少女ポリアンナ/ポリアンナの青春 エリナー・ポーター

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ついこの間、体調不良により会社をお休みした日、何気なくTVのスイッチを入れたら「愛少女ポリアンナ」というアニメが放映されていました。  見るともなしに見ていたらポリアンナの「よかったさがし」の話が出てきて、ちょっと曖昧になった記憶をたどってみました。  確か KiKi が子供の頃に読んだ物語ではヒロインの名前がちょっとだけ違うんじゃなかったっけ????  で、子供時代にこのアニメの原作(?)を読んだ時、正直なところ KiKi はこの物語にはさほど感銘を受けなかったような気がするんだけどなぁ~ ^^;  でもね、あの頃は感銘を受けなかったにも関わらず、何故か今度はちょっとは感動しちゃっているような気がしないでもない。  そう思うと、ひょっとしたら今、あの物語を読み返してみれば感動できるのかどうかを知ってみたい・・・・・。  そんな気持ちがムクムクとこみあげてきました。  ま、てなわけで今日はこちらをご紹介したいと思います。

少女ポリアンナ/ポリアンナの青春
著:エリナー・ポーター 訳:谷口由美子  岩波少年文庫

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いかにも「女の子向け」の表紙ですね~(笑)  KiKi はどちらかというと、こういう表紙の本って中身がどうか・・・・という前に苦手意識が働いちゃうんだけど大丈夫だろうか・・・・・(苦笑)  TVのアニメの方(↓)のイラストだと全然そういうことがなかったんだけど、やっぱり着ているものの違いかなぁ・・・・。

pollyanna_1.gif    

KiKi はね、恐らくどちらかというと「楽天家」の部類だと思うし、あまり色々なことをクヨクヨと悩んだり考え込んだりしない方だと思います。  もっとも子供時代の KiKi はそうでもなくて、自分で意識的に楽天家タイプに変えようと努力(? 努力というほど大げさなものではなかったように思うけど)をしてきたようなところがあるんですよね。  KiKi が自分で自分を変えようと思ったきっかけはこの「ポリアンナ」ではなくて、とあるマンガ(タイトルも作者も忘れたけれど・・・・ ^^;)のとある登場人物の以下のセリフに妙に納得してしまって以来・・・・であることはしっかりと覚えています。  子供時代のことなので、そのセリフをどの程度正確に覚えているかはあまり自信がないけれど、こんなセリフだったんですよね。

悩んでいても笑っていても時間は同じように過ぎていく
そうして失った時間は取り戻すことはできない

それまで自分ではどうしようもないことについてまであれやこれやと考え込み、不満をためるようなところがあった子供時代の KiKi はこのセリフに出会った時、ものすご~いショックを受けました。  頭をガーンと叩かれたような感じ・・・・(笑)  確かにそうだなぁって妙に納得して、それ以来、自分の中で1つのルールのようなものを決めたんですよね。  そのルールというのがね、

あれやこれやと思い悩みたいときにそれを無理に忘れようとしたり、気を紛らしたりはしないかわりに、自分の力でできることがあるかどうかを考える。  1日考えて、自力ではどうしようもないと思った時には、考えるのはやめて成り行きに任せる(というか成り行きを見守る)。  何かできると思ったときはできることをする。  それが思っている結果をもたらさなかったときは、自力ではどうしようもないことなんだと納得する。  不満は残さない。  

まあ、そんな感じです。  そんな KiKi にとって「よかったさがし」「喜びゲーム」というのはさほど感銘を受けるゲームではありませんでした。  まあ、大人になった今読み返してみても「今よりもっとよくないことを想定してみてそうではないことを喜ぶ」という姿勢はちょっと???な感じがしないでもありません。  聖書の中に「喜ぶ」がふんだんに盛り込まれているのはやはり苦難の生活を強いられてきたユダヤの民の砂漠地帯の宗教だからこそ・・・・という部分もあるわけで、必要以上に「物事のよい面をピックアップして我慢する」「忍耐≒美徳」的な匂いを放つものにはちょっとだけ懐疑心を持たずにはいられない性分だし・・・・・(笑)  

今回再読してみて思ったこと。  これはひょっとしたら訳文のせいもあるかもしれないけれど(訳が悪いという意味ではなく)、ポリアンナの話の進め方って今の時代だったら「KY(空気が読めていない)」と言われちゃうような気がしないでもないなぁ・・・・・と(笑)。  自分の思い込みを勝手に信じこんで相手が戸惑っていることにはまったく気がつかないで、喋りまくる。  「天然(ボケ)」と言えば「天然(ボケ)」ではあるかもしれないけれど、これって受け手によっては不快感を持つこともあるんじゃないのかなぁ・・・・・。  たまたまこの物語ではポリアンナの周りの人たちがそれを釈然としないままにも受け入れてくれるだけの余裕(?)があって、尚且つそんなポリアンナの純粋な部分にだけ感化されて「結果オーライ」的な落とし所に落ち着いているかのように見えるからまあ良し・・・・となるような気がするのは事実だけど・・・・・。

もちろんKiKi は常に不満を感じながら生きていくよりはポリアンナのように何らかの「喜べることを探す」という姿勢が必要だということ自体は否定しないし、イベントによってはポリアンナの気持にかなり寄り添うことができる部分もあったんですけどね。  だから幼年時代編の「少女ポリアンナ」では強引な感じのする部分(ポリアンナの勝手な思い込みと延々と続くおしゃべり)を幼さと捉えて読むことができていたんだけど、引き続きレディ編の「ポリアンナの青春」を開くときには「大人になっても同じだったらどうしよう・・・・・」と正直構えてしまいました。  因みにTVアニメでは「ポリアンナの青春」での物語を下地にしているお話も子供キャラでやっています。  これは「大正解!」だと思うんですよね~(笑)    

