エルガー ゲロンティアスの夢 Op. 38 

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粛々と進めている「のだめカンタービレに登場する音楽を聴いてみる」企画。  今日は三善さんちの竹おじさんが意外と良く知っていたエルガー曲集からの1曲です。  オラトリオ「ゲロンティアスの夢」。  実は KiKi はこの曲はのだめに出てくるまで、聴いたこともなければタイトルを目にしたことすらありませんでした ^^;  で、当初は「これってどのカテゴリーの曲なんだ???」という状態で KiKi のクラシック音楽CD御用達店 HMV で探しまわること数時間。  交響曲でないことだけはタイトルからして明白なんだけど、「管弦楽曲」なのか「器楽曲」なのか「室内楽曲」なのか「オペラ」なのか「声楽曲」なのか、てんで見当がつかなかったのです ^^;  まあ、歩き回っているうちにこれがオラトリオであることが判明したんですけどね(笑)

でもね、言い訳するわけじゃないけれど、KiKi がこの曲を知らなくてもまあ、仕方ないと思うんですよ。  だって、この曲って2005年3月までに日本では4回しか実演されたことがないらしい・・・・・・。  まして、エルガーっていう作曲家は学校の音楽室にも肖像画が飾られていないし、ピアノ曲に有名な曲もないし・・・・・・。  (KiKi の場合、やっぱり主軸にあるのはピアノ曲を作曲している作曲家の音楽で、そこから Pコン → 交響曲 → 管弦楽曲 & ピアノ以外の協奏曲 → 器楽曲 → 室内楽 → オペラや声楽曲 という順番でCDコレクションをしてきています。)  ま、いずれにしろ、てなわけでこのCDは KiKi のクラシック音楽鑑賞ライフの中では比較的最近入手したCD(のだめ 6巻発売以降)なので、さほど聴きこんでいる状態ではないことをまずはお断りしておきます。

エルガー オラトリオ「ゲロンティアスの夢」 Op. 38
EMI 0946 3 91973 2 3  演奏:サー・ジョン・バルビローリ(指揮) & ハレ管弦楽団 ジャネット・ベイカー(Ms)、リチャード・ルイス(T)、キム・ボルク(Bs)、ハレ合唱団、シェフィールド・フィルハーモニック合唱団、アンブロシアン・シンガース 録音:1964年12月

51h26CHN9UL__SL500_AA240_.jpg  (Amazon)

  

ちなみにこの曲、日本では上記のとおり極めて演奏機会が少ない曲・・・・なんだけど、エルガーのお膝元、本場英国ではほぼ月1ペースで演奏されている曲なのだそうです。  で、ヘンデルの「メサイヤ」、メンデルスゾーンの「エリヤ」と共に「英国3大オラトリオ」と呼ばれているらしい・・・・。  ただ、KiKi にはよくわからないのは、イギリスって英国国教会の国でしょ。  で、エルガーは確かカトリック信者。  この曲のテキストに使われているのが、イギリスの詩人ジョン・ヘンリー・ニューマンの同名詩で、このニューマンという人は英国国教会の聖職者からローマ・カトリックに改宗し、後に枢機卿にまでなった人物・・・・・ということなので、このあたりの宗教的な関係性がチンプンカンプンなんですよね~。

そもそも「オラトリオ」って元来はローマ・カトリック教会の宗教曲じゃないかと思うんですよ。  でもね、結構プロテスタント国であるドイツ系の作曲家たちも聖書などから取った台詞を使ってオラトリオ(もしくはオラトリオチックな宗教曲?)を書いているし・・・・・。  英国国教会とローマ・カトリックって仲が良かったんだろうか???  それとも芸術作品は別扱いなのかなぁ?????

