あおいろの童話集 アンドルー・ラング

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今日は、子供の頃に全部・・・・とは言えないまでも一部を読んで、本当にそれっきり一度も手にしたことのない童話集から一冊選びたいと思います。

アンドルー・ラング世界童話集
第1巻 あおいろの童話集
編:アンドルー・ラング  監修:西村醇子
東京創元社

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実はねぇ、この全集が発刊されていることはだいぶ前から認識していたのですよ。(2008年1月刊行開始)  でもね、今回このサイトを開設するにあたって、KiKi はず~っと迷い続けていたのです。  今回とりあげたこの「東京創元社」版でスタートを切るべきか、はたまたこちらの「偕成社文庫版」でスタートを切るべきか。

1889年に出た『あおいろの童話集』は、アンドルー・ラングがヴィクトリア時代の英国で、世界各地の伝承文学から、よりすぐりの作品を子どもたちに提供しようとした本でした。  なかにおさめられた37編には、昔話だけでなく、神話、『ガリヴァー旅行記』の一部、作者が特定できる文芸的昔話(アンデルセンなど)が混在していました。  『あおいろ』の好評をうけて、1910年までに12冊の童話集が出たほか、編集を変えたものも数種類出て、今日までも絶えることなく読みつがれています。

日本では1958~59年にかけて東京創元社から川端康成校閲、野上彰訳で『ラング世界童話全集』全12巻として出版されましたが、後に同じ川端康成校閲、野上彰訳のものに28話追加した全15巻で1963年にポプラ社から、またさらに同じものをもとにさらに再編集されたものが1977~78年にかけて偕成社文庫から出版されました。  このいずれもが、原書に収録された作品の全訳ではなく、各巻の収録作品も原書とはかなり違っていました。

このたび東京創元社では、日本で最初に〈ラング世界童話全集〉を刊行した出版社として、今回まったく新しい編集、新しい訳で、この〈アンドルー・ラング世界童話集〉を刊行することになりました。  すべて、原書の各巻より収録作品を選び直し、昔話としての持ち味や雰囲気を壊さないように、と同時に現代の子どもたち(もちろん大人も)も面白く読めるように工夫して翻訳しました。

原書の作品全てを収録することはできませんでしたので、今回の編集ではあまりに残虐・暴力的なものや、根底に差別的な態度があると思われるもの、また、アンデルセンやペローのように、日本でも入手しやすいものはなるべく除外するようにしています。  また日本の昔話ものぞきました。

挿絵は英国での最初の刊行時のものを収録。  ヘンリー・J・フォードを初めとした黄金期の挿絵画家たちの手になる美しいイラストが物語世界に奥行きを与えています。

(東京創元社HPより引用)


挿絵や装丁を見る限りでは東京創元社版が捨てがたいし、上記東京創元社さんのHPにもあるように、なんてったってこのラングの童話集を日本に紹介した会社なわけで、敬意を払いたい気持ちが半分。  残りの半分は KiKi も幼き日に読んだものが、かのノーベル文学賞受賞者川端康成大先生が関与されたもの(これは初めて知ったのですが・・・・)だったことに敬意を表するとともに、過ぎ去りし日々への郷愁に浸りたい(?)気分・・・とでも言いましょうか(笑)。

散々迷った挙句、まあ「蔵書」と呼べるものを構築するのも今回のプロジェクトの目的であったことを踏まえ、最終的に「挿絵&装丁」で東京創元社版からスタートを切ることにしました。

 

    

いや~、つい先日、ペローやらグリムやらアンデルセンやらを読んだばかりなので、一時は大きな抵抗感があったものの今では皆無となっている状態の「昔話」らしい勧善懲悪の物語ばかりで嬉しい限り!です(笑)  とはいうものの、これらの物語に登場するお姫さま方は案外ワガママだし、主人公以外の脇役や悪役、その他大勢の方々はいとも簡単に殺されてしまう(もしくは結構残酷な刑を受けちゃう)し、子供時代に読んだ(ような気がする)いわゆる「お子様バージョン」の翻訳童話とはちょっと異なる雰囲気を醸し出しているような気がしないでもありません。  やっぱり今回の新訳ではそのあたりもだいぶ変わってきているのでしょうね。  

