チェーザレ 破壊の創造者(1) 惣領冬実

| コメント(0) | トラックバック(0)

今日も引き続き現在絶版中の岩波少年文庫を読み進めている KiKi ですが、同時並行で久々にとあるお気に入りの漫画も再読しています。  KiKi はね、漫画世代に属する人間ではあるのですが、どちらかというと漫画というヤツをあまり好みません ^^;  漫画よりも文字と挿絵だけの本の方が子供の頃から好きでした。  でも、そんな KiKi でも大好きだった漫画が1つありました。  それは池田理代子さんの「ベルサイユのばら」でした。  フランス革命を描いたあの大巨編は KiKi が小学生の頃に「週刊マーガレット」という女性漫画誌に掲載されていたのですが、これが言ってみれば KiKi の漫画開眼の記念碑的(?)作品です。 

まあ、この作品と同時期に同じ週刊マーガレットに「エースをねらえ!」というテニス漫画が掲載されていて、この2つが KiKi にとっては結構嵌った漫画だったのですが、その後あまり興味をそそられる漫画には出会いませんでした。  大学生になった頃遅ればせながら「キャンディ・キャンディ」に出会い、「タッチ」に出会い、「ガラスの仮面」に出会い・・・・・・  まあ、そのあたりが KiKi の漫画遍歴と言っても過言ではありません。  池田理代子さんの作品も、「ベルばら」以降はリアルタイムでは読んでおらず、こちらは大人になってから「漫画文庫」で「オルフェウスの窓」やら「栄光のナポレオン」やら「女帝エカテリーナ」やら「天の涯まで ポーランド秘史」やらに出会いました。  そしてつい最近、「のだめ」に出会った・・・・  要するにこれが KiKi の漫画暦です。  で、そんな自分の漫画遍歴を見ていて気がついたのは、KiKi が好む漫画は「歴史モノ」か「音楽モノ」の漫画がやたら多いということです。  で、本日ご紹介する漫画もご他聞にもれず、「歴史モノ」の一品です。

チェーザレ 破壊の創造者(1)
作:惣領冬実 監修:原基晶  講談社 モーニングKCDX

51WQ11TG7WL__SL500_AA300_.jpeg (Amazon)

歴史の闇に葬られた人類史上、最も美しき英雄、チェーザレ・ボルジアの真実が甦る。  新鋭ダンテ学者・原基晶が監修。  世界的に最も定評のあるサチェルドーテ版チェーザレ・ボルジア伝のイタリア語原書を翻訳し、精査を重ね生まれた全く新しい物語。  (漫画本カバーより転載)

とにかく KiKi はこのチェーザレ・ボルジアという人物には半端じゃなく興味を持っていました。  過去に「歴史上の人物の中で誰が好き?」というような問いを投げかけられたとき、「チェーザレ・ボルジア」と答え、「誰、それ??」と逆に聞き返されたことの何と多かったことか!!  歴史の教科書にも出てこない彼の存在をどうやって知ったのかはもう覚えていないし、何にそんなに惹かれたのかは今もって定かではないんだけど、何故かこの男、KiKi の興味を捉えて離さないんですよね~。  で、高校生ぐらいの頃にマキャベリの「君主論」がチェーザレをモデルにして書かれていたりもするということを知ったときには、何だかマキャベリさんに妙な親近感を持ったことを今も覚えています。

とは言え、チェーザレ・ボルジアが実際のところどんな人物だったのかを紹介している本ってさほど多くないんですよね。  大人になって塩野七生さんの「チェーザレ・ボルジア あるいは優雅なる冷酷」が世に出たときは本当に嬉しかった!!!  思えば KiKi が塩野さんのファンになったのはこの「チェーザレ繋がり」があったればこそ!と言える様な気がします。

で、そういう意味では本来であればこの漫画のベースになっている「サチェルドーテ版 チェーザレ・ボルジア伝」をこそ KiKi は読みたいのですよ。  日本語にさえなっていれば!!!  でもね、生憎 KiKi はイタリア語はさっぱりだし、今からイタリア語を1から学んでまでして読もうというほどには若さもパワーもありません ^^;。  で、数年前にこの漫画を店頭で見つけたときに思わず衝動買いをし、以来、コツコツと1冊ずつ買い集めているのです。  なかなかゆっくりペースの発刊でいつになれば最終話にたどり着くのか、現在までに市販されている7冊が全体の何%を占めるのか、まったく知らないのですが、じっくりと丁寧に最後まで完成させて欲しい「大人の観賞に耐えうる漫画」だと思っています。   

