西の善き魔女 (6) 荻原規子

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昨日のエントリーにも書いたようにこの物語のオリジナル版ではこの第6巻「闇の左手」が完結編に当たるらしい・・・・・ということで、文庫本では残すところ2冊あるのですが、とりあえずここで一旦エントリーを書いておきたいと思います。  本日の KiKi の読了本はこちらです。

西の善き魔女
(6) 闇の左手
著:荻原規子  中公文庫

51EDM4RJJ6L__SL500_AA300_.jpeg (Amazon)

「世界の果ての壁」の謎を追うルーンとフィリエル、ユニコーンを駆り竜退治に赴くユーシス。  彼らが辿り着いた南の地には、東の帝国の侵略軍が・・・・・  グラールの危機に、フィリエルは女王と対峙するため聖神殿へ乗り込む。  賢者とは?  吟遊詩人とは?  わらべ歌や童話に隠された「世界」の秘密がついに明かされる!  C★ノベルス版第5巻と同内容  (文庫本裏表紙より転載)

なんとまあ、唐突な!!  これが KiKi の第一印象でした。  今回 KiKi は文庫本で読んでいるので、当然この第6巻の「闇の左手」を読む前に第5巻の「銀の鳥 プラチナの鳥」を読んでいるから、南国で起こるさまざまな出来事に関してそこそこ予備知識をもって望むことができたからいいようなものの、もしもこれをオリジナル版のままに読み進めていたら、「は?  なんで???」と思っちゃっただろうなぁと感じずにはいられませんでした。

そして、上記、文庫本裏表紙から転載した「内容紹介」にある「賢者とは?  吟遊詩人とは?  わらべ歌や童話に隠された「世界」の秘密がついに明かされる!」に至っては、KiKi にとっては決して明かされたようには思えないんですけど・・・・・・ ^^;

賢者も吟遊詩人もそれなりに登場してはいるけれど、彼らがどんな存在で何をものさしに動いている人(・・・・と呼んでいいのかさえも定かではない 苦笑)なのかさっぱりわからなかったし、そのものさしを持つに至った価値観の核にあるものもはっきりとは見えてこなかったし、もっと言えば「わらべ歌」や「童話」がどういうものだったのか、なぜ隠喩に使われてきたのかもさっぱり理解できませんでした。  

わかったのは結局フィリエルとルーンは仲良しこよし、アデイルとユーシスも仲良しこよし、案外柔軟な考え方の持ち主だったレアンドラ、結構普通のおばあさんっぽかったコンスタンス女王陛下、大陰謀を企てた割には最後まで影の薄いメニエール大僧正っていう感じでしょうか?  

   

多くの御伽噺や民話、そして英雄叙事詩等に刺激を受けて、それらの物語や歌から形式美を一切取り払って、物語の核にあるエッセンスだけは巧みに吸い上げて新たな世界観の物語を作り上げようとした意欲作であっただろうことはわかるのですが、正直なところ主人公2人(フィリエルとルーン)の初々しい恋愛だけでメロっとなっちゃう純なところがなくなってしまった KiKi にはどうにもこうにも消化不良の物語・・・・・という感が否めません。

幻想的な表紙の絵、 とか、 ワンシーンワンシーンの細やかな描写、 とか、 ものすご~く浅く触れられている「万物の霊長たる人間」みたいな意識に対するアンチテーゼ的なもの、 とか、 パーツパーツで感じるものはあったものの、全編とおして、どんな世界観で何を描きたかった物語だったのか に関しては結局のところわからずじまいでした。

まあ、物語には主張がなければいけないとは思っていないし、純粋に楽しめればそれでいいというのが KiKi の基本的な読書スタイルではあるのですが、世界観やら主役・脇役を含めての登場人物に対する何らかの共感やらがないとなかなか物語にのめりこむことができない KiKi にとっては、パーツパーツを楽しむ以上の楽しみはついに見出すことができませんでした。

う~ん、まだこの1作しか読んでいない(それに外伝2冊が残っている)ので、結論を出すには尚早だとは思うけれど、荻原さんは KiKi とはさほど相性の良くない作家さんのようです。  でもものすご~く感じたことが1つあります。  それはKiKi が中学生以下の女の子だったら、結構楽しめたかもしれない・・・・・ということです。

読み進めていて何度も思ったのは「あ、これベルバラみたい・・・・・」ということ(笑)  KiKi は小学生から中学生にかけて「ベルバラ」が大好きでしたから、きっとあの時代の KiKi なら結構嵌れたかもしれません。  女学校編(第2巻 「秘密の花園」)はところどころ「オルフェウスの窓」みたいだったし・・・・・(笑)

いずれにしろ、「現実よりも現実からちょっと浮遊した夢の世界を愛する女の子のための物語」っていう感じです。  「お話のようには結末のつかない現実の、これが本当の姿なのだと、フィリエルは思った。」と荻原さんは無理やりまとめている(ように見える)けれど、「お話のようには結末がつかない」のは事実だけど、「これが本当の姿」と言い切れるほど、「これ」が何なのかははっきりしていないし、「本当の姿とは何ぞや?」には答えてくれていないような気がします。  そういう意味では、アデイルのスタンスやアデイルが書きたがる物語そっくりだなぁ・・・・・・と思いました。

 

  

 

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2010年5月11日 10:30に書いたブログ記事です。

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