収録されている作品は以下のとおりです。

「ヒヤシンス王子とうるわしの姫」(ルプランス・ド・ボーモン夫人)
「アラディンと魔法のランプ」(アラビアン・ナイト)
「マスターメイド」(P.C.アスビョルンセンとJ.モー)
「海の水がからいわけ」(P.C.アスビョルンセンとJ.モー)
「フェリシアとナデシコの鉢」(オーノワ夫人)
「白い猫」(オーノワ夫人)
「スイレンと、金の糸をつむぐむすめたち」(??)
「うるわしき金髪姫」(オーノワ夫人)
「ウィッティントンのお話」(??)
「ふしぎな羊」(オーノワ夫人)
「四十人の盗賊」(アラビアン・ナイト)
「ヒキガエルとダイヤモンド」(シャルル・ペロー)
「いとしの王子」(Cabinet de Fees)
「ガラス山の姫ぎみ」(P.C.アスビョルンセンとJ.モー)
「アフメド王子と妖精ペリバヌー」(アラビアン・ナイト)
「巨人退治のジャック」(チャップ・ブック)
「ノロウェイの黒牛」(チェンバーズ「スコットランドの昔話」)
「赤鬼エティン」(チェンバーズ「スコットランドの昔話」)
     ( )内は出典

巻末には原書の目次が収録されており、どんなお話が今回の編纂で落とされたのか・・・・もわかるようになっています。  それを見る限りでは「あおいろの童話集」ではグリム童話に収録されているものが落されている確率が高いようです。  まあ、これは別の本で何度も読んでいるから KiKi としては問題ありません。  

意外と出典に多い「オーノワ夫人」ですが、不勉強な KiKi はこの方がどんな方なのかまったく知識がありませんでした。  で、ネットで色々検索していたらこんなサイトにぶつかりました。  このサイトで紹介されている冒頭の本「フランスの子どもの本 「眠りの森の美女」から「星の王子さま」へ」の中にオーノワ夫人に関する記述があるのですが、KiKi の目をひいたのは「著者;私市 保彦(きさいち やすひこ)」です。  まあ、私市先生ではありませんか!!  実はこの方、KiKi の大学時代の恩師(フランス語)のお一人なんですよね~。  数年前に別の英文学の教授の退官を機に、当時のゼミの仲間でパーティを行った際にもいらしていただけて久しぶりにお話しを伺う機会があったのですが、その後お元気にしていらっしゃるのでしょうか?  

実は KiKi は大学入学時には「フランス文学」でも研究しようかと思っていて、途中で「英文学」に宗旨替えして、卒業する頃には「やっぱり実学でしょ!」と更に気が変わって、経済社会に飛び出して会計人への道を歩み始め、そして今また文学の世界に回帰しつつある・・・・・という経歴の持ち主なんですけど、こうやって再び懐かしいお名前に接すると何だか不思議な気分です。  私市先生、そしてS先生。  あの日、KiKi に


「そろそろ文学に戻ってきませんか?」

と声をかけていただきましたね。  あの頃の KiKi はまだまだ経済社会にほんの少しだけ未練があったし、それ以上に

「もう文学に戻るには遅いのではないか?」

と思っていたのですが、結果的に今、少しずつそちら方向に軌道修正しつつある自分を感じています・・・・・・。

まあ、それはさておき、オーノワ夫人です。  こちらのサイトの方の説明(・・・・というよりは私市先生の説明?)によれば、

やがて子どもの世界の自立が始まり、17世紀にグーテンベルクの印刷術が発明された頃、文化の世界はバロック期に突入、そして古典主義へと移り行くさまが描かれます。  「フランスの王朝文化に、妖精物語の花が突如として開花し、熱病のように蔓延していった」と著者は説きます。  ルイ14世末期に、綺羅星のごとく続々と輩出した女性作家群;オーノワ夫人,ラ・フォルス嬢,ミュラ夫人,ベルナール嬢,レリティエ嬢と、解説が続き、 2. 「ペロー童話」の登場 へと引き継がれます。


とのこと。  なるほど、オーノワ夫人は「妖精物語」を多く書かれた方で「朕は国家なり」の絶対王朝期の方で、ペロー童話のさきがけ・・・・みたいな位置づけの方だったんですね。  どおりで、そこかしこにフランスものっぽさが漂っていたわけです。

やっぱり「童話」とか「妖精物語」とか「ファンタジー」の世界って、思っていた以上に奥が深いなぁ・・・・・。  なんだか原書(ラング版)や偕成社文庫の読み比べがしたくなってきちゃったなぁ・・・・・。  

あ、あと、やっぱりこちらも読んでおくべきなんだろうなぁ・・・・、教え子としては・・・・・。

フランスの子どもの本―「眠りの森の美女」から「星の王子さま」へ
著:私市保彦  白水社

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