2010年11月アーカイブ

「クロニクル千古の闇シリーズ」も4作目まで読み進めました。  第3巻の「魂食らい」でいきなり主人公トラクの宿敵「魂食らいたち」全員と対決させられちゃったトラクですが、ここから先は1人ずつ、片付けていくお話になるのでしょうか??  ま、いずれにしろ本日の KiKi の読了本はこちらです。

クロニクル千古の闇 4 追放されしもの
著:M.ペイヴァー 訳:さくまゆみこ 画:酒井駒子  評論社

51q3CUP41jL__SL500_AA300_.jpeg (Amazon)

「氏族の掟に従い、おまえをハズシにして追放しなくてはならん」  ...胸に刻まれた邪悪なしるしを見られてしまったトラク。  氏族からはずされ、追われる身となる。  トラクに寄り添ってくれるのは、オオカミのウルフだけ。  すべては<魂食らい>が仕かけた罠なのか?  次々と明かされる驚くべき秘密とは?  ―想像を越える面白さのシリーズ第4弾。  (単行本扉より転載)

前巻でトラクの胸に刻まれた「魂食らい」の刺青が呼び起こすトラクの悲劇。  ああ、あんまりだ!と思う気持ちがある反面、とにかく氏族を無事に生き永らえさせるためには、トラクを「ハズシ(村八分みたいなものだけど、森で氏族に属するものに出会うことがあったら抹殺される!)」にしなければならなかった人たちのことも、理解できないわけじゃない・・・・・。  それにしても未だにトラクは青年ではなく少年なのに・・・・と思うと胸が痛みます。  本当は「生きる」って「生き抜く」ってそれだけで大変なことなんだと改めて感じさせられた1篇でした。  

この第4巻でもう1つ考えさせられたのは「群れ」というものがどういうものか?ということです。  簡単に言ってしまえば人間の「群れ」がこの物語の中の「氏族」と同義だと思うんだけど、トラクが母親から「氏族なし」とされたのは何故か?  「オオカミの群れ」と「兄貴とのちっちゃな群れ」の間で揺らぐウルフの気持ち、そして「ハズシ」という掟を作らなければならなかったこの時代の「氏族」たちの群れ意識。  そこには「隣は何をする人ぞ」世代の現代人には計り知れない「生き抜くための知恵」があったことを思うと、「個人の時代」であることが果たして幸せなことなのか否かを考えさせられます。

   

以前、こんなエントリーを書いたことからもおわかりとは思いますが、KiKi は上橋ワールドには半端ではなく心酔しちゃっています ^^;  ですから、一旦は幕を閉じたと思っていた「獣の奏者」の外伝が出ると知ったときには、心底、心が震えました。  本来なら発売と同時に即購入!してもおかしくなかった KiKi ですが、最近はちょっと図書費が嵩み気味で、ぐっと我慢!!  でもねぇ、都心の図書館だと予約待ちが半端じゃなくて読むことができるのはもっとずっと後になっちゃうんだろうなぁ・・・・。  まあ、その間期待感を熟成させておけばいいかぁ・・・・と半分開き直っていたところ、これが吾妻郡図書館だとあっという間に借りられる順番が訪れちゃって、びっくりするやら嬉しいやら!!  ま、てなわけで本日の KiKi の読了本は図書館本でこちらです。

獣の奏者 外伝 刹那
著:上橋菜穂子  講談社

51vWe1WmwuL__SL500_AA300_.jpeg (Amazon)

王国の行く末を左右しかねない、政治的な運命を背負っていたエリンは、苛酷な日々を、ひとりの女性として、また、ひとりの母親として、いかに生きていたのか。  時の過ぎ行く速さ、人生の儚さを知る大人たちの恋情、そして、一日一日を惜しむように暮らしていた彼女らの日々の体温が伝わってくる物語集。  (単行本扉より転載)

エリンの同棲時代、エサルの若き日の恋・・・・・、本編では明かされなかった空白の十一年間が今ここに!  (単行本表紙より転載)

う~ん、これは女性だから書くことができた物語だと思います。  しかもそれはイマドキの女性ではなくて、KiKi も過ごしてきたあの何とも微妙で窮屈な「社会的男尊女卑」が残っていた時代に、キャリアを重ねてきた上橋さん世代の女性でなければ書けなかった物語ではなかったかなぁ・・・・と。  特にそんな思いを強くしたのは、エサルが若かりし頃の苦い恋を思い返す「秘め事」です。  読み方によっては単なる「不倫賛歌」とも読めなくもない、エサルとその学友の刹那的な恋。  でも、これって賛成するか否かはともかくとして、「何かを得るためには別の何かを捨てる覚悟が必要」だった時代に「自分の選択に覚悟しつつも女を自覚する」人生を歩んだ経験のある人であれば、その心の根っこにあるものに共感できる物語だと思いました。  本書の構成としては、エリンとイアルの同棲・結婚時代を書いた「刹那」、件の「秘め事」、そしてエリンの息子ジェシの成長を垣間見る「はじめての...」の3篇です。  

どの短編も上橋さんならではの人物造詣、生き方造詣で「なるほど・・・・」と頷かされるものがあるのですが、個人的には「刹那」は「なるほど、やっぱりね」という感じ。  「はじめての...」はある意味でちょっと異色で、どちらかというとエリンの生活のある一段面を覗き見した感じ(笑)。  そして「秘め事」は本編ではさほど多くを語られることのなかったエサル師の人としての奥行きを感じさせてくれる物語だったと思います。

  

「クロニクル 千古の闇」シリーズも3巻目です。  全6冊ということはちょうど折り返し地点。  ま、てなわけで本日の KiKi の読了本はこちらです。

クロニクル千古の闇 魂食らい
著:M.ペイヴァー 訳:さくまゆみこ 画:酒井駒子  評論社

51qFwi1qFWL__SL500_AA300_.jpg (Amazon)

「兄貴、助けて!  どこにいるの?」  ―人間の魂を罠にかけるという恐ろしい<魂食らい>。  その<魂食らい>が、トラクの大切な弟、オオカミのウルフをさらっていった。  いったい何のために?  トラクとレンは、ウルフを追って、凍りつく極北の地へ足をふみ入れる。  <ヘビの目>と呼ばれる場所でふたりが知った衝撃の事実とは?  ますますおもしろくなるシリーズ第3弾。  (単行本カバーより転載)

第1作が森、第2作が海、そしてこの第3作では氷河地帯が舞台です。  文明の力に頼り切っていて、己の持てるものを最大限利用して生き抜く術を持たない KiKi なんかでは1日ともたないような極限の世界の中、トラクの試練は続きます。  第1作、第2作と比べると色彩感も乏しく、寒さのためか全体的にくすんだトーンのまま進む本作。  何となく神秘的な雰囲気も前作までに比べると弱め・・・・のような気がします。  ま、これは KiKi がこの物語の世界観に馴染んできているせいかもしれませんが・・・・ ^^;  日本人の感性からすると「純粋」「純潔」の象徴とも言えるような真っ白な世界の中で行われる「魂食らい」たちの悪行(イメージカラーは黒? or 赤と黒?)のコントラストのみが浮かび上がるような作りになっているような気がします。

<魂食らい>たちに囚われていたウルフとようやく再会したトラク & レンコンビが傷を負い、その化膿しきった傷により命をも危うくさせているウルフの尻尾を切り落とすシーンは衝撃でした。  と、同時に KiKi は物語とは全然関係ないことを考えていました。  狩猟犬の一部の犬種では今も尻尾を切り落とす行為が行われていて KiKi はこれまでそれを「人間のエゴ」「悪魔に魂を売り渡す行為」ぐらいに考えていたんだけど、これもひょっとしたら必然性のある行為だったのかもしれないなぁ・・・・と。

確かに現代人が行っている尻尾を切り落とす行為の目的は「ドッグショーなどでよい成績を残すため」だったりしているという話もあって、狩猟犬でありながら狩りとは縁のない生活をしているにも関わらず必然性がわからないなか、尻尾を切り落としていたりもするので、それはやっぱり褒められた行為ではないような気がするけれど、ず~っと昔、トラクたちが生きていた時代、犬が人間の狩りのお供をしていた時代であれば、その狩りの最中に傷を負った犬の尻尾を「命を守るため」に切り落としたこともあったかもしれない・・・・。  いえそれ以前に傷を負いやすい尻尾を最初から切り落としておくこともあったかもしれない・・・・・・と。

 

あまりにも楽しくてサクサク読めてしまった第1巻に引き続き、第2巻も図書館本で読了です。

クロニクル千古の闇 2 生霊わたり
著:M.ペイヴァー 訳:さくまゆみこ 画:酒井駒子  評論社

51XFCJFH8VL__SL500_AA300_.jpeg (Amazon)

「すべての生き物の魂は、肉体に根を張っている」と、アザラシ族の魔導師は言った。  「しかし、千回もの冬がめぐるうちには、生まれてくることがあるのだよ。  ほかとはちがう者がな。  その者の魂は肉体を離れることができる。  そういうことができる者を<生霊わたり>というんだ」  トラクは息をのんだ。  「まさか!  ぼくはちがいます。  <生霊わたり>のはずがない」  ...紀元前4000年の太古の世界を舞台に、ひとりの少年が恐るべき悪の力に立ち向かう。  彼をねらう<魂食らい>とは?  はなればなれになった子オオカミウルフの行方は?  息づまる迫力のシリーズ第2巻。  (単行本カバーより転載)

