「ニーベルンゲンの歌」の英雄たち W. ハンゼン

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さて、なかなか重量感のある本やら音楽やらにひたっている今日この頃・・・・・ですが、ここいらで「ニーベルンゲン繋がり」ではあるものの、若干軽め(?)の本を読んでみようかな?と思います。  ま、これを「軽い」と見るか、「重い」と見るかは人それぞれだとは思うんですけど・・・・・ ^^;  その1冊とはこちら(↓)です。

「ニーベルンゲンの歌」の英雄たち
著:W. ハンゼン 訳:金井英一/小林俊明  河出書房新社

51S25SMCTBL__SL500_AA240_.jpg  (Amazon)

KiKiはねぇ、とにかく「ニーベルンゲン」で始まる書物を探しまくった過去がありまして・・・・。  その時に比較的入手しやすい(お値段的に・・・・だったり、絶版になっていない・・・・という条件だったり)もの、もしくは何となくフィーリングで「コレ!」と思ったものを少しずつ買い集めてきたっていう経緯があります。  ま、その際に今年に入ってからこれまでにご紹介してきている本だとか随分昔のことになっちゃうけどご紹介したこの本だとかを揃えたわけですが、今日ご紹介しているこの本はそのリストの中から購入したわけではありません。  じゃ、これを購入したいきさつは・・・・・と言えば、ズバリ書店で見かけたこの表紙の雰囲気・・・・・であります。

ど真ん中にある真っ赤な剣(バルムンクでしょうか?)も何だかカッチョイイし、左端の青緑っぽい色で描かれた「ジークフリート竜を退治する」の絵もいいし、ど真ん中の中世戦闘絵巻っぽい絵も何ともキャッチーでねぇ(笑)

で、本屋さんで立ち読み状態で「まえがき」部分をさらっと流してみたら、「ニーベルンゲンの歌」に登場する人たちは歴史上人物の誰にあたる?を探った本・・・・とのこと。  ま、真偽のほどはともかくして、こういうお話って悠久のロマンを感じて、想像するだけでも楽しいじゃないですか!  

古い世の物語には数々のいみじきことが伝えられている。
ほまれ高い英雄や、容易ならぬ戦いの苦労や、
よろこび、饗宴、哀泣、悲嘆、また猛き勇士らのあらそいなど、
あまたのいみじき物語を、これからおん身たちに伝えよう。
   (「ニーベルンゲンの歌」 第1歌謡 岩波文庫 相良守峯  より転載)

古(いにしへ)の譚話(ものがたり)に数々の奇しきことども語り伝へらる。
誉れ高き偉丈夫(ますらを)ばら、いとどしき艱難辛苦、
歓喜(よろこび)と饗宴(うたげ)、涙と歎きのことども、
さては勇しき武夫(もののふ)の闘ひの奇しき話をいざ談り(かたり)申さん。
   (「ニーベルンゲンの歌」 第1歌謡 東洋出版 服部正巳  より転載)

相良さんの訳の方が断然読み易いけど、服部さんの訳だと文語調で雰囲気があっていいですね~。  ま、そんな「古の譚話」とやらにどんなものがあったのか興味は尽きず・・・・・ということで購入した本がこの本っていうわけです。  因みにこの本でルーツが検討されている「ニーベルンゲンの歌」の登場人物はこんな感じです。

グンター王
ブリュンヒルト
ジークフリート
ハーゲン・フォン・トロニエ
リューディガー・フォン・ベッヒェラーレン
エッツェル王
クリームヒルト
ディートリッヒ・フォン・ベルン
フォルカー・フォン・アルツァイ

うんうん、メジャーどころは押さえてありますね、ヒルデブラントを除くと・・・・・(笑)

 

今回、KiKi は再読だったんだけど、一読した際の印象は?と言えば「ダヴィンチ・コード_ニーベルンゲンの歌版」っていう感じでしょうか?  作者の W. ハンゼンさんは元はと言えばジャーナリストだった方ということで、文章も比較的読み易いし、そこそこ調査結果等々についても書かれているので読んでいる中で「ふ~ん、なるほどね~」という納得感・・・・みたいなものもあるし、ついでにそこそこ面白い(笑)  たまたまこの本を初めて読んだときは「ダヴィンチ・コード」を読んでいた頃と重なっていた・・・・・ということもあり、KiKi の「ヨーロッパ史関連本への興味」を回帰するきっかけを促してくれた本の1冊でもあります。 