全編を通じて KiKi がこの物語で一番居心地の悪い想いを抱えてしまうのは、ポリアンナって根っこはとってもいい子だとはわかっているんだけど、色々なことを言うのもいいんだけど、結局それを実現させるのはポリアンナ自身ではなくて、お金持ちのポリーおばさんだったり、やっぱりお金持ちのペンデルトンさんだったり、さらにはやっぱりお金持ちのカリウ夫人である・・・・という点がちょっとねぇと思っちゃうんですよね。  そういう人たちの気持ちを動かしている・・・・という意味では確かに大した子だと思うんですよ。  でもねぇ~という思いがどうしてもぬぐいきれないんですよね。    

この物語の時代背景からすると、現代日本よりはず~っと貧富の差も激しくて、いわゆる孤児も多い時代だったんだろうと思うんです。  そんな孤児の代表がポリアンナであり、ジミーであり、ジェイミーであり・・・・ということだと思うんだけど、いくらポリーおばさんやペンデルトンさんやカリウ夫人がお金持ちだからといって、そして子供一人を引き取ったからといって生活に窮するわけではないからと言って、そして「愛情あふれる家庭には女性の手と子供の存在が必要だから」と言って、家族ごっこをするようになることが必ずしも良いこととは言えないような気がしてしまうんですよね。  もちろんこの物語ではみんながそれで幸せになっている(ように見える)し、カリウ夫人はジェイミーを引き取っておしまいではなく、「働く若い女性の家」をつくり、障害者や弱者を一方的な保護の対象とだけ見ているわけではなく、彼らを意志を持った一人の人間として見ているという姿勢が描かれているところはいいなと思いました。  

ジェィミーが「足の悪い人」として扱われることを内心は喜んでいない・・・という描写や、カリウ夫人が補助を申し出たときにジェイミーのおかあが「施しは受けない」と拒むシーン。  KiKi はポリアンナの優しさとか善意が時として相手にとっては鬱陶しさに変わってしまうことをさりげなく表しているシーンで好きだなぁ。  それに気が付いていない or ショックを受けるポリアンナが純粋といえば純粋、幼稚と言えば幼稚なんですけどね。  まあ、それが嫌味にならないのが彼女のいいところなのかもしれません。

恐らく著者のポーターさんもそのあたりは百も承知だったんじゃないのかしら。  だからこそ、レディ編では純粋な少女の面だけでは押しきれないが故に、でもポリアンナの変わらない良さも強調しなければならないが故に、ある種唐突にチルトン先生に死んでもらっちゃったり、ポリーおばさんに破産してもらっちゃったりと、舞台背景を変えているような気がします。  そしてそうすることによって少女時代のポリアンナの過剰なまで・・・・とも映る「楽観主義」をレディ編では外的要因によって抑えこもうとしているように感じました。  彼女の少女時代の「楽観主義」はある意味でこの時代背景の中で生きぬくことを余儀なくされた「孤児」の処世術のようなもの・・・・という印象を与えようとした。  そんな印象です。

因みに心理学の世界には「ポリアンナ症候群」という疾患(?)があるのだそうです。  どんな症状をさすのかをググってみたところ

直面した問題の中に含まれる(微細な)良い部分だけを見て自己満足し、問題の解決にいたらないこと

常に現状より悪い状況を想定して、そうなっていないことに満足し、上を見ようとしないこと

なのだそうです。  ポリアンナの「よかったさがし」「喜びのゲーム」はもちろんこういう(↑)姿勢ではないことはよ~くわかっているんだけど、「どんなに悪そうにみえる出来事にも見方を変えれば喜べる何かがある」という考え方の負の側面だけが強調された疾患なんですね~。

最後に・・・・・

どうやらこの物語のメインは「よかったさがし」「喜びのゲーム」らしいんだけど、KiKi にとってもっともヒロインに共感できた部分はその部分ではなかったりします。  それは物語冒頭に出てくるポリーおばさんとポリアンナの会話の中にあります。  ポリーおばさんに引き取られた翌日の朝、ポリアンナはポリーおばさんから 「勉強、片付け、裁縫、音楽」 という日課が通告されます。  これに対するポリアンナの反応です。

「それじゃ、あたしにはぜんぜん時間がないわ――ちゃんと生きる時間が。」

「おばさんは、眠っている時だって息をしているでしょ。  でもそれは生きているってこととは違うの。  あたしは生き生きと生きるってことを言っているの。  やりたいことをやるってこと。  外で遊んだり、本を読んだり(もちろんひとりで)、おしゃべりするとか。  それがあたしの言う、生きるってことなのよ。  ただ息をしているなんて、生きていることにならないわ。」

KiKi にとっては「よかったさがし」「喜びのゲーム」以上に、このポリアンナの反応が心に残りました。  「生き生きと生きる」  「やりたいことをやる」  言葉で言う以上に難しいことだと思います。  

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コメント(2)

KiKiさん、こんにちは。
トラックバックありがとうございました。
すっかり遅くなってしまってごめんなさい~。

ポリアンナ症候群なんていうのがあるんですね。
全然知りませんでした。
確かに物事って受け止めようによって全然違って見えるものですが…
…というか、ポリアンナのこの話自体もそういうことですけど…
まあ、ポリアンナは実際かなり誇張された存在だと思いますが…(笑)
だからといってそっちに行っちゃうなんて。なんだかなあ。

私の身近にこの本を読ませたくなるような人がいるんですが
下手に読ませるのもキケンかもしれないですね。(笑)

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