第1巻に引き続き第2巻もサクサクと読み終えてしまいました。  読んでいて感じたのは第1巻の Review でも書いたことだけれど、上橋菜穂子さんの「守り人シリーズ」との類似性です。  扱っている時代も舞台設定も人物造詣も異なると言えば異なるんだけど、どこか似ている・・・・・。  それは文章の持つ息遣いのようなもの。  舞台で生きる人々の生き様の説得力の強さ・・・・のようなもの。  そしてそこに説得力があるだけに、太古の時代には人間はかくも自分が属する「村」や「里」、「族」独自の文化を持ち、そこにはそれぞれの「信仰」があり、それらの「暮らしぶり」「文化」「信仰」といったものに誇りを持っていたことが切々と伝わってきます。  昨今では新しいブームに乗り遅れまいとする風潮が強いような気がするんだけど、そしてそれを「進歩」と信じる空気があるように感じるけれど、「変わらないものを大切にする」生活にある種の羨望に似たものを感じました。

  

 

  

久々に眺めた富士山

| コメント(0) | トラックバック(0)

KiKi は静岡県の出身です。  そんな KiKi にとって「富士山」というのは「あって当たり前の山」「見えていて当たり前の山」という存在でした。  毎朝、通学途中で富士山を眺め、「今日ははっきりくっきりよく見える」とか「今日は傘をかぶっているから風が強くなる」とか「今日は初冠雪があった」とか、そんな会話を両親や友だちとして育ちました。  大学入学と同時に上京し、「富士山が見えなくて当たり前」の生活に変わったとき、何だかとても心もとないような、大切な何かを失った喪失感に近いものを感じましたが、月日がたつのと同時に、今度は「見えなくて当たり前」に慣れきってしまうようになりました。

大学を卒業して数年した頃、高校の同窓会に参加した KiKi は大学進学と同時に静岡県を離れていた友人たちの何人かが、一旦は都会で就職したものの実家に帰り静岡県で再就職していることを知りました。  彼らがどうして都会生活を捨てたのか、ちょっぴり疑問に感じた KiKi は「どうしてこっちへ帰ることにしたの?」と聞いてみました。  するとそんな人たちの中の何人かがまるで申し合わせたかのごとく同じ反応を示しました。  彼らはほんの少しだけ考える時間をとりました。  そしてようやく口を開いた時に発した言葉は

「だって・・・・・富士山があるし・・・・・。」

このとき、KiKi は感じました。  「ああ、なんて分かり易い、でも納得しやすい理由なんだろう!」ってね。  そして、富士山の存在ゆえにUターンを決めた友人たちをほんのちょっぴり羨ましく感じました。  KiKi にとっても富士山はとても大切な山だったけれど、彼らの気持ちは、いえ、気持ちというより、お腹の底から、KiKi の臓物のすべてが大きく首を縦に振っていたけれど、それでもUターンの決心がつかない KiKi にとって彼らは眩しく映りました。  

ま、それはさておき、故郷静岡県で暮らした年月よりも東京で暮らした年月の方が長くなってしまった KiKi。  今となっては「富士山」は「出張時に新幹線の窓から眺める山」もしくは「帰省した際に眺める山」と化し、そういう時には「じっくり眺める」というよりは「チラリと視線を投げる」というような見方しかしなくなってしまっています。

 

以前から本屋さんに行くたびに気になって気になって、何度も手には取るもののハードカヴァーであることによるちょっとした心理的バリアも働いて、どうしても購入に踏み切れなかった本を吾妻郡図書館で見つけました。  恐らく KiKi 好みの本であると KiKi のアンテナは反応を示しているのですが、まずは図書館本で読了してから購入の是非を検討しようと思っています。  実は、最近、ちょっと「図書費」がかさみ気味でねぇ・・・・。  それもこれも、岩波少年文庫で色々復刊してくれちゃったせいおかげなんですけどね(笑)  ま、てなわけで本日の KiKi の読了本はこちらです。

クロニクル千古の闇 1 オオカミ族の少年
著:M.ペイヴァー 訳:さくまゆみこ 画:酒井駒子  評論社

51GK98X509L__SL500_AA300_.jpeg (Amazon)

「おまえに誓ってほしいことがある」父さんが言った。  「山を見つけるんだ。  "天地万物の精霊"が宿る山だ。  ...そこにしか望みはない」  ―紀元前4000年の森―  巨大なクマの姿をした悪霊に襲われた父との誓いを守り、"精霊の山"をさがす旅に出たトラク。  道連れは、生まれて間もない子オオカミのウルフ。  "案内役"とは?  精霊にささげる"ナヌアク"とは?  ...いよいよ冒険が始まる!  (単行本カバーより転載)

案の定です。  KiKi のアンテナはやっぱりさびついていなかったみたい!!  KiKi が大好きな上橋菜穂子さんの「守り人」シリーズを読み始めたときとまったく同じ興奮を味わわせてもらっちゃいました!!  やっぱり KiKi はこういう「どこかにある本当の人間の世界」から彼らの生き方、生活の仕方、道具・食べ物等々の着想を得た物語には滅法弱いみたい ^^;  最近になって KiKi は改めて気がついたんだけど、どうやら KiKi はキャラの魅力だけで引っ張っていくような物語よりも、世界観そのものに魅せられ、それをイキイキと想像できる物語が好き♪みたい・・・・・。  舞台は6000年前の原始時代・・・・ということだけど、KiKi が通常思い描いている原始時代の暮らしとはちょっと異質で、逆に今現在 KiKi が指向しているような生き方にものすご~く近い世界観 & 暮らし方の物語です。

この物語、端的に表現しちゃうと主人公自身のセリフにもあるように「だれも見たことのない山を見つけなくちゃいけなくて、だれにも答えのわからないなぞなぞを解かなくちゃいけなくて、だれもかなわないクマを倒さなくちゃいけない」という、何とも言えない宿命を背負わされてしまった少年の冒険物語なんだけど、それだけじゃない。  描かれている彼及び彼が出会う人たちの生き様が、私たちが日頃は意識することも少なくなったけれど、それでもDNAの中にでも刷り込まれているのか潜在意識の中には確かに残っていて、ふとしたはずみでそれに触れると郷愁のようなものさえ感じる「大自然に対する畏怖の念」や「そこに宿る精霊の存在を信じ敬う気持ち」・・・・そんなものを刺激してくれる・・・・そんな物語だと思いました。

 

吾妻郡図書館で発見した「世界の民話館」シリーズから「魔法使い」「魔女」に続いて KiKi にとって興味深いテーマ「竜」と「悪魔」を読了しました。

竜の本 & 悪魔の本
著:R.M=サンダーズ 訳:西本鶏介  ブッキング

  51XQRXR2SYL__SL500_AA300_.jpegのサムネール画像  51KHDFKPBAL__SL500_AA300_.jpegのサムネール画像
     (Amazon)                           (Amazon)

世界的な民話採集者ルース・マニング=サンダーズがよりすぐった竜のお話。  むかしから空想上の動物として、ときに神さまのように大切にされ、ときに悪者扱いで退治されてきた竜の、ダイナミックでわくわくするお話を収録。  (単行本裏扉より転載)  

世界的な民話採集者ルース・マニング=サンダーズがよりすぐった悪魔の登場するお話。  人の魂をほしがるこわい悪魔から陽気でお人よしの悪魔、人間にもやっつけられてしまう愚かな悪魔まで、ときにおそろしく、ときにふき出してしまうさまざまなお話を収録。  (単行本裏扉より転載)

今回もとても楽しむことができました。  前回の「魔法使い」「魔女」を読んだときにはあまり感じなかったのですが、今回、この2冊を読んで初めて気がついたこと。  それは「国別童話集」とか「作者別童話集」とは異なり、こうやって1つのテーマであちこちの国のお話を集めている童話集を読むと、自分の中に存在するある種の「固定概念」みたいなものが覆されるなぁ・・・・ということです。  と言うのもね、KiKi にとって「竜」とか「悪魔」のプロトタイプっていうのは、「人間に仇をなすもの」で「退治されるべきもの」だったんですよね。  もちろん中には神格化されて大切にされているものや、お茶目なものがいたりすることは知ってはいたんです。  でも、善悪二元論・・・・とまではいかないけれど、どちらかというと「忌み嫌うべき存在」の代表格が「竜」と「悪魔」だという凝り固まった先入観みたいなものがあったことに気がつかされちゃったんですよ。

この2冊を読んでいて、「竜」にしろ「悪魔」にしろ、実は中には愛すべき可愛いヤツもいることを再発見すると共に、実は「竜」とか「悪魔」以上に怖い存在なのは「人間の心」なのかもしれないと感じた次第。

 

以前 KiKi はこのエントリーでサトクリフには苦手意識があったと書いたけれど、どうやらそれは思い過ごし(?)だったみたい(笑)  と言うよりも、正確には「読む時期を誤った」と言ったほうがいいのかもしれません。  「ケルトの白馬」で感銘を受けたので、せっせと図書館からサトクリフ本を借り始めたわけですが、本日読了したこちらも感銘を受けました。  ま、てなわけで、本日の読了本です。

三つの冠の物語 ヒース、樫、オリーブ
著:R.サトクリフ 訳:山本史郎  原書房

41XC4GMJ6KL__SL500_AA300_.jpeg (Amazon)

「黒い母」(ブラック・マザー)や「ミトラ神」「ゼウス」などの神々が生きていた世界。  戦いや対立のさなかに出会う二人の人物の間に生まれる熱い友情の絆を鮮やかに描く!  (単行本扉より転載)

こちらは古代を舞台にしたサトクリフの短編集です。  タイトルどおり3つの冠にまつわるお話で、1作目の「ヒースの花冠」が1,2世紀頃にブリテン島に住んでいたケルト人部族での物語、2作目の「樫(オーク)の葉の冠」が3,4世紀頃のピクト人と戦うローマ軍での物語、3作目の「野生のオリーブの栄冠」が紀元前ギリシャのオリンピックでの物語です。  どの作品も戦いや対立の中で出会う2人の人物の友情の物語で、その友情にこれら3つの冠が関わっているという仕掛けになっています。  舞台も登場人物もバラバラな3つの物語であるにも関わらず、この「冠」という共通項がこの物語全編を貫く「核」のような働きをしていて、彼らが示した「美しいもの」を象徴するかの如く、心に残ります。

