訳:寺岡 襄
あすなろ書房

51EZYVKV39L__SL500_AA240_.jpg    (Amazon)

 

この本を読んだ時、とにかくなんだかよくわからない熱いものが体を走り抜けました。  感動・・・・というのとはちょっと違うような気がします。  どちらかというと嫉妬に近い感情だったような気がするのです。

この男は「自分は何のために生かされているのか?」な~んていう、小難しいことは一切言わず

突然一人息子を失い、まもなく奥さんも後を追った。
そこで世間から身をひいて、まったくの孤独の世界にこもり、
羊と犬を伴侶にしながら、ゆっくりと歩む人生に、ささやから喜びを見出した。
でも、ただのんびりと過ごすより、何かためになる仕事をしたい。
木のない土地は、死んだも同然。
せめて、よき伴侶をもたせなければと思い立った
のが、不毛の地に生命の種を植えつけること。 

という決断に至りました。  そんな男の心の持ちように KiKi は言いようのない羨望を感じたのです。

この男は2つの世界大戦もどこ吹く風で、木を植え続けます。  戦争がいいとか悪いとか、社会の荒波に巻き込まれていくとか、そんなことからは超越した世界で、おそらくただひたすら「自分と荒れ果てた土地を生かすために、必要とされる伴侶を与えるためだけに」木を植え続けたのではないかと思うのです。  彼にとっては自分が木を植えることによって生命が再生していく、その変貌を続ける大地こそが伴侶となっていったのではないでしょうか?

教訓的に童話や絵本を読もうと思えば、この絵本には「反戦」「自然保護」「環境破壊への警告」「継続は力なり」みたいなキャッチコピーがついていくのかもしれません。  でも、KiKi がこの絵本を読んで自分なりに得た教訓があるとするならば、それは上記のいずれでもありません。

自然界の中のちっぽけな存在として生かされている「人」としてシンプルに自分の心が感じたことを軸足として自分にできることを実際に行っていくこと
自分と自分のまわりが生きやすい環境はどんなものなのかを模索すること

がこの本の与えてくれた教訓なのではないかと思うのです。  

1947年、エルゼアール・ブフィエ氏は、
バノンの養老院において、
やすらかにその生涯を閉じた。

恐らくはこの男は最後の命の灯がつきるその瞬間まで、「達成感」とか「自分らしく」とか「やりがい」というような人間が好んで使う言葉とは無縁だったのではないかと思うのです。  「いい人生だった」とも思わなかったのではないでしょうか?  (当然のことながら「後悔だらけの人生だった」とも思わなかっただろうけれど・・・・)  強いて思っていたことがあったとするならば、「あのカエデ林は今日も風を含んでサワサワと気持ちよさそうにしているのだろうか?」とか「山から湧き出た水は今日も冷たくおいしいのだろうか?」とか、そんなことだったのではないかと思うのです。  

 

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2008年4月17日 12:42に書いたブログ記事です。

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