NHK「坂の上の雲」第4回 Review

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第4回 日清開戦 2009年12月20日(日) 放映
 【総合テレビ】 午後8時00分
 【デジタル衛星ハイビジョン】 午後5時30分
 【衛星第2】 午後10時00分

明治27年(1894年)。  南下政策を推し進めるロシア、自らの属国と自負する清国、新たに地歩を築きたい日本、その三国の間で朝鮮は揺れていた。  そこへ起きた、いわゆる東学党の乱に端を発して、日本と清国の間に戦争が勃発する。  好古(阿部寛)は、乃木希典(柄本明)らとともに出征し、旅順要塞の攻撃に参加。  好古は率いる騎兵をもって敵情を克明に探った。  その報告をもとに総攻撃が開始され、わずか一日で旅順は陥落。

翌年、新聞「日本」の記者として働く子規(香川照之)は主筆の陸羯南(佐野史郎)に懇願して従軍記者となり、清国の戦地に赴くが、すでに日清両国政府の間では講和の談判が始まっていた。  破壊された村々を回るなか出会った軍医の森林太郎(後の森鴎外・榎木孝明)と戦争について語り合う。  真之(本木雅弘)もまた巡洋艦「筑紫」で初めて実戦に参加し、部下を死なせてしまい現実の惨状に衝撃を受けるのだった。  そして、帰還した真之 は、東郷平八郎(渡哲也)と語る機会を得て・・・。

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NHK松山放送局のHPより転載)


とうとう日清戦争が始まってしまいました。  KiKi は学校の日本史の授業で日清戦争という出来事そのものは一応勉強したし、その背景には朝鮮をめぐる日清両国の利害の対立があったことも学んだけれど、戦争という行為がどのように始められるのか等々については、正直なところよく知りません。  だから今回のドラマ冒頭で「宣戦布告前」に始まった豊島沖の海戦(敵艦を追いかけていた日本の巡洋艦「浪速」が英国国旗を掲げた汽船「高陞号(こうしょうごう)」を発見し、その船に清国兵が満載されていることを目にした「浪速」の艦長・東郷平八郎が、あれやこれやと手を打った挙句「高陞号」を撃沈した戦い)の様子を最初は何が起こっているのかよくわからない状態でじっと見ていました。

そもそも KiKi は戦争における「正しい手順?」をよく知らないんですよね~。  でも、冷静に考えてみれば何も問題がない状態でドンパチしちゃったらそれは大きな外交問題で、その前提に立つといかに複数国間の緊張状態がある状況だったとしても、「宣戦布告」がなされていない状態は一応「平時」という認識をすべきなんじゃないかと思うんですよね。  で、その「平時」に敵艦隊の撃沈を命じなければならないということには、当然のことながらそれなりの手順が必要なわけで、それがあの冒頭何十分間かで繰り広げられた「高陞号(こうしょうごう)」と巡洋艦「浪速」の間のやりとりだったんだ・・・・・ということを理解するまでにちょっと時間がかかりました。  

ずっと前に KiKi の大好きなアメリカのTVドラマ「ホワイトハウス」の中で、大統領補佐官のレオ・マクギャリーと軍部のお偉いさん、フィッツウォレスが「君には平時と戦時の違いがわかるか?」「最近ではよくわからない」というようなやりとりをしているシーンがあったんだけど、その意味をこのシーンを見ながら改めて考えさせられました。  もしも「平時と戦時の違い」が「宣戦布告」のあるなしによって判断されるべきものだとすると、東郷さんの判断が是と見なされる理由は何なのだろう・・・・・とか、緊張状態にある中で、小競り合いが起こった場合、それはどう解釈されるんだろうかとか、小競り合いと大競り合いの違いは何?とか・・・・・・。  色々考えてみたんだけど、正直なところ KiKi にはよくわかりませんでした。  翻ってこのドラマにおける豊島沖の海戦で、いかに東郷さんがそれなりの手順を踏んでいたとしても「宣戦布告をしていない状態で」尚且つ「イギリス国旗を掲げた船」を撃沈したという事実をどのように解釈すべきなのかというのはものすご~く複雑、かつ難しい問題だなぁと思う訳です。  