3作品、優劣はつけ難いのですが、個人的な趣味としては最後の「野生のオリーブの栄冠」が最も好きなタイプのお話だったと思います。  やっぱり舞台装置が半端じゃなくドラマティックなんですよね~。  古代オリンピックにおけるアテネとスパルタの陸上選手の友情物語で、当時この2都市は戦争中だったのですが、「オリンピック開催のための休戦」というある種の特別期間における物語。  で、メインとなる2人が現段階では戦闘には参加していないいわゆる「未成年(≒ 少年)」で、もう間もなく大人の仲間入り(≒ 出兵)というホントに限られたタイミングに出会うんですよ。  いずれには戦に駆り出されることになることはわかっているけれど、戦自体がまだまだ実体験にはなっていないというあまりにも微妙な時期に・・・・・。

  

♪ ねぇ、ムーミン、こっち向いて  恥ずかしがら~な~いで~ もじもじしな~い~で~ ♪  何ともホンワカした雰囲気の主題歌に乗せてTVから流れてきたアニメ。  それが KiKi とムーミンの出会いでした。  実はこのアニメ作品に原作があるのを知ったのはそれから随分たってからのこと。  その原作に興味がなかったわけじゃないんだけど、当時の KiKi はビジネス書ばかりを読んでいて、凡そ童話なんていうものに投資をする余裕はなかったし、かなりせっせと働いていたため図書館に足を向ける時間もありませんでした。(何せ休日出勤は当たり前、たま~にお休みが取れたら日頃の睡眠不足の解消 & 溜まりに溜まった家事をこなすで大忙しだったのです ^^;)  で、「ムーミン本」のことはすっかり忘れ去ってしまい、「いつかは読んでみよう」と思ったことがあったことさえ忘却の彼方・・・・だった KiKi なのですが、見つけちゃいましたよぉ~ 吾妻郡図書館で!!  ズラリと並んだ「ムーミン童話全集」を!!!

ま、もともと「アニメ版ムーミン」も嫌いじゃなかったけれど大好物とまでは言えなかった KiKi なので、とりあえずお試しということで第1巻だけを借りてみました。  てなわけで、本日の KiKi の読了本はこちらです。

ムーミン谷の彗星
著:T.ヤンソン 訳:下村隆一  講談社

21F2QSN60GL__SL160_.jpeg (Amazon)

赤く長い尾を光らせた彗星が地球にむかってすすんできます。  ムーミン谷は大さわぎ!  ムーミントロールは彗星をしらべるために、遠い天文台へとでかけますが......。  (単行本扉より転載)

アニメ版ムーミンもさほど真剣には観たことがない KiKi ですが、ムーミンと言うと何となく「ほのぼの」という印象が強くあります。  これはあのちょっぴり間延びしたような味のある「アニメ主題歌」の功績だと思うんですけどね(笑)  で、これは児童書だし、シリーズ名も「ムーミン童話全集」だし、読み始めるまでは「ほのぼの」「明るい」「暖かい」という先入観があったのですが、第二章でいきなりそんな KiKi の勝手なイメージは覆されました。  な、な、なんと、彗星が地球に衝突して、地球が滅びるというお話なんですよ、これが!  で、そんな一大事だと言うのにムーミン・パパは地球の未来を息子に託すが如く、ムーミン・トロールとそのお友だちのスニフに真実究明の旅を申し付けるという、これまた無鉄砲なお話で・・・・・。

じゃあ、その緊迫感でグイグイ引っ張っていくお話なのかと思いきや、あと数日で地球が滅びるかもしれないという未曾有の危機の中、どこかマイペースな登場人物(?)たち・・・・・ ^^;  舞台設定だけは緊迫感があるものの、その描写もどこか「のほほん」としているし、まして登場人物たちの言動には危機感の欠片も感じられません。(笑)  でもね、ものすごく不思議なのはこのアンバランスさが案外心地よいんですよね~、これが。  普通だったら単なる「嘘っぽさ」だけが目立ち鼻白んじゃってもおかしくなさそうなところが、そうじゃない。  その鍵はやっぱりT.ヤンソンの秀逸なイラストと、彼らが交わす会話にある種の哲学的な何かが含まれていることだと思うんですよ。



 

吾妻郡図書館で借りてきた2-3冊目の本を読了しました。

魔法使いの本、魔女の本
著:R.M=サンダーズ 訳:西本鶏介  ブッキング

61TKTPWBFPL__SL500_AA300_.jpeg  510HYWHJS4L__SL500_AA300_.jpeg
     (Amazon)                           (Amazon)

世界的な民話採集者ルース・マニング=サンダーズがよりすぐった魔法使いのお話。  冷酷でおそろしい魔法使いからユーモラスでやさしい魔法使いまで、世界中から集められたスリルいっぱい、ゆめいっぱいのお話を収録。  (単行本裏扉より転載)

世界的な民話採集者ルース・マニング=サンダーズがよりすぐったさまざまな魔女のお話。  おそろしい魔力を使ってわなをしかける魔女たちと、それにたちむかう主人公たちのスリルあふれるお話を収録。  (単行本裏扉より転載)

この本、どうやら過去に発刊されていて絶版になっていたものが、復刊ドットコムの投票により蘇った作品群だったみたいです。  シリーズものになっていてシリーズ全体のタイトルが「世界の民話館」。  そして全10冊から構成されていて「魔法使いの本」「魔女の本」「竜の本」「悪魔の本」「王子と王女の本」「怪物の本」「こびとの本」「巨人の本」「人魚の本」「王と女王の本」となっているらしい。  たまたま吾妻郡図書館の「ファンタジー棚」にズラッと並んでいるのが目に入り、こういう切り口でまとめているシリーズ本って珍しいなぁと興味を持ったので借りてみました。  挿絵も素敵なコレクション本っていう雰囲気満載でしょ(笑)

とりあえず一番興味深い「魔法使い」と「魔女」を一挙に読んでみたわけだけど、正直、この本で初めて知ったというお話はなかったみたい・・・・^^;  もっとも「世界の民話館」ということだし、民話っていうのは多かれ少なかれどこか似通ったお話が多かったりもするので、ひょっとすると「旧知のお友だち」みたいな顔をしながらも何気に「お初モノ」が紛れ込んでいたかもしれないんですけどね。  でも、やっぱり KiKi はこういう「お話系」の物語って何度読んでも飽きない体質みたい(笑)

 

高山村の人命救助訓練

| コメント(0) | トラックバック(0)

今朝、KiKi がLothlórien_山小舎で読書に勤しんでいると、外がやたら賑やかになりました。  空中をヘリコプターがブンブン飛ぶわ、サイレンのような音が鳴るわ、普段はとっても静かな山小舎だけに、異常ともいえるような賑やかさです。  しかもヘリコプターなんですけど、まるでLothlórien_山小舎の上を旋回しているかの如く、何度も何度も飛んで来ては回っているのです。

Lothlórien_山小舎のすぐ近くにはゴルフ場があるので、最初はそこの絡みで何かあったのかな?と思ったのですが、それにしては賑やかすぎます。  てなわけで、ちょっと偵察に出てみました。

2010_Nov14_067.JPG

ちょっとだけ離れたところに運動場があるのですが、ヘリコプターがそこへ向かって降下 & 旋回しています。  しかも何だか物々しく消防車が出動しています。  でも、普通に考えれば建物も何もない運動場で火事が発生するはずもありません。  で、この写真でははっきりとは見えないと思うのですが、よ~く目をこらして見ると、このヘリコプターに人間(もしくはマネキン)と思しきものが引き上げられています。

2010_Nov14_068.JPG

さらに近づいてみると、想像以上にたくさんの消防車が集まっています。  これはどこから来た消防車なんだろうかと、1台1台見てみると全て「高山村」の消防車とのこと。  いや~、この村にこんなにたくさんの消防車がいるとは思っても見ませんでした。  さすがに救急車は近隣の町、中之条のものでしたけれどね(笑)

2010_Nov14_070.JPG

で、KiKi が消防車を検分している間に、再びヘリコプターがぐんぐん近づいてきて、運動場に着地する模様・・・・・。  ヘリコプターが下りてくるとき、綺麗に紅葉している林の葉っぱがユンラユンラとものすごい勢いで揺れていました。

2010_Nov14_072.JPG

「何事ですか??」

と近くに立っていた野次馬と思しきおじさんに問いかけると「人命救助訓練」とのこと。  どうやら KiKi は見逃したのですが、放水訓練も行っていた模様。  さらには KiKi が声をかけた「野次馬と思しきおじさん」は「村役場の担当者」だったみたい・・・・・ ^^;

因みにブルーと赤のユニフォームの人たちは村の消防団の皆さんで、黄色のコスチュームの人たちはヘリに乗っていた人たちでした。

普段は静かな村での大騒ぎでした。

埋もれた世界 A.T.ホワイト

| コメント(0) | トラックバック(0)

せっかく見つけた「吾妻郡図書館」。  これはこの図書館を使い倒すぞ!とばかりに、またまた出かけていって借りていた本を返却するのと同時に、新しい本を借りてきました。  せっかくなので、KiKi が未入手の岩波少年文庫の絶版本をメインに探してみました。  いろいろあることはわかったので、まずはその中の1冊を借り出し、本日読了しました。  ま、てなわけで本日の KiKi の読了本はこちらです。

埋もれた世界
著:A.T.ホワイト 訳:後藤冨男  岩波少年文庫

2010_Nov14_001.JPG (Amazon)

シュリーマンが一生の夢をかけたトロイア、ピラミッドの国エジプト、バビロニア帝国の栄えたメソポタミア、ユカタン半島のマヤ - これらの代表的な4つの地方の発掘を通して、埋もれた遺跡から古代の社会をよみがえらせる考古学者たちの仕事を感動的に描いた物語。  (文庫本扉より転載)

