旧約聖書を知っていますか 阿刀田高

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英文学、西洋文化を学ぶ上で MUST (マスト)の読み物と言われているものが「ギリシャ神話」と「聖書」です。  一応英文学を大学時代に専攻していた KiKi はご多分にもれず、その両方にこれまでの人生で何度もチャレンジしてきました。  「ギリシャ神話」の方はそれでも KiKi の趣味に合っていたんでしょうね、子供時代から結構な種類の「ギリシャ神話関連読本」を読んできたし、頭にどのくらい残っているかはともかくとして一応そのほとんどの本をとりあえず通読することができているという自負があります。  

でもね、問題は聖書の方・・・・・。  これまでに何度もチャレンジしてきたし、クリスチャンでもないくせに教会の聖書勉強会みたいなものに参加してみたりもしたし(入信する気はまったくなかったけれど ^^;)、本からじゃダメなら音楽から入ってみようかと「宗教音楽」を聴きまくってみたり、美術から入ってみようとしたりとあの手この手を尽くしてきたけれど常に挫折してきた・・・・そんなトラウマに近いような感覚を持っているんですよね~。  でもね、例えば本屋さんに並んでいる「図解 キリスト教のすべて」みたいな本の目次を眺めてみると、それなりに知っている物語ばかりのような気もするし、バッハの「マタイ受難曲」なんかは音楽として大好きで何度も聴いている(≒対訳歌詞を何度も読んでいる)わけで、自分の「聖書関連」の知識がどの程度のものなのか、知ってみたいという思いも手伝って、ここのところ読み続けている阿刀田高さんの「古典に親しもうシリーズ」からこの一冊を選んでみました。

旧約聖書を知っていますか
著:阿刀田高  新潮文庫

419QCS5JKEL__SL500_AA240_.jpg     (Amazon)

「聖書」と言うとどうしても「ギリシャ神話」や「ホメロス」や「古事記」以上に身構えてしまう(やっぱり現代でも信仰者を多く抱えている宗教だという意識があるから・・・・なのかな?) KiKi としては、これまで読んできた「古典に親しもうシリーズ」ではさほど鼻につかなかったくだけた文体やオヤジギャグにちょっと辟易としたのは否めないけれど、そういう点を差し引いてもまあまあ楽しく読むことができたように思います。  何度もチャレンジしているにも関わらず未だに聖書を通読できていないことが一種のトラウマだったけれど、案外エッセンスは頭に入っていることが確認できただけでもよかったかなぁ・・・・・と。  と、同時に聖書を通読できない原因が「唯一絶対の全知全能の神」の物語であることや、ある種イスラエルの民のご都合主義的な記述のせいであること、更にはその神様が案外エゴイストであること(嫉妬深い神様らしい 苦笑)等々を認識できただけでも、この本を読んでみた価値があったように思います(笑)。

 

思いおこせば KiKi が初めて日本聖書協会の編纂したちゃんとした(?)聖書を手に取ったのは、映画「十戒」を観たことに端を発していました。  本編が232分もある大作映画で、モーセに扮するのはチャールストン・ヘストン。  対するファラオ;ラメセス2世に扮するのはユル・ブリンナー。  この二人がどちらもセクシーなんですよね~。  で、CGのなかった時代に撮影されたとは思えないような出エジプト記における海が割れるシーンに度肝を抜かれ、モーセがシナイ山で十戒を授かるシーンに圧倒され、シナイ山から下りてきたモーセが目にしたイスラエルの民たちの異教の偶像崇拝のシーンにハラハラさせられ・・・・・。  その勢い(?)で思わず聖書を購入したのは何年前のことだったんだろう???  その時に眠い目をこすりながら「創世記」をなんとか読んで、「出エジプト記」は引き込まれるように読んで、「レビ記」に入って挫折・・・・・。

その後は何かの機会があると、関連するところを拾い読みすることこそ数知れずあれど、意を決して居ずまいを正して聖書に向かっても、結局初回の読書と同じように「レビ記」の途中で挫折したり、「民数記」で眠気に襲われたり、「申命記」で飽きちゃったり・・・・・。  でもね、結果的にちゃんと通読できていないのは事実だけど、阿刀田氏がこの本でとりあげている物語の中で「へぇ~、そんな話があったの。  知らなかった。」というお話がなかったということは、拾い読み専門の KiKi の読書法でも、まあまあ旧約聖書のエッセンスだけは吸収できていたのかな・・・・と。

そうそう、知らなかった・・・・と言えば1つだけ、ローマ市内のサン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ聖堂にあるミケランジェロ作のモーセ像に角があるというおまけ話は知りませんでした。  どんな角なのか興味を持ったのでググッてみたところ・・・・・

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ホントだ!  角がある!!!  阿刀田氏の解説によれば、これは「神との交りで、モーセの顔が光を放っていた」という記述の「顔が光る」と「角」がヘブライ語ではよく似ているため、ミケランジェロの時代のラテン語訳ではモーセに角が生えたことになっていた(?)らしい・・・・とのこと。  う~ん、さすがに現代の聖書の翻訳本にはこういう間違いはなくなっているんでしょうねぇ。  何てったって世界一のベストセラー本なんですから。 

多くの聖書関連の本(美術書とか子供向けの読み物を除く)は、キリスト教徒の方が書かれていて何となく信仰心を持たずに読むことが申し訳ないような気がしないでもない・・・・と KiKi は感じてしまうんだけど、阿刀田さんのように「自分はキリスト教徒じゃありませんよ」と宣言してくれている人の本だとちょっぴり安心感がある・・・そんな風に感じました。  まあ、逆の面では KiKi が何回か参加した聖書研究会とは異なって、阿刀田さん自身も信者としてじっくり掘り下げて考えてはいらっしゃらないんだろなと思われるような箇所では「きっとこうなんだろう」みたいなよく言えば推論、悪く言えば逃げ口上になってしまっているんですよね~。  まあ、そんなところが物足りなく感じたこともなくはないけれど、KiKi にもよくわからないわけで、「何だ、わからないのはKiKi だけじゃないんだ!」という妙な安心感を得たりしました。  これでホントにいいんだろうか??? ^^;

    

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2009年10月24日 23:06に書いたブログ記事です。

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