のだめカンタービレ #20 Review

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のだめカンタービレ #20
作:二ノ宮知子 講談社

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ターニャの健闘、清良の快進撃。  コンクールを見守るのだめは・・・・・・?

カントナ国際コンクール2次予選。  清良は順調な演奏で本選進出を決めるもガケっぷちのターニャは実力を発揮できるのか!?  一方、コンクールを見守っていたのだめは運命の曲と出会う。  「いつか先輩と共演したい!」  ラヴェルの協奏曲が宝物になったのだめを残酷な偶然が待ち受けていた・・・・・?

ふぅ・・・・。  コンクールってやっぱり厳しい・・・・・。  明暗がはっきりわかれてしまったターニャと清良さん。  

「まずは通過した方々おめでとう。  そして落ちた人たちも気を落とさないでください。  みな非常にレベルが高く審査員の意見も推す人も様々でした。  この結果に自分を見失うことなく、これからも音楽に誠実に向き合い頑張ってください。」

確かに、理屈はそうだけど・・・・・。  でもやっぱり音楽だけで食べていこうとする(as 演奏家)と、演奏会のパンフレットなんかのプロフィール欄に「○○国際コンクール第×位入賞」と「○○国際コンクール二次予選進出」じゃあ、実際の演奏の良し悪しはほんの少ししか違わないとしても、全然違うんだろうし・・・・・。  まして、コンクールの結果が留学期限とクロスするターニャやユンロンの立場って本当に厳しいなぁ・・・・と思う。  「私はどうしてもっと時間を大事にしなかったのか。  今更悔んだって仕方ないけど、私だってまだやれると思うもの!」  ターニャのこの独白が胸を打ちます。

「国に帰るしかない」というターニャに「だったら・・・・ 生活なんて・・・・ 生活くらい僕んちでもすればいいだろ!?」と思わず言っちゃう黒木君。  多分彼は、もちろんターニャのことが嫌いじゃないし、ひょっとしたらちょっとは好きかもしれないし、実は自分でも気がつかないうちにプロポーズしていたのかもしれないけれど、きっと「彼女ならまだまだやれる!  ここで躓いて欲しくない。  ターニャの演奏をもっと聴いていたい!」っていう想いの方が強くて思わず言っちゃったんじゃないかと思うんですよね。  言っちゃってから実は自分の気持ちに気がついたって言うか・・・・・(笑)  そういう意味でのドン臭さはまさに「バッカじゃないの!」なんだけど、単なる色恋沙汰以上のものが感じられて、何となくいいなぁ~・・・・・と、おばさんは思ってしまう(苦笑)

一方で清良さん。  つい1つ前の号ではちょっと「混乱気味」な雰囲気だったけれど、このコンクールでファイナルまで残れたことで、だいぶ心の重石が取れたみたい・・・・・。  「この結果がどう出ても、私、日本に帰るから。」とお忍び(?)応援団の峰君に宣言しています。  こちらもこちらで青春していていいなぁ・・・・・。  でもね、それって恋愛沙汰が何よりも大事・・・・と錯覚しがちな年代に、「2年も恋人と離れて頑張ってきた清良さん」だから出すことができた結論なんだろうなぁ・・・・・と。  「やれるだけのことはやった!」という充足感、満足感があったんだろうなぁ。  こんなシーンを見ると、未だに道を迷い続けているおばさんとしては思ってしまうのです。  「偉いなぁ。  大人だなぁ。  やっぱり苦労の量と質の違いかなぁ・・・・・・。」と。

 

自身はなかなかコンクールに出ることを許可してもらえないのだめちゃんがカントナ国際コンクールのファイナルを聴きに行って、と~ってもお気に入りの曲を見つけちゃいました。  ラヴェルのピアノ協奏曲。  まあ、この曲に出会ったときの喜びの大きさたるやホント可愛いし、千秋君じゃないけれど「あいつがあんなに嬉しそうに1つの曲に執着したのを初めて見た」と思うので、何とか演奏機会を持てることを応援してあげたい・・・・・と思うけれど、正直、ちょっとだけ変な気分・・・・・。  だって、いかに日本の音大では「おなら体操」と「もじゃもじゃ組曲」メインでやっていたとしても、一応音大に4年まで通っていたはずだし、その後はコンヴァトで勉強しているにも関わらず(しかもピアノ科で!)、ラヴェルのこの協奏曲を生まれて初めて聴いた・・・・・な~んていうのはちょっと信じ難いような気がするんですけど・・・・・・。

まあ、のだめちゃんは確かに「好きなようにピアノを弾いてきた子」かもしれないけれど、やっぱり音大に進学するぐらいのレベルであって、子供時代からそこそこ継続的にレッスンをしてきていて、ピアノ曲の知らなさ加減とか「いつかは弾いてみたい憧れの曲」(≒ 執着しているピアノ曲)がこれまで何1つなかった・・・・・というのは、ホンマかいな?と思ってしまうんですよね~。  KiKi であってさえも「いつかは弾いてみたいピアノ曲リスト」が、そうねぇ、かれこれ35年ほどメンテし続けていて、今となってはとてもじゃないけれど KiKi が生きている間にそのリストに載っている曲を全曲さらうのは無理だろう・・・・・と思っちゃうほどになっちゃっているんだけど、やっぱり楽器演奏を学ぶ人は誰もがそういうもの(リスト化していないとしても気持ち)を持ち続けているとおもうんだけどなぁ。