あ、別に KiKi は東郷さんが間違っていたとかそういう風に思っているわけではありませんよ、念のため。  ただ、これを考えたり論じたりするには KiKi はあまりにも戦争を、そして国際法を知らなすぎる・・・・・と思い知らされたんですよね。  

因みに KiKi の手元にある2003年11月に第8刷として販売された「詳説 日本史研究」(山川出版社)によれば

1894年5月に朝鮮で東学党の乱(甲午農民戦争)がおこり、朝鮮政府はその鎮圧のために清国に派兵を要請。  6月に清国は軍隊を送り、日本もこれに対抗してただちに出兵した。  両国の出兵により農民の反乱は収まったが、日本は日清両国で朝鮮の内政改革にあたることを提案、清国政府はこれを拒否した。  ちょうどその頃、日英通商航海条約が締結され、イギリスが日本に好意的な態度を示したので、日本政府(第2次伊藤内閣)もついに開戦を決意し、7月には豊島沖の海戦によって日清戦争が始められ、8月には正式に対清国宣戦が布告された。   

とあります。  だから「宣戦布告」より前に起こった豊島沖の海戦が事実上の日清戦争の開始年月という認識になるようです。  そうすると、宣戦布告までの1ヶ月間っていうのは「戦時」?  それとも「平時」??  う~ん、やっぱり戦争っていうのは理解するのが難しい・・・・・。  まあ、だからこそ伊藤博文さんは怒っていたし、山本権兵衛さんは一応東郷さんに説教しなきゃいけなかったし、東郷さんは覚悟の上の決断を行った・・・・ということなんでしょうね。  

そうそう、話はいきなり下世話なことになっちゃうけど、山本権兵衛さんの初登場のシーン。  正直 KiKi はどなたが演じているのかわかりませんでした。  でも山本権兵衛さんほどの人を演じる方が無名の新人のはずはありません。  で、東郷さんを説教するシーンでよ~く見つめてみて初めてそれが石坂浩二さんだということに気がつきました。  ひょっとした太られました?石坂さん。  それとも衣装の下に何か詰め物でもなさいました??  でもほっぺもどことなくふっくらしていらしたような・・・・・。  凡そ「お宝発見!」番組で司会をされていらっしゃる方と同一人物とは思えなかったんですけど・・・・・ ^^;

さて、海での開戦とは別に陸では陸の戦争が始まろうとしていました。  好古さんが騎兵第一大隊長として旅順要塞の敵情を偵察し、敵兵配置情報等々から状況分析をし、攻略法を検討し、司令官の大山巌さんに送ります。  騎兵の重要な役割の1つ、斥候ですよね。  この段階では日本の騎兵を育てた第一人者も斥候部隊の隊長で、騎兵隊の司令官ではなかったようです・・・・・。  で、好古さんの上申書をもとに大山さんが作戦を立て、第一旅団長・乃木希典らの働きもあって「半年はかかる」といわれた旅順要塞をわずか1日で陥落させた・・・・と。

この時のコンビ(乃木 & 伊地知)が日露戦争でも同じ旅順に立ち向かい、二百三高地で激戦(?)を繰り広げることになったのは何かの因縁でしょうか?  

