ベートーヴェン 交響曲第9番 Op. 125

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たまたま「のだめカンタービレ漫画に出てくる音楽を聴いてみよう!」のコーナーを始めてみて、たまたま割りと最初の方(第2巻)に、このクラシック音楽の定番曲が出てきていて、さらにたまたま今このタイミングがこの曲が日本で演奏される機会の滅法高い12月!  クラシック音楽ブログを続けてきているにも関わらずこの曲を1度も取り上げていなかったというのも何かの縁でしょうか? (← いや、ただ単にここ何年かはベートーヴェンの交響曲からは KiKi が遠ざかっていただけのことなんだけど ^^;)  

偉大なるベートーヴェン様の交響曲なので、決してバカにしているわけじゃないし、決して聴き飽きたわけでもないんだけど、ベートーヴェンの交響曲って今の KiKi にとっては自分から率先して選んで聴く音楽ではなくなってしまっています。  それでも小学生~中学生ぐらいまでの頃は他に聴くものがなかった・・・・・というのもあるんだけど、何度も何度も繰り返し聴いた音楽でした。  ま、今日は久々にその頃の気分に戻ってこの1曲を聴いてみたいと思います。

ベートーヴェン 交響曲第9番 Op. 125
Brilliant 99927/5 演奏:ブロムシュテット指揮 & シュターツカペレ 録音:1980年

41CpzEMlZQL__SL500_AA240_.jpg      (Amazon)

この曲を初めて聴いたのがいつだったのか、あまりにも昔すぎて忘却の彼方・・・・なのですが、とにかくびっくりしたのが交響曲にも関わらず合唱が入っていること!でした。  でもね、今に至るまで実は KiKi はこの歌の歌詞の意味(というか歌詞そのもの)をじっくりと味わったことがないんですよね~ ^^;  ま、てなわけでせっかく今日はこの曲をとりあげるのでそのあたりにも触れていきたいと思います。  だって、物の本(漫画;手塚治虫氏の絶筆作品 ルードヴィヒ・B)によればベートーヴェンはこの曲の合唱部分に使ったシラーの「歓喜に寄す」という詩に曲をつけようと思ったのは生まれ故郷のボンを立つ前からだったのだとか。  当時彼はボン大学の聴講生で、シラーと親交のあるルートヴィヒ・フィシェニヒというボン大学の先生をしていた詩人と交際があったのだそうです。  

シラーが「歓喜に寄す(第一稿)」を書いたのが1785年。  ベートーヴェンがボン大学に通っていたのが1792年。  シラーがこの交響曲の合唱部分の元歌になる「歓喜に寄す(改定稿)」を書いたのが1803年。  そしてこの交響曲が作曲されたのが1822~24年。  実に30年以上の年月、ベートーヴェンはこの曲の構想をあたため続けていたことになります。  (実際そんな手紙が残っているらしい @1793年)  因みにこの曲、スケッチだけは1809年ごろから散見されるらしい。  いずれにしろ、練りに練って作り上げた音楽なんですね~。 

この曲に関してあまりにも有名な逸話は、この曲が初演されたときのもの。  まずはベートーヴェンはこの曲の初演での指揮を他人には任せたがらなかったらしい・・・・・。  でも、すでに耳の病気が進行していてほとんどまったくと言っていいほど聞こえなくなっていた彼に指揮をさせてもオケが混乱するばかり・・・・・ということで、ベートーヴェンの傍らで別の人が指揮をし、ベートーヴェン自身も指揮台には立っていたらしい。  で、オケの面々はベートーヴェンの指揮を見ないで、傍らに立つ助っ人の指揮に従って演奏したらしい。  で、全ての演奏が終わって会場が大拍手で湧きあがっても、ベートーヴェンには演奏が終わったことも、この音楽が大好評で受け入れられたことにもすぐには気がつかなかったのだとか。  そして演奏に参加していた歌手(? だったか、オケのメンバーだったか、助っ人指揮者だったかは忘れました ^^;)がベートーヴェンを聴衆の方に向き直らせて初めて彼は場内が熱狂していることに気がついたのだとか・・・・。  痛ましいお話ですねぇ・・・・・。

ま、それはさておき、音楽についてです。

第1楽章はとにかく威厳に満ちています。  これぞクラシック!っていう感じ(? 笑)  とても力強く躍動感にあふれる音楽だと思うけれど、同時に「不満」「焦燥」といったネガティブな感情が渦巻いているようにも感じます。  言いたいことが喉元まで出かかっているんだけど、どうしてもうまく言葉にできなくて苛立っている。  この楽章を一言で表現するなら KiKi は「混沌」という言葉を選びたい。  そんな感じの音楽です。   

第2楽章は豪快な重量級のスケルツォっていう感じ。  切れの良いリズムです。  ティンパニーが大活躍します。  で、真澄ちゃん、入魂の演奏と相成ります。 「どうか、私と友達になってください b-hato4-b.gif  のだめを読んで以来、この楽章はこのフレーズでしか聴けなくなってしまったような気がしないでもない KiKi (苦笑)。  (因みに第2楽章のみならず、第1楽章でもティンパニーは大活躍しているんですけどね♪)

