川は生きている 富山和子

| コメント(0) | トラックバック(0)

ここのところず~っと内山さんの本を読んできたのですが、ここいらで1回ちょっと寄り道をしてみたくなりました。  とはいえ路線はちょっと似ているんですけどね(笑)  こちらも以前から KiKi が読んでみたいと思っていたいわゆる「積読本」の1冊です。

川は生きている
著:富山和子  講談社青い鳥文庫

21EAR6A6CGL__SX230_.jpeg (Amazon)

川へでて、ながれに耳をかたむけてみましょう。  水はなにを語りかけているのでしょう・・・・・。  日照りがつづけば水不足、雨がつづけば洪水の日本。  この本は、水の話であり、緑の話であり、そして土の話でもあります。  それは、みんなつながっているからです。  小学生のための社会化副読本。  (文庫本裏表紙より転載)  

この本は副題として「自然と人間」が冠され、この「川は生きている」「道は生きている」「森は生きている」の3冊でシリーズ化(?)されている中の1冊です。  対象年齢は小学校中級以上。  ま、そんな対象年齢が設定されているだけに活字は大きいし、ひらがなは多いし、本当にあっというまに読み終えてしまうのです。  もっともこれだけひらがなが多いと正直大人にはちょっと読みにくい観があるんですけどね(笑)。  

でもね、この本で語られていることは、子供時代には知っていたはずなのに、いつの間にか忘れてしまったこと・・・・・であることに気がつかされました。  曰く、

昔の日本人はあばれ川を治めるための発想方法として「ふった雨を土に返そうとした」

日本人は「氾濫原に水田を開くこと」により、水田を遊水地とし、水田が蓄えた水は地下水になり、下流に流れ、そこでまた水田をつくり・・・・という循環をつくりだし、水を豊かに使うことができた

日本人は水を治め、治めたその水(もとはと言えば氾濫していた水)を利用して、土地を耕し、そこで作られた米は、治めた川の水を利用して運搬した。

森林は水をたくわえ、徐々に徐々に、いつも同じように水を送り続けてくれた

高くて頑丈な堤防は、少しくらいの水にはびくともせず、私たちを守ってくれる。  でも、堤防が頑丈であればあるほど、ひとたび破れた場合には、今度は堤防そのものが、コンクリートの塊になって、逆に、私たちに襲いかかる。

ダムは水を蓄え始めたその時から、土砂も蓄え始める。  ダムは年とともに、水をたくわえなくなっていく生き物

水と緑と土は、もともと一つだった

  

この本のあとがきには「大人の皆さんへ」と括弧書きされています。  ここにも KiKi をはっとさせる言葉が書かれていました。

私たちは普段、水はただそこを流れていて当然のもの、農地の土壌も最初からそこにあったもの、山の緑は放っておいて育つもの、土地は安全なのが当たり前と考えます。  川とは地図に描かれた1本の線としてとらえ、水の問題と言えば汚染にのみ目を向けがちです。  水不足といえばただダムを思い浮かべ、水害が起これば護岸を強化しさえすればよいと考え、そして緑と言えばただ眺めるためのものと考えたりしがちです。

う~ん、確かにずっと昔、子供の頃は「川の一生」みたいなことを勉強したことはあったけれど、大人になるにつれて、「川」を地図上の1本の線ぐらいにしか考えなくなっちゃったような気がしないでもありません。

KiKi の実家のある静岡県駿東郡清水町というところには柿田川という川があります。  ここは「日本名水百選」や「21世紀に残したい日本の自然百選」にも選ばれたところです。  この川の水源は富士山の雪解け水。  今では「柿田川湧水公園」という立派な公園ができています。  この公園のあるところ、ここは KiKi の子供時代、草木の鬱蒼とした土手でした。  足を踏み入れると水がじわっと滲み、どこもかしこもグジュグジュで、グジュグジュということは足場が悪いということで、何かにけ躓くか滑ったりして転びでもしたら泥んこ遊びをしたようになってしまう場所でした。  当然のことながら水の大好きな羽虫がブンブンと飛び交い、ここへ遊びに来るとあちらこちら虫に食われ、痒くて痒くて仕方ない・・・・そんな場所でした。

現在の湧水公園でも水が湧き出る「湧き間」を見ることができるのですが、子供時代に虫に食われながらここを見ていた KiKi にしてみるとこの「湧き間」、往年のそれと比較すると1割ぐらいの水量に減ってしまったように見えます。

この原因とされてきているのが、富士山の裾野の森林が伐採され、そこに工場が乱立され、水を蓄える天然のダム(要するに森林)がなくなり、その森林が作る落葉による天然のろ過装置が減少し、乱立された工場が水をどんどん汲み上げた結果ということでした。  幸い、それに気がついた現代人が「この川を守ろう!」と立ち上がったから、何とかこの湧水がかつてに比べて減少したといえども何とか守られているわけですが、この事実をローカルな1つの現象としてしか捉えていなかった・・・・・そんなことを感じました。    

やはり人間はここいらで一旦、自分たちは何をしてきたのか、自分たちの祖先が何をしてきたのか、を真剣に考えてみる必要があるような気がします。  

 

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://poco-a-poco.chu.jp/mt/mt-tb.cgi/639

コメントする

2015年2月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28

Current Moon

CURRENT MOON

東京のお天気


山小舎のお天気


Booklog



ブクログ

アーカイブ

ウェブページ

Powered by Movable Type 4.261

TrackbackPeople

クラシック・ピープルの Trackback People Site


チェロ ラヴァーズの Trackback People Site


Piano~ぴあの Trackback People Site


ピアノオススメ教本の Trackback People Site


ピアノ教室の Trackback People Site


Book Love Peopleの Trackback People Site


本好きPeople・ぴーぷるの Trackback People Site


今日読んだ本の Trackback People Site


ファンタジーが好き♪の Trackback People Site


この絵本がすごい!の Tackback People Site


児童書大好き♪の Trackback People Site


ハヤカワepi文庫の Trackback People Site


岩波少年文庫応援団の Trackback People Site


薪ストーブの Trackback People Site


週末は田舎暮らしの Trackback People Site


野菜育てPeopleの Trackback People Site


ガーデニングの Trackback People Site


パッチワークキルトの Trackback People Site


あなたの訪問は?


日めくりカレンダー


Real Time News


カテゴリ

ノルンはいくつ?

本が好き!


読書メーター

KiKiさんの読書メーター
KiKiさんの読書メーター

最近読んだ本

KiKiの最近読んだ本

今読んでいる本

KiKiの今読んでる本

読了目標





今やってるゲーム

KiKiの今やってるゲーム

このブログ記事について

このページは、KiKi (Brunnhilde)が2010年6月24日 09:13に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「戦争という仕事 内山節」です。

次のブログ記事は「道は生きている 富山和子」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

高速運賃





Edita

ブロガー(ブログ)交流空間 エディタコミュニティ

名言黒板


作家別タグ