チェーザレ 破壊の創造者(4) 惣領冬実

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今日も引き続き「チェーザレ」の Review です。  第4巻にしてようやくルクレツィア(チェーザレの妹)が登場しました。  もっとも彼女がこの漫画にもちゃ~んと登場してくることは第3巻の帯で既に予告済みだったんですけどね(笑)。  まあ、チェーザレを語る際には彼女に触れずに終わることはありえないので当初から「いつ出てくるんだろう??」と期待はしていたのです。  でも、ここまで完成された女としていきなり出てくるとは、さすがに想定外でした。  しかも彼女は齢11歳!!  う~ん、女性っぽい女性っていうのはやっぱり幼い頃から女なんですかねぇ~ ^^;  彼女と似たような(決して同じではない!)感覚を KiKi が持てるようになったのは20代も数年経た位だったような気がしないでもない・・・・。  ま、いずれにしろ本日の KiKi の読了本はこちらです。

チェーザレ 破壊の創造者(4)
作:惣領冬実 監修:原基晶  講談社 モーニングKCDX

41VBRkGuESL__SL500_AA300_.jpeg (Amazon)

1491年、11月。  フィレンツェの大富豪ロレンツォ・デ・メディチに見込まれたアンジェロは、各国から貴族や有力市民の子弟が集まる名門・サピエンツァ大学ピサ校に入学、一人の青年と出会う。  彼の名はチェーザレ。  スペイン出身で、父は教皇庁のナンバー2という名門貴族。  はるか昔、全ヨーロッパを支配し巨大な帝国を築いた英雄と同じ名を持つ青年は、のちに現代政治学の祖・ニッコロ・マキァヴェッリの名著『君主論』のモデルとなり政治の天才と謳われた人物だった......。  闇に葬られた若き英雄が、今甦る。超美麗ルネッサンス絵巻!

現教皇に死期が近づき、ローマでは次の教皇選を睨んだ戦いが始まっていた。  チェーザレは、ロレンツォとピサ大司教との協調を画策。  工場建設計画を立案し、ジョヴァンニを陰で動かすとともに、アンジェロを工事責任者につけ計画を進める。  そんな中、チェーザレの働きによりラファエーレとジョヴァンニの会食が実現。  両家の因縁は解消したかに見えたが、今度はピサに漂い始めた新たな陰謀の影が、チェーザレに近づいていた。  (Amazon より転載)

第1巻の終わりから第2巻の最初までは「世事に疎いアンジェロのための社会化見学」だったのが、今号では「庶民生活に疎いチェーザレのための社会科見学」っていう感じでしょうか(笑)。  企画:ボルジア、遂行:メディチの産業振興プロジェクトで問題が発生したのを機にチェーザレが工事現場視察(偵察?)に行くエピソードが楽しいです。  政治的なことには年齢を感じさせない「大人顔」のチェーザレが、工事現場視察をほっぽらかしてついでに出向くピサでのお祭り観光では、以前ダ・ヴィンチに見せたのと同じような子供の顔を見せてくれます。

たまたま今号にはルクレツィアの回想という形で、大学入学前のチェーザレの幼い姿も描かれているところから、ホント、お祭り見物で見せる好奇心に突き動かされたチェーザレの行動が何とも言えません。  ある意味、年相応とでも言いましょうか・・・・・。  こと政治が絡むと凄みさえ見せるチェーザレが護衛を巻くために屋根伝いに逃亡する際に見せる生き生きとした表情、アンジェロと並んで路上でプルーンを食べ残った種をプッと飛ばす種飛ばしに興じる様子、悪意なく潜り込んだテントで着替え中のダンサーに痴漢扱いされつつも好奇心には勝てずにいつまでも彼女たちの裸体に名残惜しげな様子、十字軍を題材にした芝居の筋立てに思わず口を挟んでしまう様子、屋台の的屋でのドタバタ騒動、寄木細工のからくり箱に真剣に取り組む様子・・・・・。  その全てがチェーザレにとっていかに新鮮な体験でいかに貴重なものだったのかが伝わってきます。

チェーザレの住む大司教邸ではナッツを暖炉にくべて破裂音がしただけで護衛がすっ飛んでくるのですから、この対比たるや凄いものがあります。  しかもその騒動にウンザリしたチェーザレが「何事もほどほどということか・・・・」といった直後のイベントなだけに、ついつい「あれ??  何事もほどほど・・・・じゃなかったんですか?」というチャチャをついつい入れたくなってしまうのは KiKi だけではないのではないかしら・・・・・(笑)。  

 

自分の勝手な思い込みから、「アンジェロ流理想のいい人」扱いをしてチェーザレを慕っていたアンジェロが少しずつ、少しずつ、チェーザレを「人」として見直し始めているのもいい感じです。  チェーザレと出会って、一方的な思い込みから憧れを抱き、その憧れを見直すという経験を経つつあるアンジェロだからこそ、ようやくメディチ家の御曹司・ジョヴァンニ殿下のことも少しずつ理解できるようになっている・・・・・そんな風に感じます。

ミゲルのチェーザレ評はとっても参考になるように感じます。  曰く、

果たしてあれがどこまで友情というものを理解できているものやら・・・・・

曰く、

チェーザレは人を自分にとって「価値のある人間」「都合のいい人間」それだけで判断する。  相手がどんなに非道でも利用価値さえあれば、平気で友人のように振る舞える。  奴はそういう人間だ。  仕方がない、幼い頃よりそう育てられた。  あれは権謀術数の特化型だ。

曰く、

いや、別に、尊敬などしてはいないが・・・・。  確かにあいつの力量は認めるが、人としてはどうかと思う。  あいつほど傲慢で自信家で恐ろしく気位が高い奴はいない。  長年つきあってきたが扱いにくいことこの上ないな。  それでいて表面上は友好的に振舞うのだからさらにたちが悪い。  でもまあ、1度信頼関係を結ぶとあれほど頼りになる男もいないがな。  正直あれが敵でなくて本当によかったと思っている。

なんだか背筋がゾクゾクしてくるぐらい、KiKi の思い描いているチェーザレ像そのまんまなのが嬉しいような、怖いような・・・・・・(笑)。

そして、今号で KiKi が一番印象に残ったやり取りはチェーザレ vs. マキァッヴェリのこの応酬です。

M: いえ、私が嫌いなのは無能な貴族でございます。
C: 私も無能な人間は嫌いだ。  貴族・庶民に限らずな。

う~ん、やっぱり類は友を呼ぶんですねぇ~。  いかにも2人の天才が交わしそうな会話です。  これに対してチェーザレに対するアンジェロの会話は、チェーザレじゃないけれど

お前は鋭いんだか鈍いんだかよくわからないヤツだなぁ・・・・・

と感じられます。  このあたりの対比が際立っているのはやっぱり惣領さんの力量でしょうか??  第3巻に比べるとちょっとスピードダウンした感じのする第4巻ですけど、しっかりと第5巻への期待だけは膨らませてくれて幕となりました。

  

  

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2010年9月12日 15:39に書いたブログ記事です。

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