「ニーベルンゲンの歌」を読む 石川栄作

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さて、今日は先日ご紹介した「ジークフリート伝説」の前に石川栄作教授が書かれた「『ニーベルンゲンの歌』を読む」をご紹介したいと思います。  この本も再読だったのですが、今回は「ニーベルンゲンの歌 (岩波文庫)」を傍らに置きながら読み進めたので、又、新たな発見があったように思います。

「ニーベルンゲンの歌」を読む
著:石川栄作  講談社学術文庫

51XQHAPR6GL__SL500_AA240_.jpg  (Amazon)

古代ゲルマン英雄伝説と華麗で雅やかな中世騎士文化、この2つが見事に融合した「ニーベルンゲンの歌」はドイツ文学の最高傑作であり、一大記念碑でもある。  主人公ジークフリートとクリエムヒルトが秘める二重生活、また、結婚と招待、復讐のもつ意味を精細に分析し、民族の歴史と共に語り継がれてきた伝説の系譜にゲルマン文化の変遷を辿り、作品の意義と魅力を語る。 
     (単行本裏表紙より転載)  

先日の「ジークフリート伝説」とダブっている記述も散見されるけれど、こうやって立て続けに2冊を読んでみると、今までの読書以上に頭に残ったような気がします。  この本に関しては恐らく過去に2回は読んでいるはずなんだけど、今回読み直しながら「そうそう、そういえばそういうことが書いてあったんだっけ!」と何度思ったことか!(笑)  まあ、初読の時は肝心要の「ニーベルンゲンの歌」よりもワーグナーのリングだけを意識しながら読んでいた・・・・という嫌いもなきにしもあらずだったし、2回目は通勤途中の電車の中で途切れ途切れに読んでいたので、何となく印象が薄い・・・・ということがあったように思います。

今回改めて読み直してみて、一番 KiKi の注意をひいたこと。  それは「第4章 悲劇の二重構造」の中にある以下の記述でした。

ジーフリトの死にはニーベルンゲン財宝の霊力が働いていたことが明らかである。  ジーフリトは今やニーベルンゲン族と呼ばれていることにも注目する必要がある。  ニーベルンゲン (Nibelungen) とは「霧の国の人々」、すなわち、「冥界に行くべき人々」を意味し、ニーベルンゲンの宝を持つ者は滅びなければならない。  ジーフリトはニーベルンゲンの宝の所有者となり、ニーベルンゲンの国の主人となったがために、滅びなければならない運命にあるのである。  ここには古代ゲルマンのニーベルンゲン伝説に由来する不思議な力が作用しており、前編の主人公ともいうべきジーフリトは最初から死すべき運命にある古代ゲルマンの英雄である。  (以下略)

このように前編では侏儒族からニーベルンゲンの財宝を奪い取ったジーフリトがニーベルンゲン族と呼ばれていたのに対して、後編においてはフン族の国へ出かけるブルゴント族がニーベルンゲン族と呼ばれていることは注目すべきである。  今や滅びていくのは、ジーフリトから財宝を奪い取ったブルゴント族である。  前編と同じように後編においてもここでは素材に由来する財宝の呪いが支配しており、ブルゴント族は、ニーベルンゲンの財宝をクリエムヒルトから無理やり奪い取ったがためにジーフリトと同様、所有するや否や、滅びていかなければならないのである。 (以下略)
     (本文 p.215-216 より転載)

以前、KiKi は「ゆびわの僕(裏ブログ)_Lothlórien開設時にこちらに統合」で「ニーベルングの指環が象徴するもの」というシリーズもののエントリー (1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8)を書いているのですが、その頃にはこの本を一読していたにも関わらず、ここに書かれていた内容に関してはすっかり頭から抜け落ちていました ^^;。  そうかぁ、「ニーベルンゲンの指環」の「ニーベルンゲンの」には実は深~い意味があったんですね!!  あのエントリーはどこかで訂正(もしくは追記)しなければならないだろうなぁ。    

因みに・・・・と思って「ニーベルンゲン」でググってみても、それっぽい記述(or 説明)はないし、KiKi が大学時代に何をトチ狂ったか、ドイツ語もちょっとだけやってみようかと思って(第2外国語はフランス語だった;因みにこの勉強は長続きせず・・・・・ ^^;)購入した「新アクセス独和辞典」でもこの際調べてみたんだけど、「ni」で始まる単語はいきなり「nich」(英語の not )で、「ニーベルンゲン」は載っていなかった・・・・です。  これはこのあたりを解明するためには別の書籍に当たるしかないんでしょうか? 

