銀のスケート(ハンス・ブリンカーの物語) M.M.ドッジ

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先日このエントリーでお話した内山節さんという方とその著作に興味をもった KiKi はこの方の本を探しに図書館に行ってみました。  ほとんどの本はその図書館には置いてなくて、同じ区立図書館の別の館にはあるとのことで予約(取り寄せ)を依頼し、そのまま手ぶらで帰るのも癪だなぁ・・・・と思って他の本を物色していたら、KiKi の蔵書にはまだ仲間入りしていない、そして現在では絶版状態のこの本(↓)を見つけました。  見つけた時が読む時です!!(笑)  ま、てなわけで本日の KiKi の読了本はこちらです。

銀のスケート(ハンス・ブリンカーの物語)
著:M.M.ドッジ 訳:石井桃子  岩波少年文庫

(Amazon)

スケート大会の1等賞の銀のスケート靴と、記憶をなくしたお父さんが埋めたはずの千ギルダー。  これらの行方をめぐって、ハンスとグレーテルの兄妹がオランダを舞台にくり広げる感動的な物語。  (文庫本扉より転載)

この本はねぇ、子供の頃学校の図書館で読んで、当時はまだオランダという国のことをよく知らなかったんだけど、小説なのか、オランダ紹介本なのか、はたまたオランダ旅行記なのかよくわからない(^^;) ようなところがあるこの本を読み進めながら、想像力をたくましくしていたことを思い出すんですよね~。  と同時にこの本の中でも紹介されている「ハールレムの英雄」というお話(1人の少年がふとしたことで見つけた堤防の水漏れを大災害を予防するために自分の手でふさぐというお話)は、今となっては記憶が定かじゃないんだけど、国語の教科書だったか道徳の教科書だったかにも載っていて、「あ、これはあの『ハンス・ブリンカーの物語』にあったお話だ!」と何だかウキウキしちゃったという思い出もあります。

あとがきで石井桃子さんがこの本と同じ年に出版された「ふしぎの国のアリス」のこと、10年後に出版された「トム・ソーヤの冒険」のことに触れられ、これら3冊の本が 子供の読み物が、やっと修身の本からわかれはじめた頃に生まれた、少年少女小説の先駆とも言えるということ、それら3冊の本が今日もなお、出版された時と同じように読まれているというのは、おもしろいこと・・・・と仰っているのですが、とっても残念なことに、先の2冊は21世紀の今でも「岩波少年文庫」から刊行されているけれど、この「銀のスケート(ハンス・ブリンカーの物語)」は絶版というのも又、時の流れを感じさせます。

  

 

この本は確かにそこかしこに「よいこ」の見本みたいなお話やら、反対に「悪い子」「困った子」の見本みたいなお話がありつつも、一番の魅力は何かっていうと「オランダ風物紹介」「オランダ旅行記(少年たちの冒険譚)」そして「オランダの歴史」みたいなことにほどよいボリューム感でかなりのページを割いているところ・・・・だと思うんですよね。  でもあとがきによれば、

あまりにも旅行案内になっていたり、歴史の教科書になっていたりするところは、いくぶんはぶき、謎の1,000ギルダーと銀のスケートを追う、ハンスとグレーテルの物語を主にしました。

とあります。  う~ん、あの「ほどよいボリューム感」は作者のものではなく、訳者である石井桃子先生の手になるものだったのですねぇ・・・・。  でもね、でもね、子供時代の KiKi ならいざ知らず、今では大人になってしまった KiKi としては、そんなことを聞いてしまうと原作の全訳ものが読みたくなってしまう・・・・・・(笑)  オランダって世界史の授業でもさほど重要視されていなかったような記憶があるし・・・・。  未だに知らないことがいっぱいある国だし・・・・・。

ところで、この本の作者のドッジ夫人。  これまたあとがきの情報によれば、彼女は小説家であるのと同時に有能な編集者で、あの「ジャングル・ブック」も、あの「若草物語」も、あの「小公子」もすべて彼女が編纂した「セント・ニコラス」という雑誌の連載小説だったとのこと。  ということは、KiKi の子供時代の読書はこのドッジ夫人の恩恵にたっぷりと浴していたっていうことになるわけです。  う~ん、そうとは知りませんでした。  ドッジ夫人、色々とありがとう!!  

最近では岩波少年文庫も過去に出版した本を色々物色して再版されていらっしゃるようなので、この本も久々に検討してもらえないでしょうかねぇ。  恩人の本だと思うと、その想いがいっそう強くなります(笑)

あ、因みに、そう思ってネットで色々調べてみたら、KiKi の御用達「復刊ドットコム」では入手可能扱いになっていて、ポプラ社から発刊されている別の本が紹介されちゃっているのですが、こちらのブログによれば、

復刊ドットコムに投票したいのに、なまじポプラ文庫の抄訳が再刊されてしまったものだから、投票受付が止まってしまった。  なんてこと。  入手可能!なんて書かれて抄訳版を売りつけられても困るぞ復刊ドットコム。  完訳でこそ読みたいからみんな投票してるのに。

原作の舞台となるオランダの歴史や地理を読者が自然に身に付けられるように挿入された部分(こういう教育的配慮な成立事情は『ニルスのふしぎな旅』と一緒)をばっさりカットして、兄妹愛に記述を絞っている。

とのこと。  ほんと、抄訳版を売りつけられても困るぞ復刊ドットコム に一票であります!!


追記) 宮崎駿50選の中での宮崎氏のコメント

スウェーデンが貧乏だったころ・・・という書き出しの本があります。  ぼくは、その書き出しにとても感心して、まねして、日本が貧乏だったころ、という映画を作ったことがあります。  もっとも、映画の中にそういう文字は出ていませんが・・・。  この本は、オランダが貧乏だったころ、その中でもとりわけ不運で貧乏な一家のお話です。  さいごには、主人公の兄妹の努力とものすごい幸運とに助けられて、大ハッピーエンドになります。  まさに大団円です。  この本を読んで、ぼくはオランダへ行ってみたくなりました。  古い本なのでなかなか出会えないかもしれません。  ものすごく幸運だったら、出会えるかもしれません。  あなたに幸運を・・・。  (2011年12月15日転記)

  

    

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コメント(4)

はじめまして、こんにちは。

私もこの本を楽しんだばかりで、ブログに感想を書いたついでにこの本について書かれたHPを探していて、こちらに伺いました。
私も岩波少年文庫はかなり好きなので、kikiさんのブログが楽しく、いろんな記事を読ませていただきました!
私は、読むのは最近はお休み状態で、英語の朗読で聴くことが多いのですが、昔好きだった話にもう一度めぐりあうのは、楽しいです。
またお伺いします!

お仲間が増えるとうれしいです。
ぜひぜひ、LibriVoxで英語の朗読を聴いてみてください! 

ちょっと前に、宮崎さんの50選の岩波少年文庫のうち、どの本の版権が切れていて、LibriVoxで英語の朗読を無料で聴けるか調べてリストにしました(ヒマですね・笑)。
お好きな本がけっこうあると思いますよ!

http://corianderuk.blog80.fc2.com/blog-entry-218.html

予定調和で気が休まるところ、水戸黄門の世界と似ているのかも・・・なんて思ったりします(笑)

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2010年6月 9日 10:16に書いたブログ記事です。

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