ハゲタカ (ドラマ & 映画)

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2007年に放映された「土曜ドラマ ハゲタカ」 & 「映画 ハゲタカ」を6月21日から24日にかけて NHK Hi-Vision で再放送していました。  (ついでに言うと地上波でもついこの間、再放送をしていたらしい・・・・・ ^^;)  この番組、KiKi はリアルタイムでは観ていなかったのですが、結構評判がよかったと聞いていたし、せっかく再放送してくれているんだし(しかも映画とセットで!)ということで、一応録画しておいたんですよ。  でもね、KiKi にはよくあることなんだけど(^^;)、録画はしたもののず~っと放置したまんまでした。  

で、ふと気がついたら、他にも撮りだめしてあった番組も結構あって、KiKi のHDレコーダーがものすごい事になっていました。  このままではもうすぐパンクしてしまう!と冷や汗をかいた KiKi。  ま、てなわけで、今年のお盆は一挙に「ドラマ ハゲタカ」6本 & 「映画 ハゲタカ」を観てみました。

ハゲタカ(DVD)

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バブル崩壊後、「失われた10年」と呼ばれる長いトンネルの闇に包まれていた日本に、風穴を開けにやって来た男がいた。  日本経済界で、外資系のファンドマネージャーとして暴れ回る男の名は、鷲津政彦(大森南朋)。  ビジネスとして外資的な合理主義を盾に、次々と日本企業に切り込み、買収していく様は、まさに死肉を漁る"ハゲタカ"であった。

一方、襲い来る"ハゲタカ"に敢然と立ち向かう男がいた。  旧態依然とした日本の体制にもがきつつ、懸命に日本企業を支え続けようとするエリート・バンカー、芝野健夫(柴田恭兵)。  日本初のターンアラウンド・マネージャー(企業再生家)として、企業再生の道を模索して行く。

同じ銀行の後輩・先輩でありながら、対照的な道を歩んだ二人の男。  会社を医者に例えるなら、徹底的な外科手術で患部を切り捨てていく鷲津と、あくまで内科治療による再生を目指す芝野。  「日本買収」ビジネスを巡る二人の男の野望と挫折を軸に、合理化、弱肉強食が叫ばれる今、日本の会社にとって本当に必要な治療法とは何なのか?を問いかける。  (ドラマ版;Amazon より転載)

 

誰かが言った。  人生の悲劇は2つしかない。  ひとつは、金のない悲劇。  もうひとつは、金のある悲劇。  世の中は金だ。  金が悲劇を生む...。  数々の受賞に輝く傑作ドラマが待望の映画化!  

"企業買収"をテーマにした真山仁原作のTVドラマ『ハゲタカ』の劇場版。  "ハゲタカ"の異名を持つ天才ファンドマネージャー・鷲津政彦と、"赤いハゲタカ"を名乗る中国系ファンドの使者・劉一華の大手自動車メーカーをめぐる買収戦争の行方を描く。  (映画版;Amazon より転載)

 

こういう「経済ドラマ」とか「ビジネス小説」って KiKi がまだ若くて、仕事に対する野心みたいなものを持っていた頃は好きだったんだけど、ある年齢を過ぎてからは「事実は小説 & ドラマよりも奇なり」みたいな気分になってきて、あんまり読んだり観たりしなくなっちゃっていました。  だいたいの場合、主人公にある種のプロトタイプ・・・・みたいなものがあるような気がしてきて、状況設定だけは異なるものの(まあ、そこが一番の見せ場ではあるんですけど)、何となく先が見えちゃうような気がしてきたっていうのもこういうものから距離を置き始めた理由でもありました。

でもね、いかに「事実は小説 & ドラマよりも奇なり」とは言っても、もちろん KiKi の仕事はこのドラマの鷲津さんなんかの世界と比べたらもっと刺激は少ないし、おままごとみたいな世界・・・・・ではあるんですよ。  ただ、実際に自分の頭を使い、手を使い、組織を使って成し遂げている仕事の方がリアルな刺激と脳内活性があるのは事実なわけで、お客さん的に観ている他人の仕事に憧れたり羨んだり同情したりしている余裕もなかった・・・・・というのが本当のところかもしれません。  だから今回、このドラマの第1回を見始めた時には、いくら世間の評判がいいからって正直さほど期待していなかったんですよ。  ところがどっこい、久々にこのドラマは面白かった!(笑)  なんていうか、「大人向けの硬質なドラマ」っていう感じがしました。

 

ハゲタカと呼ばれる鷲津さんが「お金を儲けることは悪いことですか?」と聞く場面、KiKi はず~っと昔に観たある映画のワン・シーンを思い出していました。  その映画は「ウォール街」。  1987年のアメリカ作品です。

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世界の金融の中心「ウォール街」で繰り広げられる男たちのマネー・ウォーズ。  若き商社マンのバドは自分の持てる頭脳と行動力の全てを注ぎ、一攫千金を狙っていた。  億万長者ゲッコーに取り入るため、父の勤める航空会社の情報を渡し、インサイダー取引したことで夢が叶い、大金を手にするが......。  株操作、会社乗っ取り、とウォール街のマネーゲームをかつてないスリリングさで描き全世界にセンセーションを巻き起こしたオリバー・ストーン監督の自信作。  野心に燃える若い証券マンにチャーリー・シーン。  悪の魅力を熱演したマイケル・ダグラスは本作でアカデミー主演男優賞を受賞した。  (DVDパッケージより転載)

