エルガー 交響曲第1番 Op. 55

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「のだめカンタービレに登場する音楽を聴いてみる」企画、エルガー編。  いやはや、これから何日間かはこのままいくとエルガーづくしになってしまいますねぇ。  竹おじさんが何気に羅列してくれちゃったおかげで・・・・・ ^^;  まあ、どちらかというと独欧古典派の音楽からロマン派の音楽、そしてフランス印象派に偏りがちの KiKi がこうしてイギリスの音楽を集中して聴く機会は一生のうち、そうそう何度もあるということではないだろうと思うので、せっかくのチャンスを生かして目いっぱいエルガーの世界を楽しみたいと思います。

エルガー 交響曲第1番 Op. 55
EMI 0946 3 67918 2 1 演奏:バルビローリ指揮 & フィルハーモニア・オーケストラ 録音:1962年8月

51IxOxbQchL__SL500_AA240_.jpg  (Amazon)

英国と言えば紳士の国。  まあ、かの国ではNobles Oblige (ノブリス・オブリージェ; 高貴な人の責務)という言葉が根強く息づいていて、まあ、その延長線上に選民思想的なちょっと見たくないものもあったりするわけですが(案外人種差別意識が高かったりする ^^;  余談だけどずいぶん昔、KiKi が英国に語学留学していた頃、中国人・韓国人・日本人はひとくくりで "Chinese" と呼ばれ、後進国からやってきた可愛そうな人たちというスマートな扱いを受けることが多かった。  ミソなのは露骨ないやらしい卑下系の扱いではなくスマートな見下し系・同情系という感じだったんですよね~ 笑)、この交響曲のスコアの冒頭にも「ノビルメンテ・エ・センプリーチェ」とあり、「高貴に そして 素朴に」というのが英国のこの作曲家の曲想になっています。  これを初めて知った時、KiKi は「さすが英国作曲家!」と思ったものでした。

でもね、KiKi が英国留学中に何となく感じた「スマートな見下し系」につながる狭義(?)の高貴さというのはこの曲 もしくは エルガーのいう「高貴さ」とはまったく別物なんですよ。  齢50歳で楽想を練った音楽・・・・というだけのことはあり、どこか世俗的なことから超越しているような優美さを兼ね備えている音楽・・・・っていう感じがするんですよね。  因みにこの「交響曲第1番」が完成したのはエルガー51歳の時。  最初の交響曲を発表する年齢としては遅書きと言われているブルックナーやブラームスよりもさらに遅いんですよね~。   

第1楽章 アンダンテ・ノビルメンテ・エ・センプリーチェ アレグロ
冒頭に表れる循環主題(この後何度も登場するメインテーマ)は「本当の高貴っていうのはこういうこと」っていう感じの音楽で、高貴さゆえの余裕、受容力みたいなものに満ち溢れています。  テンポもアンダンテ。  そこから続くアレグロの短調主題。  この対比も面白いし、アレグロ部分からはある意味凝っている音の綾が楽しめます。  短調主題にも2種類あって、1つは闘争的、もう1つは悲しげでそれらが複雑に絡み合っているので、独欧系の音楽に馴染んでいるとちょっとわかりにくい音楽・・・・っていう感じは否めません。  まあ、KiKi は初めてこの曲を聴いた時、この第1楽章はちょっとわかりにくいうえに長すぎる・・・・・と感じたのを白状しておきたいと思います。  でも、何度か聴いているうちに、そして、独欧古典派の音楽を定規にして考えないように、素の状態でこの曲を聴くようにしてからは、このある種自然発生的な音の作りに身を委ねられるようになってきました。

第2楽章 アレグロ・モルト
ちょっと行進曲風。  そして中間部はエルガーが「川辺に降りた時に聞こえる何かのように」と言ったらしい楽しげな音楽です。  でも、「川辺に降りた時に聞こえる何か」って何だろう??(笑)  水の流れる音?  それとも魚のはねる音??  水辺に佇む鳥たちのたてる音???  第1楽章がとにかく長いのに比べて第2楽章は結構短いの(笑)。  そして切れ目なく第3楽章へ。

第3楽章 アダージョ
緩徐楽章 Love 266.gif の KiKi のお気に入り♪  とにかく優美。  、典雅で息の長い主題を聴いていると、浮世の悩みな~んていうものはどうでもいい!みたいな気分にさせてくれます。  絶品です!    

第4楽章 レント ~ アレグロ
レントの序奏で第1楽章の回想とそこから派生したような新しい素材がまず提示されます。  そしてアレグロ部分に進むと付点リズムが印象的な主題が登場したあと、これまでに出てきた様々な素材が走馬灯のようにハイ・スピードで展開されていきます。  で、最後に向かって再び第1楽章の「あの高貴な主題」が戻ってくるんだけど、あれやこれや音の渦を経過してきた後で聴くあのノビルメンテ・エ・センプリーチェは単なる「高貴」を通り越して神々しいような雰囲気さえ漂っているように聴こえます。  

エルガーという人はある意味で良くも悪くも「英国紳士」の精神的な理想形の1つのタイプを体現した人だったんじゃないかと思うんですよね。  「自制」 「堅実」 「威厳」 「気品」  そんな言葉が実にピッタリとはまる、そんな人だったんじゃないかと・・・・・。  そして、彼のそんな資質っていうのは家庭環境・・・・というよりは時代環境と自身をとりまく環境の相乗効果(?)によって身につけたものだったんじゃないかと思うんですよね~。  だいたい遺されている彼のもっとも有名な写真(↓)からして「ノビルメンテ・エ・センプリーチェ」を体現するとこうなります・・・・っていう感じがすると思うんですよね~。  そう考えると、このエルガーが大好きだった千秋君のおじいさんの人となりも偲ばれるような気がします。

240px-Edward_Elgar.jpg

(追記)
このエントリーは2009年12月25日、yokochan さんの関連記事に TB させていただきました。      

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コメント(4)

こちらにもこんにちは。
エルガー特集ですね。
しかも、わたくしの大好物のひとつがこの交響曲です。
CDも演奏会も何度も聴いても味わい尽せない魅力がありまして、わたしにはスルメ系の音楽のひとつになっております。

見下し系では、おフランスがいまだに随一ではないでしょうか。一度きりの英国ですが、適度に無視されましたが、そのくせユーモアがあって、優しい人々に会いました。

エルガーは、自分のまわりにいる人々をこよなく愛しました。
ことに、年上の奥さんアリスがそうです。
ほんと紳士という言葉の似合う人物ですね。

この曲の第3楽章には、毎度泣かされます。
そして終楽章のコーダには涙ぼろぼろ・・・。
こんな風に書いてるだけで、泣きそうになってしまう、泣き虫オヤジです。
 これを機に、英国音楽を素敵な自然環境の中で楽しまれてはいかがでしょうか(笑)

こんにちは。
昨日は、横浜で飲みすぎました。
麓は人が多く、厳しいです(笑)

持ち歩き用の音楽道具。
実は持っていないのですよ、これが。
主義ではなく、単純に持っていないだけなんです。
持っていたら、一日中音楽漬けとなってしまうのが怖い自分でありますし・・・。

追)リンクを張り直しておきますね。

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