第3楽章は美しく天国を思わせるような安らぎに満ちた音楽です。  「祈り」、「希望」、「感謝」といった言葉が頭をかすめます。  そして天国的な雰囲気を破るかのように最後の方にトランペットによる警告のようなフレーズが出てきます。  

そして終楽章。  荒れ狂ったように始まる終楽章。  冒頭ではまるで第1楽章~第3楽章の否定をしているかのようです。  というのも、前の3つの楽章のメロディの断片がコロコロと出てくるんだけど、それが出てくるたびにチェロとコントラバスが「このメロディじゃない!  ちが~う!!」という感じで割り込んでくるんですよ。  で、あれやこれやという対話の果て、最後の最後に小さく出てくるのが「歓喜の歌」のメロディ。  そしてバリトンソロの歌詞。    

おお、友よ! このような調べではない!
そんな調べより、もっと心地よく歌い始めよう、喜びに満ちて。

さて、では第9の終楽章の歌詞です。  生憎 KiKi はドイツ語がチンプンカンプンなので自力で翻訳することができません。  で、ちょこっとググってみたら真っ先にこちらのサイトがヒットしました。  そこで今回この曲を視聴するうえではこちらの原文⇔対訳(逐語訳)を見ながら鑑賞しました。

因みに、ベートーヴェンはシラーの詩を丸ごと使っているわけではないようです。  で、せっかくなので調べてみました、シラーのもとの詩(改定稿の方)がどんなものだったのか・・・・・。

歓喜よ、神々の麗しき霊感よ
天上の楽園の乙女よ
我々は火のように酔いしれて
崇高な汝(歓喜)の聖所に入る

汝が魔力は再び結び合わせる
時流が強く切り離したものを
すべての人々は兄弟となる
汝の柔らかな翼が留まる所で

ひとりの友の友となるという
大きな成功を勝ち取った者
心優しき妻を得た者は
彼の歓声に声を合わせよ

そうだ、地上にただ一人だけでも
心を分かち合う魂があると言える者も歓呼せよ
そしてそれがどうしてもできなかった者は
この輪から泣く泣く立ち去るがよい

すべての被造物は
創造主の乳房から歓喜を飲み、
すべての善人とすべての悪人は
創造主の薔薇の踏み跡をたどる

口づけと葡萄酒と死の試練を受けた友を
創造主は我々に与えた
快楽は虫けらのような弱い人間にも与えられ
智天使ケルビムは神の御前に立つ

神の計画により
太陽が喜ばしく天空を駆け巡るように
兄弟たちよ、自らの道を進め
英雄のように喜ばしく勝利を目指せ

抱き合おう、諸人(もろびと)よ!
この口づけを全世界に!
兄弟よ、この星空の上に
父なる神が住んでおられるに違いない
諸人よ、ひざまついたか
世界よ、創造主を予感するか
星空の彼方に神を求めよ
星々の上に、神は必ず住みたもう

因みに、ベートーヴェンが最初にシラーのこの詩に出会った頃(第一稿)では、末尾(第九節)に以下のような詩がついていたのだそうです。

暴君の鎖を断ち切れ、
ただし邪悪なものにも寛容であれ、
死の床にあっても希望せよ、
天なる裁き主の恩寵を!
そして死者の復活を!
同胞よ、飲め、ともに歌おう、
すべての罪は許されて、
地獄はもはや存在しない、と

さらには、第二節のところが違うらしい・・・・・。

初稿   汝が魔力は再び結び合わせる
      時流の刀が切り離したものを
            貧しき者らは王侯の兄弟となる
            汝の柔らかな翼が留まる所で

改定稿  汝が魔力は再び結び合わせる
       時流が強く切り離したものを
       すべての人々は兄弟となる
       汝の柔らかな翼が留まる所で

もともとは「革命詩」だったんですねぇ。  で、若かりしベートーヴェンが感銘を受けたのは「革命歌」としての「歓喜の歌」だったのが、作曲する時には「人類愛」としての「歓喜の歌」に変わっていたことが何となくわかります。  考えてみるとベートーヴェンには別の交響曲「エロイカ」作曲における逸話として、

それまで自由精神と人間解放の旗手としてのナポレオンに期待していたがゆえに、当初楽譜の表紙に「ボナパルトへ」という献辞を記していたものの、ナポレオンの皇帝即位の報を耳にして引き破ってしまった

というお話が残っていることや、彼より一世代前までは音楽家と言う存在はいかに才能があろうとも独立した個人・・・・というよりは「宮廷音楽家(≒雇われ楽士)」として生活していた、そんな時代に生きていた作曲家であることを思い出させます。

いや~、久々に聴きました。  ベートーヴェンの第9。  正直、今ではもうベートーヴェンの第9では感動できないんじゃないかと思っていた(^^;)んだけど、これだけ長い第9空白期間を経て、さらには歌詞までじっくり味わうと結構新たな感動が湧きあがってくるものですねぇ。  ・・・・・ということは、エロイカあたりも久々に聴くと新たな感動があるのかもしれません。  「のだめ楽曲リスト」を見る限りでは結構早いタイミングで聴くことになりそうなんだけど、ちょっと楽しみになってきました♪    

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2009年12月10日 07:30に書いたブログ記事です。

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