チェーザレ・ボルジアに関連する書物を探すと、その多くが彼の父親であるロドリーゴが法王になる(アレッサンドロ6世)あたりから書き起こしていることが多い中、この漫画ではチェーザレが学生時代をすごしたピサのサピエンツァ大学時代を描いているのがまず新鮮です。  この漫画に描かれていることがどこまでが真実でどこからが創作なのか、KiKi にはよくわからないのですが、あの「時代の異端児・チェーザレ」であればさもありなんというエピソードが満載です。

と、同時に閉塞感あふれる中世の様子も、あまりにも見事に捕らえている作品じゃないかと思うんですよね。  この第1冊の冒頭にある「死せる魂」の講義などは本当に興味深いと思います。  ざっと引用してみると・・・・・

教授: では今日は死せる魂についての見解を良きキリスト教信者である諸君に述べてもらいたい。  ここにある君主がいたとしよう。  この君主が死せる時その葬儀の喪主を務めるのは誰が適切だと思うかね?

ジョヴァンニ・メディチ: 喪主たる者は王位継承者以外の王の親族です。  王の御遺体とその肖像画が存在する以上王位継承者は臨席することはできません。  肉体と共に王の肖像画がある場合、その肖像画は亡き王の魂として未だ王国に君臨していることになります。  よって王位継承者がその肖像画の前で喪主を務めた場合、亡き王の魂に礼を失することになるからです。

教授: その通りだ。 ジョヴァンニ君。  明快な解答をありがとう。

 

へ?  そうなんですか????

 

現代的教育を受けている KiKi にはさっぱり理解できないこういう理屈が罷り通っていた世界。  それが中世だったんですねぇ・・・・・。  ま、このあと、いわゆる読者目線の登場人物として描かれているアンジェロという少年が、色々なことを喋るんだけど、いずれにしろ「亡き王の魂に礼を尽くすために、王位継承者以外の王の親族が喪主を務め、王位継承者は臨席できない」というのがあの時代の常識だったらしい・・・・・・。  まあ、これは一般人のお話ではなく、君主の話なのである意味での特殊性があるのかもしれませんが、こういう話を聞くと「なるほど、だからルネッサンスというムーヴメントがあったのか」と、直接は関連していないにしろ、納得できちゃうような気がします。

そして、この巻でもう1つ印象的だったのが、当時のピサという街のいわゆる「勢力図」のお話。  世事に疎いアンジェロに仲間の1人が教えてあげるシーンがあるのですけれど、KiKi は思わず何度も地図を眺めながら「なるほどねぇ~」と感心していました。  曰く、当時のピサには3つの勢力があり、それは「メディチ家が管轄するいわゆる商業地区」と「大司教が管轄するいわゆる宗教地区」と「ドメニコ会が管轄する貧困地区」とのこと。  そして、この巻の最後はその「ドメニコ会が管轄する貧困地区」に社会科見学に行くチェーザレ & アンジェロの凸凹コンビの姿で終わります。  

最初にこの漫画を読んだ時にも第1巻からグイグイ引き込まれたけれど、今日もその吸引力は全く衰えていませんでした。  明日は第2巻です。

 

 

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://poco-a-poco.chu.jp/mt/mt-tb.cgi/702

コメントする

2015年2月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28

Current Moon

CURRENT MOON

東京のお天気


山小舎のお天気


Booklog



ブクログ

アーカイブ

ウェブページ

Powered by Movable Type 4.261

TrackbackPeople

クラシック・ピープルの Trackback People Site


チェロ ラヴァーズの Trackback People Site


Piano~ぴあの Trackback People Site


ピアノオススメ教本の Trackback People Site


ピアノ教室の Trackback People Site


Book Love Peopleの Trackback People Site


本好きPeople・ぴーぷるの Trackback People Site


今日読んだ本の Trackback People Site


ファンタジーが好き♪の Trackback People Site


この絵本がすごい!の Tackback People Site


児童書大好き♪の Trackback People Site


ハヤカワepi文庫の Trackback People Site


岩波少年文庫応援団の Trackback People Site


薪ストーブの Trackback People Site


週末は田舎暮らしの Trackback People Site


野菜育てPeopleの Trackback People Site


ガーデニングの Trackback People Site


パッチワークキルトの Trackback People Site


あなたの訪問は?


日めくりカレンダー


Real Time News


カテゴリ

ノルンはいくつ?

本が好き!


読書メーター

KiKiさんの読書メーター
KiKiさんの読書メーター

最近読んだ本

KiKiの最近読んだ本

今読んでいる本

KiKiの今読んでる本

読了目標





今やってるゲーム

KiKiの今やってるゲーム

このブログ記事について

このページは、KiKi (Brunnhilde)が2010年9月 8日 10:35に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「クオレ アミーチス」です。

次のブログ記事は「ぼうしネコとゆかいな仲間 ジーモン&デージ・ルーゲ」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

高速運賃





Edita

ブロガー(ブログ)交流空間 エディタコミュニティ

名言黒板


作家別タグ