シューベルト ピアノソナタ第16番 D. 845 (Op. 42)

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ここのところ純粋な音楽鑑賞のエントリーを書いてこなかった KiKi。  昨日書いたエントリーも音楽鑑賞しながら・・・・・のものではあったけれど、どちらかというと「ラッカムの素敵な挿絵の本、ご紹介」っていう感じのエントリーになっちゃっていましたものねぇ(苦笑)  ま、てなわけで久々に「のだめカンタービレに出てくる音楽を聴いてみるシリーズ」を決行したいと思います。  で、のだめエントリーをチェックしていたら、なんと今回は久々にピアノ曲じゃあ~りませんか!!  しかも、ドラマ版のだめでもかなりの印象度で演奏されていたこの曲でした。  ま、てなわけで今日の KiKi の1曲はこちらです。

シューベルト ピアノソナタ第16番 D. 845 (Op. 42)
DECCA 440 305-2 演奏:A. シフ(pf) 録音:1993年
 
41QA6J5AS5L._SL500_AA240_.jpg   (Amazon)
 
実はKiKi が持っているのはこの(↑)盤ではなくて、まだ1枚ずつリリースされていた頃にコツコツと集めた盤なんですけど(こちら)、まあ、中身は一緒(但しこの盤はシューベルトピアノソナタ全集)なのでとりあえずこちらでリンクしておきますね。
 
KiKi はね、実は昔はシューベルトのピアノソナタってあんまり好きじゃなかったんですよね~。  シューベルトのピアノ曲だったらソナタじゃなくても「即興曲」や「さすらい人幻想曲」の方が素敵だし、だいたいなんとなく冗長な感じがするし、ついでに番号体系がしっかりしていなくてわけわかんないし・・・・^^; って思っていたようなところがあるんですよ。  でもね、そんな KiKi の「シューベルトのソナタ嫌い」を払拭してくれたのが以前このエントリーでご紹介したブレンデルによる最後の3つのソナタの演奏でした。
 
で、次に出会って感銘を受けたのがこちらのエントリーでご紹介したラローチャのもの。  さらにアラウの演奏に出会うに至って「おやおや、こりゃシューベルトのピアノソナタを侮っちゃいけないぞ!」と思うに至ったのです。  ま、そんなこんなで「シューベルトのピアノソナタ嫌い」がほぼ完治した頃にシフがシューベルトのピアノソナタ全集の録音に取り組み始めたというニュースを耳にしました。  当時のシフはバッハの演奏(こちら)で再評価されていたりしたということもあって、「この際、シューベルトのピアノソナタ全集はシフで集めよう!」と思った・・・・・というわけです。
 
この曲は「のだめ」ではマラドーナ・コンクールの演奏曲として紹介されていて、のだめちゃんのこの曲の演奏を聴いたオクレール先生が彼女をコンヴァトに誘ってくれた・・・・という、彼女の岐路を分けた曲なんですよね~。
    

ドラマでは第1楽章しか演奏されていなくて、あそこはあそこで素敵な曲なんだけど、実はこの曲、第4楽章まであるんですよね~。  シューベルトのソナタは未完のものが多い中、さらに言えば完成しているソナタでも3楽章形式のものも散見される中、な、な、なんと4楽章!  それなのにドラマでは第1楽章しか扱ってくれなかったんですよね~。  まぁ、クラシック音楽にさほど馴染みのない人にとっては第1楽章のみでも、ちゃんと聴くと長すぎるのかもしれませんが・・・・・^^;  それにシューベルトのピアノソナタってやっぱりどこか冗長だしねぇ。

ま、それはさておき、実は KiKi がこの曲の中で一番好きなのはあのドラマで何度も聴かせてもらった第1楽章じゃなくて、実は第2楽章。  変奏曲形式で、どことなく古典派の影響を引きずっているようなところもあるこの音楽を、シフの演奏は何とも優しく何ともまろやかに、ゆったりと、聴かせてくれます。  ああ、何だかあったかい羽毛布団に包まっているかのような安心感だなぁ。  妙に尖った音がないところがいいんですよね~。  