一方、海は海で、豊島沖の海戦から約2ヶ月後、今度は黄海海戦で清国艦隊(北洋艦隊)を撃破する・・・・と。  結果的には日清戦争は日本の勝利・・・・・ということで、日本人としては喜ぶべきことなんでしょうけれど、KiKi は複雑な気分です。  いえね、日本が勝利して対外危機意識に苛まれていたところにいくばくかの自信を持つことができたことは喜ばしいと思うんですよ。  そして、とりあえず目の前に迫っていると誰もが思っていた列強の日本侵略(?)をとりあえず押しとどめることができたとしたなら、それはそれで、良かっただろう・・・・・と。  でもね、従軍記者として戦地に赴いた子規が出会った森林太郎(後の森鴎外)が厳しいことを言っていました。  我が軍の戦死者の約2/3が戦死ではなく実は病死だった・・・・・と。

結局この戦争の勝因は・・・・と言えば、方や日本は明治維新以来、強い対外危機意識にも後押しされて、何とかひとかどの国家と認められるようになろうと国を挙げて努力をし、乏しい資力の中でも近代的に組織化された軍隊を持つことに邁進してきた勢い・・・・みたいなものがあったのに対し、清国側は「眠れる獅子」という外聞に安穏とし、国内改革に立ち遅れ、人心も必ずしも一本化されていない状態で戦争に臨んだ、いわゆる準備不足・・・・・ということなのかもしれません。  でも、戦争に勝つためだけの準備は一所懸命に行ってきたし、政治体制の改革も着々と進行しているとはいえ、国民が貧しさ故なのか、不衛生故なのかは定かではないものの、どんどん死んでいく・・・・・。  それでは本当の意味での「文明的な国家」とはとても言えないし、結局は国力が十分ではない証左ですからねぇ・・・・・。    

一辺に何から何まで手をつけることはできないし、仕事でもそうだけど1つ1つの課題を確実に粛々と達成していくことが肝要なので、別にこの時代の人たちを糾弾したり、非難する意図は到底ないんだけれど、この戦争でいったいいくらのお金を使い、その金をどうやって調達したのか。  正直 KiKi はそれが気になります。  「その金で日本の独立を買った」というのは確かに一理あるかもしれないけれど、「その金で別の何が買えたか」を考えることも必要なこと・・・・・のような気がします。  少なくとも「眠れる獅子」の清国が弱体化していることが表に出なければ、起こらなかったかもしれない事件、戦争もあるかもしれないわけだし・・・・・。  結局この後の下関条約に続いて「三国干渉」もあって、決して豊かではなかった日本国民は「臥薪嘗胆」の時代に突入していくわけだし・・・・・・。

さて、親しかった部下を自分の命令により戦死させてしまった真之さんは、「軍人としてのアイデンティティ」に自信喪失し、「理想の指揮官とは何ぞや」という、これまた超難しいテーマに取り組中です。  軍隊の指揮官を経験された方の多くが、戦後(もしくは隠居後)宗教の世界に入られた・・・・・というのは特に日本史においては(西洋史でそういう例があるのか否かは実は知らない・・・・ ^^;)その例が多いことからも、誰もが「自分の命令によって死なせてしまった部下の鎮魂」という苦悩を抱えがちになる証左だと思うんだけど、恐らくはそこに至るまでに誰もが「あしは軍人には向いとらん。」という想いがあった・・・・のかもしれません。    

KiKi もね、さすがに生命に直接の影響を与えないまでも、仕事上で部下に下した命令が間違っていた・・・・と感じる時、常に思うのは「私は管理職には向いていない。」ということだったりするので、それがかけがえのない命に関わる戦争という世界での司令官ともなれば、尚更だろうと思います。  これから真之さんがどうやってこの心の葛藤と戦って、どんな結論を得ていくのか?  今回の東郷さんとの会話であっさりと乗り越えられるほど簡単な問題ではないと思うんだけど、少なくとも「東郷さんの覚悟」・・・・のようなものに触れて深く感じ入るところがあって、何かを得たのかもしれません。  いずれにしろ、このまま「軍人生活から足を洗ったわけではない」ことだけは歴史が証明しているけれど、このドラマではそのあたりをさらに掘り下げて描いてくれるのかどうか・・・・・。  次回は、真之さんや広瀬さんの海外体験の物語になるようです。

    

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2009年12月21日 18:16に書いたブログ記事です。

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