KiKi はね、歴史に興味のある方だとは思っていたのですが、正直なところ「シュリーマンの物語」だけは知っていたものの、この物語の中に出てくるその他の古代遺跡を発掘した多くの考古学者のことはほとんど知りませんでした。  学校で学んできた歴史の教科書や美術の教科書で、彼らのお仕事の成果物である多くの遺物の写真を見てきているけれど、KiKi にとってそれらの遺物は「太古の昔から存在していたもの」にしか見えず、ミュケーナイの獅子門も、アガメムノンの金の仮面も、ティリュンスの壁画も、ミノスの宮殿も、ツタンカーメンの棺も、アッシリアの翼のある牡牛も、マヤのピラミッドも、すべて「そこにあったもの」という認識しか持っていませんでした。  それらの遺物が長い年月の間地中もしくはジャングルの中に埋もれていて、それを発掘する作業を行った人がいたことに対して、何ら感慨を持ったことがなかった・・・・・と言っても過言ではありません。

文字で書かれた歴史の始まる以前のことがわかるようになったきっかけとしての遺物には興味があったし、それらの遺物を作り上げた人類の叡智とか、技術力に感銘を受けたことは多々あっても、それらを今、目の当たりにすることができるようになるために働いた人たちに思いを馳せたことがなかったのです。  たまたまシュリーマンに関しては、子供時代に読んだ何かの物語で知ることがあったし、長じてシュリーマン自身の著作「古代への情熱」を読んだこともあり、ある程度は知っていたけれど、第二第三のシュリーマンがいたことに思い至ることさえなかったとは情けない限りです。

  

妙義神社と小野子山

| コメント(0) | トラックバック(0)

今週末も KiKi はLothlórien_山小舎に来ています。  1週間ぶりの訪問だったわけですが、先週はまだまだ緑色だった「お迎えもみじ(と KiKi が呼んでいる)」が見事な紅葉に変化していました。  ほんの1週間のことなのに、自然の変化って物凄いものがありますねぇ・・・・。

2010_Nov14_056.JPG お迎えもみじ

ここ、Lothlórien_山小舎の裏庭・・・・とでも呼べる場所なんですけど、この「お迎えもみじ」に連なってこ~んな景色が広がっています。

2010_Nov14_057.JPG

2010_Nov14_058.JPG

この景色、実はLothlórien_山小舎の台所の窓から眺めることができる景色(上の写真は外で撮影したものだけど・・・・)なので、この季節にLothlórien_山小舎へ行くと、台所に立つのが楽しくて楽しくてしょうがないんですよ(笑)  でね、Lothlórien_山小舎の真ん前でもこれぐらいの紅葉になっているなら、我が家の裏山「小野子山」はもっとすごいことになっているだろうと、お散歩に出かけてみました。

2010_Nov14_021.JPG

2010_Nov14_022.JPG

2010_Nov14_023.JPG

2010_Nov14_025.JPG

う~ん、案の定、見事なモンです!!  小野子山は決して見所の多い観光地っていうわけではないんですけど、この紅葉の季節と新緑の季節は本当に気持ちがいいんですよ。  観光客でワサワサしていないのも KiKi のお気に入りの理由の1つです。  以前、このエントリーでお散歩したときは途中から牧場のど真ん中を突っ切るショートカットを歩いたのですが、今日は牧場をぐるりと1周回るコースを歩いてみました。  ぐるりと1周回ると牧場の脇を走る道路を歩くことになります。

2010_Nov14_031.JPG

2010_Nov14_032.JPG

この牧場、一時期は口蹄疫の問題もあって立ち入り禁止だったんですけど、今日は目と鼻の先で牛さんがお食事しているところを歩くことができました。  

さて、このあたりであってさえもこんなに見事な紅葉なのですから、以前からず~っと一度は行ってみたいと思っていた群馬県の紅葉の名所、妙義神社付近の紅葉はどんな風になっているのか、今年は是非見てみたいと思いたち、急遽ドライブと相成りました。  高山村から妙義神社へ行くためには、下道を走ってもたどり着くことができるのですが、とりあえず往路は少しでも早くたどり着くために、NAVI ご推奨の高速道路を使って出かけてみることにします。 

金の鍵 G.マクドナルド

| コメント(0) | トラックバック(0)

子供の頃からイギリス文学にはお世話になり、大学時代に英文学を専攻していた KiKi ですが、な☆ぜ☆か、G.マクドナルドだけは縁が薄くて、この著者の名前や作品名や英文学史上(特に児童文学において)の功績に関してのみはそこそこ親しかったものの、実はこれが初めてのマクドナルドです。  そう、KiKi にとっては彼の作品よりもハンバーガーでこそお馴染みの名前、それがマクドナルドでした。  ま、てなわけで本日の KiKi の読了本はこちらです。

金の鍵
著:G.マクドナルド 訳:脇明子  岩波少年文庫

mcd1.jpeg (Amazon)

虹のたもとで見つけた金の鍵を持つ男の子が、妖精の国にまよいこんだ女の子と一緒に鍵穴をさがす旅に出る「金の鍵」。  ほかに、「魔法の酒」「妖精の国」を収録。  神秘的なファンタジー短編集。 (文庫本扉より転載)

しまったぁ!!!  これは KiKi の一生の不覚・・・と言っても過言ではなかったかもしれません。  これこそもっと早くに読んでおくべき物語でした。  思いっきり KiKi 好みのお話ばかりじゃありませんか!!  そして、この美しい文体!!!  どの作品も妖精が登場する幻想的で神秘的ないかにも英国らしいファンタジー。  個人的には表題作の「金の鍵」が一番素敵だと感じました。  この物語に登場する「おばあさま」や女の子と金の鍵を持つ男の子の導き手となる「魚」、さらには「海の老人」「大地の老人」「火の老人」にどんな意味が込められているのか、そしてさらには彼らが最終的に目指していた「影たちがやってくる源の国」がどこのことなのか、まだまだ KiKi の頭の中では空想(妄想?)が整理しきれていないんだけど、漠然とイメージできたのは「生命」そして「成長」(熟成? かな??)という言葉。  う~ん、この物語はこれからも時々手にとって読み返すことになりそうな予感がしています。

「魔法の酒」も結構好きな物語。  「カラソイン」(≒ 魔法の酒)っていったいどんなお酒だったんですかねぇ・・・・。  著者がイメージしていたお酒の種類は何だったんだろう??  そもそもこの名前はいったいどこから引っ張り出してきて、どんな意味が込められていたんだろう???  結構そのことが気になって仕方なかったんですけど、まあ、それはともあれ、この物語のプロット、「主人公の少年が妖精達との関わりを通して、世界の真実の姿と自分自身のあるべき本当の姿を理解する」っていうのもかなり KiKi 好みのお話なんですよね~。 

      

岩波少年文庫の73冊目を読了しました。  この物語はかなり痛かったなぁ・・・・。  ま、いずれにしろ本日の KiKi の読了本はこちらです。

木いちごの島をとりかえせ
著:C.セフトン 訳:鈴木孝志  岩波少年文庫

2010_Nov11_002.JPG (Amazon)

ノーラは北アイルランドの小さな海辺の村ヘッドランドに住んでいる。  ある日、この村に都市ベルファストの学生たちが、野外学習のためにやってきた。  第一日目から、村の子たちと学生たちは激しく反目しあう。  ふたつのグループの対立は、やがて思わぬ悲劇をひきおこす。  民族間、宗教間の抗争がつづく、不安定な社会で傷つけられる子どもたちの姿を描いた異色作。 (文庫本扉より転載)

この物語、普遍性のあるテーマを扱っていると言えばそうかもしれないけれど、やっぱりアイルランドという国の成り立ちを知らないで読むと、ちょっと戸惑ってしまう作品かもしれません。  と言うのも、そもそも物語の舞台となるヘッドラインの子どもたちとそこを訪れた都市部ベルファストの学生たちがどうして反目しあうのか?がよくわからないから・・・・・・。  上記の扉に書かれた情報にある「民族間、宗教間の抗争がつづく、不安定な社会」に関する描写っていうのはあまりにもさりげなくて、特に子供の読者だと読み飛ばしてしまうような気がするんですよね~。  岩波書店さんが想定している読者層は「小学上級以上」とのことなので、尚更です。  KiKi はね、読書をする際には「あとがき」とか「解説」っていう巻末の何ページかは読了後に読むほうがいいと考えているタイプの人間なんだけど、ことこの本に関しては「あとがき」を先に読むことをオススメしたいと思います。

この本が扱っている普遍的なテーマっていうのは「争いの本質」とか「争いのエスカレートの仕方」といったことだと思うんだけど、そのベースにある複雑な建国事情、宗教観の対立、貧富の差といった要素は、その国に生まれ育った人間であれば肌身にしみて感じていることかもしれないけれど、アイルランドから遠く離れた極東の島国の子供では、なかなか理解しがたいと思うんですよ。  まして今の日本の生活環境は良くも悪くも豊かだし・・・・・。  もっとも KiKi が子供時代を過ごした高度成長からバブルに至るまでの時代に比べると、現在の「勝ち組 vs. 負け組」といった対立軸とか「長引く不景気の中で広がる格差」みたいなものを経験している子供たちのほうが、彼らの裏にある事情に敏感に反応することができるのかもしれませんが・・・・・

 

野うさぎの冒険 B.B.

| コメント(0) | トラックバック(0)

このブログの目玉企画(?)の1つ、「岩波少年文庫全作品読破企画」も早いもので 72 冊目(上下巻組のものなどは2冊とカウント)を迎えました。  結構読み進めてきたよなぁ・・・・と思う反面、Index 頁を見ると、まだまだ先は長いなぁとため息をついたり、うんにゃ、まだまだ楽しめるとウキウキしたり・・・・・・。  最近では一旦絶版になったものが続々と復刊してきているし、先日読了した「ガラガラヘビの味」のように新刊もないわけじゃないから、最終的に全部で何冊になるのか、本当に読破することができるのかは計り知れません ^^;  ま、ライフワークの1つとしてはなかなかいい選択だったかなと自画自賛している今日この頃です。  てなわけで、本日の KiKi の読了本はこちらです。

