魔女の宅急便(その5) 魔法のとまり木 角野栄子

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今日も KiKi はLothlórien_山小舎に来ています。  外は雨・・・・・。  いえね、本当だったら今日は KiKi はしいたけのホダ木作りにいそしんでいるはずだったのです。  そのために昨日の日曜日は例の薪の原料に・・・・と購入しておいた山積みの材木山からほどよい太さの木を選んで、しいたけ栽培用の長さ(約1メートル)に切り出す作業をせっせとしていたのですから。  ところがあいにくのお天気となってしまい作業は中断中・・・・・。  う~ん、困ったもんだ!  

で、外作業は断念して、今日は山小舎の中に閉じこもり、「そうそう例の OTTAVA がちゃんと聴けるかどうかのテストをしなくちゃ♪」と繋いでみたところ・・・・・。  案の定でした。  ISDNではやっぱり音がぶつぎれになってしまいおよそ音楽鑑賞とは言い難い状況です。  う~ん、腹立つなぁ。  

TVでは大々的に「光に変更しましょう!」とCMが流れ、電器屋さんに行けば「地デジTV、 NTT光とセットで購入すれば○万円値引きします」な~んていう値札が踊り、素敵なインターネット・ラジオ番組も見つけたというのに、KiKi には光に変更する気がマンマンなのに、NTTさんのご都合(何度も依頼の電話をしている)により、そのどれもが享受できないなんて、なんとも割り切れない気分です。

と、まあ、ブチブチ文句を言いたい気分をぐっと抑えるために、今朝も読書にいそしんでおりました。  てなわけで本日の KiKi の読了本はこちらです。

魔女の宅急便(その5) ~魔法のとまり木~
著:角野栄子 絵:佐竹美保  福音館

51dURIlvUyL__SL500_AA300_.jpg (Amazon)

魔女のキキも今回の作品のなかで、二十歳になりました。  あいかわらずそばには、相棒の黒猫ジジがいます。  今回も、魔女として旅立ったばかりの女の子など新しい人との出会いがあります。  猫のジジにも素敵な出会いがありました。  そしてコリコの町の町長さんをはじめ、今までの四作品で出てきたなつかしい登場人物たちもかわるがわる顔を出します。  物語の最後には、長かったとんぼさんとのつかずはなれずの関係も大きく動きます。  「魔女の宅急便」は十三歳になったキキの旅立ちから始まりました。  今回は二十歳になったキキの新たな旅立ちの物語です。  一作目からずっと読んできてくださった方も、初めてキキの物語に触れる方にもきっと楽しんでいただけると思います。  (Amazon より転載)

早いもの(?)で、今号でキキも20歳を迎えます。  相変わらずミョ~に大人っぽいところとミョ~に子供っぽいところが混在している複雑なキャラだけど、KiKi がそんなキキの性格に慣れてきたのか、はたまたやっぱりキキがそれなりに成長しているのか、今号では第3巻や第4巻で感じたほどの違和感・・・・というか居心地の悪さは感じませんでした。  今号でかなり好きだったのは第3章の「海のかぎ」、第7章の「ファッションショー」、そして第8章の「魔法のとまり木」です。

第3章の「海のかぎ」の物語はなんだかホンワカしていていいなぁと思うんですよね。  コリコ湾に沈んだ船から引き上げた銀製の鍵を相棒の鍵穴に合わせてあげたいというお届け物の依頼のお話。  この鍵の持ち主がキャプテン・ゴーゴーという人らしいんだけど、その方はすでに他界されていてそのゴーゴーさんの子供やら孫やらが住むところにキキがこの鍵を届けに行くんです。  するとそこのお宅には家族が「もしかしたらの箱」と呼んでいる宝箱があって、鍵がないためにその箱をあけることができなくて、家族全員の一種の謎だったんですよね。  で、そこに鍵が届いたものだから、最初こそは「やっと何が入っているか見ることができる♪」と大喜びなんだけど、いざ!というその瞬間、その家の家長たるお父さんが言うんですよ。

「あけちゃっていいのかい?  ほんとうにいいのかい?  あけちゃったら、それでおわり。  ぜんぶ見ちゃったら、それでおわり。  『もしかしたらのパーティ』はおしまいになっちゃうんだよ。  それでいいのかい?」

なんとその家族は、キャプテン・ゴーゴーが遭難した日に、その箱をかこんでみんなが集まって、なかに何が入っているかを想像する遊びを始めていて、それが「もしかしたらのパーティ」。  この想像にはルールがあって、それは「あんまりばかばかしいのはダメで、ありそうなんだけどなさそうって思えるようなことでなくちゃいけない」というもの。  で、この家族は最終的に家族全員の意見が一致して、この鍵を受け取らないんですよ。

「あればあけたくもなります。  この世は決まりきったことが多すぎるから、なんだかわけのわからない遊びがあってもいいじゃないですか。  欲しい方がいたらお譲りになってください。」

