コーラス

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コーラス 
2004年 フランス 製作・出演(ピエール・モランジュ): ジャック・ペラン


61AAZBEK0SL__SL500_AA240_.jpg  (Amazon)   

 「先生、ぼくたちの歌声は、ママに届くかな...。」
たった一つの願いを歌に込めたこどもたちがフランス中のハートをつかみました。  それは、聴くだけで涙があふれる不思議な歌声でした。

1949年フランスの片田舎。  貧しい親元を離れて寄宿学校で暮らす子供たち。  誰も会いに来てくれない面会日、帰る家のない夏休み。  悲しい目をした子供たちを校長先生は厳しくしばりつけていた。

そんなある日、1人の音楽の先生がやってきた。  先生は、さびしさをいたずらで紛らわす彼らを叱るかわりに、歌を教えてくれた。   歌うことで希望と無邪気な笑い声を取り戻す子供たち。  その中に"奇跡の歌声をもつ少年"ピエールがいた。   だが彼は学校一の問題児だった...。

美しくも切ない歌声の子供たちと、彼らの心を柔らかく抱きしめてくれた本物の先生との出会いに、世界中が感動の涙と拍手を送りました。

                      コーラス オフィシャルサイトより転載  
  


最初にこの映画を観て感じたこと、それは「ニューシネマ・パラダイス」に似ている作品だなぁ・・・ということでした。  で、この Review を書くにあたりこの映画のオフィシャルサイトを見て納得♪。  同じ人が製作した映画だったんですねぇ。  

KiKi はこの Poco-a-Poco  Lothlórien を見ていただいてもわかるように、音楽、それもクラシック音楽は大好きなので、クラシック音楽を題材にしている映画や小説、ドラマやマンガなんかには目がないんですよ。   だからこの映画も予備知識 0 (ゼロ)でどうやら少年合唱団の話らしい・・・・ということだけでレンタルしてきました。

物語自体はこれといったひねりもなく、問題児だらけの学校にたまたま赴任してきた音楽教師がコーラスを通じて淋しい子供たちと心を通わせる・・・・というそれだけのお話なんだけど、映像の美しさとコーラスの美しさが際立ち、そして子供たちの変化を見ているだけで心がす~っと軽くなっていく、そんなとっても映画らしい映画だと思いました。

観終わってほんの少したってから感じたこの映画の良さ。  それはコーラスの美しさもさることながら、あの風采の上がらない(ハゲ & 小太り & チビ)の先生(ジェラール・ジュニョ)の抑制された演技にあったのではないかと感じ始めました。  彼は「偉大な(著名な)音楽家」にはなれなかった、自身が「落ちこぼれ音楽家」と自嘲的に言うようなそんな人物。  でも、そんな「すべてが思い通りにはならない人生」を歩んできた人だからこそわかってあげられる「子供たちの淋しさ」にそっと寄り添い、語りすぎもせず、構いすぎもせず、体制(力・権力)と必要以上の摩擦も起こさない。  で、時には美しい「お母さん」に心をときめかせ、呆気なく玉砕しちゃったり・・・・。  (初めてのデート?のカフェで彼女が去ったすぐ後に、彼女が座っていた椅子を持っていかれちゃうところなんかとっても切ない・・・・笑)  派手なところが何にもないからこそ、観ている人に古きよき時代のノスタルジーを感じさせる・・・・そんな映画だと思います。

まあ、そんな叙情的な映画なんだけど、それなりに突っ込みどころはあって「あの譜面台を命じられた子供のその後の人生はどうだったんだろう?」とか、ほぼラストで解雇されちゃって学校を出て行くときに、見送りには来てくれなかった「子供たちがせっかく飛ばしてくれた紙飛行機 (with message) は全部拾えよ!」とか・・・・。  でも、そんなオチャラケは許してくれない、品のよさにあふれた作品でした。

題名がコーラスだし、そのコーラスの中でソロを担当していたジャン=バティスト・モイエ君の美少年ぶり、美声が際立つ映画だったけれど、先生に懐いてしまったペピノ少年の愛らしさも絶品です。  何だか捨てられた子犬みたいな雰囲気で、学校を去らなければならなくなってしまった先生の後を、1人だけ走って追ってくる。  振り払っても振り払っても追いかけてくる子犬そのもので、KiKi も「お持ち帰り」したい衝動にかられてしまいました。(笑)

 

 

それにしてもあの先生が学校を去るシーンは悲しいなぁ。  子供たちと最後の別れさえ許してもらえなかった先生。  よく日本の学園ドラマなんかだと、他の先生方やらこわ~い校長先生が引き止めるのを振り切って、子供たちがどっと先生の元に駆け寄って大泣きするけれど、あの子たちはそんなことはしない(いや、できないと言うべきか。)  いつもそっと自分達を見守り、淋しい心を理解してくれた大切な先生との別れだから、こんな風に引き裂かれるのはもちろん本意じゃないけれど、先生が去ったあと自分たちはここに残り、規則と体罰(やられたらやり返す)の中で生きていくしかないから、表面的には無関心を装うしかない。

「生徒が規則を破って別れに来ると思ったが、ムダだった。  彼らは賢明にも無関心を装った。  あのモランジュさえ。  悲しかった。」

このモノローグが本当に淋しい。  物語冒頭で子供たちが見せた淋しさに負けず劣らず淋しい・・・・。  そしてあの紙飛行機 & コーラスで先生を見送る別れのシーン。  手を触れ合うことも、目を見詰め合うこともない別れなだけに心に残ります。  

「最初のはボニファスの字だ。  誤字だらけのはペピノ。  音符を書いた紙にはモランジュの名前が・・・・。  みんな書いてくれた。  ・・・・  この瞬間、私は無上の喜びに包まれた。  全世界に向かって叫びたかった。  だが無名の私の叫びなど誰が聞いてくれるだろう。  自分のことはよくわかっていた。  私はマチュー、落ちこぼれの音楽家。  失業した教師。」  

う~ん、人生って深い!!  

ボーイ・ソプラノは変声期を迎えるまでのほんの一時のもの。  その限られた、凝縮された時間の中で、彼らの心が通い合ったことは、本当にキラキラする素敵な想い出・・・・・。  だから大人になって音楽家として大成したモランジュには先生の名前ぐらいは覚えておいて欲しかったなぁ・・・・・。  でも、素晴らしい先生というのはそういうものなのかもしれません。  その人との出会いがあったからこその広がった未来を提供してあげ、一緒に過ごしたキラキラする時間そのものは記憶の中に鮮やかに残り、何かの拍子にどっと溢れ出てくるけれど、そこに必要以上にでしゃばっては出てこない・・・・先生の個人名なんていうのは必要ないのかもしれません。  そしてマチューはそんなタイプの先生だったからこそ、あんな風に子供たちと交流することができたのかもしれません。

そして最後に・・・・・。  こんな素晴らしい先生と接触する機会があったのに、結局は救われなくて「窃盗」の濡れ衣を着せられて特別養護施設に送られてしまったモンダン君。  もともと問題児だったところにもってきて、自分が犯してもいない罪によって差別されてしまった彼は、彼を受け入れてくれなかった学校に放火しちゃったわけだけど、その展開に妙にリアリティを覚えました。

 

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