「創造的である」ということ(上) - 農の営みから 内山節

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先日、このエントリーでご紹介した「内山節」さんという哲学者に興味をもち、図書館から彼の著作をいくつか借りてきました。  今日、ご紹介する本は上・下2巻から構成されており、当初は2冊セットでエントリーを書く予定だったのですが、内容がかなり盛り沢山の本だったので、急遽1冊ずつエントリーを起こすことにしました。  ま、てなわけで本日の KiKi の読了本はこちらです。

「創造的である」ということ(上) - 農の営みから
著:内山節  農山漁村文化協会(人間選書)

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この勉強会で参加者から私に求められていたものは、「農の営みをとおして全世界を獲得する思想」であった。  ・・・・かつてマルクスとエンゲルスは「共産党宣言」のなかで、<プロレタリアートは失うべき何者をももたない。  獲得するのは全世界である>と述べたけれど、この勉強会でめざされたものは、農の技をもち、農村で暮らし、農村をつくる力をもっている人たちが、それを土台にして、現代世界を掌中に収める思想の獲得であった。  (単行本扉より転載)

えっとですね、KiKi は大学で経済学な~んていう小難しそうな学問を学んだわけではなく、ある意味とっても軟弱(?)な文学を学んだ人間なので、正直なところ「マルクス」とか「エンゲルス」な~んていう名前を目にすると「うへぇ・・・・・(汗)」とちょっと引いてしまうようなところがあることを、まずはお断りしておきます。  そういう意味では、もしもこの本を本屋さんで見つけたとして、何気に手に取ったとして、この扉に書かれている文言を読んだとしたら、恐らく分不相応な本を手に取ってしまったと反省(?)し、こっそりと棚に戻しちゃったこと請け合いです(笑)

たまたま今回はあの「里という思想」という本に興味をもったというフックがあったから、そして、図書館の本検索で「内山節」をキーワードにしてリストアップされた本を借りたから(つまり扉に書かれているこの↑文言を事前には読まなかったから)、KiKi の6月の読書の1冊にひっかかったにすぎない本なのです。  でもね、それがものすご~く幸いだったと思えちゃう、この本は今の KiKi にとってはあまりにもタイミングよく出会った本っていう気がするんですよね~。 

KiKi がLothlórien_山小舎での暮らしを指向し始めた頃、KiKi はいくつかの疑問を自分の中に抱えていました。  その一番核にある問題意識。  それは

「自分はいったい何をやっているんだろう???」

というものでした。  仕事はそこそこ充実していました。  そこそこのポジションを得、どちらかというと経済的にもゆとりがある方だったと思うし、人間関係に大きなストレスを抱えているというわけでもなく、プライベートの生活にも小さな不満はあっても深刻な不満・不安があるわけでもない。  かといって充足感に満たされているわけでもなく、どこか違和感のようなもの・・・・・を抱えている。  それが何なのかはわからない。  「生きがい」だの「やりがい」だのという言葉にはどこか懐疑的で「自分探し」な~んていう言葉にも嘘臭さを感じ、消費一辺倒のライフスタイルにも疑問を持ち、でもどうすればいいのかわからない・・・・・。  でも決して鬱症状ということでもないみたい・・・・。  いったいぜんたい何なんだ!!  どうすりゃいいのさ!!!  そんな閉塞感にも似た想いでした。  正直、「こんなことを考えるのは贅沢な悩みというものなのかもしれない」と自分を納得させようとしていたようなところもありました。

そんなときに再読したのがこのエントリーでもご紹介したミヒャエル・エンデの「モモ」でした。  久々に読んだあの本の衝撃たるや凄まじいものがありました。  もっともあの時にはまだまだ整理できていなかった読後感・・・・ではあったんですけどね(笑)。  で、その漠然とした読後感を行動レベルで突き詰めていった行く手にLothlórien_山小舎がありました。  でもね、KiKi は内山さんのように1つのことを突き詰めて考える「哲学者的」な根気には欠けるために、その読後感を整理して自分の思想に昇華するところまではまったく手がついていない人間なんです。  今回、この本を読んでみて、

「ああ、あの過程で KiKi が漠然と考えていたことの大半がここに言葉になって書かれている。」

KiKi はそう思いました。  まあ、哲学者の書いている本なので、今の時代に受ける「ああすれば、こうなる」的なマニュアル本的なものではなく、どちらかというと人が行動する際の考え方の根っこにあるものをつきつめると・・・・・・っていうことが書かれている本で、そういう意味では少なからず

「言いたいことも何となくわかるし、ご高説は拝聴させていただきましたが、要するに我々はどうすりゃいいのさ?」

みたいなスタンスで読むと「ふ~ん・・・・・」で終わっちゃう本だとは思うんですよ。  でもね、KiKi は自分が知らず知らずのうちに陥っていた「思考停止状態」に渇を入れたいと思っていて、そのためにどんな筋道を辿って物事を考えていけばいいのか、多面的に物事をとらえたいとは思っているけれど、どんな視点からものを見るようにしていけばいいのか、もっと言えば、自分が苦手としている目線がどの方向からのものなのか・・・・・を明確にはわかっていなかったので、今回の読書はその助けにはなったなぁ・・・・と思います。

まあ、1つだけほっとしたのは、自分が苦手としている目線の方向はこっちだろう・・・・と感覚的に捉えていた方角が正しかったみたい・・・・・という再確認ができたこと(笑)  

KiKi はね、歴史書を読み返す必要性をものすご~く感じていたんだけど、歴史から何をくみ取らなければいけないのか(強いてはどんな読み方をすればいいのか)がわかっていなくて、「まあ娯楽として読んでいるうちに何かが見えてくるだろう・・・・」と気長に構えていたんだけど、この本を読んでみて、KiKi が知りたかった(頭を整理したかった)ことの根っこにあったのは「歴史というのは果たして発展するという概念でとらえるべきものなのか?」ということだったことに気が付きました。

又、上記のモモの読後感で整理しきれなかったこと、「稼いだ金を必要なものか否かを徹底的に吟味することなく使っている消費行動と、時間を消費しているという発想(≒ KiKi の体感)がものすご~く近いもののような気がする」と感じていたんだけど、やっぱりこの2つって根っこの部分ではつながっているみたいだ・・・・ということが確認できたことも1つの収穫でした。

う~ん、この後、図書館から借りてきている内山さんの他の本にも進みたい(返却期限との関係で進まなくちゃいけない)んだけど、せっかく考え始めたポイントを深めるためには、長年「積読状態」になっているこちらの本(↓)を先に読みたいような気がしてきたなぁ・・・・・。  どういう順番で読み進めていけばいいんだろ???  読書ってこれだから際限がなくなっちゃうんですよね~ ^^;

エンデの遺言 「根源からお金を問うこと」
著:河邑厚徳 + グループ現代  NHK出版

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2010年6月15日 23:15に書いたブログ記事です。

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