野うさぎの冒険
著:B.B. 訳:掛川恭子  岩波少年文庫

2010_Nov11_001.JPG  (Amazon)

夏のはじめに生まれた野ウサギの子リーパスにとって、世界は危険にあふれていた。  空からはカラスやフクロウが、やぶのかげではキツネが小動物の生命をねらっている。  だが、いちばん恐ろしい敵は人間と人間がつれ歩く猟犬だ...。  リーパスがすごした、危険と冒険に満ちた最初の一年間を、愛情こめて描く。  (文庫本扉より転載)

これはかなり KiKi 好みの作品ですね~。  児童書によくあるような野生動物を擬人化した物語ではなく、うさぎはうさぎとして、鳥は鳥として、ふくろうはふくろうとして、人間は人間として描かれている物語です。  どういうことかって言うとね、要するに主人公のリーパスが喋ったり洋服を着たりすることはなく、畑仕事をしたり食事の支度をしたりすることもなく、うさぎらしく普通に野原で生活していて、時々人間の畑を荒らしたり、それゆえに狩人に狩られそうになったり、罠をしかけられたりするお話なんですよ。  で、リーパスの気持ち・・・・みたいなことは書かれているんだけど、それが野生動物の動作を見て、「何がこのうさぎを駆り立てて、故にこの動作になっている」という著者の繊細かつ暖かい観察眼によって解釈されたもので、それをみずみずしい文体で表現してくれているので、この物語を読んでいる間中、まるで自分が神様か妖精にでもなって地上で起こっているあれやこれやを静かに眺めている・・・・そんな気分にさせてくれる物語なんですよね~。

まあ、難点があるとすれば、リーパスがあまりにも運のよすぎる野うさぎだということぐらいでしょうか??  結構危ない目に何度も何度も会うリーパスなんだけど、まるで「水戸黄門」や「銭形平次」や「暴れん坊将軍」みたいに最後の方ぎりぎりで何故か生き永らえちゃう(笑)  最初に鉄砲で撃たれたときは片耳に穴が開いたものの逃げおおせるし(でも無傷じゃないところがいい!)、畑でトラクターにあわやひかれそう・・・・となるとちょうど日が沈みかけてその日の農作業が終わっちゃうし、猟犬に追われて逃げ惑ううちに電車に轢かれそう・・・・となったら30秒の差で身をかわし、代わりに猟犬が轢かれちゃって追跡劇も終わっちゃうし、リーパスの宿敵とも言うべきトムじいさん(人間)が仕掛けた罠や待ち伏せでもあわや!というところで、別の動物が餌食になって助かっちゃうし・・・・・。  まあ、どれもこれもパターンとしてはありうること・・・・なので不自然すぎるということはないし、主人公が死んじゃったらお話はそこで終わりなのでこの手のご都合主義は許容範囲ではあるんですけどね(苦笑)

 

まほうのレンズ R.ヒューズ

| コメント(0) | トラックバック(0)

昨日までは「吾妻郡図書館」で借りてきた図書館本を読んでいたのですが、今日は「東京都豊島区立図書館」で借りてきた、現在では絶版になっている岩波少年文庫を読了しました。  いや~、どうどうと利用できる図書館が2つあると楽しいなぁ!(笑)  ま、てなわけで本日の KiKi の読了本はこちらです。

まほうのレンズ
著:R.ヒューズ 訳:矢川澄子  岩波少年文庫

1121310.gif (Amazon)

人間と人形をあべこべにしてしまう魔法のレンズがひきおこす珍騒動、たいくつすると電話線をつたって相手の家に遊びに行っていた女の子が帰れなくなる話、中古のバイクを勇んで乗り回していたはずなのにいつのまにかワニにまたがっていた若者の話...。  ありきたりのおはなしでは満足できないあなたにおくる、奇想天外な物語14編。  (文庫本扉より転載)

これは・・・・・どう評価したらいい作品なんだろう???  ストーリーは奇想天外って言えば奇想天外なんだけど、どちらかというとデタラメっていう感じ??  ある朝起きてみたら子供が目をキラキラさせながら寄ってきて「あのね、あのね、夕べ変な夢を見たんだよ。  それでね・・・・。」といった感じで興奮して前後の脈絡もちょっと怪しいままお喋りされちゃったお話・・・・みたいな感じとでも言いましょうか・・・・・ ^^;  ところどころホラーっぽさ(でも KiKi の苦手な血みどろホラーではないパターン)やら、ナンセンスさが顔を見せる何とも不思議な物語集です。  まあ、思わずクスッと笑っちゃうような描写もあったりするんだけど、要するに何が言いたいのかわからないまま唐突に終わっちゃうお話も多くて、ちょっと肩透かしを食らったような気分になったりもします。  まあ、「ありきたりのおはなしではないおはなし」であることだけは間違いありません。

じゃあ、嫌いか?っていうとそうでもないんですよね~、これが!  どちらかというと KiKi は結構好き b-hato4-b.gif かもしれません、こういうお話。  表題作の「まほうのレンズ」や「ガートルードと人魚」、「ガートルードの子ども」、そして「三げんの宿屋」なんかはブラック・ユーモア的な要素もあるし、「ガラスだまの国」なんかは言ってみれば反戦小話みたいな感じだし、「クモの宮殿」なんかは日本語で言うところの「言わぬが花」のお子ちゃま版みたいな感じで、楽しませてもらいました。

 

吾妻郡図書館で借りてきた3冊のサトクリフ作品。  最後の1冊を読了しました。  う~ん、ひょっとすると数年前に KiKi のサトクリフ苦手意識を助長したのはコレだったかもしれません・・・・・ ^^;  ま、いずれにしろ本日の KiKi の読了本はこちらです。

黄金の騎士 フィン・マックール
著:R.サトクリフ 訳:金原瑞人、久慈美貴  ほるぷ出版

41JVBQDXPNL__SL500_AA300_.jpeg (Amazon)

むかし、アイルランドはエリンと呼ばれ、五つの王国にわかれていた。  小王国のあいだの争いや血の復讐を治め、またエリンを侵略者から守るために、フィアンナ騎士団はあった。  英雄フィン・マックールは、その騎士団長だった...。  人間と妖精がいりまじって紡ぎあげられた、フィンの冒険物語は、ケルト神話の代表的な英雄物語として古くから語りつがれてきた。  鮮やかに、力強く、ときにユーモラスに、カーネギー賞作家サトクリフによって語りなおされた、ケルト神話英雄譚。  (単行本扉より転載)

昨日読了した「炎の戦士 クーフリン」が英雄叙事詩的な物語だとすると、こちらは炉辺の民話風。  読み進めている間、KiKi は「フィン・マックール」のお話を読んでいるのか、「アーサー王と円卓の騎士」のお話を読んでいるのか、混乱してしまうことがありました。  どのエピソードも、フィンとフィアンナ騎士団の戦士たちのヒロイックな騎士道精神が主軸にあって、フィン自身の活躍・・・・と言うよりは、彼が統率する騎士団の面々の物語っていう感じなところも、アーサー王の物語とそっくりです。

一般的にフィン・マックールの物語で著名なエピソードと言えば

  • 若かりし頃のフィンが、ターラの王宮に現れる妖怪を退治して、フィアンナ騎士団のチーフの座(これは元々彼の父親が占めていた座)をかちとったというお話。
  • フィンの最愛の妻がドルイド(?)の杖の一振りで牝鹿になって消えてしまったというお話。
  • フィンの息子オシーンが、妖精の娘に誘われて、海の向こうの常若国「ティル・ナ・ノグ」に行ってしまうお話。  
  • その話の後日譚である、人間世界にちょっと里帰り・・・・のつもりのオシーンが、妖精世界とは異なる時間の流れで一挙に老人になってしまう(← って浦島太郎みたい 苦笑) & 妖精世界に戻れなくなってしまうというお話。
  • フィンの後妻となるはずだったグラーニアが、彼の腹心の部下・ディアミッドと駆け落ちしてしまい、結果的に彼はもっとも信頼すべき部下を失ってしまう(& ディアミッドを慕う孫との関係もちょっとハチャメチャ)というお話。

の5つだと思うんだけど、これらは当然含まれていて、ついでにそれ以外のあれやこれやのフィン & フィアンナ騎士団のお話を寄せ集めた纏めた1冊っていう感じでしょうか。  そこそこ楽しめるお話のオンパレードで、サトクリフならではの美しい描写に心惹かれるものはあるものの、KiKi の読後感としてはワクワク感に欠けるなぁ・・・・・と。  どことなく素っ気無いと言いましょうか、あっさりしすぎていると言いましょうか、気高さに欠けるとでも言いましょうか・・・・。  

 

吾妻郡図書館で借りてきた「サトクリフ本」の2冊目を読了しました。  この本が出版されたばかりの頃に読んだときは、数ページ読むと睡魔に襲われ、どうも楽しむことができなかった印象の強かったこの本ですが、今回は何だかワクワクしながら読み進めることができました。  これは KiKi の気持ちに余裕があるせいなのか、たまたまO.R.メリングの本(「ドルイドの歌」)を読了したばかりだったからなのか、はたまたこの物語の世界観に対する KiKi の受容度量がようやく追いついてきた証なのか?(苦笑)  ま、いずれにしろ本日の KiKi の読了本はこちらです。

炎の戦士 クーフリン
著:R.サトクリフ 訳:灰島かり  ほるぷ出版

41TT2X606HL__SL500_AA300_.jpeg (Amazon)

