ラヴェル 鏡

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今日もあまりパッとしないお天気みたいですねぇ。  まあ、もともと春って言うのは「春霞」な~んていう現象もあったりして、すっきりはっきり青い空という感じにはなりにくいのでしょうけれど・・・・。  ま、そんなはっきりしないお天気の中、「のだめカンタービレに出てくる音楽を聴いてみる企画」を先に進めていきたいと思います。  ま、てなわけで本日の KiKi の1曲はこちらです。

ラヴェル 鏡
Hyperion CDA67341/2 演奏:A. ヒューイット(pf) 録音:2000年~2001年

41T4SVX0G7L__SL500_AA300_.jpg (Amazon)

KiKi はね、以前このエントリーにも書いたようにフランスもののピアノ曲って長い間どうも好きになれなかったんですよね。  その苦手意識の強いフランスものの中で最も苦手としていたのがラヴェルの音楽だったんですよね~。  あ、でもね、実はラヴェルの管弦楽曲にはそんなに苦手意識はないんですよ。  苦手なのはピアノ曲なんです。  でもね、このエントリーでお話した先生も、この先生の次に KiKi が師事した先生も、そしてその又次に師事した先生も、誰も彼もが口を揃えて(?)言うのは、「ラヴェル、やってみない?」  「あなたの音はラヴェルに向いていると思うんだけど・・・」という言葉でした。  まあ、そんな中、「いつまでも食わず嫌いじゃいけない。  ラヴェルのピアノ曲にもっと積極的に親しもうとしなくちゃ!」と考えて購入したのがこのCDです。  まあ、とにかく1度、ラヴェルのピアノ曲漬けになってみようかな・・・・と。  だからこのCDはラヴェルのピアノ曲全集。  購入した直後はまるで修行僧の如く一所懸命聴いていました。  でも・・・・・・。  

まあ、未だにごくごく一部の曲を除くとっやっぱりラヴェルのピアノ曲って正直なところ KiKi にはよくわからなかったりするのですが(響きという意味ではドビュッシーの方が好きだし、音楽的にはフォーレの方が好きだし)、のだめちゃんのヨーロッパ入りを記念しての演奏曲ですから、今日は可能な限りおめでたい気分を盛り上げながらこの難解な曲集を聴いてみることにしました。

「≪鏡≫は、私の和声法の発展の上で非常に顕著な変化を示している作品なので、これまでの私の作風に親しんでいた音楽家たちを全く当惑させるようなピアノ曲集になった。」

とはラヴェルご自身がこの曲集に関して語っている弁です。  まあ、KiKi の場合はお世辞にもラヴェルの作風に親しんできたとは言い難いアマチュア音楽愛好家なので、別に「鏡」じゃなくてもラヴェルの音使い・曲の構成には常に当惑させられっぱなしで、「鏡」だけが特別どう・・・・ということは全くないんですけど、この曲集はラヴェル音楽の中で KiKi が唯一若い頃から「う~ん、この曲はいい曲だなぁ・・・」と感じていた「水の戯れ」の延長線上にある音使いの音楽だなぁと思います。  でもね、「水の戯れ」はある種、とっても写実的な音楽だと思うんだけど、こちらはもっと心理的・・・・というか、思索的・・・・というか、要するにわかりにくい・・・・というか。  (そんな中、「道化師の朝の歌」だけはちょっと異色な感じがしますが。)

この曲集は独立した5つの作品で構成されています。

第1曲:蛾 (レオン・ポール=ヴァルグ; 詩人 に献呈)    
第2曲:悲しき鳥 (リカルド・ヴィーニエス; ピアニスト に献呈)  
第3曲:海原の小舟 (ポール・ソルド; 画家 に献呈)  
第4曲:道化師の朝の歌 (ミシェル・ドミトリー・カルヴォコレッジ; 音楽評論家 に献呈)  
第5曲:鐘の谷 (モーリス・ドラージュ; 弟子の作曲家 に献呈)

何となく曲のタイトルが醸し出す雰囲気と献呈された人の職業にイメージ的な重なりを感じちゃうような気がしませんか?  因みに、この5曲をそれぞれ献呈された上記の5名は、パリの芸術家グループ「アパッシュ」のメンバーでラヴェル自身もこのグループに所属し、彼らとは親しく交際していたことが知られています。  でもね、そんな親しい仲間たちであってさえも当初はこの音楽が理解できなかったらしいので、KiKi が「う~ん、難解な音楽だぁ。  よくわからん!」と思ってしまうのも致し方ないことかな・・・・と(苦笑)