でもね、そうだ・・・・と思って「ニーベルング」でググってみたらありましたよぉ。  はてなダイアリー。

ニーベルングとは「霧の国の人」を意味し、霧の国とは北欧神話で言うところのニブルヘイム、冥界を意味する。  つまり、ニーベルング伝説とは英雄が冥界に潜って財宝又は花嫁を得て、愛(死)して神に転生する話と、その冥界の財宝を巡って人々が殺しあう話である。  だから、全編に冥界下りのモチーフがこれでもか、これでもかというほどに何度も何度も重複して現われる。

また、「命の水」で紹介している民話群との関連も深い。  ニーベルング伝説が民衆化され簡略化したものが「命の水」なのではないか。  不死を得るための冥界下り、龍退治、眠る女王と一夜婚、嫉妬した兄弟分たちが英雄を暗殺すること、英雄の死後に彼の妻が軍を率いて兄弟分たちを殺し、復讐を成し遂げること......など、ずいぶん単純化してはいるが骨の部分は踏襲されている。

ニーベルング伝説は本来 『エッダ』の中に書かれているような北欧に伝わる断片的な伝承で、それをまとめて ひとつながりの物語にした13世紀頃の『ヴォルスンガ・サガ』、同じ頃に成立した、キリスト教化したドイツの抒情詩『ニーベルングの歌』、さらにそれらをアレンジした19世紀のワーグナーの歌劇『ニーベルングの指輪』などがある。その他、この伝説を元にした戯曲は複数存在する。
   (はてなダイアリーより転載)

なるほど~。  そういうことですか!  確かに「ニーベルング(ニーベルンゲン)」と「ニブルヘイム」って言われてみれば似たような音だけど、言われるまで気がつかなかったですね~。  

う~ん、真面目に取り組めば取り組むほど、これは「老後の暇つぶし」程度の話じゃないような気がしてきました・・・・・ ^^;  だいたいこの本に出てくる様々な参考文献なんて、その多くがAmazon で検索しても「現在お取り扱いできません」っていう感じだしなぁ・・・・。  これはやっぱり地道に神田あたりの古本屋漁りをしないと無理っぽいのかもしれません。

・・・・・と

ここまで書いていたらわが家のチャイムが鳴りました。  インターホンで確認するとどうやら Amazon からのお届けもののようです。  で、受け取ったのは、先日ネットで注文しておいた

ドイツ中世叙事詩研究
著: 相良守峯  郁文堂出版

画像はありません。  悪しからず・・・・   (Amazon)

 

 

重っ!!!!

 

 

久々にケースに入った厚紙表紙で背表紙が金文字の本を手にしました。  いや~、学生時代以来だよ、こんな分厚い、本らしい本を抱えたのは・・・・。  でも、こういう本を持つと、自分が文学部の学生だったことを懐かしく思い出せて、たまにはいいものだなぁ。  でもこの本はいつ、どうやって読めばいいんだぁ????  これはやっぱりLothlórien_山小舎の薪ストーブ前での読書用の本かなぁ・・・・・・。

このエントリーは2010年1月10日、四季さんのブログの関連記事に TB させていただきました。 

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コメント(2)

わー、「ドイツ中世叙事詩研究」だなんて
ものすごくそそるタイトルです。読みたい読みたいー。
世界中の叙事詩を読み尽くしたいと真剣に思ってる私ですが
ほんとハードルが高いんですよね…
まず日本語に訳されてないものも多いし。
訳されていても、半分以上が散文の形になっちゃってるし。
そうでなくても「現在お取り扱いできません」ばっかり。

でもそんな時は、こういう本で梗概を知るだけでも…!
と思っても、この本からして「現在お取り扱いできません」… はああ。(笑)

市内の図書館にもないようなんですよね。
まあ、探してもらえばどこかで見つかるとは思いますが…

まずはKiKiさんの記事を楽しみにさせていただきますね!

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2010年1月10日 10:36に書いたブログ記事です。

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