妖精王の月 O.R.メリング

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以前からず~っと気になっていて、なかなか手を付けられずにいた「忘れ物」みたいな本って誰にもあると思うんですよ。  好奇心が旺盛で興味の対象があっちへ行ったりこっちへ行ったりする傾向のある KiKi にはそういう類の本が多いんだけど(^^;)その中のひとつに挙げられるのが O.R. メリングの作品でした。  そんな作品を今回図書館で借りてくることができたのは、ラッキーでした。  ま、てなわけで本日の(実際には昨日の)KiKi の読了本はこちらです。

妖精王の月
著:O.R.メリング 訳:井辻朱美  講談社

21MPJZ73ZEL__SX230_.jpeg (Amazon)

そなたの答えがノーでも、彼女の答えはイエスだ。  わたしは〈人質の墳墓〉から花嫁を連れていく。  フィンダファーを寝袋もろともさらいあげると、妖精王は塚山から去った。  タラの丘の〈人質の墳墓〉でキャンプした夜、別の世界にあこがれるいとこ、フィンダファーが妖精王にさらわれる。  翌朝からグウェンのいとこを連れもどす旅がはじまる。  妖精たちとの絶妙な出会いに助けられながら。  だがケルトのフェアリーランドは、グウェンにとっても魅力ある世界だった。  カナダの青少年がその年、一番おもしろかった本を選ぶルース・シュワッツ賞の1994年度受賞作。  (単行本扉より転載)

評判 & 期待に違わず、面白かったぁ!!!  この世界観!  これこそが KiKi の読書に求める「ワクワク・ドキドキ」の典型なんですよね~。  ファンタジーと言えばファンタジーなんだけど、KiKi には神話・叙事詩に近いものに感じられます。  で、舞台がアイルランドでしょ。  ベースがケルト伝承でしょ。  これはもしも誰かに素通りしろと言われていたとしても、絶対に KiKi には通り過ぎることができなかった物語だし、これからも何回か読み直してみたい作品だと感じました。  まあ、プロットが乙女チックにすぎるところが難点と言えば難点でしょうか?  でも、妖精たちの住む世界と現代の私たち人間が住む世界をここまで難なく融和させてしまっている作品という意味では、ケルト物語に興味のある男性であれば、楽しんでいただける作品なのではないかと・・・・・(笑)

主人公の2人の少女もなかなか興味深い人物造詣だと思ったけれど、それ以上に脇役的に出てくる人々、妖精たちが生き生きしていてとても魅力的です。  KiKi にとってもっとも魅力的に見えたのは最後の最後に出てくるインチ島の王、ダーラ・マクロリー。  どうやら彼はかなりの美男子らしいけれど、物語を読んでいる KiKi には彼の Visual は確認のしようがないので、これはツラに惚れたわけじゃないことだけは断言できると思います(笑)。  彼のもっとも魅力的なところ、それは普通の現代の青年としての生活とインチ島の王という2つの世界観をいとも簡単に並立させてしまっているところ。

グウェンに語る以下のいくつかのセリフに何だかぐっときちゃうんですよね~。

この島の王さまさ。  アイルランドにはそんな王がたくさんいる。  (中略)  法的にはなんの効力もないけれど、場所によっては、特別の権利や義務をもってる - 連絡船が運んできた郵便物の仕分けとか、レガッタやなんかの開会式をやることとか。

彼ら(アイルランド人)は(妖精の存在を)信じてもいるし、信じてもいない。  だいいち妖精が、求職や政治や新しい道路や農場経営に何の関係があるかい?  ふたつの世界は、これまでにないほど隔たってしまった。  でも地方の人間の大半は、妖精の城砦の木々を切り倒すのを好まない。  それが愛のためでも、お金のためでも。

グゥエン、君は本当に北アメリカの人らしいな。  なんでも白か黒かで割り切ろうとする。  もちろん、ぼくはここに属している。  何世代もの祖先がここに暮らしていた。  きみの言い方だと、ルーツってことになるのかな。  でも両親もそうだけど、ぼくもここでは生計をたてていけない。  農場もやれないし、漁師にもなれない。  ぼくらは洋品店をやってるんだ。  大学を出たら、ぼくは実業界に入る。  インチ島には、これからもちょくちょくもどるし、いつかは引退してここに引っ込むと思うけれど、生活の舞台はここじゃない。

ああ、グウェン、きみはアイルランドを夢の庭だと思ってたの?  ここは現実の人間が住む現実の場所で、われわれだって、ほかのみんなと同じように、生活していかなきゃならないんだよ。

君は又二者択一にはまってるよ。  ぼくはなにもかもをはっきり分けてしまうつもりはない。  その全部を生きたいんだ。

何だかこのセリフの一つ一つが、未だに都会での「落ちこぼれ会計人生活」を捨てきれず、でもLothlórien_山小舎に時間が許す限り篭りたがる、今の KiKi の考えていることに Fit していて、何だか嬉しくなってしまうんですよね~(苦笑)

妖精の住む世界についてあれやこれやと空想を逞しくすることが、現実逃避の表れじゃないかと思って、可能な限りそういう世界観の物語には近づかないようにしていた、20代~30代の KiKi。  40代になって実業的な部分ではある程度肩の力を抜いても、そこそこ何かが成せるような気がしてきて、再び「物語の世界」を指向し始めている今の KiKi。  でも、ダーラにはそんな気負いのようなものがまったくないっていうのが羨ましくもあり、清々しくもあり・・・・・・。

う~ん、この本は今回は図書館本で読了したんだけど、何だか蔵書にしておきたい気分だなぁ・・・・。  次は「歌う石」、「ドルイドの歌」のどちらへ進んでみようかしらん・・・・。  今回借りてきたメリング作品はこの2冊なんですよね~。  次の作品を読んでみるのが楽しみです。 

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2010年10月30日 15:30に書いたブログ記事です。

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