デルフィニア戦記第2部 異郷の煌姫Ⅰ~Ⅲ 茅田砂胡

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デルフィニア戦記第2部 異郷の煌姫Ⅰ~Ⅲ
著:茅田砂胡  中公文庫

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デルフィニアの内乱に勝利し、ウォルは再び玉座に即いた。  黄金の戦女神とたたえられたリィもまた王女の称号をもって白亜の宮殿に迎えられた。  それから三年―平穏だった王都に暗雲が立ちこめる。  リィをつけ狙う不気味な暗殺者。  不可解な公爵家の挙兵。  陰謀を察知したウォルの決断とは。  (文庫本Ⅰの裏表紙より転載)

騎士バルロが出撃する。  叔父マグダネル卿を討つために―!  サヴォア一族の内紛とは王家失脚を企む卿と、その陰謀を阻止せんとするバルロの対立だったのだ。  卿の背後にはデルフィニアを狙う隣国タンガとパラストが蠢いていた。  この国を揺るがす危機をウォルそしてリィはいかに乗りきるのか。  (文庫本Ⅱの裏表紙より転載)

国王の下には押しかけ愛妾が出現し、王女にはタンガの皇太子との縁談が持ち込まれた。  暗殺の次は策略か!?  日頃は剛胆なウォルも無敵のリィも、敵国の謀議に激怒した。  この事態に抗すべく両者の婚姻がデルフィニアの国を挙げて敢行される。  が、厳粛な式の最中、急を告げる使者の叫びが聖堂に響きわたる。  (文庫本Ⅲの裏表紙より転載)

なんだか呆気なく読めちゃうんですよ。  で、読んでいる間つまらなかったり苦痛だったりするわけじゃないんですよ。  まあ、楽しいか?と問われるとそれも微妙なんですけど・・・・・。  でもね、読み終わった後で何かが残るかっていうと何も残っていない・・・・・そんな不思議な物語ですねぇ。  読んでいる間誰が誰だったかわからなくなるっていうことはないんです。  でも、読み終わった後で思い返してみると、ウォルとイヴンとバルロとナシアスの誰がどこでどうしたのかは思い出せないんですよ。  まあ、かろうじてウォルは王様なのでそれなりに特殊なイベントもいろいろあって区別がつきやすいんですけど、イヴンとバルロとナシアスは正直なところこんがらがっちゃう・・・・・ ^^;  

で、物語の筋とは別のところで思ってしまうのです。  こんなまるで同好会みたいな、仲良しクラブ的な人員体制(人格集団とでも言うべきか?)で1国の中枢に関わり、国を動かしていていいんだろうか??ってね(笑)  そういう意味ではシェラ(リィを暗殺しようとしている女装の男性)の感覚はある意味でとっても説得力があると思うのです。  曰く、

「この王宮は化け物の巣だ。」

まあ、化け物かどうかはともかくとして、やはりある種の異常性を感じずにはいられません。

 

この第二部は第三部への橋渡しの物語なんでしょうか??  色々な人が出てくる割には、どのお話もちょっと中途半端で、何のためにこの人たちが出てきたのか正直なところよくわからない人たちのオン・パレードっていう感じです。  当初はリィを狙っていたシェラしかり、そのシェラが末端の隅っこの方で存在していた「ファロット一族」しかり、魔法街のオババしかり、ウォルの押しかけ愛妾エンドーヴァー子爵夫人しかり、ついでにタンガ & パラストの王様方しかり・・・・・。  まあ、第3部のタイトルは「動乱の序章」だし、そろそろ近隣諸国とのスッタモンダも必要だし、これらの人たちがそれぞれ、その2国の何らかの思惑に無関係ではなさそうな匂いだけプンプンさせて幕っていう感じがします。

そんな中、意外と言えば意外、必然と言えば必然なのがウォルとリィの偽装(?)結婚と挙式前夜に明らかになったリィの真の姿のお話でしょうか?  リィがかつていた世界で「化け物」と呼ばれていたのは、ただ単に一騎当千の武者ぶりとかアトラスもびっくりの力持ち加減とかそういうものではなかったんですねぇ・・・・・。  

友達だと思っていた相手の態度が豹変するのは、そのあげく化け物呼ばわりされるのは、何度経験しても気持ちのいいもんじゃない。  (中略)  おれの育ったところは・・・・・厳しいところだったから、生きるために肉や骨を噛み砕くことを覚える必要があった。  それだけだ。  別に生き物を殺すのが好きなわけでも、人間を食料しているわけでもない。  今みたいな場合に限って武器として使ってるだけだ。  なのに人間にはその区別がつかない。  見境なしに殺してまわるように見えるらしい。  おれのほうが聞きたいぐらいだ。  人間は人間を殺すのに、戦争で殺すのはよくて、剣や弓で殺すのもよくて、どうして噛み殺すのはいけないんだ?

リィのこの悲痛な言葉はこの物語を読んでいる中である意味初めて KiKi の心にどっしりと重い課題を突きつけてくれたような気がします。  そう、だから人は戦争に大義を求める・・・・・・とも思いました。

ふと気がつくと KiKi の足元に愛犬ノルンがいました。  普段はとっても可愛い娘みたいな存在だけど、時にふと気がつくとこんなちっちゃな犬コロでも本気で噛まれたら半端じゃなく痛そうな牙を持っています。  普段は KiKi にじゃれついて時に甘噛みしたりするんだけど、彼女も本当の意味で自分の身の危険を感じたら、あの牙だ噛み付いてくることもあるんだよなぁ・・・・・。  そんなことを考えました。

ま、何はともかく、「動乱の予感」を感じさせた「異郷の煌姫」は読了し、「動乱の序章」に進みたいと思います。

 

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2010年7月26日 13:01に書いたブログ記事です。

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