因みにシューベルト君、31歳で世を去るまでに21曲のピアノソナタを書いたんですけど、そのうち完成させたのは約半分の11曲。  さらに、その完成させたソナタの中で彼の生前に出版されたのはたったの3曲。  その3曲の中の1番手がこの第16番のソナタだったんですよね~。  作曲当初からそこそこの人気を得られた証拠ですね。  

今回、久々にシューベルトのピアノソナタを聴いていて感じたことがあります。  それはね、シューベルトって常にベートーヴェンと比較されていた(あて馬的に見られていた)ということをもっとちゃんと感じてあげなくちゃいけないんじゃないかな・・・・ということ。  そして若くして亡くなってしまったことにより、充分に推敲したりする時間が与えられていなかったという事情についてもね。  そういうことを抜きにしてシューベルトの音楽を語ってはいけないんじゃないか、そんな気がしてきちゃったんですよね。  だってね、よ~く考えてみるとシューベルトってベートーヴェンが中期の「傑作の森」のソナタ群を書いていたちょうどその年齢の頃には、ブレンデルの演奏でご紹介したあの最高傑作の第21番のソナタ(D.960)を書いていたんですよ。  

う~ん、彼がもっと長生きしていれば、もっともっと素敵なピアノソナタを残してくれていたに違いないんです!  そんな風に考えてみると、「シューベルトのピアノソナタぁ??  あんまり食指が動かないなぁ」な~んて言っているのは罰当たりなことのような気がしてきちゃったんですよね。  まあ、この曲の第3楽章のスケルツォなんかを聴いていると、「・・・・とは言うものの、これはスケルツォだろ??  もっとはじけてくれぇ~!」というような気分にもなったりはするんですけどね(苦笑)    

ところで・・・・・・  この曲、今日まで知らなかったんだけど、ベートーヴェンの弟子 兼 パトロンとして有名なルドルフ大公に献呈されていたんですねぇ。  シューベルトとも何らかの接点があったんでしょうか?  これまで KiKi が読んできたシューベルトの伝記ではあんまり印象がないんだけどなぁ・・・・・。

 

追記: このエントリーは2010年2月23日、 yurikamome さんのブログの関連記事に TB させていただきました。

 

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 今日はシューベルト作曲、ピアノソナタ第16番 D.845。ポリーニのピアノで。  結構ドラマティックでダイナミックなこの曲の2楽章、このためらい、そし... 続きを読む

コメント(2)

どうもご無沙汰しております。
この曲はいいですよね。
今もまた聴いています。
シフの演奏はまだ聴いたことがないのでお奨めとあらばぜひ聴いてみることと致します。
シューベルトのKiKiさんの苦手な感じってピアノにはさわらない私も同じことではないですが感じることがありまして、果てしなくいつまでも続くと思うような長~いソナタ、それが平面的にいつまでも続くものだから、一旦その語り口の虜になるとはまるのですけど、どうも長さばかり気になったり、なんといいますか、自分ちのコンサートで自分でやることを前提に作ったのはないかと、いや、興に乗っているうちにできてしまったのではないかと私は素人考えで思ったりもするのです。
いつもの私の妄想ですが。
なわけで、人柄も人当たりもメチャクチャよいのですが話が長いと言いますか、そんな風に思ってしまったときがあるのです。
実はちょっと苦手でした。
交響曲などを聴いても構成が弱いし。
でもその語りに魅力を感じてしまった今はそんなことはないですが。。。。。
私が感じたその感触は私がブルックナーが苦手だったときにちょっと似てるんです。
いい曲なんですけどね。
そんなわけでシューベルトに開眼したのは私はわりと遅くて、まだ発展途上なんですが、いい情報ありがとうございます。

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