太古のむかし、太陽神ルグとアルスター王の一族の姫デヒテラとのあいだに生まれたクーフリンは、勇者ぞろいの赤枝戦士団のなかでも並ぶもののない勇者に成長した。  『アルスターの猛犬』と呼ばれ、そして「アイルランド一の戦士」とうたわれた...。  カーネギー賞作家サトクリフの手によって、力強く、迫力いっぱいに語りなおされた、ケルト神話英雄譚。  『ケルト神話 黄金の騎士フィン・マックール』と対になっていっそう魅力的なケルト世界をかたちづくる。  (単行本扉より転載)

以前はどうしてあんなに眠くなっちゃったんだろう???  それが KiKi の大きな疑問になってしまうぐらい、今回はとっても楽しめました。  いいなぁ、クーフリン。  いいなぁ、ケルトの英雄譚。  いいなぁ、この原始的でどこか荒々しい世界観。  あ、ひょっとするとこういう物語の荒々しさを難なく受け容れられるようになってきた背景には、KiKi の山小舎暮らしが功を奏している・・・・っていう面もあるかもしれません。  なんせ山で暮らしていると都会生活では目の前で見ることはないような「自然の荒々しさ」と直面することも多かったりもするので・・・・・。  メリングの「ドルイドの歌」では生き生き・溌剌とした少年というイメージの強かったクーフリンが、こちらでは戦士然としています。

とにかく1冊まるごとクーフリンの物語で、その誕生から死までの逸話を若干ぶつ切り気味・・・・ではあるものの、まとめあげた作品なので、「クーフリン入門書」という印象の物語ではないでしょうか。  と同時に「ケルト神話」と本の副題で断ってはあるものの、どちらかというと「古代英雄叙事詩」という色彩の強い物語だなぁ・・・・と。  神様も出てくることは出てくるんですけど、これってどちらかというと人間の物語。  それも偉大な英雄の一代記っていう感じなんですよね~。  でも、これ、今では絶版なんですねぇ・・・・・。  この後、読もうとしている同じシリーズの「黄金の騎士 フィン・マックール」の方はまだ販売中なのに。  

ケルトの白馬 R.サトクリフ

| コメント(0) | トラックバック(0)

昨日、KiKi はLothlórien_山小舎から一番近い図書館へ行ってみました。  村のHPをネットで見ていたらこの図書館の紹介が載っていたので、これは1度立ち寄ってみる必要があるだろう!と思って早速出かけてみたっていうわけです。  (そのご紹介エントリーは後刻アップします。)  で、せっかく行ってみたのでついでに本も借りてきました。  都会の図書館と比べると本の痛み加減が全然違うのが何だか新鮮でもあり、嬉しくもあり・・・・・(笑)。  蔵書数ではさすがに都会の図書館には叶わないかもしれないけれど、気持ちよく利用できるという意味ではこちらの図書館の方に軍配があがるかもしれません。  ま、いずれにしろ、本日の KiKi の読了本はこちらです。

ケルトの白馬
著:R.サトクリフ 訳:灰島かり  ほるぷ出版

51RS3RT44VL__SL500_AA300_.jpeg (Amazon)

イギリス、バークシャーの緑なす丘陵地帯には、地肌の白い土を露出させて描いた、巨大な白馬の地上絵がある。  古代ケルト人の手になるその地上絵は、力強く美しく、悠久の時を超えて命の輝きを放っている。  なぜ、どのようにして、この「アフィントンの白馬」は描かれたのか。  カーネギー賞受賞作家サトクリフが、今はもう忘れられた豊かな物語を紡ぐ。  (単行本扉より転載)

実は KiKi はサトクリフ作品っていうのは正直なところ苦手意識があったりします。  まあ、初めてサトクリフ作品に出会った頃には、まだまだ KiKi が幼すぎたせいもあるんだろうと思うんですよね。  なんていうかお子ちゃまにはちょっと物足りないワクワク感・・・・とでも言いましょうか。  「ドキドキ感はあってもワクワク感が湧いてこない作家」というのが長らく KiKi が手前勝手に描いていたサトクリフ作品に対する評価でした。  これはたまたま当時の KiKi があれやこれやと忙しすぎて、読書が絶好の睡眠剤だった時代だったから・・・・とも言えるかもしれません。  そこそこドキドキはさせてくれるんだけどワクワクしてこないので、数ページで睡魔が襲ってくる・・・・・そんな作家の筆頭だったんですよね~(苦笑)。

ま、そんな KiKi が今回この本に手を出してみたのは、このあまりにも美しい表紙の写真(「アフィントンの白馬」)に思わず目を奪われたから・・・・・でありました。  東京でも同じ本は図書館で何回か見ているんだけど、残念なことに結構ボロボロで、惹かれるものはありつつもなかなか食指がうごかなかったんですよ ^^;  第一、苦手意識のあるサトクリフだし・・・・・。  ところがこちらの図書館ではこれが新品か!と思えるほどピッカピカの本だったんですよ。  で、その美しいままの状態の本でこの写真を見ると、もともと興味は持っていた本であっただけにこれは読まずにはいられない!・・・・と。  で、ついでにこの本と同時に何冊か、過去に睡魔と闘いつつとりあえず読み通したような記憶があるものの内容はほとんど覚えていないサトクリフ作品を借りてきました。

 

吾妻郡図書館

| コメント(2) | トラックバック(0)

KiKi は今週末もLothlórien_山小舎に来ています。  今まであまりこのブログでは明記してこなかったのですが、Lothlórien_山小舎は群馬県吾妻郡高山村というところにあります。  で、その高山村なんですけどとっても小さな(面積は広いけれど)村で、残念なことに村の図書館というものがありません ^^;  今はまだ東京のマンションとLothlórien_山小舎を行ったり来たりしている KiKi ですが、いずれはこの山小舎に定住することを目論んでいます。  その時、一番大きな問題(移住決心阻害要因とでも言いましょうか 苦笑)の1つはこの「図書館がないこと」でした。  

で、色々調べていたんですが、高山村の隣町の中之条町というところに「吾妻郡図書館」なるものがあることがわかりました。  Lothlórien_山小舎からは車で15分~20分ぐらいのところになります。  ネットで見る限り、なかなか気持ちのよさそうな図書館です。  ま、てなわけで本日は急遽思い立ってその下見に行ってみることにしました。

map_gaikan.jpeg

外観はこんな感じです。  ツインプラザと銘打ってあるだけのことはあり、2つの棟から構成され、片側が図書館、残りのもう片方が「生涯学習センター」です。  

中もこんな雰囲気で、なかなか素敵です。

top_img2.jpeg

 

top_img3.jpeg

 

top_img4.jpeg

 

top_img6.jpeg

 

top_img7.jpeg

KiKi が普段使っている東京の図書館は悪くはないんですけど、ここまで気持ちのよさそうな雰囲気はないし、ついでに言うと本も心なしかボロボロだし、いつも込んでいてゆったりと本を選ぶという感じではなかったりします。  東京の図書館のほうが勝っているのは蔵書数と1度に借りることができる冊数の多さ・・・・でしょうか(笑 もっともそれって結構重要だったりもするのですが・・・・ ^^;)

でも、こんな素敵な場所が近くにあるというだけで何だか嬉しくなってしまう KiKi なのです。  よ~し、これからはこの図書館もガンガン利用するぞ~!!

 

図書館の返却日までに読み終えなくちゃ!と頑張っていた最後の1冊を読了しました。  本日の KiKi の読了本はこちらです。

ぼくがぼくであること
著:山中恒  岩波少年文庫

514J04S36RL__SL500_AA300_.jpeg (Amazon)

優等生ぞろいの兄妹のなかで、ひとりダメ息子の秀一。  小言ばかりの母親にいや気がさした秀一は、家を飛び出し、ある農家へ転がりこむ。  つぎつぎと起こるスリリングな事件、大人との激しいぶつかり合い - 力強く成長する少年の姿を描く。  (文庫本裏表紙より転載)

これは面白い!!  面白い・・・・のと同時に多くのことを考えさせられる物語でした。  でも正直なところ子供時代にこの本を読んでいたら、KiKi には秀一の気持ちが今ほどは理解できなかったような気がします。  なぜなら、KiKi は秀一タイプの子供ではなく、どちらかと言えば妹のマユミタイプの子供だったと思うので・・・・・。  つまり、そこそこ勉強もできるし、大人の気に入る子供を演じることもできる子供。  まあ、マユミとの違いがあったとすれば、「自分を可愛く見せる」というセンスには欠けていた(少なくとも KiKi は外見的な可愛さにはあまり重きを置いていなかった女の子だったので 苦笑)し、マユミほど陰湿じゃない(少なくとも告げ口をするのはあまり好きじゃなかった)ぐらい・・・・かも ^^;

母親のヒステリックさ加減はちょっとオーバーな気がしないでもなかったけれど、KiKi の母親世代(物語の母親と近い世代)の専業主婦で子供に期待の多くを寄せているタイプっていうのは多かれ少なかれ、この物語の母親と同じような部分を持っていたような気がします。  本人は子供と家族のために一所懸命なんですよ。  でも、ある意味で世間知らずで、ある意味で閉鎖的で、ある意味で理想主義者。  だからいわゆる「いい子」のステレオタイプには甘くて、秀一みたいなタイプの子供は大の苦手なんですよね~。  で、秀一が女の子だったら、親にも負けない口(物言いと言うか、お喋りと言うか)で自分を表現することもできたりするんだけど、残念なことに秀一は口下手な男の子なわけですよ。  だから、自分を、自分の考えていることや感じていることをどう表現したらいいのか、わからないんですよね~。  で、子供のほうが黙っていることをいいことに、親の方はガンガン押し込んでくるし、対する子供はとりあえず今この時点での嵐が通り過ぎるのを待っている・・・・・。

 

水の子 C.キングスレイ

| コメント(0) | トラックバック(0)

今週末までに図書館に返却しなければならない本があと2冊残っています。  そのうちの1冊をやっとこさっとこ読了しました。  こちらは初読です。  ず~っと昔、「英文学史」でタイトルと著者名だけは知っていたけれど、ず~っと読む機会を逸していた1冊です。