どの人物に対する評も面白かったんだけど、特に KiKi にとって面白かったのは、やっぱりブリュンヒルデとジークフリートの2名です。

ブリュンヒルデ: 西ゴート族の王アタナギルトの娘で、メロヴィング家のジギベルト1世に嫁した6世紀の女王。  

このフランク族メロヴィング王家のお家騒動の話なんかは、あたかも「ニーベルンゲンの歌」を地でいっているようで、まあ烈しいこと、おどろおどろしいこと、殺伐たること・・・・。  まさに血で血を争うっていう感じです。  そんな中、このブリュンヒルデさんは「甲冑に身を固め、手には盾、腰には剣を帯び、馬にうち跨っては従者たちの先頭に立った」とのことで、まさに戦乙女を地でいっている感じです。  彼女の最大のライバル、フレーデグンデという人がこれまた烈しい鬼女っていう感じで、「ニーベルンゲンの歌 後編」のクリームヒルトを彷彿とさせるようなところもなきにしもあらず。  最期はフレーデグンデの息子に殺されちゃったらしいんだけど・・・・・ ^^;  でも、戦乱の世をたくましく生き抜いた女丈夫っていう感じでカッコイイ(笑)  

ジークフリート: ジークフリートこそは英雄の権化そのものであって、人間のファンタジーが生み出した架空の存在であり、人間の集合的無意識の産物として、先例としてのモデルなど一切持たない根源的形態それ自身である。  (本文より転載)

あれやこれやと考察した挙句、この(↑)一文があり、「なぁ~んだぁ フゥ・・・・」と思わせておいて、その後に結構笑えるお話が続くところが KiKi のツボでありました。  それはね・・・・・・・

もしこの説(上記、転載した部分)が正しく、実際ジークフリートが、太古型の英雄であるとするならば、彼は時間を超越していなければならない。  (なんでだかよくわからないけど・・・・ by KiKi)  つまり今日も存在していなければならない。    (中略)  それはどうやら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジェイムズ・ボンド     のことであるらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はぁ?????  っていう感じでしょ(笑)  でもね、ハンゼンさんは大まじめにその理由を挙げていらっしゃるんですよね~。  (ご本人の意見だけではなさそうだけど・・・・・・)

曰く、

ジェイムズ・ボンドは(ジークフリートと同様)、「英雄の原型」である。

ジェイムズ・ボンドは(ジークフリートと同様)、悪魔的存在と闘う。

ジェイムズ・ボンドは(ジークフリートと同様)、悪魔のような敵を打ち負かすことができる尋常ならざる武器を所有している。

ジェイムズ・ボンドは(ジークフリートと同様)、財宝、例えばフォート・ノックスの金塊や、イギリス銀行の金の延べ棒のために闘う。

ジェイムズ・ボンドは(ジークフリートと同様)、悪魔的存在と闘う。

ジェイムズ・ボンドは金持ちではないが、しかし女王陛下の諜報部員として(ジークフリートと同様)、「大富豪、あるいは産業界のボス以上に」銭金を自由にできる。

ジェイムズ・ボンドは(ジークフリートと同様)、時に現行の法律や道徳観を無視して殺人を犯す。  それでも彼は大衆の共感を失うことはない。  彼は殺人の権限を持ち、その許可さえも得ている。

ジェイムズ・ボンドは(ジークフリートと同様)、女性たちを窮地から救出してやると、すぐ彼女たちを愛するようになる。

ジェイムズ・ボンドの女性の扱い方は(ジークフリートと同様)、身勝手だが、しかし彼は大衆には人気がある。

ジェイムズ・ボンドは(ジークフリートと同様)、寝室のドアに関する限り、節操も礼儀も知らない。

ジェイムズ・ボンドは(ジークフリートと同様)、儀礼や作法に大きな価値を置く人間である。  彼は社交場でエチケットに反した行為を回避しようとして時に危機に陥る。

しかし・・・・・・・

両者は一点においてはっきりと相違する。  すなわちジェイムズ・ボンドにとってはハーゲン・フォン・トロニエに相当する人物、つまりボンドを殺す殺害者は存在しないのだ。  

 

 

 

chirol_bak1.gif キャハハハハ!!!

 

 

さんざん色々と列挙しておいて最後はソレですか??っていう感じなんだけど、笑わせてくれちゃうと思いません??

ま、いずれにしろ、こういうのってある意味では楽しい想像遊びっていう感じがして、KiKi も決して嫌いじゃないだけに楽しめちゃいました。

あ、ここまで遊び心があるような書き方がされているのは「ジークフリート」のみで、他の皆さんに関してはもうちょっと真っ当な(?)考察が書かれている本なんですよ。  ま、こんな本もたまにはいかがでしょうか? ということでご紹介してみました。    

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2010年1月13日 06:23に書いたブログ記事です。

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