「行方がわからなくなってしまうかもしれませんよ。」

「ええ、いいです。  この世にかぎが存在すると思えば、もしかしたらの楽しみもさらに大きくなる。  これからもずっと続けられるし。」

で、この仕事の依頼主(鍵を発見した人)にその話をすると、この人のリアクションがまたいいんですよね~。

「それなら私もこのかぎを売らないでとっておきますよ。  そしたら私にも『もしかしたら』が続くかもしえないから。  この気持ちっていいですねぇ。」

・・・ということで白黒はっきりつけるばかりじゃないよね♪的な気分が盛り上がったところで、最後にジジが締めてくれるんだけど、ここで KiKi はやられたぁ!って思いました。

「(あけたらそこで)おわりじゃないよ。  また不思議が出てきたりして、やってみなくちゃわからないじゃないか。  ちゃんと答えを見つけるのも大切だよ。」

あいまいなことを残しながら空想することの楽しさ、大切さもあるけれど、空想ばかりしていないでちゃんと答えを見つけることも大切・・・・というこの展開は思わず「うまい!」と思ってしまいました。  しかもこれを魔女猫が言ってのけるところがいいなぁ(笑)

    

そして、もうひとつのお気に入りの「ファッションショー」のお話。  こちらは第一印象がめちゃんこ悪かったサヤオさんという気障男(?)のお話なんだけど、この気障男、単なるキザじゃないところがいいんですよね~。  KiKi の心に引っかかったのはサヤオさんの次のセリフです。

「ぼくね、小さいときはあの暗くなりかかった空(昼から夜へうつっていくちょうどその間の空のこと)を見ると、なぜか泣きたくなったんだ。  きれいだけど、こわかった。  あの空は手の届かない恐いものをかくしているような気がしてね。  子供って夕方よく泣くんだよね。  あの空はおわりと始まりの色。  悲しみと、ときめきが一緒になってる色なんだ。  今はぼく、そう感じるんだ。  (中略)  子供のころ、嬉しいのなかには、悲しいもある。  生きていくにはそこを何度も通り抜けなければならないって、どこかで感じていたんじゃないかな。  子供にはその両方が見えてるのかもしれないね。  だから泣きたくなる。」

さすが芸術家の発言だと思うんですよね。  ある意味ぼやっとした心象風景的なイメージを一生懸命に言葉に置き換えている感じがして興味深いのと同時に、何を言わんとしているのかが理路整然と明晰には伝わってこないんだけど、うすぼんやりと雰囲気的に伝わってくる、そんなセリフだと思うんですよね~。  KiKi はこういう言葉に出会うとその雰囲気をじ~っくりと味わうのが昔から好きで、それが本を好きになった第一の理由だったと思うんだけど、これって大人になってから読む機会が増えた「実用書」には絶対に出てこない表現方法なんですよね~。

そして、最後にもう1章。  この号のタイトルにもなっている「魔法のとまり木」の章。  この章は「映画版のファン」に対するサービスの意味もあるのかなぁと思うんですけど、キキとジジの言葉が通じにくくなったり、キキの魔法の力が弱くなってしまったというお話です。  映画のほうではキキの自信喪失・・・みたいなことが理由だったけれど、こちらは魔法が「イヤケガサス」状態に陥り、ストライキをしているとのこと。  そうそう、「イヤケがサシテイル」時、人は何をやってもうまくいかないものです(笑)  

でもね、それより何より、KiKi がこの章が気に入った理由はほかにあるんですよ。  それはキキとジジの言葉が通じなくなったり、キキの魔法が弱まってしまっていることを聞いたとんぼさんがジジ宛に初めて手紙を書いてくれたというお話の部分。  ジジがサヤオさんの飼い猫ヌヌちゃんにベタボレ状態でヌヌちゃんの言葉に翻弄(?)されて、ちょっと自分を見失い気味であることを察したとんぼさんがジジに送った手紙がとってもあったかで、なんか素敵なんですよね~。  

そして引き続き届いた、キキの遠距離親友のモリさんの手紙がまたいいんです。  

「できることを、できるだけしようとすれば、何かが飛び出してくる。」

これはそのモリさんの手紙の中の一節なんだけど、KiKi が何年もかかって見つけ出したひとつの真理・・・・みたなものがこの児童書の中でサラリと触れられているところでぐっときちゃったんですよね~。  (まあ、このあたりに関してはこちらの映画 Review のエントリーに詳しく書いています。)  

さて残すところあと1巻です。  このまま読み進めてしまい終わってしまうのが楽しみでもあり、さびしいような気分でもあり、ちょっと複雑です。  でも、この雨の山小舎では読書が進むんですよね~ ^^;

 

    

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2010年4月 5日 11:40に書いたブログ記事です。

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