この映画の中で買収をしかけた会社の株主総会に出席したゲッコー(M. ダグラス)が発言するシーンの迫力はこのハゲタカの同様のシーンと比べると、大人と子供ぐらいの差があるように感じるんだけど、そこでゲッコーが言い放つ「欲は善です。」(← ちょっとうろ覚え ^^;)という言葉、あれは凄かった。  KiKi の心の奥底のどこかで、「いや、善っていう事はないだろう・・・・」と抗う気持ちが疼きつつも、それをねじ伏せてくるパワーみたいなものがありました。  正直なところ、この映画を観るまで KiKi は「お金儲け ≒ 汚いこと」という刷り込みみたいなものがあったんだけど、そして「汚い(臭い)ものには蓋をする」的な態度をとっていたんだけど、お金について、人間の欲について、ちゃんと考えなくちゃいけないなぁ・・・・・と思ったものでした。

まあ、その延長線上に外資系の会社でバリバリ働いた「落ちこぼれ会計人」だった時代の KiKi がいるわけですけど、結局資本主義の世の中で生きていくためには「ぼろ儲け(一攫千金)」に走るということではなく、「お金を稼ぐ」ということに対して、それなりの自分なりの理論・立ち位置みたいなものをしっかり構築しなくちゃいけないのは事実じゃないかと思うんですよね。  まあ、KiKi の場合はそれに正面きって向き合っていたのが20代後半から40代初頭まで、そしてそれ以降はちょっと「ビジネス世界」に嫌気・・・・というか、諦念みたいなものが混じってきて、「映画版」冒頭の鷲津さんじゃないけれど「いち抜けた~」みたいな気分になっているわけですが・・・・・・(笑)

でもね、鷲津さんが再び「ファンド(ビジネス)」の世界に戻ったように、KiKi も何かきっかけがあると、「いち抜けた~・・・・を、や~めた!」って思うものなのかもしれません。  それだけビジネスの世界は面白いっていえば面白いし、ある意味での達成感・充足感みたいなものは与えてくれますからねぇ・・・・・。  それに人間はやっぱりどこかで人や社会と繋がっているという実感(それもできるだけどっぷりと)が必要だと思うし・・・・。

ところで、外資ファンドが日本のマーケットを席巻していた時代はそういう会社の求人も多くて、いわゆる「リクルーター」と呼ばれる会社から「こういうポジションで外資のファンド会社が人を探しています。  ご興味ありませんか?」みたいな勧誘の電話やらメールが KiKi みたいな一般企業の会計人にもよく届いたけれど、ああいう仕事 & 人は今はどこへ行っちゃったんですかねぇ・・・・・。  最近はそういう話(ファンド系の求人)がなりを潜めちゃったように感じます。

KiKi はね、ファンドの仕事がどうのこうの言うつもりはないんだけど、こういうドラマ & 映画って善し悪しみたいなところがあるように思うんですよね。  若くて、野望があって、パワーがある人はこういう世界に憧れみたいなものを抱くと思うんですよ。  実際、「ウォール街」が公開されてから特にアメリカではそっち系を指向する若い人が増えたっていう現象も起こっていたし・・・・・・。  で、「ウォール街」ではM. シーンが演じるバド(C. シーン)のお父さんが「売った買ったではなく、モノをつくれ」と語るシーンがあったり、こちらの「ハゲタカ」では大空電機の熟練レンズ工、加藤さんのセリフ「(金は)紙切れじゃないですか?」な~んていうセリフもあったりして、色々考えさせられることはあるんだけど、そこはどうしても地味なシーンになりがちで、ゲッコーや鷲津さんの世界の方がカッコ良く見えちゃうんじゃないかと思うんですよね~。  

会計人としての KiKi はファンドの仕事って、意義のある仕事ではあると思っているんだけど、要はそれに携わる人の「人としての資質」がモノを作る会社の普通の従業員以上に、厳しく、真摯に問われる世界だと思うんですよね。  そして厄介なのが、そこがボヤケがちな世界でもある。  「映画 ハゲタカ」で若手ホープとしてホライズン本社の注目株になった鷲津さんが、個室持ちのパートナー職(恐らく)になった際に「あんたは全然嬉しそうじゃなかった」(by 劉一華)っていうのが、それをものすご~く端的に象徴していると思うんですよ。  一般的には出世するっていうのはそこそこ嬉しいことだし、フロア・デスクから個室オフィスになるっていうのはそれだけで1つの達成感みたいなものを感じさせるものだけど、それでも純粋な喜びを感じることに戸惑いを覚えさせるような何かがある世界。

強くならなきゃ人を殺してしまう。  それが資本主義だ。

この言葉もとっても意味深だと思います。  鷲津さんのドラマ上の設定を知っているとここで言う「人を殺す」というのが、本当の意味で亡くなった「三島製作所の社長」だったり、「老舗旅館 西乃屋の社長」だったりを連想させるわけだけど、それだけじゃないと思うんですよね。  人を社会的に抹殺するということも含んでいるだろうし、「人間性の喪失」みたいなものも含んでいる言葉だと思います。  どちらかというと「資本主義」 vs. 「人本主義」みたいな感じで・・・・・。  

現在の日本では「カネ、カネ、カネ」みたいな風潮が蔓延っていて、誰もが金を欲しているようなところがあるけれど、「じゃあ、カネって何?」という本質論に関してはその多くの人が結構無頓着だと思うんですよ。  こういうドラマを観た後は、そういう根源的なことを考えてみたくなります。  

ま、いずれにしろ、こういうドラマを観ようという気分になったこと、そしてこういうドラマを観ると、あれやこれやとビジネス脳が動き始めるということ、そういうことを自分なりに冷静に評価してみると結局 KiKi は「本質的には仕事人間」なのかもしれません・・・・・・ ^^;  あ、それともこれは先週末にLothlórien_山小舎に行かなかった弊害なのかなぁ(笑)。   ま、そのあたりをはっきりさせるために(?)も、今度、原作本を読んでみようっと♪

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