クロニクル千古の闇 2 生霊わたり M.ペイヴァー

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あまりにも楽しくてサクサク読めてしまった第1巻に引き続き、第2巻も図書館本で読了です。

クロニクル千古の闇 2 生霊わたり
著:M.ペイヴァー 訳:さくまゆみこ 画:酒井駒子  評論社

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「すべての生き物の魂は、肉体に根を張っている」と、アザラシ族の魔導師は言った。  「しかし、千回もの冬がめぐるうちには、生まれてくることがあるのだよ。  ほかとはちがう者がな。  その者の魂は肉体を離れることができる。  そういうことができる者を<生霊わたり>というんだ」  トラクは息をのんだ。  「まさか!  ぼくはちがいます。  <生霊わたり>のはずがない」  ...紀元前4000年の太古の世界を舞台に、ひとりの少年が恐るべき悪の力に立ち向かう。  彼をねらう<魂食らい>とは?  はなればなれになった子オオカミウルフの行方は?  息づまる迫力のシリーズ第2巻。  (単行本カバーより転載)

第1巻に引き続き第2巻もサクサクと読み終えてしまいました。  読んでいて感じたのは第1巻の Review でも書いたことだけれど、上橋菜穂子さんの「守り人シリーズ」との類似性です。  扱っている時代も舞台設定も人物造詣も異なると言えば異なるんだけど、どこか似ている・・・・・。  それは文章の持つ息遣いのようなもの。  舞台で生きる人々の生き様の説得力の強さ・・・・のようなもの。  そしてそこに説得力があるだけに、太古の時代には人間はかくも自分が属する「村」や「里」、「族」独自の文化を持ち、そこにはそれぞれの「信仰」があり、それらの「暮らしぶり」「文化」「信仰」といったものに誇りを持っていたことが切々と伝わってきます。  昨今では新しいブームに乗り遅れまいとする風潮が強いような気がするんだけど、そしてそれを「進歩」と信じる空気があるように感じるけれど、「変わらないものを大切にする」生活にある種の羨望に似たものを感じました。

  

 

  

この第2巻では第1巻で謎のまま残されていたいくつかが明らかになるのと同時に、新しい謎がいくつも発生します。  ああ、こうやって次巻への期待を煽ってくれちゃっているんですねぇ~(笑)。

第1巻では森 & 山がメインの舞台だったけれど、この第2巻ではメインの舞台を海に移します。  このあたりの世界が少しずつ広がっていく手法も「上橋_守り人風」。  

この第2巻を読了して最も強く感じることは、現代に比べて「ただ生き抜くこと」さえもが困難に満ちていたこの太古の時代であってさえも、もっとも恐ろしいのは「人間」であり、もっとも素晴らしいのも「人間」だなぁ・・・・ということ。  トラクは相も変わらず多くの困難に直面するわけだけど、そしてその中には厳しい自然の力があったりもするわけだけど、結局は「人間の心」に翻弄されて多くの試練を乗り越えていくし、その過程で素敵な仲間ができたりもする・・・・。 

印象に残っているのは、トラクが普通のみなしごではなく、「生霊わたり」という特別な存在であることが判明し、人とは違う自分にさらに孤独感を募らせたとき、第1巻から引き続き登場した「ワタリガラス族」の少女レンが語る以下の言葉です。

「トラク、あんたは何か、じゃなくて、だれか、なのよ。  あんたはどっちにしても人間なんだからね。」

人は自分とは異なるものに恐怖心や差別意識・・・のようなものを感じやすいものだけど、まして「生霊わたり」な~んていう得体の知れない存在であることが分かっても尚、トラクを傷つけまいとして・・・・ではなく、こんなセリフを吐くことができるレンにちょっと感動してしまいました。  もっとも、今よりも「得体の知れないこと」が多かった時代だからこそ・・・・・なのかもしれませんが。  そして、レン自身も「ワタリガラス族」に所属する普通の人ではなく、「魔導師候補」であるという背景があってこそ・・・・なのかもしれませんが・・・・・。

さて次巻、第3巻のタイトルは「魂食らい」。  目下のところ、トラクと敵対する勢力であり、なおかつこの第2巻でトラクの父と伯父が属していた、これまた得体の知れない人種の総称です。  これは益々楽しみ♪です。

 

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このページは、KiKi (Brunnhilde)が2010年11月24日 22:44に書いたブログ記事です。

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