水の子
著:C.キングスレイ 訳:阿部知二  岩波少年文庫

2010_Nov03_001.JPG (Amazon)

煙突掃除の少年トムは、仕事中お屋敷のおじょうさんの部屋に入ってしまい、泥棒とまちがわれて逃げるうちに、川に落ちて「水の子」となります。  トムが川を旅しながら、女神の愛情ある導きによって魂の救いを得るまでを描くファンタジーの古典。  (文庫本扉より転載)

う~ん、これは正直辛かった・・・・・。  その辛さは切なくて・・・・とか、悲しくて・・・・とかといった物語の登場人物への感情移入から出てくる辛さではなくて、とにかく読み通すのに苦痛を伴ったという辛さ・・・・だったんですよね~。  このブログで「岩波少年文庫全作品制覇!」という目標を掲げてさえいなかったら、恐らく途中で「や~めた!!」と放り出してしまっていただろうと思います ^^;  最初のうちは期待しながら読み始めたのですよ。  みなしごで煙突掃除をしている可愛そうな少年な~んていう人物造詣は結構昔なじみで KiKi には懐かしいものだし、「水の子」というタイトルからは「水の精」みたいな連想が湧いてくるわけで、そういう世界観の物語は嫌いじゃない KiKi のことですから(笑)。  でもね、この本はぎゅっとまとめてみるとそういう世界観であることに違いはないんだけど、脱線が多すぎるんですよ。  だから物語にのめりこもうとする度に、待ったをかけられちゃうんですよ。  

その脱線の種類がこれまた KiKi にとっては苦痛の種で、1つはいかにもキリスト教的なお説教話。  そしてもう1つは話の大筋とは全く関係ない、キングスレイさんの知識大公開とでも呼ぶべき「博物学的見識のご披露」。  これが長い、長い、長い・・・・・・ ^^;  ところどころで美しい水の世界の描写があったり、科学万能主義への批判があったり、KiKi 自身も最近ではかなり疑問を感じている功利主義への問いかけがあったりして、決して嫌いな類のお話ではないはずなんだけど、とにかく読み通すのが辛かったぁ!!!!

    

歌う石 O.R.メリング

| コメント(0) | トラックバック(0)

図書館から借りてきた O.R.メリングの3作品。  最後の1冊を読了してしまいました。  ああ、何だか淋しいような、終わってしまうのが勿体ないような・・・・・ ^^;  こうなってくると居てもたってもいられず、未読の「夏の王」とか「夢の書」なんかも、次々と読み進めたくなる KiKi の困った病気が発症してしまうのです。  で、ふと気がついた時には Amazon の Market Place でO.R. メリング作品を大人買いしていました。  結局 KiKi はケルトものが半端じゃなく好きなんですよね~。  

今回はこれ以外にも図書館から借りてきちゃった本があるだけに、この勢いのまま「マピノギオン」に突き進めないのが残念でたまらないけれど、ま、それはさておき、本日の KiKi の読了本をご紹介しておきたいと思います。

歌う石
著:O.R.メリング 訳:井辻朱美  講談社

5137C5AW4RL__SL500_AA300_.jpeg (Amazon)

ここがわたしの故郷なのかしら。  さもなければ、わたしの両親の生まれた場所?
自分のルーツを探しにアイルランドへ行ったケイは、山の中で見つけた巨石のアーチをくぐったとたん、4つの民族が対立しあう紀元前のアイルランドの世界へ迷いこみ、まもなく記憶をなくした少女アエーンと出会う。  そして、助けを求めて仙境の賢者フィンタン・トゥアンを訪れたふたりは、助けてもらうかわりに、トゥアハ・デ・ダナーン族のいにしえの4つの宝を探す旅に出る。  時を越え、女魔術師となったケイと、謎を秘めたアエーンの運命は......?  (単行本扉より転載)

これは Hit! です。  「妖精月の王」も「ドルイドの歌」もよかったけれど、乙女チックなきらいがあるところがちょっとビミョーだったのに比べると、この物語にはさほどそれを感じません。  他の2作同様プチ・ハーレクイン的な要素もなくはないんですけど、それ以上に叙事詩的な物語進行のパワーのほうが強くて、どちらかというと「歴史大河小説」を読んでいるような気分でした。  と、同時に過去につまみ食いをして記憶の欠片になってしまっている「侵略の書」のそこかしこが想い出され、読み進めながら空想の世界をあっちへ行ったりこっちへ行ったりすることができたという点も、KiKi にとっては嬉しいことでした。  他の2作よりもどことなく地味目な表紙も、この物語の世界観にはピッタリだなぁ・・・・と(笑)。    

読み進めているうちに感じたことの1つに、KiKi の大好きな梨木香歩さんの紡ぐ世界観と、この物語の紡ぐ世界観が微妙に似ているなぁ・・・・ということがあります。  それは梨木さんが英国留学していたから・・・・とか、彼女の描く世界にどことなくちょっと古めかしいイギリスっぽさがあったりするから・・・といったような表層的なことではなく、「この世のありようと、そこでの人間というある種しょうもない生き物の存在の対比」とか、「自然から受け取るある種のメッセージに対する感性」とか、そういう点がものすごく近しいような、そんな気がするんですよね~。

 

ついこの間まで「あっつぅいぃ~!!」と叫んでいたような気がするんですけど、あっという間に季節はめぐって10月も終わってしまいました。  Lothlórien_山小舎付近もチラホラと紅葉が見えるようになってきています。  秋と言えば「芸術の秋」「読書の秋」、そして「食欲の秋」。  そんな秋の入り口の10月、KiKi が読了した本をおさらいしておきたいと思います。  10月は16冊。  4000ページ弱だったみたいですねぇ。  

ところで・・・・・このページ数ってちゃんとしたデータをもとに集計されているんでしょうか???  確認してみる気はないし、これが正確な数字じゃなかったとしても何ら問題はないんだけど、こうやって数字で表示されると、ふと、そんなどうでもいいことが気になるのは KiKi だけでしょうか?

10月の読書メーター
読んだ本の数:16冊
読んだページ数:3774ページ

ドルイドの歌ドルイドの歌
ケルト伝承の中ではとっても有名な「クーリーの牛捕り」に題材を得た、少女向けファンタジーという感じでしょうか?  メリングさんの作品2冊を読了して思うのは、やっぱり彼女の作品はどことなく乙女チックだなぁ・・・・ということです。  まあ幸いにして KiKi は♀なので、その乙女チックさ加減がさほど難点には感じられないんですけど、世の男性 & 少年にはちょっとついていきにくいものがあるかもしれません ^^;  とは言いつつも、この「ドルイドの歌」がバリバリ少女向けかっていうとそこもちょっとビミョーかもしれません
読了日:10月31日 著者:O.R・メリング


妖精王の月妖精王の月
評判 & 期待に違わず、面白かったぁ!!!  この世界観!  これこそが KiKi の読書に求める「ワクワク・ドキドキ」の典型なんですよね~。  ファンタジーと言えばファンタジーなんだけど、KiKi には神話・叙事詩に近いものに感じられます。  で、舞台がアイルランドでしょ。  ベースがケルト伝承でしょ。  これはもしも誰かに素通りしろと言われていたとしても、絶対に KiKi には通り過ぎることができなかった物語だし、これからも何回か読み直してみたい作品だと感じました。  まあ、プロットが乙女チックにすぎ
読了日:10月29日 著者:O.R・メリング


日本霊異記 (岩波少年文庫―遠いむかしのふしぎな話 (3134))日本霊異記 (岩波少年文庫―遠いむかしのふしぎな話 (3134))
う~ん、なかなかビミョーな物語だなぁ・・・・・^^;  これを読んでいて最初に思ったこと。  それは「ああ、このビミョーな感じが KiKi に日本文学より英文学を選ばせた理由だったなぁ・・・・・」と。  まあ今にして思うとそれは日本文学 vs. 英文学という対比ではなくて、説教臭い物語 vs. ワクワク・ドキドキさせてくれる物語という対比なんですけどね。  編者の水上さんがあとがきでおっしゃっているように、この「日本霊異記」という物語は薬師寺のお坊様が仏教思想を民間に根付かせるために書いた物語がベースなの
読了日:10月28日 著者:水上 勉


海のたまご (岩波少年文庫 (2142))海のたまご (岩波少年文庫 (2142))
「リビイが見た木の妖精」の自然描写も美しかったけれど、こちらも負けず劣らず素晴らしいものでした。  「リビイ」が「森、林、川、田園」が舞台ならこちらはタイトルからも明らかなように「海」を舞台にした自然賛歌です。  しかもその自然賛歌はいわゆる「観光レジャー的」なそれではなく、どちらかというと原始的・・・・というか、ありのまま・・・・というか、要するに「美しくて癒される」という類のものじゃなくて、プリミティブな信仰に近いもの。  畏れと憧憬と親しみがないまぜになったもの。  自然の厳しさは厳しいままに、現代
読了日:10月27日 著者:ルーシー・M. ボストン


チェーザレ 破壊の創造者(8) (KCデラックス)チェーザレ 破壊の創造者(8) (KCデラックス)
前巻が出てから1年強という長~~いお休みがあり、満を持して・・・・という感じでようやく発売されたこの第8巻。  今回も実に美しく、そして読み応えがありました。  KiKi の心の恋人(?)チェーザレ様は美しくも大人びた美青年からあっという間に脱皮し、表舞台に出る直前の助走期間の 男 になっていました。  なんというふてぶてしさ!!  そしてなんという鮮やかさ!!  さて、一応 KiKi は高校時代に「世界史」を専攻していたはずなんだけど「レコンキスタ」こそは記憶にあったものの、「パッツィ家の陰謀」っていう
読了日:10月25日 著者:惣領 冬実


