はじめの四年間 ローラ・インガルス・ワイルダー

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岩波少年文庫の「ローラ物語」も残すところあと2冊。  「長い冬」 から 「この楽しき日々」 まではそこそこ厚みのある本だったのですが、残りの2冊「はじめの四年間」と「わが家への道」はそれらに比べるとちょっと薄め・・・・なんですよね~。  KiKi は読書する際、必ず Ashford のブックカバー(文庫本ならこちら、新書ならこちら; 岩波少年文庫は新書用のものを使用)をかぶせて持ち歩くんですけど、本の厚みにあわせて折り返しを調節する部分に余裕があるかないか・・・・で手に持った感じと同じように本の厚みを感じるんです。  

で、「長い冬」 から 「この楽しき日々」 までは「新書用」のカバーなだけにちょっとブックカバーがちっちゃいかなぁ・・・・と感じながら持ち歩いていたんですが(新書って厚みのある本はあんまりないものね)、残りの2冊はおさまりがいい感じ。  と、同時に本を手に取るたびに「なんだかもうすぐ終わっちゃいそうで寂しいなぁ」と感じます。  ま、それはさておき、本日の KiKi の読了本はこちらです。

はじめの四年間
著:ローラ・インガルス・ワイルダー 訳:谷口由美子  岩波少年文庫

51NJ0CK9ZCL__SL500_AA240_.jpg (Amazon)

ローラは結婚して、厳しい開拓地で新しい家庭を築く。  長女ローズの誕生、小麦の大被害、生まれて間もない長男の死など、さまざまな出来事を経験しながら、明日への希望を持ちつづけて過ごした新婚の4年間。  (文庫本裏表紙より転載)

 

「この世はすべて公平にならされている。  金持ちは夏に氷を得て、貧乏人は冬に氷を得る。」  農業での成功を夢見るアルマンゾ(この本の中では愛称の「マンリー」で統一されています)がまるでお題目のように唱え続ける言葉です。  どことなく自虐的な感じがしないでもない・・・・と考えてしまうのは、いくら田舎暮らしに憧れているとはいえ、やっぱり KiKi が都会っ子になっちゃった証拠なのかなぁ・・・・と考え込んでしまいました。

とにかくローラの新婚時代の最初の4年間は苦労の連続です。  それにね、子供時代に読んだ時には気がつかなかったんだけど、前編の「この楽しき日々」でアルマンゾが新築した2人の新居はアルマンゾが DIY で建てたわけじゃなくて、借金してまでして(まあ、現在の日本ではそれが当たり前・・・・とも言えるわけですが)大工さんに建ててもらった家だったんですねぇ。

彼らの苦労は天災、病気、大火事、どんどん膨らんでゆく借金、そして長男の死ととどまる所をしりません。  う~ん、これは厳しい。  そんな描写を読み進めていくと、ホント、ローラじゃないけれど 「これで成功だといえるのかしら?」 と感じずにはいられません。  

どうやらローラは実は農業はやりたくなかったらしいんだけど、だったら何をやりたかったんだろう??  子供時代は大草原で暮らしていたローラだけど、やっぱり途中から「町の子」になっちゃったようなところがあるのかもしれませんね。  学校の先生も経験しているし、お針子として洋品店で働くことも経験しているから、やっぱり第一次産業よりは第二次産業が、第二次産業よりは第三次産業がいいなぁと思っていたのかもしれません。

    

苦労続きの最初の4年間の結論。  それがマンリーの言葉に凝縮されています。

要は、自分がそれをどう見るかにかかっているんだよ

これって、実はもの凄~く深い、哲学的な言葉だと思うんですよね。  子供時代からずっと農業で頑張ってきたアルマンゾならではの芯 & 粘りの強さも感じます。  その言葉を聞いたローラが感じたこと。  それはアルマンゾと共に「この闘いに勝ってやる!」という強い意志と湧き上がってくる勇気でした。  

毎春、地面に種をまき、それと自分の時間とを自然の力にゆだねる農民の、途方もない楽観主義は、開拓者だったローラの祖先の信じた「先へ進めばいいことがある」とどこかでしっかりつながっているように思えた。  ただ、開拓者は、空間の先へ進むけれど、農民は時間の先を見つめているのだ。

現代の私たちからすると、どちらも「気の遠くなるような楽観主義」に思えちゃわないでもないけれど、そういう遠いものを純粋に見つめ続け、日々できる限りのことをするという覚悟 & 実践こそが、ローラのかあさんが言っていた「闘い」なのかもしれません。  

ところで・・・・・・

このローラ & アルマンゾ夫妻の言葉を読んでいて、KiKi の脳裏に浮かんだのは、同じくアメリカ文学の傑作とされている「風と共に去りぬ」のスカーレットの言葉でした。

After all... tomorrow is another day.
(明日は明日の風が吹くわ)

現在のアメリカの基礎を作ったのは、彼ら・彼女らのこの「気の遠くなるような楽観主義」と「粘り強さ」にあるんだなぁと今更ながら感じ入りました。

 

 

 

 

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2010年2月24日 23:39に書いたブログ記事です。

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