さて、清良さんやターニャに触発されて・・・・・と言うよりは、偏にラヴェルの協奏曲を早くやりたい一心で「コンクール出場宣言」をするのだめちゃんに、オクレール先生はあっさりと仰います。  「目の前の音楽にちゃんと向き合えてないのに、なんでコンクールの話なんかできるかな。」  でもね、この先生ってホントに偉いと思うんですよね。  のだめちゃんを大事に大事に育てようとしているのがよくわかる。  商業主義に踊らされ気味の先生であれば、自分の門下生をバンバン、コンクールに出場させて、上位入賞させて・・・・・・ということに夢中になっちゃう人もいると思うんですよ。  そう、映画「北京ヴァイオリン」のユイ教授みたいに・・・・・。  でも、オクレール先生はどちらかというとあの映画のチアン先生タイプ。  もちろんチアン先生みたいに厭世的な人じゃないけれど・・・・・。  

イツマデ?  イツマデヤレバイイデスカ?

う~ん、それって難しいよね。  ひょっとしたらゴールはないのかもしれないし・・・・・。  小さなゴールを1つ1つクリアしていくと、ずっと遠くに新たにゴールらしきものがフワフワと蜃気楼のように浮かんでくる・・・・そんなものなのかもしれません。  

R☆Sオケの窮状にさりげなく手を差し伸べる千秋君。  そんな千秋君に「単純どころじゃない」リアクションを返す峰君が、R☆Sオケでの千秋 & のだめの「ラヴェルピアノ協奏曲」演奏を提案します。  ところが千秋君、そのシーンを想定してみたらいや~なデ・ジャ・ヴ感に囚われちゃいました。  「ダメだ。  そんな共演で満足されたら困る。  あいつって早く満足して終わらせたがっている気がする。」と。  さすが、千秋君。  やっぱりのだめちゃんの最大の理解者ですねぇ。  「イツマデ?  イツマデヤレバイイデスカ?」と対になっているこのセリフ。  これこそが、オクレール先生も恐れていることなのかもしれません。

さて、音楽のリストです。  オクレール先生のもりだくさんの過去の課題は既出のものと判読できなかったものは除いています。  いや~この号あたりから音楽的には結構専門的なお話がいっぱい出てきて、音楽そのものも盛りだくさんですね~。  KiKi のようにもともとクラシック音楽ラブ266.gifな人には嬉しいけれど、「こんなに笑えるクラシック音楽があったのか!?」というテーマからは結構離れ始めているような気がするのは気のせいでしょうか?

 サン=サーンス ヴァイオリンソナタ第1番 Op. 75
  (カントナ国際コンクール 清良の二次予選演奏曲)

ショパン エチュード Op. 25-11 「木枯らし」
  (カントナ国際コンクール ターニャの二次予選演奏曲 Part1)

ドビュッシー 12の練習曲より第11番 「組み合わされたアルペジオのために」
  (カントナ国際コンクール ターニャの二次予選演奏曲 Part2)

シューマン クライスレリアーナ Op. 16  
   (カントナ国際コンクール ターニャの二次予選演奏曲 Part3)

ベルク ヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出に」  
   (カントナ国際コンクール 清良のファイナル演奏曲)

ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番 Op. 18  
   (カントナ国際コンクール 名無しのファイナリストの演奏曲)

ラヴェル ピアノ協奏曲
  (カントナ国際コンクール 名無しのファイナリストの演奏曲 Part2  のだめ運命の曲?)

ショパン ピアノソナタ第3番 Op. 58
  (のだめ 目の前の課題 Part1)

ヴェルディ 歌劇「リゴレット」
  (千秋君が同行を諦めたヴィエラ先生のイタリアツアーの演目)

ベートーヴェン ピアノソナタ第31番 Op. 110
  (のだめ 目の前の課題 Part2)

クープラン クラヴサン曲集第3巻第18組曲より第6曲「ティク・トク・ショク」
  (のだめ 過去の課題 Part1)

メシアン 幼子イエスに注ぐ20のまなざし
  (のだめ 過去の課題 Part2)

フランク 前奏曲
  (のだめ 過去の課題 Part3)

ドビュッシー 2つのアラベスク
  (のだめ 過去の課題 Part4)

シャブリエ 気まぐれなブーレ
  (のだめ 過去の課題 Part5)

武満徹 閉じた眼
  (のだめ 過去の課題 Part6)

フォーレ 舟歌
  (のだめ 過去の課題 Part7)

ラヴェル クープランの墓
  (のだめ 目の前のちょっと先の課題 Part1)

ドビュッシー 映像
  (のだめ 過去の課題 Part6)

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