チェーザレ 破壊の創造者(5) 惣領冬実

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今日はチェーザレの残り3巻をついつい一気読みしてしまいました(苦笑)。  やっぱりこの人物の魅力にはどうにも抗いきれない KiKi。  ま、まとめてエントリーを書くことも考えたのですが、漫画であるにもかかわらず、やっぱりかなり奥深い物語。  今日、明日にかけてやはり1冊ずつエントリーを書いていきたいと思います。  ま、てなわけで、まずはこちらから・・・・・。

チェーザレ 破壊の創造者(5)
作:惣領冬実 監修:原基晶  講談社 モーニングKCDX

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初めての実戦。  最後の青春。

中世の大学、そこは政治の縮図。  イタリアの支配を巡り対立するスペインとフランス。  ピサとフィレンツェの歴史的遺恨も再燃。  名門大学は模擬戦という名の代理戦争に沸く。  そしていつの時代も、若さは血を求める――。

チェーザレ暗殺を命じられた刺客がピサに潜伏した。  黒幕を探るチェーザレは、祭りの喧騒の中、自らの命を餌に危険な賭けに出る。  一方大学ではボルジア家の宿敵一派、フランス貴族のバリュー兄弟が帰還し、十字軍を模した大規模な騎馬試合が開かれることに。  政治、復讐、野心が入り交じり、熱き戦闘が始まる。  史実を精査し圧倒的な画力で再現される、中世の戦闘。惣領冬実の新境地――。  (Amazon より転載)

いや~、今号では絵の迫力にやられっ放しです。  物語としてはさほど進んでいないのですが、ピサ大学で催された騎馬試合の様子がこれでもかっていうぐらい丁寧に描かれているんですよね~。  実写版の大河ドラマ系やら騎士物語系の騎馬試合よりもはるかに迫力があります。  さすが、美大出身の漫画家さんですねぇ~。

それ以外にも読みどころはいっぱいあって、案外・・・・というか、やっぱり女好きなチェーザレの一面が描かれていたり、刺客との勝負で相も変わらずの肝っ玉を見せつけられたり、ミゲルやフランチェスコのちょっとした一言から「まったくもって何てヤツだ!」と思いつつもチェーザレを認めざるを得ない側近たちの心が描かれていたりと、チェーザレ・ファンである KiKi には美味しい設定(笑)が満載です。  後の彼を髣髴とさせる「戦う司教ぶり」は説得力に満ちているし、これだけでも今号を読んだ甲斐があるっていうものです。

結構笑えるのが、刺客に襲われた(というより誘い込んだ?)チェーザレを助けに現れたスペイン団の皆さんの1人(フランチェスコ)が「チェーザレ庶民の生活を知る;社会科見学」の過程でアンジェロに買ってもらった寄木細工のからくり箱を思わず踏み潰してしまった場面。  路面に転がっているのは、壊れたからくり箱 & ミゲルにとどめを刺された刺客さんという状況の中でのチェーザレ vs. アンジェロの会話です。

A: チェーザレ様!  ご無事でしたか?
C: これを見ろ!  せっかくおまえが買ってくれた箱をフランチェスコの奴が壊してしまった!
A: ・・・・・それよりも私は向こうの死体のほうが気になるのですが

ある意味で生きるか死ぬかの闘争真っ只中にいるチェーザレが時折見せるこういう子供っぽさが、実は彼はまだ16歳の少年であることを思い出させてくれます。  う~ん、いくら時代が違うとはいえ、「早熟」が求められる時代(階層?)っていうのはどことなく滑稽というか、いびつな感じがしますよね~。

ところで・・・・第3巻ではまだまだアンジェロを「信用などしていない」と言い切っていたチェーザレですが、第4巻辺りから少しずつ彼を見る見方が変わってきているような気がします。  「鈍いようでいて実は鋭いところのある」アンジェロをある意味で認めつつある・・・・・そんな感じです。  少なくともチェーザレの嫌いな「無能な」人間ではないという評価、ま、それは裏返せばミゲルが言うところの「自分にとって利益となる」というカテゴリー、それも便利に使い倒すという意味ではなく、もう少し「一人前扱い」をするようになってきている・・・・・そんな気がします。

アンジェロに説教されてもそれを「驚いた  この私がおまえに説教されているぞ」と混ぜっ返しつつも聞いているチェーザレ、そしてフランチェスコに踏み潰されてしまったからくり箱の代わりの箱を探し回って「冒険の記念」といってチェーザレに差し出すアンジェロとその箱の中に入っている文字が掘り込まれた金属片(その文字には教訓めいたことが書かれている)を見て思わず苦笑してしまうチェーザレの姿にそれを感じます。

そしてもう1つ。  ちょっと地味なシーンなんだけど、ピサ大学に入学する前に交わされるロメンツォ・デ・メディチとジョヴァンニの会話が印象に残りました。  

よいか?ジョヴァンニ。  ピサを再興したのがたとえ我がメディチ家であろうとも決してピサでは傲ることなくまた市民にそのような印象を与えてはならぬ。  お前にはローマの名門貴族オルシーニ家の血が流れている。  それでもやはりお前はメディチ家の人間なのだ。  今でこそフィレンツェとピサの覇権を掌握するメディチだが、所詮メディチ家は平民の出。  貴族ではないのだ。  市民の支持あってこそ今のメディチがあるのだ。  だからこそよいか?  市民の反感を買ってはならぬ。  ピサでは決して攻撃的な態度を見せてはならぬ。

この漫画ではどことなく人の良い癒し系キャラに描かれているジョヴァンニだけど、彼だって一応後のレオ10世(法王)なのですから、この漫画に描かれるほど凡庸な人物でもなかったのではないかと思うのですが(かと言ってメチャクチャ優秀というのでもなかっただろうけれど)、自分の置かれている立場を常に切実に感じつつ生きることを余儀なくされた10代の少年の姿には思わずホロリとなってしまいます。  ま、ふてぶてしいまでに動き回っているチェーザレも同じ10代の少年なんですけどねぇ・・・・・(苦笑)

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2010年9月12日 23:28に書いたブログ記事です。

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