シベリウス 4つの伝説曲(組曲「レンミンカイネン」) Op. 22

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シベリウスの音楽と言えば学校時代(小・中・高)に音楽の授業で出てくるのは「フィンランディア」ぐらいで、後は国民楽派の1人で、西欧、特にドイツのロマン派の影響を受けて比較的保守的な手法によって民族的な抒情表現を特色としていて云々カンヌン・・・・・というような習い方をしたように思います。  そして音楽鑑賞で聴かされた「フィンランディア」はこのエントリーでも書いたように、これら(↑)の文字や言葉による説明に対してそれを具現化したものとして理解できたかと言えば・・・・????。  わかったようなわからなかったような・・・・そんな感じでしょうか。  音楽自体は素晴らしいと思うんですよね。  でもね、それが「民族的なのか否か」とか「国民主義運動って何?」みたいな部分では正直なところチンプンカンプンだったんですよね~。  そんな KiKi がフィンランディアでは理解できなかったんだけど、シベリウスが「民族的」と称される由縁について「ほぉ そういうことか。」と少しは腑に落ちた音楽をご紹介したいと思います。  てなわけで、今日の KiKi の1曲はこちらです。

シベリウス 4つの伝説曲(組曲「レンミンカイネン」) Op. 22
NAXOS 8.554265 指揮:ペトリ・サカリ 演奏:アイスランド交響楽団 録音1997年

 

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この組曲は以下の4曲から構成されています。

第1曲: レンミンカイネンと島(サーリ)の乙女たち
第2曲: トゥオネラのレンミンカイネン
第3曲: トゥオネラの白鳥
第4曲: レンミンカイネンの帰郷

この中でも第3曲の「トゥオネラの白鳥」は演奏される機会も多ければ録音される機会も多い音楽だと思うんですよね。  恐らく国内で販売されている「フィンランディア」のCDには必ずと言っていいほどカップリングされているんじゃないでしょうか?  そして、「白鳥」ほどじゃないけれどこれまた比較的演奏される機会があるのは第4曲の「レンミンカイネンの帰郷」だと思います。  かくいう KiKi もこのCDを購入するまで、この4曲を全曲聴いた覚えがありません。  (因みに色々な音楽関係の本を見ると第2曲と第3曲が入れ替わっていることがあります。)

 

実はね KiKi は「トゥオネラの白鳥」に関しては手を変え品を変え、いくつかの演奏を聴いてきたという自負があるんですが、正直なところ「トゥオネラ」が何者なのか長い間ず~っと知りませんでした。  ついでに告白しちゃうと「レンミンカイネン」も・・・・ ^^;  KiKi がこの「白鳥」に初めて出会ったのは多分高校生の頃だと思うんだけど、その時に感じたのはただ1つ。  「トゥオネラって何だか呼びにくいし覚えにくいなぁ・・・・」とうこと。  「レンミンカイネンの帰郷」に関しては帰郷の主語だから人の名前だろうとは察しがついたけれど「舌を噛みそうな名前の人だなぁ・・・・」ということぐらい・・・・でしょうか。  要するにそれらが何者かは知らないけれど敢えて調べてみようとは思いませんでした。  ついでに言うと当時の KiKi は輸入版レコードの英語で書かれた説明書きを辞書をひきながらでも読んでみような~んていう根性は持ち合わせていなかったし・・・・・ ^^;

そんな KiKi が「トゥオネラ」や「レンミンカイネン」に再会したのは大学生の頃。  シベリウスには何の意識も持たないまま「カレワラ」を初めて手にした時でした。  で、「トゥオネラ」が黄泉の国に流れる川の名前だということを知った時、そして向う見ずのトラブルメーカー&女たらしのレンミンカイネンが乙女を手に入れるために挑んだ3つの課題の1つがトゥオネラの白鳥を射ることだったということ、その際に待ち伏せしていた仇敵に襲われ命を落としたことを知って初めてあの音楽がどんな情景・どんな情状を歌っているのかに合点がいったというわけです。  なるほどね~、そういう場面の音楽だから美しいんだけど神秘的な感じがして、尚且つ陰鬱な音楽なんだな・・・・と。

因みにこの音楽、「カレワラ」の中の第11章、第14章、そして第15章から題材をとっているんだけど、シベリウスさんは当初、カレワラ全編(?)を題材にしてオペラを作ろうと思っていたんだとか・・・・。  でも何かに行き詰って組曲と言う形でお茶を濁したらしいんですよね。  でもね、そこから先もいろいろ紆余曲折があったみたいで、楽譜を改版する際に「島の乙女たち」と「トゥオネラのレンミンカイネン」を放置したり、作曲当初とは曲の順番を入れ替えたりと色々なさっていたらしい・・・・です。  何が気に入らなかったんでしょうね~。

