大日本帝国の時代 由井正臣

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昭和史のお勉強をもう少し進めるためには、やはり日清・日露の両戦争とその時代の世界情勢をきっちりと頭に描きなおす必要があるように感じました。  ただ、そうなってくると振り返らなければならない事件があまりにも多く、言ってみれば「教科書的」にエッセンスを抽出してくれている本をまずは読みたくなってきます。  で、あれやこれや考えてみたのですが、そうなってくると「歴史のお勉強」をしている人たちの世代向けの本に目が向きます。  ま、てなわけで本日の KiKi の読了本はこちらです。

大日本帝国の時代 (日本の歴史【8】)
著:由井正臣  岩波ジュニア新書

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日清・日露の戦勝に酔いしれた近代国家日本は、その後急速に軍国主義化を強め、朝鮮や満州を植民地化して、ついに前後十五年にわたる無謀な戦争を強行した。  日本人はもとよりアジアの人びとに深い心の傷を負わせたこの戦争は、一体なぜ起こったのか?  その謎を解明しつつ、大日本帝国が今日に残した問題を考える。  (新書裏表紙より転載)

この時代のことをあれこれ考える際に、どうしても世界規模の帝国主義動向のダイナミズムやら、一つ一つの戦争や事変のあらまし、さらにはそこで出てくる歴史的登場人物がどうした、ああしたということに捕われがちになります。  もちろんこの本でもそのあたりに関しては、比較的客観的な記述で説明されているとは思うのですが、それより何より今回この本を読んでいて KiKi が一番感じたこと。  それはもっと別のことでした。  それはアジアの小国日本が背伸びしながらも弱肉強食の帝国主義世界を相手にするために、払ってきた一般人の犠牲(・・・・・と言うか、貢献・・・・と言うか)の大きさです。

明治維新後の生産性が高いとはまだまだ言い難いアジアの辺境国日本が大国清やロシア、果ては米英と戦争をするために、無理して大きな借金を抱えながら軍備をしたということ、私たちの祖先が生活していくのに最低限必要な物資さえも潤沢とは言い難い生活を続けながらそんな「お国」を支えていたということ、そこに発生していた「無理」を省みる余裕があったとはお世辞にも言えない歴史時間の中で、私たち日本人が置き去りにしてこざるをえなかったものの存在。  そして、そんな貧しい時代を経た人たちが拘らずにはいられなかった「豊かさ」の本質。  ・・・・・そんなことに想いを馳せる読書となりました。

その時代、もしくは戦後世代のやってきたことが「正しかった」とか「正しくなかった」とかそんなことではなく、今の「飢餓」とは無縁で、雨露を凌ぐ屋根や壁には守られ、次から次へと発売される「本当に必要なものかよくわからないもの」に囲まれた生活を送っている贅沢な日本人には想像することさえ難しいような貧しさの中を生き抜いてきた祖父・曽祖父・さらにはその前の世代の日本人にはホント、頭が下がります。  と同時に、そんな「我慢すること」が骨身に沁みついてしまっている世代の生き残りとも言える100歳を越えるお年寄りの方々が、所在さえわからないまま放置されても気がつかずにきてしまうようになった現代社会。  そこにあまりにも大きなギャップを感じずにはいられません。  

それにしても・・・・・・

20世紀以降の歴史は本当にわかりにくい・・・・・。  もっと昔の出来事であれば、国境を接している隣国同士のスッタモンダだったり、文化圏としてみた場合に比較的シンプルな対立の構図が多いのでそれでもまだ、「双方が何をどう考えていたのか?」が比較的見えやすいと思うんだけど、第2次大戦に至ってはあまりにも多くの利害関係と力関係が複雑に絡まりすぎていて、正直 KiKi にはお手上げの部分が多々あります。  この時代を書いた色々な本を読んでみても、ある種の本は結局はその一面しか捉えていなかったり、別の本ではあまりにも鳥瞰しすぎているために、その目線を個別の出来事に落とし込んだとき???が頭を渦巻いてしまったり・・・・・ ^^;

でも、その延長線上に私たちの生活があり、あの時代におこった様々な出来事が現代社会で発生している何かに、多かれ少なかれ何らかの形で影響を及ぼしていることだけは確かなわけです。  そして、そうであるなら100%理解できないまでも、常に理解しようとし続けることだけは必要だろうし、理解できなかったとしても正面から受け容れるということも必要なんだろうなぁ・・・・・と思うのですが、それを受け容れるということはアクションベースで何をすればいいのかがよくわからない・・・・・。  誰かを批判したり、世代を批判したりするのは容易いけれど、KiKi はそんなことに意味があるとは思えないんですよね~。  ああ、こうやって今回の「日本近代史のお勉強」も雑多な感慨をいくつか増やして終わっていくんだろうなぁ・・・・・・。  

でもね、今回の読書で一番学んだこと。  それはこの時代は「戦争と革命の時代」だったわけだけど、その大きなうねりの部分ばかりに囚われるのではなく、その時代を生きた名もなき普通の人たちがその時代にどんな生活を送っていたのか?ということにも、もっともっと注意が払われて然るべきだろうなということです。  そういう意味では「歴史本」よりもこの時代の人たちが書き残した「日記」の類を今後はもっと読んでみたほうがいいのではないか?と感じたのが一つの収穫でしょうか?(笑)

  

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2010年8月21日 23:29に書いたブログ記事です。

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