西の善き魔女 (7) & (8) 荻原規子

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面白くないわけじゃないけれど、何かが違う・・・・・。  決して嫌いな設定というわけでもなさそうなのに何か違和感がある・・・・・。  そんな想いを抱えながら読み進めてきた「西の善き魔女」ですが、こんなこともあるんですね~。  文庫本の第7巻 & 第8巻。  オリジナルでは外伝にあたる物語を読んでみて「なるほど~、そういうこと??」と初めて合点がいき、それまで感じていた「何となく違和感」を解消してもらった・・・・・そんな印象です。  ま、てなわけで本日の KiKi の読了本はこちらです。

西の善き魔女
(7) 金の糸紡げば & (8) 真昼の星迷走
著:荻原規子  中公文庫

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もうすぐ八歳になる少女フィリエルの「家族」は、天文台に住む父親のディー博士と、お隣りのホーリー夫妻。  住民四人のセラフィールドに、ある日おかしな子どもがやってきた。  自分の殻に閉じこもり数列を唱え続ける少年ルーン。  とまどいながらも徐々に心を通わせていく二人...運命の出逢いを描く、四つの季節の物語。  (文庫本裏表紙より転載)

再会を誓い、ルーンは世界の果ての壁を目指して南へ、フィリエルは北極の塔へ。  吟遊詩人に導かれ、それぞれの危険すぎる旅がはじまった  ―「氷の都」で彼らを待ち受けるのは、「真昼の星」を目とする賢者。  女王の血を引く少女の勇気が、今、世界を変える!  傑作長篇ファンタジー、ついに完結。  (文庫本裏表紙より転載)

全編を読み終えてみて言えること。  恐らく作者の荻原さんがイメージしていたこの物語の構想っていうのは、この冊数で収まりきれる内容のものではなかったのだろうなぁ・・・・ということです。  と、同時に、児童文学からスタートしつつもどこかで「児童文学のリミッター」を外していった上橋さんに対し、あくまでも「児童文学のリミッター」を自らの枷として書き続けていったのが荻原さんだったのではないか?  そんな気がします。

本来なら本編とは別物として扱われるべき「外伝」部分を読んで初めて、ルーンがどうしてルーンたりえているのかということも、フィーリ(賢者)とバード(吟遊詩人)が何者なのかということも、この世界が本当のところどういう姿・思想の世界観なのかということも、結局「外伝」にあたるこの「金の糸紡げば」と「真昼の星迷走」、そして既読の「銀の鳥 プラチナの鳥」を読んで初めて納得できた・・・・というか共感できたような気がします。

そうやって考えてみると、おそらくオリジナル本の5冊では収まらなかった・・・・というのが本当のところなのではないでしょうか?

 

荻原さんは恐らく子供の頃から何度も何度も読み返してきた童話や昔話、そして英雄叙事詩の世界をご自身の中で温めて温めて、フィリエルに再生されたバードを作るかの如く、多くの記憶とデータを統合してこの物語の構想を考えられたのだと思うんですよね。  でもそれをある意味ではぶつ切りにして「シンデレラ登場編」「女子校編」「王宮編」「南方冒険編(竜退治編)」「完結編(・・・とは言いつつ完結せず・・・・)」という言ってみれば出版側の都合・・・・・というか、「子供に読ませるにはほど良いと大人が考える厚さの本」に収めるのに汲々としてしまったあまりに、何だか注意力散漫というか、雑然というか、種々雑多な要素が混じった中途半端なというか、そんな物語という印象になってしまったような気がします。

でもね、この外伝を含めて全巻を読み通してみて初めて KiKi にはこの物語の世界観が理解できたし、この世界を覆う価値観(人種感と呼んでもいいようなもの)や、その価値観をベースに派生した「急進派」の考えることや、その中で必死に生きようとするフィリエルやルーンが理解できたような気がします。  これがもっと違う構成で書かれた物語だったなら、KiKi がずっと感じてきた違和感は生まれなかったのではないかとさえ思うんですよね~。

そしてこの最後の2冊を読むに至って氷解して行った KiKi のQ の数に比例するがごとく、この作品の表現の美しさ、色使い、空気感に浸ることができました。  ま、てなわけで、前言撤回です。  「再読したいとは思わない物語」ではなく「全体を把握できた状態でもう一度読み返しながら、自分の頭の中で再構築してみたい物語」です(笑)  そしてもう一つ訂正を。  荻原さんの作風が KiKi と相性がいいか悪いかはやっぱり「勾玉三部作」を読んでから考えなおしてみたいと思います。

ま、てなわけで、本日から「勾玉三部作」に突入してみたいと思います。

 

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2010年5月12日 12:15に書いたブログ記事です。

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