 

因みにエルガーのお父さんは楽器店を営み、同時に幾つかのオーケストラでヴァイオリンを弾き、ウースター大聖堂(カトリックの大聖堂らしい・・・・)というところのオルガン奏者も務めていたという人物です。  で、子供時代のエルガーはそのお父さんが演奏している間、オルガン・ロフトで長時間を共に過ごしていたのだとか。  で、エルガー一家の信仰的な背景はもともとイギリス国教会にあったものの、実はカトリックとプロテスタントが混じり合っているような宗教環境だったとのこと。  う~ん、やっぱり八百万の神々の国の人間にはキリスト教ってよくわかんないなぁ。  一方で「サン・バルテルミの虐殺」とか「ユグノー戦争」とかある一方でこんな(↑)風に仲良く(?)共存できていたりする例もあるし・・・・・ ^^;    

さて、この曲です。  この曲のベースにある物語を大雑把に言うと、「ゲロンティアスという名前のキリスト教信者が現世から来世への旅をする際に見る幻。  ゲロンティアスは歌う天使の群にも地獄の悪魔にも会う。  しかし、最後の審判の席で救いの望みを託される。」  因みにエルガーはこの曲についてこんなことを言っています。

見て欲しい。  私はゲロンティアスが我々と同じような人間だと考えている。  司祭でも聖人でもなく、罪人なのだ。  無論悔い改めてはいるが、実生活では依然、どうしようもなく世俗的な人間だ。  それが今や弁明を求められている。

ある意味でエルガーは聖書の内容、もしくは聖書に書かれている神学的な含蓄を音楽で表そうとした作曲家なんだろうと思います。  だから、この「ゲロンティアスの夢」を聴くと、何て言うか、不思議な宗教的な体験をしたような気分になるんですよね。  テクストを首っ引きで聴いてみたことはないけれど、何て言うか、どんな情景で何を歌っているのか想像がついちゃうというか、写実的な描写に満ち溢れている感じがするというか・・・・・。  

全体は第1部と第2部に分かれていて、第1部は重苦しい雰囲気に支配されています。  「不安」「恐れ」といった感情です。  恐らく病の床にあって「死」と対面しているんだと思います。  で、第1部の最後で人間_ゲロンティアスはご臨終・・・・・・。  そして第2部ではゲロンティアスの魂の物語が始まります。  (肉体は滅んじゃっています。)  で、魂_ゲロンティアスはまず天使に出逢い、天使を天使と認めつつもどこかいぶかしむような気持ちを持ちながら天使についていくと悪魔が登場します。  悪魔はゲロンティアスを堕落させようと呪いの言葉攻撃をしかけてきます。  ここ、はっきり言ってスゴイです。  サスペンス映画みたいです。  フーガ(?)になっているんだけど、聴き応え満点です。  で、ゲロンティアスは天使の導きによって何とか悪魔の巣窟をくぐり抜けて、今度は聖霊たちの歌声を耳にします。  この音楽の響きによりようやく「恐れ」から解放されたゲロンティアスは裁き主の前に進み出ます。  そして神の姿に触れたゲロンティアスは浄化されます。  ここもスゴイです。  法悦っていうのはこういう状態か?(もしくは悟り?)と思わせてくれる音楽です。

う~ん、オラトリオとか受難曲ってヤバイんですよね。  ある種の洗脳効果のある音楽だと思うんですよ。  あまり何度も何度も聴いて感動していると、ふと気がつくとキリスト教に入信したくなっちゃうんですよ(笑)  まあ、幸いなことに結構長い曲が多いから、気持ちと時間にゆとりがないと聴けない・・・・・っていうのがそのリスクから身を守る手段(?)になってるような気がします(笑)

(追記)
このエントリーは2009年12月25日、yokochan さんの関連記事に TB させていただきました。

  

 

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コメント(2)

kikiさん、こんにちは。
ご無沙汰をしております。
コメントを入れましたが、飛んでしまったようです。

きっぱりと都会生活から脱却されましたね。
ロスロリアン、花咲く地、とてもいい言葉です。
現世に執着心の強いわたしも、昨今の殺伐とした日々にはさすがに厭いております。
音楽だけが心のよりどころなのであります(涙)

ゲロンティアスの夢は、エルガー好きからは、ゲロ夢などとあまり美しくない呼ばれ方をしておりますが、皆さん愛するが故の呼び名でして、オペラを書かなかったエルガーの一番劇的な声楽作品ではないかと思います。
生真面目な人だったのでしょうね。
お気に召されましたら、「使徒たち」「神の国」などもお試しください。
 おっと、リスク回避がありますね(笑)
わたくしは、暇人なものですから、こうした大曲やワーグナーに日々どっぷりとつかっておりまして、しっかりとそちらの世界にも片足を入れつつありますよ(笑)

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