大草原の小さな町 ローラ・インガルス・ワイルダー

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ブログのお化粧直しに夢中になっていた間も若干スピードダウンはしたものの、読書 & 音楽鑑賞にはそこそこ励んでいた KiKi。  あまり長い間それを放置しておくと年齢が年齢なだけに、印象やら考えさせられたことを忘れちゃう(^^;)ので、とにかく何らかの読後感を記録として残しておきたいと思います。  てなわけで今日の KiKi の1冊はこちらです。

大草原の小さな町
著:ローラ・インガルス・ワイルダー 訳:谷口由美子  岩波少年文庫

51YJTK1NMHL__SL500_AA240_.jpg (Amazon)

ローラたちの一家は厳しい冬にそなえて町に移ってきた。  町での暮らしは、農場育ちのローラ姉妹にとって楽しいことばかりではなかった。  姉メアリとの別れ、先生との対立、クラスメートのいじめ、将来への不安とあこがれなど、さまざまな体験をとおして成長してゆくローラが描かれる。

「この世で暮らすのは、闘いですよ。  ひとつにたちむかったと思ったら、すぐに次のがあらわれるんですから。  ずっとそうだったし、これからもつづくのよ。  そういうものだとさっさと覚悟してしまえば、楽になって、今持っている幸せに感謝できるようになりますよ。」

波乱万丈(?)だった「長い冬」と比較すると、穏やかな生活の営みが細やかに描かれる本編ですが、その中で唯一と言っていいかもしれない厳しさ、「自然 vs. 人間」のさまが描かれている「第9章 ブラックバード」に出てくるかあさんの言葉です。  「この世で暮らすのは闘い。  早くそれに気がつき、覚悟する」というのは本当に必要なことだと KiKi も思います。  但し、闘う相手を間違えちゃいけないと思うんですけどね(笑)。

このシリーズを再読してみようと思ったきっかけは、この冬の Lothlórien_山小舎の大雪 & 寒さにびっくりしちゃって、それに負けない「力」を得たいと思って「長い冬」を手に取ってみたから・・・・・だったんだけど、こうやって2冊目を読了してみると、KiKi が山小舎暮らしみたいなことを志向してきた、その気持ちの原点がどこにあったのかがぼんやりとではあるものの、ほんのちょっぴり見えてきたような気がします。  だいたいにおいて、この物語を子供の頃に夢中になって読んでいた・・・・というところに KiKi のある種の根強い懐古趣味みたいなものがあったように思うんですよね~。  

でもね、KiKi の場合は高度成長期に子供時代を過ごしてきているわけだから、モノに不足こそしていないけれどさほど多くは持っていなかった時代とモノがあふれ始めた時代の両方を体感しているので、この物語に描かれている時代に感情移入するのは比較的簡単なんだけど(それでも KiKi の両親の世代からしてみると、甘い感傷にしか見えないかもしれないけれど ^^;)、モノが既にあふれている現代に生を受け、子供時代を過ごしている「イマドキの子供たち」には、さっぱり理解できない世界なのかもしれません。

ま、それはさておき、KiKi の現代アメリカの食事情考察(?)では、アメリカの食べ物っていうのはホントに味気なくて、短時間でさっとできてお腹が膨れればそれでよし・・・・みたいな食べ物が多いっていう印象が強いんだけど(ジャンクフードの類とか・・・・)、この物語に出てくるローラのかあさんや開拓時代の奥さんたちが作る食事っていうのはどうしてこんなにも美味しそうなんでしょうねぇ??  食べ物の描写が出てくるたびに「う~ん、是非お相伴にあずかりたい!」と思いました。  (さすがに「長い冬」の食糧不足期の食べ物だけは、「お相伴にあずかりたい」というよりは「経験のためにちょっとだけなら試してみようかな?」ぐらい・・・・だけど ^^;)

  

そうそう、もう1つ忘れちゃいけないのがこの時代のアメリカ人が持っていた(のであろう)共通のピュアな「自由を求める気持ち」。  実は KiKi は高校生の頃、ほんの数回だけ「アメリカ独立宣言」の全文を読んだことがあるんだけど、それがどんなものだったか今となってはうろ覚えになってしまっているので、これを機会に再読してみようと、ググッてみました。(こちら)

さすが歴史的な宣言文だけあって、理想に燃えちゃっていてちょっと眩しすぎるような気がしないでもないけれど、でもローラ・・・はともかくとして、まだ幼い妹たちさえもこの全文を暗記していて、独立記念日のイベントでそれを復唱したりしている姿は何となく微笑ましく感じられました。  そしてもっと印象的だったのが独立宣言の暗証に続くのが「イギリス王の犯したおそろしい罪」の朗詠だったということ。  いや~、さすが物事の白黒をはっきりつけたがる性向の強い国民です。  これって今の時代の「悪の枢軸」とか「大量破壊兵器」な~んていう言葉ができあがった過程と根っこの部分では同じ精神だよなぁと思うとちょっぴり複雑です。

でも、そこで KiKi をそっち方面の思索に耽らせてはくれなくて、この物語に引き戻してくれたのが以下の「ローラの気づき」の描写でした。

アメリカ人は、地上のどんな王にも従わない。  なぜならアメリカ人は自由だからだ。  それは、自分の良心に従うということだ。  どんな王もとうさんに命令はできない。  とうさんに命令できるのは、とうさん自身だけだ。  そうだ、あたしがもう少しおとなになったら、とうさんとかあさんは、あたしにああしろ、こうしろと命令しなくなるだろう。  そうなったら、あたしに命令する権利を持つ人はだれもいなくなる。  だから、あたしは自分で自分をいい人間にしなければならない。

ところどころに論理の飛躍がないわけじゃない・・・・とは思うけれど、宗教観ゆえに出てきた結論なのかもしれないけれど、「自由 ≠ 身勝手」ではないこと、自分のすることに自分の良心だけをベンチマークにして責任を負うためには、自分自身が「いい人間」になる努力が必要であると考えるローラに大人を感じます。

生きるための闘いが過酷であればあるほど、人は早熟するものなのかもしれません。  齢未だ15歳のローラが盲目の姉メアリーの大学進学費用のことを当事者意識を持って考え、自分が働くことによって家計を助け、姉の進学を支えることこそが「自分のなすべきこと」と考えるあたりも今の時代では考えられないことですが、ローラにとっては当たり前のことだったんでしょうね。  

必ずしも「学校の先生」になるというのがローラの本当にやりたいこと、夢ではないみたいだけど、「やりたいこと」と「なすべきこと」をきちんと考え分けることができるというのも、凄いことだと思うんですよね。  そして、それを「不幸」に結び付けない芯の強さを持つこと。  それこそが本当の意味での「人生の闘い」なのかもしれません。   

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2010年2月19日 11:28に書いたブログ記事です。

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