カレワラ物語 小泉保(編訳)

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「中世騎士物語」を読了したので、本来であればその流れにのって「シャルルマーニュ伝説」に行くべきところだと思うのですが、ここで再び寄り道したいと思います。  と言うのもね、ここのところ読書関連のエントリーだけは着々と進んでいるものの、クラシック音楽関係のエントリーを置き去りにしちゃっているなぁ・・・・という思いがふっと浮かんでまいりまして・・・・^^;  まあ、このブログにはメールフォームとかその他ブログパーツの設定作業がまるでできていないんですけど、旧ブログの方にはそれなりの部品がくっついていまして、かつての常連さんから「クラシック音楽関係のエントリーを待ってます♪」的なメールを頂戴したっていうのもありまして・・・・・。  で、以前からブログで取り上げたいなぁと思いつつもちょっと後回しになってしまっている曲をとりあげるためには、この本を読んでみる必要性があったんですよね。

カレワラ物語
訳編:小泉保  岩波少年文庫

1145870.gif   (Amazon)

「カレワラ」はフィンランド国民にとって国民的勇者(or 神話・伝承的な人物)の波乱万丈の冒険譚で、「偉大なるワイナミョイネンと愉快な仲間たち」の物語であって、それがフィンランド人のアイデンティティの拠り所ともなっている・・・・・ということを知ったのは KiKi が大学生の頃。  物語としての完成度・・・・みたいな部分ではさほど KiKi の興味を惹かなかったんだけど、この本の訳者あとがきにもあるように、このカレワラに出てくる詩はすべて八音節で強弱の韻を踏んでいる(カレワラ韻律と呼ぶらしい)ということを知った時には、びっくり仰天したものでした。

 

トリビア的なお話を少しだけしておくと、カレワラは世界三大叙事詩の1つとされているらしいんですが(他の2つは「イーリアス」と「ラーマーヤナ」)、1835年という比較的新しい時代にエリアス・リョンロット(リョンロート)という名のひとりの医師によって編纂された、言ってみれば19世紀の古典・・・・みたいなもの。  元になっているのは各地に散らばっていた古い伝説らしいんですよね。  で、リョンロットさんが収集した時点ではある意味でバラバラで、物語はすべて歌として語り継がれるものだったから、その伝播の過程で地域ごとの変化が生まれたり新しい物語が付け加えられたりとまあ玉石混交と言うべきか種種雑多と言うべきか・・・・というような状態だったようです。  で、それらの物語群を創作と想像を交えつつ一本の筋道に創りなおした・・・・・ということで「神話」でもなければ「伝説」でもない、敢えて言えば「叙事詩」というカテゴリーに入る文学となった・・・・・ということのようです。

で、ばらばらの物語をひとつの物語として繋ぎ合わせる際に、リョンロット氏はかなりの範囲にわたって手を加えたらしく、その改訂のパーセンテージはものの本によれば全体の5パーセントほどだとか。  ま、そういう意味では現代日本で我々が手にしている「カレワラ」は、元々の「カレワラ」とは別のもの・・・・・なのかもしれません。  ま、そんなことを考えてみると、「19世紀の古典ってどうよ?」という気がしないでもないのですが、どんな成立をした文学であれ、KiKi よりもず~っと見識の高い学者さんがこれを文学として認め、三大叙事詩の1つとし、ドイツのヘンデルという学者さんが

「叙事詩を持っているということは独自の文化を備えていることになるから、国民としての資格がある。」

と述べられ、これに勢いづいたフィンランド人の皆さんが国民意識に目覚め、自主独立を勝ち得た・・・・というだけでもこれはものすご~いことだと思うんですよね。

で、この物語なんですが、カレワラの入門書としては「まあまあ・・・・」という感じではないでしょうか?  でも子供向け・・・・ということで粗筋を物語風に書きなおして、(編者によればそれでも迫力のある詩行を岩波文庫から抜粋・転載し、参照できるように章番号等々を付記しているとのこと)ついでにぎゅっとコンパクトに纏めちゃった・・・・・ということのようなので、若干の物足りなさを感じました。  これはやっぱり「少年文庫」じゃなくて「岩波文庫」で詩の形で訳されているものを読んでみる必要があるように感じました。  

それにしても・・・・・・

魔法をかけたり、呪術を使うにあたって、物(とか事柄とか)のそれぞれの「起源の言葉」が必要というのは、面白い発想だなぁ・・・・と。  で、・・・となると博学な人ほど魔法に強いということになるわけで、偉大なる賢人「ワイナミョイネン」がお母さんのおなかに宿ってから長いなが~い年月を経てようやく生まれなきゃいけなかった理由も感覚的にわかるような気がしました。  もっとも、いかに生まれた時に見かけが既におじいさんだったからといって、お母さんのおなかの中 or 波間に漂っている間にどうやって博学になったのかを考えると、頭の中が混乱しちゃうんですけどね(笑)


 

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