ギリシア・ローマ神話 付インド・北欧神話 トマス・ブルフィンチ

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先日、このエントリーでもご紹介したとおり、今日は子どもの頃に抄訳を、そして人生の折に触れて何度も読んできた「ギリシア・ローマ神話 付インド・北欧神話」をご紹介したいと思います。  これは超有名なトマス・ブルフィンチの「伝説(寓話)の時代;原題 The Age of Fable」の全訳本です。  ブルフィンチはこれ以外にも連作を発表しており、それらは「騎士の時代; The Age of Chivalry (中世騎士物語 岩波文庫)」と「シャルルマーニュ伝説; Legends of Charlemagne, or Romance of The Middle Ages (シャルルマーニュ伝説 中世の騎士ロマンス 講談社学術文庫)」として日本でも紹介されています。  

でね、当初の KiKi の予定ではまだ未読だった「シャルルマーニュ伝説」をゲットしたのを機にそれを読んでこの Blog で取り上げてみるつもりだったのです。  ところが、その本の「まえがき」を読んでいるうちに、どうせだったらこの三部作、古い順に読み通してみたい気持ちがムクムクと頭をもたげてきてしまいました。  と言うのも、この「ギリシア神話」にしろ「中世騎士物語」にしろ、これまでに何度も読んだはずなのに、何故か頭にほとんど残っていないんですよね~(笑)。  まあ、ギリシア神話の方はそれなりにエッセンスというか、超有名どころのお話であれば何となく頭に残っているし、色々な文学作品やら芸術作品やらに接してきたなかで反芻してきたし、星座の名前やらで親しみがあったりもするのでまだそれでもいいんだけど、「中世騎士物語」の方はどんなお話が書かれていたのか、ほとんど忘却の彼方・・・・。  たまたまちょっとした事情でいわゆる普通の本(ハードカバー)ではなく、文庫本しか読めない事情が重なった・・・・ということもあったりしたので、急遽路線変更してこの本に手を伸ばしてみた・・・・というわけです。

 

ギリシア・ローマ神話 付インド・北欧神話
著:トマス・ブルフィンチ 訳:野上弥生子  岩波文庫

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いや~、久々だったということもあるし、文体がある意味で若干古め・・・・なので読み応えがありました!(笑)  最初に夏目漱石が書いたいわゆる序文があるんだけど、それに至っては旧漢字は多いは旧かなづかいは連発されているは、文体は格調高いはで正直昨今の安易(?)な日本語で書かれた本を読みつけている今の KiKi ではついていけないんじゃないかと、自分で思いついたこの暴挙(!)に怖気づいてしまったぐらいです。

まあ、本文の方も今では日常的には使われなくなった言葉や「岩波文庫でしかお目にかかることが少なくなった漢字」もそれなりに多いんだけど、それでも物語が物語なので楽しく読むことができました。  巻末にはいわゆる「神様の系図」なんかもついているので、ちょっとした調べ物で参考資料にするにもいい本だと思います。

が、しかし・・・・・・・

    

読んでいるときは楽しくて、「ああ、そうそう、そんな物語があったっけ」と思ってみたり、紹介されているその他の文学作品の名前(例えばキーツの『エンデュミオン』とか)にまつわる大学時代の思い出に耽ってみたりとか、絵画や彫刻の超短い紹介文からいわゆる美術書を引っ張り出してその作品を眺め直してみたりなどということでワクワクすることができたんだけど、読了した今思い返してみると、相変わらず神様同志の相関関係とか神様の名前とかはうろ覚え・・・・・。  ニンフに至っては物語のプロットだけは頭に残っていても、名前まで思い出せるのは1割程度。  読了した直後がこれではあと1週間もするとぜ~んぶ忘れちゃう可能性大!です。  結局記憶に残るのは子供時代の抄訳本で読んだほんの一部の物語になっちゃうのかなぁ・・・・と考えると寂しいやら情けないやら。

でもね、歴史と神話がこんなにも近かった時代の物語はやっぱり面白いんですよね~。  冷静な頭で考えると神様が人間の歴史の中であれやこれやと口出し(しかも感情的に!)したり、戦争で誰かの味方をしたり敵になったりな~んていうのは不合理このうえないんだけど、それは現在学校で「歴史」を学ぶ私たちだから感じる感覚であって、こういう荒唐無稽とも言えるような楽しい物語の中で歴史や英雄譚を語り継ぎ、その語り継ぎの中で人生訓やら道徳、美、哲学を語ってきた人間というものに言いようのないいとおしさみたいなものを感じます。

ルネサンス期の人びとがこの時代の物語に何を求めていたのか・・・・を考えると、今 KiKi が抱えている疑問、迷いの答えがこれらの物語の中に埋もれている、そんな気もします。  まあ逆説的に言えば、人類がなが~い歴史の中で繰り返してきている「自問」の答えは現在の高等教育を受けても尚解決できていない(まあ、これは KiKi 特有の現象であって一般論みたいに言っちゃっていいのかどうか疑問ですが 笑)っていうことなのかもしれませんけれど・・・・・。  古典ってだからこそ生き続けてきているし、時代を経ても読み継がれているんでしょうね。 

全体を通しての感想としては、さすが子どものためのギリシア神話本の種本になっていただけのことはあって、結構ロマンティック。  これまでに何種類も読んできたギリシア神話本の中では一番親しみやすさの深い、絵本にもしやすいような語り口だと思います。   

であるだけに・・・・・・

野上弥生子さんの文章はやっぱりちょっと現代的ではないよなぁ。  (それとも原書を訳すとこういう語り口にしかできないのかなぁ。)  個人的には野上弥生子さんは嫌いじゃないんだけど(中学生の時に読んだ「秀吉と利休」なんて、ホント、圧倒されました。  KiKi の中では野上弥生子作品のベストでした。)、やっぱりもうちょっとだけ今っぽい文体の方が、今の時代でももっともっと一般受けしていいだろうに・・・・と思わずにはいられませんでした。          

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