リビイが見た木の妖精 (1980年) (岩波少年文庫)リビイが見た木の妖精 (1980年) (岩波少年文庫)
う~ん、これは素敵な物語でした。  この本に収録されている「リビイが見た木の妖精」も「よみがえった化石へび」も KiKi の大好きな世界観です。  もっとも爬虫類が大の苦手な KiKi にとって「よみがえった化石へび」は蛇の描写部分になると何だか落ち着かない気分になったりもしたんですけどね(笑)  どこが素敵かって、まずは美しい自然の描写が挙げられます。  そしてそれ以上に KiKi を魅了したのはこの2つの物語で紡がれる自然に対する素朴で、素直な畏敬の念・・・・・とでも呼ぶべきもの。  美しくも厳しい田
読了日:10月24日 著者:ルーシー・M.ボストン


台所のおと みそっかす (岩波少年文庫)台所のおと みそっかす (岩波少年文庫)
幸田文さんと言えば、幸田露伴のお嬢さん。  ず~っと昔、幸田露伴の「五重塔」を読んだ直後に、そのお嬢さんである幸田文さんの「父・こんなこと」を読んでみようとしたことがあるのですが、当時の KiKi にはどことなく古臭く感じられる一切合財(特に露伴さんのあれこれ)が何となくうざったく感じられ、なかなか前へと読み進めることができず挫折したというありがたくない思い出があります。  そして当時の KiKi は日本人の女流作家の描く日常的なアレコレを言語化したものに対する興味がすこぶる薄くて、そのことが「読み進めら
読了日:10月21日 著者:幸田 文


走れメロス 富嶽百景 (岩波少年文庫 (553))走れメロス 富嶽百景 (岩波少年文庫 (553))
久々の太宰作品を読み直してみるにあたり、正直、ちょっとした期待で胸が弾むのと同時に、不安もありました。 高校時代の KiKi を魅了した作家ということは、今の KiKi にとってはあんまり感銘を受けない作家であるという可能性が高いということになってしまうので・・・・・ ^^; で、読み終わってみての感想ですが、「走れメロス」はまあ、可もなく不可もなく。 富嶽百景は KiKi の出身が静岡県であるということもあり、作品そのものに対する感慨よりもある種の郷愁を誘われたという感じ。 太宰に嵌った高校時代の Ki
読了日:10月17日 著者:太宰 治


山椒魚・しびれ池のカモ (岩波少年文庫)山椒魚・しびれ池のカモ (岩波少年文庫)
「しびれ池のカモ」が中編、「山椒魚」「おコマさん」「屋根の上のサワン」の3作が短編という感じでしょうか。  1作、1作、少しずつ書き方・・・というか、スタイル(筆致とでも呼ぶべきもの)に違いがあってとても楽しめる1冊だと思います。  どの作品もとても味わい深い趣があると思うのですが、特に KiKi のお気に入りになったのが、「しびれ池のカモ」です。  自然に対する著者の暖かい眼差しを感じるのと同時に、「人間」というしょうもない生き物をどことなく風刺しているようなテイストも感じられ、思わず2度、3度と読み返
読了日:10月14日 著者:井伏 鱒二


羅生門 杜子春 (岩波少年文庫 (509))羅生門 杜子春 (岩波少年文庫 (509))
いや~、こちらもホントお久しぶりの芥川作品の数々です。  芥川作品はそれこそ KiKi の小学生時代、夏休みや冬休みの宿題、読書感想文の課題本だったり、通常の学期の「○学年課題図書」なんかによくなっていて、ここに収録されているほとんどの作品を学校の課題の一環として繰り返し繰り返し読み込んだ記憶があります。  最後の数行にどことはなしに「道徳的」というか、「説教じみた」ことが書かれているのが、そういう「○○図書」に選抜された理由の1つだったんでしょうね。  子供時代からそういう「大人の好む良い子の条件」みた
読了日:10月12日 著者:芥川 龍之介


坊っちゃん (岩波少年文庫)坊っちゃん (岩波少年文庫)
いや~、久しぶりです。  この物語を初めて読んだのは KiKi が小学校高学年の頃だったと記憶しています。  で、小学生にも関わらず当時の KiKi は背伸びしたい年頃だったためか、はたまた今ほど「少年文庫」そのものが充実していなかったためかは定かではないのですが、KiKi の父親の蔵書である「日本文学全集」の中の1冊として読んだことを思い出します。  当時の KiKi には坊っちゃんの「べらんめい調」がなかなか受け容れがたくてねぇ・・・・・ ^^;  かと言って「狸」も「赤シャツ」も好きにはなれなくて、
読了日:10月11日 著者:夏目 漱石


白いオオカミ―ベヒシュタイン童話集 (岩波少年文庫)白いオオカミ―ベヒシュタイン童話集 (岩波少年文庫)
魔法使い、ヒキガエル、鳥の骨、暗い森など、など、など・・・・。  ドイツの昔話には必ずといっていいほど登場するお馴染みの、そして独特の雰囲気を持つ人物やアイテムがぞろぞろ登場する楽しい童話集です。  どの物語を読んでもそこかしこにデ・ジャ・ヴ感が漂います。  うんうん、これよこれ!  こういう何とも怪しげ(?)で、ワクワクやハラハラに満ちた物語。  これが幼かりし頃の KiKi を読書に惹き付けた魔法でした。
読了日:10月09日 著者:ルードヴィヒ ベヒシュタイン


火の誓い (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)火の誓い (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)
今日の読了本はここ最近の KiKi の読書傾向からすると、ものすご~くゆっくりと、時間をたっぷりかけて味わった1冊でした。  これは、本当に良書だと思います。  書かれている内容も深いんだけど、それより何より、こんなに美しくも雄弁な日本語を久々に読んだような気がします。  それも日本人のDNAに浸み込んでいる何ものかに、静かに、それでいてストレートど真ん中を射ぬく勢いで訴えかけてくる言葉・・・・・。  そんな言葉に溢れた珠玉の随筆集だと思います。
読了日:10月07日 著者:河井 寛次郎,壽岳 文章,河井 須也子


ガラガラヘビの味――アメリカ子ども詩集 (岩波少年文庫)ガラガラヘビの味――アメリカ子ども詩集 (岩波少年文庫)
この本、正直タイトルを見た時には「えぇ?? (疑いの目)」っていう感じだったんですよ。  このイラストのヘビはどことなく可愛げがあるものの、ガラガラヘビですよ。  しかも、その味とは、何て趣味の悪いタイトルだろう・・・・・ってね。  恐らく「岩波少年文庫全冊読破」という企画がなかったら、そして文庫本裏表紙に書かれているコメントがなかったら、KiKi はこの本を「見なかったことにする・・・・・」と即座に棚に戻してしまったんじゃないかと思います。  でもね、そうしなくてよかった!というのが KiKi の読後感
読了日:10月04日 著者:


ペガーナの神々 (ハヤカワ文庫 FT 5)ペガーナの神々 (ハヤカワ文庫 FT 5)
なんて言うか不思議な物語ですよね~。  どことなくもや~っとしている世界観。  配置されている登場人物(と言っていいんだろうか??  ほとんどが神様なんだけど・・・・ ^^;)の階層だけはものすご~くはっきりくっきりしているんですけど、それ以外はもやもや~っとしているんですよ。  そのはっきりしている階層構造は簡単に言うとこんな感じです。  <マアナ=ユウド=スウシャイ> → < ペガーナの神々> → <地霊たち> → <人間の預言者> → <地球上に生きる普通の人間など>  こんなにはっきりした構造にも
読了日:10月03日 著者:ロード・ダンセイニ


雪 (岩波文庫)雪 (岩波文庫)
この本の読みやすさの1つは中谷博士の実験がある意味でとても原始的な方法によっていることにもあるような気がします。  とかく最先端の理系の研究を表した書物は「専門家でなければ理解できない複雑な理論や関数」に溢れ、実験装置も高額で技術の粋を極め(≒ 素人にはその装置の構造そのものが理解できない)、実験手法も素人には複雑怪奇に過ぎて完璧にお手上げ状態・・・・となってしまうものが多いのに対し、昭和10年代という時代・・・・ということもあるのでしょうけれど、中谷博士のこの研究はある意味で素人にもイメージしやすいもの
読了日:10月02日 著者:中谷 宇吉郎

読書メーター

2015年2月

1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28

Current Moon

CURRENT MOON

東京のお天気


山小舎のお天気


Booklog



ブクログ

アーカイブ

ウェブページ

Powered by Movable Type 4.261

TrackbackPeople

クラシック・ピープルの Trackback People Site


チェロ ラヴァーズの Trackback People Site


Piano~ぴあの Trackback People Site


ピアノオススメ教本の Trackback People Site


ピアノ教室の Trackback People Site


Book Love Peopleの Trackback People Site


本好きPeople・ぴーぷるの Trackback People Site


今日読んだ本の Trackback People Site


ファンタジーが好き♪の Trackback People Site


この絵本がすごい!の Tackback People Site


児童書大好き♪の Trackback People Site


ハヤカワepi文庫の Trackback People Site


岩波少年文庫応援団の Trackback People Site


薪ストーブの Trackback People Site


週末は田舎暮らしの Trackback People Site


野菜育てPeopleの Trackback People Site


ガーデニングの Trackback People Site


パッチワークキルトの Trackback People Site


あなたの訪問は?


日めくりカレンダー


Real Time News


カテゴリ

ノルンはいくつ?

本が好き!


読書メーター

KiKiさんの読書メーター
KiKiさんの読書メーター

最近読んだ本

KiKiの最近読んだ本

今読んでいる本

KiKiの今読んでる本

読了目標





今やってるゲーム

KiKiの今やってるゲーム

このアーカイブについて

このページには、2010年11月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2010年10月です。

次のアーカイブは2010年12月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。

高速運賃





Edita

ブロガー(ブログ)交流空間 エディタコミュニティ

名言黒板


作家別タグ