  

ま、とは言うものの、せっかく今回、この曲を聴き直してみたのですから、それなりに何らかのコメントを入れておきたいと思います。

第1曲: 蛾

この曲はこの曲が献呈された詩人、レオン・ポール=ヴァルグの書いた詩の1節 「納屋から納屋へ、街灯の明かりを結ぶかのように、ぎこちなく舞う」 から着想したとされています。  確かに不安定でうつろいやすい音の連鎖っていう感じです。  音の響きには美しさと妖しさ、不気味さに近いものが漂っている感じがします。  多分に幻想的な音楽であの時代の精神性みたいなものに触れないと本当の意味での理解はできないんじゃないかと感じさせる音楽だと思います。

第2曲: 悲しき鳥  

作曲家自身の解説によれば 「夏の最も暑い時間に、暗い森で途方にくれている鳥たちの姿」 を描いた・・・・とのことなのですが、鳥たちはどうして途方にくれちゃったんでしょうねぇ。  暑すぎてボ~っとして何も考えられなくなっちゃったんでしょうか?  いや、それ以前に鳥って普通の状態で何か考えているんでしょうかねぇ・・・・。  恐らくは冒頭の単旋律が悲しい鳥の鳴き声の描写で、その後執拗に繰り返される音符が途方にくれて迷っちゃっているさまを表しているんだろうとは思うんだけど、正直なところ KiKi にはよくわからない音楽です。  だいたい「鳥が途方にくれる状態」っていうイメージそのものがわからないんですから・・・・(笑)

第3曲: 海原の小舟

絶え間なく演奏されるアルペジオで大波・小波のうねりが表現され、ときおりくだける飛沫と思われる音がでてきたり、このアルペジオに絡まる旋律で波にもまれてなすがままの小舟が表現されていると思われます。  この曲は第4曲とあわせてこの曲集の中では比較的わかりやすい音楽かなと思います。  因みにこのCDの、この曲集の中で、A.ヒューイット(奏者)の良さが一番顕著に出ている演奏なんじゃないかと思うんですよね。  

第4曲: 道化師の朝の歌

この曲集の中でもっとも有名な曲で、「のだめ実写版ドラマ」でものだめちゃんのパリ入り最初の演奏曲 & ブノワさんちでの演奏会のレパートリーの1曲として紹介されていました。  管弦楽版も素敵です。  因みに以前、管弦楽版のエントリーを「落ちこぼれ会計人の Music Diary」で書いた際に、とあるゲストさんからコメントを頂戴して以来、KiKi のこの曲の愛聴盤はリパッティの演奏になってしまいました。  道化師の笑いと涙、そしてスペイン風のリズムとメロディ・ライン。  原題は "Alborada del gracioso" というんですけど、この中の "Alborada" というのは、昔のスペイン宮廷の朝に行われた行事での音楽のことです。  余談ですが、ちょっと昔のことだけど、ラヴェルの楽譜っていうのは版権の問題があって結構なお値段の輸入盤しか手に入らなかった時代があったんですよね。  当時 KiKi はこの曲の楽譜だけは見てみたいなぁと思っていて YAMAHA のショップに行ってラヴェルの棚を漁っていたんだけど、この横文字のタイトルを見てすぐにこの曲だとは気がつかなかった・・・・という思い出があります。

第5曲: 鐘の谷   

静寂な雰囲気の曲。  谷間にこだまする鐘の音とおぼしき音が印象的な音楽なんだけど、ラヴェル自身の言葉によれば 「この曲は正午にいっせいに鳴り響く、あちこちのパリの教会の鐘の音によって感興を催した」 とのこと。  う~ん、よくわからん。  およそパリの町中で一斉に鳴り響いている鐘っていう雰囲気じゃないんですけど・・・・・。  まあ、「その様を写実した」とは言っていなくて「感興を催した」ということなので、パリの町中で鳴り響く鐘の音を聴いていたら、心はどこか遠くへ飛んで行って、気分は田舎で鐘が鳴るっていう感じなんでしょうか?  因みにこの曲、今手元にある楽譜を見ると全曲に渡って3段譜なんですよね~。  うへぇ!  絶対に KiKi はこの曲を練習したいとは思わないだろうなぁ。

       

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2010年3月31日 12:15に書いたブログ記事です。

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