で、KiKi の好みをお話しておくとね、KiKi はもう聴き飽きた感のある「白鳥」も決して嫌いじゃないんだけど、個人的には第2曲のシベリウスさんが一時は楽譜から抹殺した感もなきにしもあらずの「トゥオネラのレンミンカイネン」が一番好きですね~。  いかにも冥府っぽい出だしはドラマチックだし、それを打ち破るかのように時折響くトランペットはゾクゾクさせてくれるし、一瞬の静寂の後に表れる低弦の音楽は不気味と言えば不気味。  とにかく曲全体が「来るぞ~! 来るぞ~!」と訴えている感じがあって、まあサスペンス映画(or ドラマ)のBGMみたいな感じなんですよね~。  第2曲と第3曲が入れ替わる前だったら(つまり「白鳥」が先だった場合)、これはレンミンカイネンが命を落とす直前の音楽で仇敵が忍び寄るシーンなんだろうなと思うんだけど、最新版の楽譜では「レンミンカイネン」→「白鳥」の順番なので、恐らくは「冥府に足を踏み入れた時からのレンミンカイネンの定め」みたいなものを歌っているのかなぁ・・・・。  ま、いずれにしろ、なかなか緊迫感のある音楽だと思うんですよね。

それに続く高音の弦で始まる音楽(中間部?)がこれまた美しいんですよね~。  ちょっとトルコ風というかオリエンタルな響きとジプシー的な響きが織り交ざったような音楽だと思うんですよね~。  ここが日本人の感性にはピタっとはまるんじゃないかと個人的には思っているんですよね~。  ここは何を表しているんだろ??  実はこのCDはまだ聴きこんでいる・・・・っていうほどじゃないんで、きちんと解釈できていない部分も多々あったりするんですよね ^^;

ま、いずれにしろ「カレワラ」がフィンランド国民にとって国民的勇者(or 神話・伝承的な人物)の波乱万丈の冒険譚であり、「ワイナミョイネンと愉快な仲間たち」の物語であって、それがフィンランド人のアイデンティティの拠り所ともなっていることを知って初めて、シベリウスが「国民楽派」の音楽家と呼ばれる由縁に納得がいった・・・・というお話でした。  因みにその証左として取り上げられるのは決してこの「4つの伝説」だけではなく、「クッレルヴォ交響曲 Op. 7」(クッレルヴォもカレワラ物語の登場人物)、交響詩「エン・サガ(ある伝説) Op. 9」、交響幻想曲「ポホヨラの娘 Op. 49」、交響詩「吟遊詩人 Op. 64」、交響詩「大洋の女神(波の娘) Op. 73」等々という音楽がり、どれもこれもカレワラから題材をとっているとのこと。  これだけ徹底していればそりゃ「国民楽派」ですよね~(笑)。

  

 

 

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yurikamomeの妄想的音楽鑑賞とお天気写真 - シベリウス作曲、「トゥオネラの白鳥」 (2009年10月27日 22:34)

 今日は、シベリウス作曲、「トゥオネラの白鳥」。エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮、レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団。  このオーケストラのヴァイ... 続きを読む

コメント(4)

TBありがとうございます。いや、勉強になりました。あまり筋を細かにおうのが得意ではないのでなるほどという感じで読ませて頂きました。
シベリウスって私は実は長いこと聴きたくない作曲家だったんですよねぇ。飽きちゃうんですよ、長くって。曲もだけどフレーズが長いというかメリハリがないというか。
音の強弱もなが~いクレッシェンドにくらーい音色で。そしておっしゃるその民族意識というんでしょうか、俄には理解しがたいのでした。
でも、このトゥオネラもそうですけどハマっちゃうと病み付きになっちゃいませんか。
本当に一時どっぷりでした。
こういう作曲家ってヤバイですよね。
なんだかでも、シベリウスの季節になってきましたね。

初めまして!Kikiさんの機知にあふれたコメント、yurikamomeさん他のブログで拝読させていただいておりました。
私も、あの惨殺されるまでの展開と、そのあと母親が息子の遺体を繋ぎ合わせるという場面の音楽、大好きなんです。
サカリの演奏では、白鳥とレミンカイネンが入れ替わっているのですか。面白いことを教えていただきました。今度聴くときは、順番を入れ替えてみますね。印象が変わるかもしれませんね…。
また訪問させていただきますが、よろしくお願いします。

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